嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2/善意の指針は悪意 07年
2017年6/26~7/2ガラケー端末にて執筆し脱稿 7/3深夜1時投稿
【 二度目のみーまーの舞台は元みーくんこと菅原道真にボコボコにされ担ぎ込まれた緊急病棟。不意に見舞いに訪れた元カノ?“長瀬透”と何者かに襲われたまーちゃん。そこへあらわれる年上の愛人達……生きろよみーくん(棒読みでどうぞ) 】
……微妙に嘘が混ざってます。
そういや前回書き忘れてましたが主人公“枝瀬あい(みーくん)”が睡眠薬所持してる理由は基本無理にでも睡眠取らないと倒れるまで動いてるから。犯罪目的でも自殺目的でもごさいません……というか嘘をついてでもバカやらかしても死ぬ事だけは選ぶなと八年前.恋日先生と事件直後に出会った鬱病で入院仲間のヤマナさん(元女子高生.後に故人)と約束させられてまして…。
虐待を受け続け八年前のあの事件で症状を悪化させたみーくんは“怖い”“悲しい”“憎い”って感情が絶賛引き篭もり中。布団を身体に巻いて動きません.もふもふぐらいは喋りますがね。どんな人間も嫌いになれないから厄介さんが集まりやすい難儀な人生歩んでます。それでもというか意外ですがジェロニモさまこと上社奈月さん(刑事)曰わく“女の子に好かれやすい性格”“みーくんの子供なら産んでもいいな”まあ彼女の意見は恋日の反応が面白そうというのもあります。後のエピソードで登場する元.佐内利香さん(無職・自称永遠の浴衣美少女)は“ヒモか結婚詐欺師に向いてるねアレは”とのたまわっております。まあ後者はみーくんよりも嘘つきで歪みきった人物ですから参考にもなりませんね。ええ。
後、池田浩太.池田杏子の兄妹は家出中に親切なお兄ちゃんの彼女の部屋に四週間以上、匿ってもらいました。拉致監禁?何の事ですかむしろ自宅に居たらいずれ殺されますと証言しまーちゃんとみーくんは不起訴となりました。尚今回も独自解釈や敢えて自己流に物語を再構成してます。実際読んでみたら、内容が違うだのぼくが思う原作者の意図とは違うんだとか色々異論反論ございましょうがご容赦下さいませ。
壊れた彼女に残された感情は嫉妬と甘やかされたい願望。後は朧げなイメージしか残ってないみーくんとの記憶だけだから対人関係は空回りするしかない“御園まゆ(まーちゃん)”となにも出来なかった事に対する罪悪感に七年前の事案で“天野あい”も菅原道真も彼女の頭から消えたのを知っているから自身の愛情は無意味だと知ってる“枝瀬あい(みーくん)”の交流は……どう考えても子育てか病人の介護だよねラブコメに見えるけど。
ちなみに救急病棟の場合大半は健康保険で割引されるとはいえ四週間におよぶ他人のいびきと歯軋り。叫んだり暴れる患者も居るから寝不足必至。病室によっちゃ窓ガラスに映っちゃいけない何かが見えたり(実体験(笑))してようやく退院の日が来たら…10年前と比べ共用病室も値上がりして税込み20万円ほど。健康には気を付けましょうね。
【1年1ヶ月と12日。長瀬透…いや長瀬あいと枝瀬とーるは互いに不似合いな名を交換して呼び合う程には親しい関係だった。未だに彼を児童誘拐犯の息子にしたい阿呆が嫌がらせしなければね……過去を断罪されて諦めた彼と違い彼女はその事を忘れていなかった…ただそれだけが真相ならみーくんはとーるに戻れたかも知れません。】
……それも嘘。彼がまだ天野あいと呼ばれていた頃、父だったソレから真相を聞かされている彼は永遠に口を閉ざすつもりでいました。
生徒会長から殺人鬼に落ちぶれたソレにボコボコにされてから1ヶ月。まめに見舞いに来てくれるジェロニモこと上社奈月さんの予想通り、2週間もしないうちに白衣着てない仏頂面な恋日先生登場。七発殴打した後、命の大切さを描いた古い医療マンガを置いて行きました。
※多分Dr.コトーかな。
