表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
846/1233

ヒア・アフター 10年

2019年6/11〜6/13タブレット端末にて執筆し夕方脱稿 6/15深夜投稿

【 南の島で津波に襲われ臨死体験し今迄の価値観が色々壊れたフランス人女性ジャーナリストと、霊能者としの能力に振り回されやる事成す事全て空回りし不幸のどん底にいるアメリカ人男性、そして貧困の中で麻薬中毒の母の社会復帰を共に助けようとした双子の兄を失い精神的に追い詰められた孤独なイギリス人少年によるパリ/サンフランシスコ/ロンドン…3つの都市を舞台にした三都物語……どうもディケンズの二都物語にインスパイアされた内容なんだけど三都物語ってまんま船戸与一の小説じゃねーかという突っ込みは無しでお願いします。 】


★ちなみに私は迂闊にも二都物語ってどんな話だよとウィキペディア読んでしまい訳の分からぬというか辻褄合わせが滅茶苦茶超展開な内容に悶絶しました。尚三都物語はストーリーが微妙に似てますが…突っ込んだら負けですねきっと…(-_-)


原題:HERE AFTER

今後は或いはコレからは….

アメリカ劇場公開作品.但しカナダで先行公開.

日本では2011年2/19公開〜東北大震災で上映打ち切り.

綺麗事喚き立てた馬鹿のせいで全国一斉にフィルム止められました。



 まずは最初に書いときますが私は残念ながらディケンズ作品を最初から最後までまともに読んだ経験御座いません。つーか高校入った頃からバイトと押し寄せる課題提出に追い込まれ平均睡眠時間…下手するとその合間にラノベ読んだりアニメ見る為に思いっ切り削ってましたし…今更ながら早死に必至な生活送ってたよなぁと身震いする程度には過酷でした。就職してからは尚更だったんだよ…CM撮影とか映画やドラマロケの立ち合いで家に帰るのは深夜が当たり前。しかも給料は軒並み税金と保険料で差っ引かれて下手な高校生のアルバイトよりも安かったから固定資産税払う為だけに掛け持ちバイトで週末は深夜勤務に付いてた訳だしね。


そもそも船戸与一作品だって初期の“砂のクロニクル”しか読んだ事無いしストーリーを説明出来るかと聞かれると登場人物の名前全然覚えて無いから覚束ない限りです。まあクルド人の悲劇はコレと安彦良和の“クルドの星”で頭に叩き込みましたけど肝心要のストーリーがごっちゃになってんのな…まあ何にせよディケンズ作品は取り敢えず映画見て気に入ったら小説読みますからという事で勘弁して下さいな……案外二都物語は嵌りそうな気がします。取り敢えずは宝塚からかな?


 今回紹介するこの物語…割と硬派なテーマが多いクリント・イーストウッド監督作品にしては珍しくオカルト或いはスピリチュアルで良いのかな? まあそんな作品で御座います。なにせマット・デイモン演じる主人公=ジョージ・ロネガンは幼少期の医療ミスが原因で手を握った相手に関わる死者の霊や言葉が聞こえるらしい異能者という設定でして、草臥れた中年女(ヒロイン)のマリー・ルレに至っては南の観光地(モデルつーかハワイロケです)で津波に呑まれ後頭部に瓦礫直撃した際一度即死…偶然通りかかった漁師達の人工呼吸と蘇生措置で運良く命を繋ぐ直前に死後の世界?を目撃し其れに捕らわれてしまった厄介さん。ついでに一々神経を逆撫でする様な発言やらかし主人公のストーキングやらかす子供(マーカス)に至っては典型的な虐められっ子で……なんかもう小学生時代の嫌な自分を見ているみたいで正直嫌悪感が……ねぇ。


一応其れなりに生死の堺を彷徨う体験してるし学生時代からリーマン時代も得体の知れない現象を目撃してますので割りかし霊感は有る方だと思いますが、私実はアレを死者の魂だと思った事は有りません。明らかに徹夜続きで幻覚と現実の堺が曖昧な状態で目撃したりしてますし映像や音声等の客観的に体験出来るデータなんて以前書いた心霊写真?程度しか有りませんしね。 私的なトラブル解決する為に霊能者としか書きようの無い人物とは何人か会った経験有りますけど彼等の其れはどちらかと言うと欠落した情報を無自覚のまま会話の断片や現場の環境から再構成し、本人だけに見える映像(げんそう)又は聞こえる音声(げんちょう)で処理し分析して見せるそんな能力でした。実際事故や事件で命を失った混乱状態のソレとまともに対話が成立する可能性はほぼ皆無だと思います…まあコレはあくまでも私見では有りますがね。


