邪魅の雫 前編 06年
2019年5/24〜5/26タブレット端末にて執筆し脱稿 5/26午後14時投稿
取り敢えず頭の整理が追い付かない為、前後に分けます 結構間が空きましたしね。後半はこれから執筆です。
【 僅か1滴、狙った相手の皮膚に垂らすだけで致命傷に至らせしむ存在しない筈の特殊な青酸化合物“邪魅の雫” 思い付きで人が殺せる危険な毒物に魅入られた人々が巻き起こす連鎖殺人の顛末は? 実質“百鬼夜行”シリーズ最終作ですがお昼に再放送されてるサスペンス劇場か科捜研の女みたいなノリで、もう何処にも逃げ場が無い行き止まりの加害者であり被害者でも有る駄目人間達(ちなみにモデルは西尾維新等の同僚&後輩ライバル作家と恨み骨髄な元担当カリスマ編集者)の歪んだ心理描写が中心となっている為に終始陰鬱な雰囲気が漂い……救いも笑いも妖怪要素も皆無な物語でした。なんつーかアレです、毒殺って犯罪を真面目に書いたら陰湿な印象しか残らないのな。 】
★それは迷走した物語。支離滅裂な展開を見せる事件の辻褄合わせをするかの様に登場する憑物落としと扇動者(笑)慌てるナントカは貰いが少ないを文章化した様なモノで御座います。
京極夏彦 著.
講談社ノベルスで2006年出版.
文庫化は2009年.
出版トラブル等.色々有って増刷予定無し(2019年時点).
当初は角川で…って話も有りましたがどうなるかは未定.
2019年.令和に入ってそろそろ1ヶ月…梅雨だ虫さん大量侵入だと色々騒いでましたが何故かいきなり雲ひとつ無い青空がそろそろ目に厳しいです。幸いにも本州と違い風が吹きまくりだから湿気と暑さでダブルダウンなんて事態にこそなっちゃいませんがやっぱり直射日光による肌のダメージは去年一昨年よりはキツイんですよね…家の作物でヘタレもせず元気なのは柑橘類だけとなりました。前回“エンド・オブ・キングダム”書き終わった段階であまりのツッコミ所の多さに疲労困憊してから何をやってたのかと言いますと気分転換兼ねて“みーまー11巻の感想書き直しながら”古本屋やネット通販…入手可能な書籍に関しては那覇で本屋巡りを満喫させて頂きました……雨が降らないと私の行動範囲はかなり無茶苦茶です。ついでに財布も厳しくなるから控えたいのですがね。
今回取り上げるのは絶版扱いで入手&購読を諦めていた新書版の“百鬼夜行シリーズ9番目の物語” 古本屋で1冊100円(税別)ととんでもない安い価格で売られてましてお買い得だけど平均ページ数900近いレンガみたいな小説を、5冊纏め買いしても目茶苦茶荷物になるから今日は5冊、残りは明日購入しようと出直したら完売しておりちょっとだけ落ち込む事になりました。まあ再読したい物語と未読だったコレは手に入りましたから痛し痒しではあります……とまあそんな理由で先ずは出版時はラノベに嵌って(具体的には周防ツカサの“ユメ視る猫とカノジョの行方”とか竹宮ゆゆ子の“とらドラ!”とかね)目もくれなかったこの物語から読破したので感想を纏めたいと思います。いやだって陰気臭いマダオばかり出て来る物語よりゃ可愛い女の子出てくるし値段安いしバラエティに飛んでたしね あの頃は憑物落としよりゃ恋愛譚や異世界コミニュケーションをテーマにした物語を楽しみにしており…3つに増えた本棚は既に限界超えてたからレンガ積みは無理でした。
でまあ読んでみた感想は小見出しに書いた通りで御座います。つーか今作の物語の元ネタとなった“帝銀事件の闇(毒殺&強盗殺人事件に対してGHQが捜査に介入⇒毒の正体や入手経路が不明にされた。そもそも主犯がデッチ上げの可能性がかなり高い)”や戦後永らく犯罪捜査を迷走させた悪法を骨抜きにする為の警察法改正の長い道程(簡単に説明すると捜査の縄張り争いとかキャリアvsノンキャリアなんて下らない構造……実は今も改正中、アメリカではコレで殺人や強盗等の検挙率がガタ落ちしてる)なんてあの時代生きてた世代でも無い限り何が何だか訳が分からないと思います(笑)実際こっちも感想纏めるにあたってネットや書籍引っ張り出さないと理解出来なかったしね。
