エネミー・ライン 01年
2019年7/7〜7/11タブレット端末にて執筆し深夜脱稿 7/11お昼投稿 祝リメイク決定(ボロクソ言われそうな気がしますけど) 迷いましたが割込投稿ではなく3の後に並べます どれも違う話ですし(笑)
【 陸海空軍に所属するパイロット達が将校でエリート扱いなのは航空機を操縦する能力だけでなく海で漂流しようが森の中で孤立しようが生き残り味方戦線まで帰ってくる訓練を満了した能力込みで評価されてるんですよね。昔から飛行機乗りが主役の小説やコミックは大好物ですが改めてその事実を思い出す……そんな物語でした。物語のベースとなる99年から始まったコソボ紛争についてはその大半がアメリカによる言い掛かり…実際に虐殺(同化政策に対する報復という説も有る)されていたのはセルビア人を始めとする非アルバニア系住民であり国連が告発したセルビア人による民間人大量虐殺の事実は全て捏造の可能性が高いそうです。 】
★莫大な地下資源巡って大国が支援する民族間或いは宗教間による大虐殺……バルカン半島が平和だったのってオーストリアハンガリー帝国が徹底的に民族運動潰して支配していた頃か、チトーの独裁政治下、秘密警察が暗躍してた時期。そして現在の様に地下資源輸出し収入保たれてる此処十数年ぐらいです。
☆ネタバレになりますがこの作品はあくまでも当時の最新鋭機F/A18Fスーパー・ホーネットの海外向け販売宣伝とロシ……もとい“セルビア人”を悪役に設定した“命懸けの鬼ごっこ”がメインのポンコツ・アクションです。ただでさえややこしいバルカン半島情勢を公正に描いた作品では有りませんのでそっちを期待するのは止めた方が良いかと思います。
原題:BEHIND ENEMY LINES
敵陣後方
アメリカ劇場公開作品.
2002年日本公開.
まず最初に書いときますが近隣諸国に煽られ91年のクロアチア分離独立〜2001年末頃にマケドニア紛争が漸く停戦状態となった陰惨極まるバルカン半島の民族間絶滅戦争については特に思う所は有りません。当時は今程ネット配信やSNSによる整理されていないリアルタイム情報が入って来なくって今思うとかなり米軍誤射に拘り露骨なまでにセルビア寄りだった大手の新聞記事(○日とだけ書いときます)やCNNとかのニュース速報がメイン、後は精々2ちゃんねるの誰が書いたか分からない噂話しか検索出来ない上に発信する側により自己検閲とやらで極力残虐な映像をカットされていたんですよ。よってあの戦いがどれだけ陰惨で酷いものだったかについて私が知ったのは生き延びた人々が綴った数々の体験談やドキュメント映画、そして各地で発見され配信された虐殺遺体の発掘映像や当事者が上官への報告やお遊び感覚で残した記録媒体からになります。
2000年代初頭辺りまではセルビア人が何もかも悪いという事になってましたがアレから20年近く経過し、偵察衛星や無人機でバッチリ撮影されていたクロアチア/ボスニア/アルバニアが隠蔽していた集団虐殺の現場や収容所の存在が情報公開で発覚しただけでなく、殺される8000人以上の民間人を見捨てて逃げた国連軍の情けない史実やNPO或いは国連職員か各国から派遣された兵士達が実行犯と思われる可能性が極めて高い凶悪犯罪が闇に葬られたりドイツやフランスを始めとする一部民間人による“人間狩り体験ツアー”の事例とか知ってしまうと“何の為に戦争なんて阿呆なマネをやらかしたんだか”と呆れてモノが言えなくなります。不発弾処理や地雷除去、行方不明者の捜索はこれ書いてる今現在も続いてますのでこれからさらに年を重ねる度に事実が判明するのかな?まあ天安門事件なんかもそうでしたから歴史ってのはそんなモノではないかなと…そう感じる様になりました。
