悪魔が来りて笛を吹く/西田敏行 版 79年
2019年4/7〜4/9タブレット端末にて執筆し脱稿 4/9 14:00投稿
【 金田一耕助=石坂浩二か古谷一行のイメージが有ったから落差が有りまくりで中々手が出なかった物語。子供の頃に母方の叔父や曾祖母が書棚に愛蔵してた角川文庫版はコミカライズ版同様にお盆や正月に遊びに行く度に少しずつ読んだ…親父共は宴会に突入するから子供は兎に角暇だった…経験有りますが、登場人物のかなり入り組んだややこしい関係と近親相姦が何故駄目なのか?そもそも当時小学校低学年だった私の場合、肉体関係の意味が解らなかったんで挫折した記憶が有ります。まあ有る意味18禁作品(笑)ですよねこの物語。 】
★まあアレです…子供作るってどうやって?なお子様と家=名誉だった旧家のプライドや何処からどう見ても西洋のバッタもんだった華族の歴史とやらに興味抱けない外国人には理解不能な物語なのかも知れません。
日本劇場公開作品.
原作は雑誌“宝石”にて1951年〜53年にかけ連載後、1954年書籍化.
角川文庫向けに再編集し1973年に文庫化.
1979年の映画化の際に八つ墓村同様に影村譲也によりコミカライズ
2006年に6ページ増量で復刊…ついでに影丸穣也に改名し雑誌サスペリアで金田一シリーズ描いてましたが2012年に膵臓癌で亡くなりました。
それ以降も5回程のテレビドラマ化や多数のコミカライズに舞台劇、ラジオドラマ化もされています。
“八つ墓村”をネタにするならせっかくだから何故かテレビ放映されたのを見た事が無い(もしかしたら私の勘違いかも知れませんが…指摘頂けたら喜んで訂正致します。)西田敏行のオジサンが金田一耕助演じた東宝映画版を見てみたいと思い立ち初体験致しました。確か毎週土曜日?に放映してた筈の古谷一行のダンナバージョンのソレは何話か見た経験有るものの殺しの手段は専ら毒殺と絞殺中心だったし所詮は自主検閲塗れなテレビドラマ版ですから血飛沫かドバーとか“八つ墓村”や“獄門島”みたいに危ない言動やらかす○チガイキャラがあんまり出て来なかったんですよこの作品だけは……よって快楽依存症とか近親相姦等の性的な意味が分からない小学校低学年だった私は“真犯人の背中に火炎太鼓の痣が有る事”以外全然覚えていませんでした。
そもそも原作読んだのが小学校低学年。その後高校生になって市立図書館から借りて改めて読んでは見たもののよくよく考えりゃあの時代の娯楽小説ってかなりエロ描写満載&モラルハザードも大概な物語が多かったし…まあ大藪晴彦とか森村誠一に西村寿行の作品読んでたしねぇ家の書棚には普通に置かれてたのよ(苦笑)ソレ目的だけで書かれた団鬼六とか海外翻訳のエロ系小説に至ってはもっとえげつないモノも有りましたから写真どころかイラストも存在しない文字の羅列に反応する訳が無くスルー…元々横溝作品は残虐描写は控え目で特に今作はおとなしかったし江戸川乱歩のキワモノ描写に耐性有った私は
“意外と人死に無いから詰まんない(我ながら本当にヒデェ…まあ色々煮詰まる事情が有ったのだよ。)”
と軽く流し○○年以上忘れていた物語です。まあ性行為依存症の厄介さと近親相姦のリスクとかは敢えてライトノベルでソレをテーマにした“富士見ミステリー文庫の新井輝著.ROOM No.1301(2003〜2009年・イラストは萌系のさっちとかいう方…多分今では入手困難)全11巻”で何がどうそこはかとなく気持ち悪いのか漸く理解したけどな。但しこの物語で何も知らされなかった為に運命を狂わされた2人の関係は異母兄妹(原作では上下逆)に当たるから灰色だけど遺伝子リスク的にアウトかと言うと微妙だと思います…日本じゃイトコ同士の結婚はセーフです…流石に実の兄と妹の爛れた肉体関係はキツイけどね。尚ハプスブルク家はソレで悪名高かったんだけどヨーロッパの王族全員が親族だからタブー扱いです。