日本国憲法の9条だけでなく民法や刑法等々発布されてかれこれ80年近く…発布当初からストーカー対策法の不備も含めてそもそもそっち系の理想主義者が都合の良いローカルルールを無理やり押し付けてそのままになってるからその殆どは時代にそぐわない或いは現実に対応しきれていない穴だらけとなっている訳です…その史実におけるミスを陰鬱に再現してるから爽快感は皆無。かと言って今回に限り作者のテンションが変な方向に空回り気味で快刀乱麻に気に入らない馬鹿を次々と愉快に殴り飛ばす“榎木津礼二郎”の出番は殆ど無いし“木場修太郎”に至っては出落ちキャラ、かと言って“京極堂=中禅寺秋彦”は今回に限り単なるカウンセラーと化しちゃってるから読後感がねぇ…………なんか得体の知れない身体に悪そうな変な物食わされた様な気分になるんだよ。
フィクションとは言えこの物語に出て来る周囲に目撃者が多数存在する中で特定人物のみを害する事が可能な毒物開発についてはロシアや特亜、特に南北朝鮮半島が色々やらかしており、私がこの物語読んで連鎖反応的に思い出したのは2017年.マレーシア・クアラルンプール国際空港で使い捨ての外国人女性を使って行なわれた金正男暗殺事件でした。“邪魅の雫”と違い使い方を誤れば実行犯だけでなく多数の一般市民を巻き添えにする可能性が高い毒物散布……物語の中では大陸〜半島に造られた陸軍秘密研究所で開発が断念された云々となってますが、見かねた同僚の告発により最終的に与党を追放された(具体的に名前上げられますが此処では控えます。とっくの昔に地獄へ引き立てられてった筈だしね。)闇に関わり私腹肥やした元軍人とか厚生省役員上がりの政治家って昭和末期辺りまで自民党に居座っていましたし…まあそんな魑魅魍魎が残した負の遺産とも言えるのが北朝鮮の麻薬工場と拉致事件の捜査妨害に日韓議員連盟だったりする訳です。
未だに動揺したまんまで支離滅裂な纏めになりましたがこれ以上整理しても上手く纏められそうにもないので後日書き直す事を前提にストーリーを纏めてみようと思います。あと今回買い込んだ“百鬼夜行シリーズ”のその他の作品についてはもう一度物語を堪能してから割り込み投稿の形で作品を紹介してゆく予定です…ではあらすじに移ります。昭和28年=1953年の秋…事件そのものはずっと前から始まっていましたが関口巽が事件に関わる様になったのは陰摩羅鬼の瑕から僅か1週間後の事でした…そして最初の警察法改正が国会で承認(強行採決)される前のエピソード。
【 貴方は世界を動かせる程立派な人物でも得体の知れない恐ろしい犯罪者という訳でも無いのだよ ただ己1人如きでは制御出来ないこの大磯の海岸の様な荒波が絶えず押し寄せる世界の中で何かに突き動かされ人を殺めてしまった小さな砂粒の1つでしか無いのだと彼は悲しげに呟く 結局の所私も彼女も勘違いし驕り高ぶった間抜けな存在でしか無かったのだ さながらソレは蜃気楼に騙され舟から飛び降り何もかも喪った遭難者の様な 異論反論はお有りでしょうが今回は狭い箱庭を世界の全てだと勘違いしてしまった人々の迷走譚を描いたのかなと感じました。 】
代議士の父をパトロンに持ちそれ也に評価されて来たが結核に感染し永らく箱庭の様な世界で生きてきた風景画家“西田新造”が30半ばにして初めて恋心の様なモノを抱いた相手は画商“原田美咲”に人物画を描いて欲しいと懇願され紹介された女性“宇津木実菜”だった。華族の御曹司との良縁を破断に追い込まれ尚も付き纏う不気味な男“大鷹篤志”から逃れる様に実家を独り離れ、原田が手配したとある宿に潜伏しているのだと聞かされた彼女の境遇に同情した彼は一縷の望みを賭け元学友で有り“武蔵野バラバラ殺人事件”解決時の不手際を理由に神奈川県警へ左遷された“石井寛爾警部”に付き纏いを止めさせる逮捕等の法的手段は取れないのかと相談するが、具体的な犯罪行為を起こさない限り拘束は難しいのだと悲しげにに宥められる。
昭和28年、東京都江戸川では不可解な連続毒殺事件が始まっていた。最初の犠牲者となったのは倒産寸前で黒い噂の絶えない宮川商事のアル中社員“澤井健一” 次の犠牲者が見付かったのは神奈川県の大磯海岸で“来宮小百合”という少女。 解剖の結果、死因は毒殺だと判明したものの外傷も内臓の炎症も見つからずどうやって犠牲者達は毒を盛られ命を落としたのか?致命傷となった毒の正体も含め皆目見当が付かない。捜査員の心をよぎったのはGHQの介入により何も分からないまま犯人が決められ捜査が強制終了に追い込まれた“帝銀事件の悪夢” 最初に殺害された澤井が戦時中大陸で“関東軍防疫給水部隊=731部隊”に配属されていた事実が判明し警視庁公安部から“郷島刑事、刑事部からは北林捜査一課長とその部下達が派遣される穏やかじゃ無い状況下、再び東京都江戸川のアパートで3人目の犠牲者“真壁恵”が発見される…しかも彼女は賃貸契約の際現れた女性とは明らかに違うのだと言う。