★この映画有人機による低空での単独偵察…低空飛行は被弾率上がるから訓練以外禁止。安くて安全な無人偵察機メインの時代に100億ドブに捨てません…色々ツッコミ所満載です。最後の主人公ダッシュシーンもアレだけど。
で今作の私のお目当ては当時最新鋭機でコレ以降も中々映画に登場しない極め付きの化物=F/A18Fスーパー・ホーネット(Eは単座型だけど出番無し)で御座います。えっ“インディペンデンスデイ”とかCG多用したSF映画とかに沢山出てるじゃんと御指摘するお客様も多いかと思いますがアレは旧型のF/A18A〜D……外見はそっくりで番号も同じだけどF4Fワイルドキャット⇒F6Fヘルキャット程中身が入れ替わった全く別の機体なのですよ。単純にサイズだけでも約1.5倍大きくなり重量に至っては5〜6トン程増加、元々の試作軽戦闘機F17コブラと比較すると重さだけでも約3倍となり引退したトムキャット程では無いにせよF15イーグルとどっこいどっこいな大型戦闘機になりました。
エンジンも換装しその結果性能はアップしたけど、当初セールス予定だったフランスの原子力空母シャルル・ド・ゴールや最近完成したイギリス空母クィーン・エリザベス&2番艦プリンス・オブ・ウェールズにはメタボ過ぎて搭載不可能(笑)僅か1機で大都市を制圧可能な電子戦闘機のG型も含め現在は日本の自衛隊に支援戦闘機として如何ですか…F35ライトニングⅡ(予定価格125億円)よりゃ安いですよと売り込みかけてる最中のシロモノです。とは言え自衛隊が使ってるF15イーグルとほぼ同額の100億円(E型なら80億円)ですので電子戦闘機としては破格の安さでチャンスは有るかも……実は最近家の上空でちょくちょく見掛けるけどリーマン時代に目撃した時折やって来て低空飛行のアクロバットで迷惑掛けたソレとエンジン音が全く違うから長年疑問だったんだよなぁ(笑)
本編の目玉は本物の機体を使い行われたアクロバット飛行とラストのヘリvs機械化歩兵部隊とT72戦車…後は単なるオマケです(苦笑)
【 映画冒頭に出て来るセルビア軍兵士達による謎の植林活動…元ネタは第2次世界大戦直前〜スターリン政権末期まで度々ナチス・ドイツ軍の偵察機⇒後にアメリカ軍の高々度偵察機により度々ソビエト国内やその占領地で撮影され当時の分析官の頭を悩ませた不可解な光景でした。ソレが何なのか判明したのは80年代後半、シベリアの植林された森で伐採作業中大量に見つかった身元不明な人骨の山と赤外線や各種センサーが発達した高解像度の偵察衛星により判明します。“木を植えたり植えた木を数える仕事と揶揄されるソレ”見られて困るモノは埋めた後植林で誤魔化す……スラブ民族の帝政ロシア時代から続く悪趣味なユーモアは今も昔のままです。 】
★ちなみにクリミア戦争の頃までは狼に処理させた後、粉砕し畑の肥料…ロシアの兵士は畑で穫れる…皇帝が遺した言葉はガチで御座います。カティンの森=植林された場所で見つかったポーランド士官の虐殺遺体は当初ドイツ軍が犯人とされ無実の罪で多数が処刑されました。
☆年代設定は不明、空母についてもカール・ビンソンと2003年に退役したコンステレーション(発艦作業や館内映像はそっち)してますので此処ではコソボ紛争直後2001年年末設定で進めます。
12月末、アドリアの空と海を自由に駆け巡りちょっとしたスリルが有る仕事だと思われた海軍航空隊航空士の雁字搦めな現実に失望し酒場やリゾートビーチで度重なる喧嘩騒ぎによる譴責処分を受ける様になっていた主人公“クリス・バーネット大尉”は艦隊勤務を終え本国帰還の直前に上層部へ当て付け蒲しい辞職願いを出しで第5航空団“レスリー・レイガート司令”の怒りを買う事となった。相棒で操縦士の“スタックハウス大尉”と共に偵察衛星が感知した不可解な映像を確認する為、クリスマス・パーティーの最中ボスニア・セルビアの国境地帯へ向かう…ちなみに彼等の冒頭会話シーンで出てきたジョン・デンバーとは飛行機と合気道を愛するポストみたいな口(拳が入るぐらいデカイ)したカントリー歌手。97年に愛機でアクロバット飛行中事故死。代表曲“故郷へ帰りたい”はこの映画で主人公が辿る道行きそのまんまです…2019年今製作してるらしいリメイク版で使われるかどうかは知りません。