その前には御園家の祖父&祖母登場。素直に「あなたのお孫さんを僕に下さい」と言いそうになったりしましたがまあ拉致監禁も通り魔殺人も発生しない平和な日々。まーちゃんは自分で頭を花瓶にぶつけて入院仲間になってます。
ことあるごとに甘えてくるまーちゃんや次々見舞いに現れる女性陣により病室の極一部の馬鹿(童貞ニキビ)からやっかみ受けたり担当看護士の“高梨らぶみ”からバカップルどころか単なるバカと煙たがれる日々……みーくんではなく“枝瀬透”としての彼を見舞いに“長瀬あい”が現れます。実は妹で以前、とーると呼んで彼に懐いてた“長瀬一樹”が試合中の骨折で入院。彼女の口から同じ病院に居る事を知り様子を見に来たんです。
長瀬が訪れてきた日は隣でまーちゃんが睡眠中(みーくん見つけてから彼女が眠る時間は徐々に増えてます。)タイミング悪く覚醒し他の女性が居る事に気付かれ嫉妬でもしたら血まみれの惨劇は必至となる為、松葉杖を駆使し何とか脱出した“とーる”は病院屋上でらぶこめやる羽目になるのでした。勿論怪我の理由を白状する訳にゃいきませんから“夜の校舎で素手でガラス割り素足で走り回ったから足に破片が刺さり…それ尾●●スッよね”と冷静に突っ込まれました。
小学校も一緒で何度か顔を合わせていた事に気付かないまま二人が出会った(再会)のは高校一年の春。初めて会話らしき行為を行ったのは二学期の席替えで隣になってからです。
互いに名前について地雷を踏む発言やらかし険悪な関係を構築していた彼等はちょっとした事から関係を改善。仲直りの際に下の名前を交換するアイデアを思い付きます。もっとも名前で呼んで欲しい“あい”は彼にとってどうしても発音出来ない言語な為、色々手を変え品を換え誤魔化すから長瀬が赤面する機会が増えました具体的にはボディタッチと甘い言葉で…高校生しかも叔母夫婦に世話になってる透に甲斐性なんてありません。
どう付き合って良いのか解らないから休日に一緒にバッティングセンターでフラフラになるまで遊んだり、空手にサッカー、ソフトボールのチームにも所属し姉より忙しい日々を送る彼女の妹・長瀬一樹の試合を応援しに駆けつけたりと普通に健全でポンコツな高校生カップルやってます。二人の関係に嫉妬し悪意丸出しで枝瀬透の過去をバラした馬鹿(長瀬が袖にしていた人物)が色々やらかし。ある日二人はいきなり疎遠となります。
彼女の幼馴染みで恋人未満な相手はあの“菅原道真”みーくんという愛称は長瀬がつけた呼び名だったんです、他の女の子達は彼をみちざね君と呼んでいます。あの事件で記憶を失くした事をきっかけに露骨に嫌われた彼女は自分の名前に嫌悪感を抱くまでになりました。事実を知り感情的に透を罵り拒絶した彼女はその後、後悔と自己嫌悪の日々を送ります。
無邪気に優しいとーるに会いたがる妹の何気ない言葉に罪悪感を感じつつも今更謝るタイミングを見つけられない彼女が行動を起こした理由は、同じくあの事件に巻き込まれた幼馴染み“御園まゆ”が二ヶ月前から何故かみーくんと透を親しげに呼び抱きついたりクラスメイトの前でいきなりキスしたりと感情を剥き出しにしている光景と生徒会長.菅原道真が何かの事件の容疑者として捕まったという事実。更に彼に襲われ透が危うく死ぬところだったというニュースでした。
※未成年者による刑事犯罪は報道規制もあるし勿論学校サイドも隠蔽します。だから余計にこじれる訳です。
左腕を骨折し入院生活を送る妹・一樹の入院仲間で中学生“名和三秋”が数日前に松葉杖を残して病棟から行方不明となり、以降暗闇を異常に怖がるなど精神不安定気味な彼女を安心させる為、透に協力を御願いしに来たのが本来の目的だけど。彼と再会した事で見えてきたこともあります。透は“御園まゆが”が彼に愛情を向けてくれる事を全く期待していない。だとしたら二人の関係は何? そして何故昔に戻った御園まゆはみーくんと彼を呼ぶの? 八年前みーくんと御園、透に何が起きた?