今作の映画版に関しては主人公の友人で腕っ節含めて頼りになる闇商人“風間俊六/演じるのは梅宮辰夫”にその妻で肝っ玉が強い下宿主人の“風間敏江/浜木綿子(昆虫オジサンこと香川照之の母でタカラヅカ女優)”というオリジナルキャラによるコメディシーンや同じく特別ゲストで須磨の旅館・三春園の目茶苦茶濃ゆいツバメと良い仲な女将“千代”役で中村玉緒さんが出演し、八つ墓村で尼子義孝役を怪演した夏八木勲さんが会議室で腕立て伏せな体育会系頑固親父“等々力大志警部”役で活躍しますのでその落差が凄い事になってます(笑)他にも京唄子師匠が酔っ払い演ってたり原作者や角川春樹が隠れキャラ演ってるからお祭り感覚です。
ある意味全ての元凶の片割れとも言える“椿アキ子(すみません漢字変換出来なかった…火禾・こんな文字です)”を演じてるのはハプスブルク家の本物の末裔である鰐淵晴子さん。流石に原作の卑劣なキャラ演らせるのは申し訳無いと感じたのかちょっとだけ良い人になり何故か原作では致命的にブサイクだと描かれたメソメソヒロイン“椿美禰子⁄演じたのは沖縄に居そうな微少女・斉藤とも子”やアキ子の乳母を40年務め上げた鬘だけ婆様な“お信乃”も美系キャラに変更。尚、劇場公開当時テレビCMやポスターに登場し怖がりな小学生を恐怖のドン底に陥れDVDパッケージにもしっかり映ってるフルート持ったエルフ耳の不気味なオジサンは映画のイメージキャラでした(爆笑)実はオープニングのテーマ曲にしか登場しない出オチ要員で御座います……あたしゃアレが“椿英輔子爵”だと今まで勘違いしており妻に怖がられるのも無理は無いなと思ってました。
ではお粗末ながら何とかオチがついたのでネタバレ有り独自解釈有りなあらすじに移ります。今作もそうですが映像化にあたりそれぞれのやり方で原作改訂してますので(フィルム紛失してるらしい1954年の片岡千恵蔵版にいたっては犯人すら違うそうだし)違いを楽しむのも有りな物語です。では…。
☆追記:公家階級の近代版である華族制度は皇典溝究所(国の神官養成機関)共々、昭和22年=1947年の日本国憲法により廃止されました。後、佐清に多治見要蔵もプラモ…もといフィギュアになったんだからフルート持った悪魔さんもアクションフィギュア化してくれないかな(願望)3体並べたらガンダムや仮面ライダーに勝てそうな気がします…幼稚園児がフィギュアで戦う砂場なら無敵だぞきっと。値段はそれなりに高価だからマニアは泣くけどね。
【 物語の切っ掛けとなった天銀事件&椿子爵の失踪と自殺体発見が起きた昭和22年=1947年は日本国内の価値観やインフラを何もかも破壊し尽くしたGHQの失策による昭和最悪の食糧難とモラルハザードの時代でした。科学肥料や石油輸入禁止と農地解放とやらで巻き起こったのは耕作放棄に換金性の高い作物への切り替えによる戦争中のソレとは比べ物にならない程の空前絶後の食糧不足……配給だけでは間違い無く餓死者が出る状況下で闇市の摘発と商人の逮捕を占領軍に命じられた警察は敢えて職務をサボタージュ……結果餓死者増大は免れたものの街の治安は致命的に悪化していった…そんな時代です。 】
★物語のもう1つの土台となった“帝銀事件と容疑者として誤認逮捕された華族の自殺”については興味が有ればウィキペディアで検索下さいな。