命令した方も従った方も最早バルカン半島の情勢が安定している以上、危険とは程遠い任務と思われたソレは、未だ帰趨が定まっていない町ハッチの支配権を奪還するために和平条約に違反し機械化歩兵部隊を展開していたセルビア共和国軍“ミロスラヴ・ロッカ司令”配下の一部作戦チームを偶然カメラに捉えた事で予想外の展開に追い込まれる。汚れ仕事が公のモノとなるのを嫌ったアディダスのジャージを愛用する元オリンピック選手“サシャ”の判断で発射された対空ミサイルと主人公達が操るF/A18Fのチェイスは低高度での退避行動に固執した操縦士の判断ミスにより彼等の敗北に終わり、パラシュート降下の途中飛び散った破片により右脚を負傷したスタックハウスは捕虜となるが無造作に銃を奪い取ったジャージ男に処刑された。
捕まれば殺される…当たらない狙撃銃片手にバーネットを追い掛ける“ジャージ男”の追跡にイケメン副官“ヴィクトル・バズダ大佐”率いる機械化歩兵部隊&戦車・装甲車との命懸けの鬼ごっこが始まった。無線にて事の次第の報告を受けた“レイガート司令”は直ちに現地への救難ヘリ&海兵隊レスキューチームの派遣を命令するがセルビア軍相手に事を荒立てたくないNATO軍指揮官=ピケ提督の妨害に合い即座の救出を断念。15km以上離れた集結地点に向かう様指示され必死に逃げ惑う主人公は植林作業が行われていた森へと迷い込み泥濘に転がる無数の民間人遺体の下に潜り込み身を潜める事で追跡を逃れる。何故彼等から命を狙われるのか……それは主人公達が撮影したカメラに映されたボスニア市民の処刑映像だった。
もっとも自分のミスで友人を見殺しにし尚かつ執拗な追跡から逃げ回るのに無我夢中だった…“脳味噌がベン・アフレック並みなバーネット”がその事を思い出したのはそれから2日後ハッチの町でボスニア民兵に問い詰められてからの事で有る。にしても4日間ほぼ飲まず食わず睡眠も殆ど取れず逃げ回りアレだけ撃たれてクライマックスの戦闘まで掠り傷一つ無いこの物語の主人公…人外にも程が有る(汗)コカインでも投入されてたのかな?突っ込み所しか存在しないスキージャンプ台跡地での当たらない狙撃や昭和に撮影された香港の戦争アクション映画みたいなレンガ工場にこれみよがしに仕掛けられたSマイン=対人地雷をダッシュで突破については省略します(笑)
おためごかしな綺麗事をのたまい、高々アメリカ兵1人&セルビア人に皆殺しにされるであろう民間人の命より国連軍参加将兵の身の安全と年末年始のホリディ休暇を優先。最新鋭F/A18Fスーパー・ホーネットがセルビア軍に撃墜された事実もパイロットの1人が殺されもう1人が生死の境を彷徨う事実すら隠蔽に走る合衆国軍上層部&NATO軍首脳陣に漸く愛想を尽かしたレイガート司令&副官を務めるトム・オマーリ特務曹長によりリークされ、政治的妥協により空母カール・ビンソンの同乗取材が許された反軍事介入を公言するスカイニュース(多分モデルはCNN)のネット放送により逃げ回り続ける主人公の存在は漸く明らかにされるが、慌てたNATO軍は改めてピケ提督自らが再訪問しレイガートとトム等を半ば軟禁。救出作戦はNATOフランス軍主導で行われることになる。