疑問を益々強く抱いた彼女は御園に直接聞いてみようと行動を起こしてしまいます……数日後退院する筈だったまーちゃんは何者かに花瓶で頭を殴られ再び入院生活=みーくんと一緒。なんか喜んでるまーちゃんをよそに、犯人の正体は即座にわかったけど自分や他人に対する恋愛感情を期待してないし今ひとつ理解出来ないみーくんは色々考え込む事になりました。
……とまあ表向きの理由はこんな感じですよね。勿論、長瀬さんもみーくんに負けず劣らずの嘘つきです。共働きでいつもいない両親や妹の為に“いつも良い娘.優しい姉でなければいけなかった”彼女は、その反動から直接触れたり甘やかしてくれる異性に対する依存心と独占欲が非常に強くなる様に育ち……………違いますね調教されたんです。アレに。
そもそも綺麗な顔立ちでスポーツも学業も優秀。人当たりも良くて他人に優しく自然に周りに沢山の女の子や崇拝する部下を集める幼児っておかしくね?……六年前最終巻を読んだ時は気付かなかったんだよねアレが“元凶”だとすると全ての辻褄が合うのですよ。
悪魔(あるいは悪意)は無害な存在に見えるってのは、凶悪犯罪者の調査レポート読んだり子供の頃映画館で見た海外シリーズで、敵対する周囲の人々を次々変死させ、あと少しで合衆国大統領になる筈が妻の胎内に居る“何か”に滅ぼされた異形(オーメンてご存知です? アレ、旧約聖書・十戒のパロディです。あれも他宗教からパクった訳ですが)の物語を覚えてる私は得体の知れない気持ち悪さを感じます。
まあ、それ自体は今回のエピソードに直接の関係が無いから一端本編に戻しますか。
枝瀬あい→透となった彼に頭撫でられたり抱き締められたり頬を触られたりするのは八年前あの事が起こる以前に経験した至福の一時(…いやわんこじゃねーッスよ私by長瀬)を見られるのが恥ずかしい彼女は照れ隠しも含めてわざと語尾に「……ッス。」とつける様になりました。尚、感情的になると普通に喋りますなこの娘は…妹の一樹もパニクると年齢不相応のセクハラ発言やらかしますが姉妹共々嘘つきには成れないんです……
誰も彼も傷つく真実で断罪する事なく穏便に事態収集を図るみーくんの前に色々情報を仕入れたジェロニモさま.上社奈月刑事は再びプライベートで遊びに来ました。
【そういや制服メインの三人とパジャマ固定のニー日先生はともかくジェロニモさまの服装説明はかなりの頻度で掲載されてます…まあファッションセンスについては意外と…なんでみーくんのリアクションは毎回命懸けですよ。失言や言質取られるとどこまでも踏み込んでくるし。】
まーちゃん以外にみーくん呼ばわりされるのが嫌ならもう少しお顔で表現しましょうね相変わらず痛い点を的確に突いてくる彼女の本日の服装はカットソーにチェックのスカート絞殺出来そうな長いマフラー……行方不明者捜索と患者襲撃事件で同僚の刑事や警官が病院職員と一緒に慌ただしそうに動き回る緊急病棟に、あくまでも親しい友人の見舞いついでに今回まーちゃんを襲った犯人を明らかに知っているみーくんで遊ぶ為やって来た彼女。
元カノさんと話し合わないまま三又ソケットあるいは離婚調停の真っ最中に浮気がバレて修羅場中の若旦那(タイミング良くテレビでやってたお昼のメロドラマがそんな内容だった)をネタにからかいつつも、恋愛の機微にも鈍感なみーくんに蚊は血を吸う相手の人間関係に考慮しませんよ…“誰がやったかでは無く何故そうしたか”を考えて行動しなさいと例えはアレですが的確にアドバイス。
修羅場に介入するなんて面倒だし中学生の行方不明案件とは無関係だと気付いたので当事者に丸投げして捜索の応援に向かいました。
……とにかくそろそろ事情聴取から戻って来るまーちゃんが誰に会い何を見たのか、あくまでも停戦交渉の参考資料程度に考えていました……退屈だった。殴って来た相手は知らないしわかんないとキスと結婚を迫る彼女に軽く…最近変なモノ見なかった?と質問したみーくんはいきなり頭を抱える羽目になります。
まーちゃんは数日前に屍体を背負って病棟を移動する誰かを目撃していました。