まあ架空(フィクション)の物語で死後の世界が云々なんて書き綴るのもアレなんで監督の方針同様“信じる信じないは別としてそんな存在や能力に振り回される者が居る”って事実を見せる程度でサラッと流すのが妥当かと思います。ではあらすじに移ります…この映画20代の頃観たなら退屈でタルいって流してたかもです。



【 まずは注意事項を…この映画冒頭部分、ハワイのシーンでやたらリアルな津波描写が有ります。逃げ回る人々が溺死するよりも先に押し流された車や建物等の瓦礫で押し潰され亡くなるシーンが本当に容赦なくリアルに描かれてますのであの時のトラウマが抜けないお客様は覚悟の上で視聴下さい。但しこの場面本編とはあんまり関係なかったりします。ちょっとアレな話ですがどうして冒頭シーンを津波にしたのか?……何故か描かないといけないと言う不可解な焦燥感を監督&脚本家共に抱いたそうですが真相は分からないと書いときます。 】


“死は誰にでも平等にゆっくりと或いは不意討ちの様に襲い掛かって来るモノだ。 ソレに何らかの意味を見出そうとするのは人間だけなのかも知れない。”


●パリ:テレビキャスター マリー・ルレ


 彼女が死後の世界?を見てしまったのは妻子の居るディレクター=ディエディエに誘われて南の島のリゾートホテルでロマンスを楽しんだ翌朝の事。愛人の子供のプレゼントを探す為、独りホテルを出て土産物屋を冷やかしていた彼女は突然襲い掛かった巨大津波に呑まれ他の多くの人々同様命を失う筈だった…偶々通りすがりの人々に助け出され蘇生措置により運良く息をふきかえした“マリー”の価値観は一変する。あの島だけでも数十万人が命を落としているのに何も出来ないままパリに戻った私がやっているのは聞いてるだけでもウンザリする無責任で無意味な独りよがりな社会正義の追求。


何もかも馬鹿馬鹿しく感じる様になった彼女の反応に危機感を抱いたディレクターの判断で番組司会を降板させられ、後を引き継いだ若手キャスターに人気も恋人すらも何もかも奪われる形となったマリーは悩んだ末に執筆活動を開始。それ迄の取材スタイルを一変させスピリチュアルな体験談を書き上げるもオカルトじみた話に嫌悪感を抱いた出版社には軒並み断わられ、元愛人の伝手で紹介して貰ったイギリスの出版社へ作品を持込む。彼女の美貌に商機を見い出した編集者に懇願される形で生まれて初めての出版イベントに参加…自身の本を朗読し購入者へのサインを行っていた彼女は偶然にも以前から一度会ってみたいと思っていた霊能者“ジョージ・ロネガン”とロンドンで出逢う事になる。


●ロンドン:双子の片割れ マーカス


 ヘロインに手を出し依存する様になった自堕落だけど優しい母ジャッキーの身を案ずる双子の兄弟=しっかり者の(ジェイソン)と彼にベッタリな(マーカス) お小遣いを貯金し誕生日にプレゼントを送る事で立ち直る決心を固めた母の治療薬を買いに出掛けた(ジェイソン)は薬物中毒のチンピラ達に襲われ逃げる途中で下町を暴走する無責任なドライバーにより命を落とした。遺灰(モノ)になってしまった兄の死を受け入れられずケースワーカーにより無理やり引き離された親子……失意の母は療養施設へ強制入院となりマーカスは独り親切を押し売りする様な里親に引き取られた。


母を上から目線で駄目人間と認定するケースワーカーや無愛想な自分に親切にしてくれる里親に特に思う所も無いしどちらかと言うと感謝もしているが殺された兄や息子を奪われた悲しみと薬物の後遺症に苦しむ母を忘れて自分だけが幸せな人生送りなさいと言われても違和感が残る。里親に懇願し死んだ兄が眠る為のベッドを部屋に置き、愛用していた野球帽を片時も離さないマーカスが興味を抱き始めたのは死者と会話しメッセージを届けてくれる霊能者の存在……だが実際に会ってみたその大半は口先だけの詐欺師ばかりだった。いい加減オカルトに傾倒するのは止めよう…そう考えた矢先、何故か帽子を飛ばされ乗りそこねた地下鉄の電車は爆弾テロにより火達磨となる。