親切なNATO軍幹部から逃げ回る主人公が今何処に居るのか…ロッカ司令経由で連絡受けたバズダ大佐は部下を率いボスニア民兵が尚も抵抗を続けるハッチの町へ、夕方迄無線封止で何も知らないバーネットは半ば寝落ちしかけた所を幻聴に救われアイス・キューブとヒップホップを愛するボスニア民兵ハビック等が乗り込む車に乗せてもらい一路救出ポイントに向かうが其処へ突入して来たセルビア軍機械化歩兵部隊の襲撃受けて民兵やNATOの無責任振りに憎悪を剥き出しにする避難民諸共戦車砲で木っ端微塵に……壊れた無線機を握りしめる頭が潰れたアメリカ海軍航空隊の軍服姿の遺体を発見したバズダ大佐経由で“救出作戦は予定通り失敗に終わり”現場へ急ぐ救出部隊のヘリにはピケ提督自ら無線連絡が入り作戦中止。呆然とするレイガートを始めとするカール・ビンソン乗組員に形だけのお悔やみ述べたピケ提督とその取り巻きは喜々としてヘリに乗り込み本国へと戻ってゆく。
☆すいません当時の資料色々読んでるとクリントン政権における合衆国首脳陣&NATO軍の裏切り行為目白押しでちょっと吐き気が…映画本編より悪意にまみれてます。
大尉の遺体は救出に向かったセルビア軍の奮闘も虚しくボスニア民兵かコソボのアルバニア人=イスラム民兵により殺害された状態で発見されたとスカイニュースで報道されるが勿論主人公は生きていた。遺体確認のために飛び込んで来た阿呆を瓦礫で仕留めボスニア民兵や避難民からNATO軍司令部による妨害工作の事実を知らされた彼は軍服を取替えバラクラバ帽…要するに目鼻口だけが露出する黒マスク=本人&家族への報復を恐れる汚れ仕事専門のセルビア軍兵士等が愛用していた…を被りまんまと包囲網を脱出。バーネットは自らが狙われる本当の理由⇒射出座席から回収しそこねた偵察カメラのデータと空母と直接連絡が取れる…但し敵にも居場所がバレる救助ビーコン手動発信により一か八かの賭けに出た。
大尉の遺体とやらに刻まれた左手の入れ墨=ボスニア民兵が管理する捕虜収容所にぶち込まれたセルビア兵に架せられた罪の印を見つけ出したジャージ男はヘマをやらかしたバズダ大佐と共に突如手動発信が始まったビーコン=主人公を射殺し記録媒体を奪うために森を突破しようとしたが其処はボスニア民兵により対人地雷が山の様に仕掛られた罠のど真ん中……うっかり踏んづけたバズダ大佐は効を焦るジャージ男に呆気なく見離され独り取り残される。物語の前半、主人公達がパラシュートにぶら下がった状態で目撃した“砲撃で頭の半分と羽が醜く欠けた天使象=皮肉にもソレは主人公達が乗り組んでいたF/A18戦闘機のコールサインと同じ光りの大天使”
射出座席から見える標的の手袋から主人公が座席を盾に待ち伏せていると確信し後を追う機械化歩兵部隊&戦車隊の到着を待ちつつ狙撃準備を進めるジャージ男の計画が台無しとなったのは、ビーコンを受信しNATO司令部や軍上層部への作戦伺いをボイコットしスタックハウスとバーネットの友人=海兵隊救助チーム分隊指揮官の“ロッドウェイ軍曹”をリーダーとする志願兵&レイガート司令官自らが操縦するガンシップ(ヘリ)の羽音。狙撃を諦め慌てて駆け付けたジャージ男はまんまと罠に掛かり心臓に照明弾を突き立てられる。ロッカ司令自ら率いる機械化歩兵部隊と戦車隊はタイミング良く現れたガンシップ部隊により半壊し記録媒体と主人公を回収したヘリにまんまと逃げられたお間抜け様は嘆きの悲鳴を上げた。
バーネット大尉の生還はスカイニュースにより全世界に伝えられ同時にレイガート司令によりリークされた“ボスニア民間人虐殺映像”によりセルビア軍ロッカ司令の名誉は地に落ちた。面子を潰されたNATO司令部&海軍上層部はレイガート司令を左遷に追い込もうと画策するが彼はいち早く辞表を提出……陰謀を企んだ全ての勢力はマスコミにより晒し物となった。大尉はヘリ救出直後色々迷ったものの辞表を撤回…航空士としての人生を選ぶ。
ついでにビデオスルーとなった4も見ましたが……面白かったけど“暗殺拳=シナンジュ継承者”か覚醒モードのユニコーンガンダム並に敵の弾が当たらない主人公(笑)と2を超える馬鹿な脚本が本当に酷い…どう纏めるのさコレ。