退屈だったからおそらく男性らしい人物の後をつけ、解体予定で立ち入り禁止の建物の中にある冷蔵庫に屍体を運び隠す光景をずっと見てたまーちゃんに色々突っ込みたい気持ちを何とか抑えつつ……具体的には唇触ったり良く伸びる頬を引っ張ったりしながら再び探偵役を演じる事を決断します。同時進行で起きてる事案を穏便に解決しないと待っているのは、関係者全員事情聴取という名の留置場生活だし。
翌日、何か察したのか眠るまーちゃんの護衛兼監視。緊急時のみーくん代理を快く応じてくれた奈月刑事に留守番を任せて、まず向かったのは階段~長い廊下を挟んだ隣の建物、女子病棟へ長瀬の妹・一樹只今10歳を訪ねます。久しぶりの“生とーる”にテンション上がりまくりの彼女はどうにかして、綺麗になったと言わせようとしたり、姉ちゃんと別れたんだよね。今の彼女とも上手くいかなかったら次はあたしとラブラブになろうぜと予約されました。
本来の目的は入院仲間で同室だった名和三秋がどんな人物だったか例えば恨まれたりストーカーに狙われたりしてなかった調べる積もりでいたのですがテンションとは裏腹に怯えてる姿を誤魔化そうとする一樹をさり気なく夕方まで慰め再び自分の病室へ向かうみーくん。
部屋には帰りをひたすら待つ長瀬の姿がありました。妹の所へ見舞いに行った報告と彼女立候補について雑談しつつ冗談混じりで「長瀬は僕のどうゆう所が好きだった?」と質問したら色々パニックった長瀬…どっかの腹黒刑事とは違う反応に暖かい気分になりつつも。しっかり色々聞き出す主人公……やっぱりヒモ向きだわなこいつ。
明らかに学校帰りな長瀬にノートを貸して欲しいとお願いしたら文字が解読不能だったり、前衛的なセンス(画伯レベル)なイラストの正体を何気に訪ねたら奇声を上げパニックった挙げ句、スカートの中が見えそうなスタイルで必死にノートの修正(消しゴムかけ)やらかしたりと冷や汗ものの面会時間を過ごした後、ちょっとだけ真面目な会話…長瀬あいはまーちゃんが壊れている事、枝瀬透がみーくんの偽物あるいは代用品である事を知ってます…を交わしつつ、彼が最後に向かったのはまーちゃんと奈月刑事が居る個室病棟です。
まーちゃんを騙している透は卑怯者。
そう言い残した長瀬に対して言えなかった言葉。
違うよ、真実を言わない透は臆病者で、みんなを騙すみーくんが卑怯者なんだ。とね。
まあシリアスシーンは長瀬一樹の“りゃくだつあいのせんせー”で道場の先輩。物語冒頭から配膳係の姉さんやってる看護士.高梨らぶみの首舐め攻撃でギャグシーンに切り替わる訳です。一樹に手を出した枝瀬くんを光源氏(シャアとかアムロの仲間でマザコン.ロリコン.ショタをこじらせた三重苦)呼ばわりしからかった挙げ句、何だかんだ言いつつも患者の心配をしてる不思議生物をかわし、やっと御園まゆの個室に辿り着いたみーくんは再び自分の微妙な立ち位置について考え込む事になります。
個室の外から聞こえてくるのは物語を紡ぐ奈月刑事の優しい声。ドアを開けるとまるで普通の女の子の様に物語に聞き入る御園まゆの姿……一瞬正気に戻ったんじゃないかと幻視させる理知的な表情……なのに何故僕は絶望を感じてるんだ?呆然とする状況は幻。誰が来たかわかって? いつも通りのまーちゃんに戻った彼女と動揺からまだ戻れず涙を流すみーくんをちょっとだけ笑った美月刑事は今まで読み聞かせていた絵本“うりこ姫と天の邪鬼”をみーくんに預けて姿を消しました……カウンターへ返してこい。そういう事ですよね? 思いっ切り皮肉入ってますけど
彼女がいて幸せだった枝瀬透に戻りかけていたみーくんは、食事時に長瀬が妹の為初めてリンゴの皮むきに失敗→病院に担ぎ込まれながら無茶な言い訳してるシーンを不意に思い出します。それはまーちゃんが初めて見るみーくんの笑顔でした。
みーくんの笑顔を見たいと色々やらかし、しまいには浮気を疑うまーちゃんの機嫌を元に戻す為、お風呂の世話にマッサージをする事になり、漸くご遺体見学ツアー(まーちゃん同行)&コンビニでノートコピー挑戦……調査初日から深夜まで残業となるハードスケジュールです。
ちなみに長瀬さんのノートですがあまりに文字が惨殺死体と化している為、みーくんはもっと綺麗な日本語の書き方勉強しなさい。とアレなまーちゃんに叱られました。学校でひたすら寝てるからノートは常に真っ白な彼女も、結して他人事じゃないんだけど三年生に成れますか? まーちゃん。