☆95年に発表されたヴェノナ文書とエリツィン大統領が公開した資料によりGHQメンバーに選出されたスタッフの大半はソビエト連邦の工作員である史実が発覚してます。例の朝の連続テレビドラマ○○ぷくでも薄っすらと匂わせてましたが企業経営者を出鱈目な理由で拘束したりと好き勝手やって教育現場にパヨク植え付けたり農業や漁業政策を歪ませたのはコイツラです。
昭和23年(1948年)の春 宝石を奪う為に店主や職員を青酸カリで毒殺し世間を震撼させた天銀事件の捜査が、未だ容疑者の特定に至らず行き詰まりを見せる中で捜査を指揮する警視庁警部“等々力大志”が戦前から付き合いの有る私立探偵“金田一耕助”を呼び出したのは、所轄警察の愚か者達が仕出かした誤認逮捕&悲惨な結末を迎えた不祥事の後始末と戦中より遥かに悲惨な状況下に有る食糧難の時代となり、何の伝手も持たないお人好しなビルマ帰りの友人が食うに困る生活を送っているであろうという親心からだった。もっともああ見えて意外と抜け目が無い友人は久し振りに会ったらちょっと小太り気味になっていた(笑)下宿先の伝手で下手な官僚より恵まれた生活送っているらしい探偵の腹を見てて急に運動不足を自覚し腕立て伏せを始めた等々力警部に頼み込まれる形で金田一は没落華族に纏わる連続殺人事件へと巻き込まれる事になる。
“天銀事件でモンタージュ写真そっくりの人物が居ると屋敷に住む何者かの密告により誤認逮捕⇒容疑者扱いを苦に青木ヶ原で服毒自殺したと噂される高名なフルート奏者・椿英輔子爵の幽霊が主治医“目賀重亮”との内縁での再婚を決めた未亡人アキ子や使用人達の前に現れたらしい。”
館を覆う暗い雰囲気から逃れる為、父の書庫を整理中にゲーテの小説“ヴィルヘルム・マイステルの修行時代”に挟まれた不可解な内容をしたためた遺書と覚しきメモを見つけた子爵の1人娘“椿美禰子”の相談を等々力警部から託され、美禰子が学生時代お世話になった頼りになる先輩として不穏な気配が漂う椿邸の占い儀式(ヴィジャ盤=ハプスブルク家が政策決定や戦争時に多用した要するにコックリさん…砂を使うのは中華風)に立ち会う事になった。空襲による焼け焦げが今も多く残り使用人に暇を出し或いは徴兵された事により手入れもされず荒れ果てた庭木が生い茂る和洋折衷のチグハグな屋敷に集まるのは怪し気な親族達。
資産持ちだが気の弱い英輔を姪の入り婿にあてがい、とある理由から長年に渡りとある方法で“姪の持病を治療してきた”医師=目賀重亮を新しい内縁の夫として勧めた叔父“玉虫公丸伯爵”は須磨の屋敷を空襲で失いとある理由で子供達ではなく姪が主を務める椿家に芸鼓上がりの愛人である菊絵を伴い長期滞在中。同じく子爵の自殺を契機に屋敷に押し掛け居候を続けるアキ子の実の兄“新宮利彦”と虚ろな立ち振る舞いを隠さないその妻“華子”とその息子の一彦。屋敷の主である“椿アキ子”は初対面の金田一耕助にも必要以上に馴れ馴れしくまるで童女の様に振る舞う…彼女の乳母である信乃はまるで子供産んだはかりの母猫みたいに攻撃的で、辛うじてまともな人物に見えるのはヒロインと子爵の兵役時代の部下の子息で使用人として働く“三島東太郎”とその妹“三島種”ぐらい…。
館を覆うピリピリした雰囲気と和洋折衷取り混ぜた礼儀作法に閉口し、慣れないフランス料理で胃もたれしそうになる金田一耕助の冒険(笑)を挟みつつ皇典溝究所から派遣された神主による占いの儀。戦後に入り度々増えた停電により儀式が中断を余儀なくされた直後に異変は起きた。誰も居ない筈の英輔の部屋から鳴り響くフルートの音楽は“椿子爵の代表作:悪魔が来りて笛を吹く”ヴィジャ盤である壺に敷き詰められた砂に描かれたのは新宮家の直系にのみ現れる背中の痣“火炎太鼓の紋章”そして子爵の部屋に仕掛けられたレコードプレーヤーを見つけだした金田一と最初から先輩の正体見破ってた切れ者な菊絵以外の全員が目撃したのは中庭にフルートを握り締め佇む“椿子爵と思わしき人物の姿” 夫が還って来たとアキ子は錯乱し気絶した事で屋敷はパニック状態となる。