もしかしたら(ジェイソン)は何時も僕の側にいるのかも?だとしたらこれからどう生きたら良いのか話してみたい…彼が一縷の望みを掛けたのは本物だと絶賛される霊能者“ジョージ・ロネガン”だった。


●サンフランシスコ:元霊能者 ジョージ・ロネガン


☆ちなみに主人公が暮らすアパート…あのマックイーン主演作品・ブリットが住んでたとこです。


 幼少期に瀕死の重症を負い手術時のミスにより一度死んだ(ジョージ)が手に入れた能力は触れた相手が関わる死者との共感反応。幼い頃は実験動物の様に取り扱われ狂人扱いされた経験を重ねた彼にとってその能力(ちから)は忌避すべき呪いでも有った。本質的に博愛主義でお人好しな(ビリー)が連れてきた顧客から口コミで広がる評判により有象無象の人々が押し寄せるが其処に居ない存在とのコミニュケーションは神経を擦り減らしなまじ嘘が付けない性分だから社会生活にも色々支障を来していたのだ。そんな彼の唯一の癒やしは老アナウンサー・ジャコビーが朗読するディケンズ作品の物語達だった。


一度は霊視を辞め例え給与が安くともと働きに出るも、勤務先の港湾施設での倉庫仕事は3年間皆勤賞だったにも関わらず折からの不況と独身を理由に早期退職(リストラ)を勧められ、異性との出逢いを求め入った料理教室でピッツバーグから此処へやって来たメラニーという女性と良い仲になりかけるも、霊視を求め留守電残した顧客のメッセージを切っ掛けに彼女が隠していた亡き父親による性的虐待の過去まで読み取ってしまい関係は破綻。開き直り兄に言われるがまま霊能者として復帰を考える様になった自分が嫌になったジョージは気分転換を兼ねサンフランシスコを離れ海を越えてロンドンへ……ディケンズの史跡を回るツアーに参加していた彼は偶々記念館で告知されていたジャコビーによる朗読イベント&サイン入りCD販売に参加する為嬉々として書店を訪れた。


子供の様に無邪気な表情で朗読イベントを堪能しホクホク顔でサイン入りCDを購入……尊敬していたジャコビーに声まで掛けて貰った主人公(ジョージ)は隣の販売フロアで始まっていた美しい女性=マリーの神秘体験読み聞かせイベントに興味を抱き自信なさげな彼女の本を購入、偶々彼女の手に触れた事でそれが全て実体験だと気付いてしまう。何とか再び彼女と会って話をしてみたい…そんな(ジョージ)を無作法にもいきなり霊能者呼ばわりし付き纏う少年マーカスに得体の知れない気持ち悪さを感じたジョージは本屋から逃げ出しホテルに立て籠もるが警備員に追い出されたマーカスは夜を迎えたダウンタウンの道から決して離れようとしなかった……遂に根負けした主人公は秘密を守る事を条件にマーカスを霊視。独り立ちの覚悟が出来ないでいる泣き虫に(ジェイソン)に代わって活を入れる事になる。


里親を振り切って此処へやって来たマーカスを家に送り届けた主人公は、今もある意味彼と共に居る(ジェイソン)から電話を通し話しかけられ御礼にとマリーが滞在するホテルを教えて貰い駆け付けるがギリギリで思い留まり……まあアレです。1度会話しただけの相手に霊が教えてくれたと押し掛けたら単なる危ない奴だよな流石にね(苦笑)……彼女に長い長い手紙を書いた。その数日後、里親やケースワーカーと一緒に(ジャッキー)が入院する治療院を訪れたマーカスは久し振りに再会した母を抱き締め、カフェテリアでアリーと待ち合わせる主人公が抱いた幻視と実際の再会シーンを映し出し物語は大団円を迎える。


全てが上手く行ったのか?

結論を出すのは映画を見ていたアナタに委ねます。





ついでに第23話 夜は千の目を持つ 45年 も改稿致しました。


2020年8/20追記:所で何故主人公の1人の住まいがサンフランシスコのあのアパートだったのか マックイーンはクリント・イーストウッドにとって恩師みたいな存在 共にテレビから映画へ進出⇒テレビ俳優使いたがらない権威主義(リラベル)なスタッフとかプロデューサーに散々煮え湯飲まされた戦友みたいな関係で彼が出演断念した "ガントレット" の代役引き受けたそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