偶々最初の犠牲者発見に関わり、パトロール警官として江戸川へ左遷中とはいえ数々の難事件の解決に関わった“青木文蔵”は小松川署のベテラン刑事=藤村やその同僚達、同じく“塗仏の宴事件”で減俸降格され麻布署に左遷中の先輩“木場修太郎”に背中を押される形で半ば連絡係&遊撃隊の形で事件に関わる事となった。未だ身元が判明しない真壁恵と交流が有り澤井健一に脅迫されていると相談を受けていたらしい有力容疑者で暴力団員“赤木大輔”や真壁恵に懸想しており彼女の死体を発見したらしい愚鈍な酒屋の住み込み店員“江藤徹也”が行方を眩ませる等、混乱が続く捜査の手掛かりを求め“青木”は旧軍の暗部に伝手が有る京極堂を訪ねる。
同じ頃、色々有って薔薇十字探偵事務所の見習い探偵を続ける元神奈川県警刑事の“益田龍一”は雇い主“榎木津礼二郎”に恩着せがましく縁談を持ち込む探偵の親族“今出川欣一”が持ち込もうとした見合い相手が3件全て次々と辞退を続けている不可解な事実……中には相手の親族が急死した例…来宮小百合の事案も有るのだと泣き付かれ、半ば脅されるかの様に調査を始める事に 勿論全てをブチ壊し兼ねない榎木津には内緒で有る(泣) 榎木津財閥を敵に回して得をする人間って居るのか?よしんばそもそもあの社会生活不適合な探偵に懸想し縁談をぶち壊す異性なんて存在するのか…もしそんなのが居たら僕今度こそ人生終わりじゃね?当初は調査対象がアレだとは言え平和理に進むと思われた縁談辞退した家庭の素行調査は予想外の展開を見せ始めた。
姿を消した“宇津木実菜”と“福山幸子”そして“来宮秀美”に対する強姦被害の噂に毒殺されたらしい澤井健一による執拗な脅迫とストーカー行為の事実…果ては神奈川県警のみならず警視庁に公安部から派遣されて来たらしい曰く付きの捜査官達の不可解な動きと犠牲者の1人秀美の妹である“来宮小百合”が連続殺人の犠牲者となっている高い可能性…進まぬ調査と不穏な状況に悩み抜いた益田は眩暈坂の古本屋主人京極堂=中禅寺秋彦に一縷の望みを託す事を決意する。
例によって慢性的に鬱が芸風と化した小説家=“関口巽”が無責任な評論家の飛ばし記事読んで塞ぎの虫に取り憑かれ、憑物落としとは名ばかりの駄目出し反省会と化していた奥座敷に入り込んだ益田の荒唐無稽な相談で時ならぬパニックに陥る描写を挟みつつ…学生時代の榎木津のモテ振りとその恋愛不能振りを身近で見てきた京極堂や関口によると探偵には実は大陸へ徴兵される直前まで交流が有り結婚まで考えていた相手は1人だけ居たらしいと聞かされ予想外の収穫が有った益田君は悲鳴を上げる事になるのだが……まあ色々有って精神的リハビリと気分転換が必要な小説家と益田はコンビを組み調査を始める事になる。
強姦され傷物にされた噂が流れている“来宮秀美”と“福山幸子”は“宇津木実菜”同様に見合いを断り秀美は1月以降で幸子は3月より、実菜は6月以降姿を見ないのだと言う……そして大磯で変死体が見つかり神奈川県警.警察庁本部.警視庁公安部による合同捜査の対象となっているのが妹“来宮小百合”…そもそも未成年の彼女が何故神奈川で殺されたのか、彼女達が共に通い詰めていた乗馬倶楽部で手掛かりらしき物を掴んだ2人は一路神奈川県大磯へと向かう。だが元刑事のカンで榎木津と相思相愛だったらしい“神崎宏美”の写真を京極堂から預かり来宮姉妹が通う乗馬倶楽部の調教師…実は彼女達に付き纏う薄気味悪いストーカー男の姿を目撃したらしい“神崎礼子”と偶然にも行き違いとなってしまった益田は何故か致命的な失敗を犯してしまったという気分に苛まれていた。
…とまあ長い話になりますので前半は此処で繰り上げます。小説本編では何処までも奥手な世間知らずの画家“西田新造”の片思いの変遷や何処までも果てしなく気持ち悪い酒屋店員“江藤徹也”が真壁恵に抱く淫らな欲情と失望、“陰摩羅鬼の瑕”事件で実は片思い相手だった奥貫薫子が殺された事が原因で精神錯乱となり事件捜査を放棄し行方を眩ませた元長野県警刑事“大鷹篤志”の壊れまくりな心象風景とストーカーとなった経緯が入りますが……なんかもう色々真っ暗闇な描写になりますので自重しました。陰鬱な気分を味わいたいなら本編購入し読んで見てねと書いときます。