醜聞を恐れたアキ子の叔父“玉虫公丸伯爵”の指示により儀式は中断、疲れ果て屋敷から中座し下宿に戻った主人公を待ち受けていたのは、料亭に卸す新鮮な魚を大量に仕入れて来た闇商人の親友“風間俊六”と酒盛りで祝うその妻にして侠気溢れる豪快な下宿の主“風間敏江”気分転換を兼ね慣れない酒をつい口にし敢え無くダウンした探偵が寝てる間に惨劇は始まった。鍵を締め切り密室となった客室で玉虫伯爵が鈍器で殴られ自身で鼻血を拭った直後何者かの手により絞殺されたのだ。
翌朝、主人公を伴い等々力警部指揮下で始まった現場検証と家宅捜索により何度となく調べ上げた筈の椿家に設けられた防空壕の中から沢村刑事が見つけ出したのは墓場に遺骨と共に埋葬された筈の椿子爵のフルートケースと天銀事件で奪われた宝石の1部。やはり椿英輔は生きているのか?天銀事件の犯人は子爵だったのか?事態は混迷を深めてゆくかに見えたが椿子爵の遺書が書かれたのは天銀事件の起きる前で有った事と、実は椿子爵の須磨旅行にお供していたという“東太郎”の証言により子爵のアリバイの確たる証拠と命を断った理由が別に存在するのだと判明。調査の為に美禰子と東太郎連れて須磨へ調査に向かう為荷物や資料を纏める金田一と風間俊六との他愛もない遣り取りから最近闇市に出入りし貴金属や宝石を現金化している椿子爵そっくりな男の話を聞いた探偵は俊六へ調査を頼み込んだ。
男女3人の珍道中…兵庫県須磨での調査は東太郎が半日程置いてけぼりにされという旅館・三春園への逗留から始まった。等々力警部により椿子爵の再調査を命じられ偶々出食わした山下刑事もメンバーに加わった4人…空襲により廃墟と化した玉虫伯爵の別荘に“悪魔は此処で生まれた”と椿子爵による書き置きを発見したものの調査は進展しない…報告の為本庁へ戻る山下刑事と玉虫伯爵の初七日の準備の為に椿家へ戻らないといけない東太郎は途中で離脱するも金田一と美禰子による聞き込みにより悪魔の由来=伯爵邸で起きた“新宮俊彦”による女中“梶井妙子⇒後に出家し妙海尼”の不可解なレイプ事件とその息子“河村治雄”妙子の親で大金貰って身を持ち崩した父親=源助の行方を追い桑名へ向かう、ところが源助の愛人だったお玉より知らされた事実は意外なモノだった。伯爵邸から預けられた子供はもう1人居たのだ。
“河村治雄と堀井小夜子”伯爵邸から託された親のはっきりしない子供達。旅館に戻り増えるばかりの謎に頭を抱え込む金田一をみかねた面白女将“千代”から椿子爵がとある理由で内密に淡路島へ向かった事を知らされ金田一は悩み苦しむ美禰子を椿邸に戻るよう説得し陽気な船乗り芳村作造の案内で今にも漂流しそうなボロボロで小さな機帆船で島へと向かう…漁師の証言と法乗寺の住職・慈道から聞き出した“妙子=妙海尼”の行方…だが漸く辿り着いた庵で探偵が目撃したのは“火炎太鼓のスケッチを遺し首を括った妙海尼”の遺体だった。
同じ頃、風間俊六は東京の闇市に居た。椿子爵そっくりな怪しい男は自称貴金属商の“飯屋豊三郎”と名乗りプラチナやダイヤを闇市に持ち込んでいるらしい……隠れ家を突き止め身柄を抑える為に等々力警部と連絡を取ろうと駅へ向かう俊六と入れ違いなったのは食糧調達と豊三郎との金銭取引のため“目賀重亮医師から分けてもらった青酸カリ”を持ち込んで闇市を訪れた“東太郎”の姿…駆け付けた警官隊と等々力警部により豊三郎の隠れ家は見付かり盗まれた宝石や貴金属も次々と発見されるが天銀事件の真犯人=豊三郎は毒殺された姿で発見される。
伯爵の初七日の法要のため自宅に戻った美禰子は手元に有る唯一の手掛かりとも言える“ヴィルヘルム・マイステルの修行時代”を読み耽る…ゲーテの書いたその物語は“親違いの姉弟である男女が真実を知らされないまま恋愛関係となり子供を作ってしまい不幸に陥れられる物語”疑念が確信に変わったのは実の兄新宮俊彦とまぐわう母アキ子の姿だった。だとしたらこの家の人間とは決して恋愛関係を持つなと失踪前の父から託された伝言の意味は……嵐の最中対立を深める母と娘…そして再びフルート音楽“悪魔が来りて笛を吹く”は鳴り響き屋敷は恐慌状態に……温室で殺されていたのは新宮俊彦 須磨から漸く東京に戻った探偵が事件を聞き駆け付けた時には全てが手遅れだった。錯乱したアキ子を連れ信乃と三島兄妹は鎌倉の別荘へ……密室殺人の謎と占いの儀式の異変、そして俊彦が殺されたトリックを解決した探偵と等々力警部&警官隊により発見されたのは鎌倉へ向かった筈の拘束された信乃の姿。
三島東太郎=河村治雄であり三島種=堀井小夜子……どちらも本当の父親は新宮俊彦であり小夜子に至っては兄俊彦との近親相姦の末にアキ子が産み落とした娘だった。背中に浮き上がる“火炎太鼓の痣”の意味を知らず須磨に引き籠った妙海尼の元で共に育った2人は恋愛関係に…全てを知ったのは小夜子が治雄の子供を身籠ってからの事、錯乱し廃墟と化した玉虫邸で自殺を図った小夜子はその事が原因で流産。偶然から2人の正体を知った椿子爵は全てに絶望し何もかも台無しにする目的で遺書を遺し自殺……まるで死人や流れた子供の恨みに操られるかの様に憎悪を募らされた治雄と小夜子により全てを隠蔽しようとした伯爵は殺され元凶の1人で有る俊彦も殺害したのだと言う…鎌倉の別荘で事の真相を聞かされた椿アキ子は自身の持病とも言える淫楽症(んな面倒くさい病気が本当に有るか知りませんがハプスブルク家は子沢山の家系ですエロ本ではネタにされてます)により巻き起こした悲劇を知り飛び降り自殺。
嵐が過ぎ去り漸く別荘に駆け付けた主人公と等々力警部に警官隊。まるで眠るかの様に死んでいるアキ子を確認した金田一と警部達はフルートの音を追い掛け砂浜に駆け付ける。毒杯を煽り先に事切れた小夜子を抱き締め毒に侵されながら“悪魔が来りて笛を吹く”を演奏し斃れる治雄を看取り忌まわしい連続殺人は幕を閉じた。後日2人を妙海尼が葬られた淡路島の墓地に弔う金田一と美禰子の姿……ヒロインは生き残った者達を連れ椿家を継ぎ探偵は八つ墓村で起きていると言う謎多き連続毒殺事件の調査を依頼され尼子へと向かう……漁船に便乗させて貰い独り島を離れる主人公と高台に駆け登り手を振るヒロイン…物語はこうして大団円を迎える。
なんかもう包み隠さず何もかも皆でぶち撒けて"豪快に殴り合いの喧嘩"でカタを付けてりゃ天銀事件も起きなかったし連続殺人や自殺も起きなかったと見終えた後見も蓋も無い感想抱いた私は推理小説に向かないのかも知れません(笑)多少駆け足で整理したし、当初荻原健一=ショーケンさんの弔いも兼ねて纏めるつもりだった“八つ墓村”の感想纏めが意外と難航してましたのでコチラを先に書き上げました。
ではまた次回。
2022年8/23 古谷一行さん逝去 享年78 確か二年前ぐらいにカップヌードルのCMで金田一耕助演じたばかりだったのに……謹んてご冥福と残してくれたモノに感謝を 三船プロが関わった金田一耕助の冒険 78年が見たくなったけどレンタルしてなかった(泣)