【亡くなって6日経過してる名和三秋…深夜の死体見学&お医者さんごっこの描写は割とエグいシーンが連発するから省略しますが……元祖みーくんは、ちょくちょくまーちゃんとお医者さんごっこやってたそうです。彼女が医者で彼が患者というマニアックな状況ですが。】
毎回色々病的なカバー裏イラスト。今回は廃墟と化した薬剤保管庫に鎮座する電気が切れた冷蔵庫…まあ入手できたら見て下さいな。死体は描かれてませんよ。看護士さんの話から死後6日程度と推定される名和三秋だったそれは、表情だけは眠っている様に見えました。パジャマを脱がし背中側の打撲跡から階段から落ちたと推察出来るけどこめかみの殴打跡は何? ……廃墟に入ってくる誰かの足音にまーちゃんが気付きロッカーに隠れた二人は、冷蔵庫を開けて死体に話しかける正体不明の人物…まーちゃんが包丁振り回して大立ち回りする最悪の事態を防ぐ為、死体に謝る相手を敢えて観察していません。八年前から御園まゆは警察の監視対象でもあるんです。…をやり過ごし廃墟から退散します。
次の目的地はコンビニ。同室の老人で長瀬姉妹の周囲でやたら見かける渡会さん、同じく同室の童貞ニキビに、お前誘拐犯の息子だろバラされたくなければ女の子寄……と脅してきたから通り魔の手足をへし折った時の顔でお話したら怯えて逃げた…まあそっちは何時も通りの光景。助けようと側にやって来た、隣のベットで何時も本を読んでる前髪だけ豊かな竹中さんは「彼女にあげてよ…」と慰める様に購入したあんぱんをプレゼント……まーちゃんは好みのカップ麺探して冒険の旅へ、なんか病院からの脱出組だらけのカオス感満載な店内で長瀬から借りたノートをコピー中、偶々消し忘れた文章に彼は気付いてしまいます。
何度も書かれた枝瀬透の名前とごめんなさいの文字の跡…………出来ればずっと騙されていたかったなと。
翌日、土曜日のお昼前みーくん.長瀬透と一樹姉妹.ついでに看護士の高梨らぶみの四人は、ベンチと洗濯物に囲まれた久しぶりに暖かい日差しが差し込む屋上に居ました。まるで家族の団欒風景だけど迂闊に口にしたら長瀬が溶けるし、おまけ扱いの看護士が出会い頭に主人公へ「今日の下着は何色かなー?」とセクハラかましやがったから昨夜からのシリアスモードが色々台無しでございます。
昨日の冒険でまーちゃんは夕方ぐらいまで爆睡してます。彼女が寝てる隙に一樹経由で長瀬のノート返却、午後はそろそろ報告と相談しないと色々怖い奈月刑事とアポイトメント…見つけた名和三秋さんの扱いとかね…対応間違えたら恋日先生と彼女の実家に迷惑かかるし一応外出理由は最初の母.美沙の墓参り……の筈だったけど出会い頭に問答無用で屋上に連行されました。
覚悟は一年とちょっと前のあの日に出来ていたけど必死に八年前、本当に菅原君に何があったのか? 御園まゆが何をやって壊れたのか? 何故優しいみーくん(菅原の方)が殺人事件を犯したのか? “彼は良い人でした。そんな彼が何故人を殺したのか解らない。”悲しげに迫る長瀬にやり切れない気持ちを抱きつつもまーちゃんがやった事を殺されても言えない枝瀬あいとして彼は拒絶しました。感情を剥き出しにした彼女が最初に挙げた名前が菅原道真だったから……売り言葉に買い言葉で「今の僕はみーくんなんだよ。」とやらかし失敗を悟った時は既に手遅れでした。
みーくん自身もこの時はまだアレを話す事を躊躇っています。
【今回のみーくんはまーちゃんだけじゃなく長瀬あいの元カレで長瀬一樹の義理のお兄ちゃんだった枝瀬透、あるいはとーるとして動いています。犯人探しではなく犯人役を押し付ける形で事態の収拾を謀る悪意の顛末はやっぱり人間サンドバックでした。】
しゅらばしーんを展開し落ち込むとーるを慰める為、せんせー(ナース服着た不思議生物)の何でも入ってる秘密のポケットから“今日の下着情報”と引き換えにシャボンセットを確保。周りでシャボン玉を飛ばしたりベンチから立ち上がらないとーるの頭を撫でたりと色々慰める一樹を連れ、ある目的の為病室に戻ったみーくん。なんか愉快に勘違いした挙げ句、童貞ニキビも同じ部屋に居るのに自分のバストサイズや下着の色を発表しようとするポンコツ…なんかそうゆう所は姉妹一緒です…一樹を宥めつつ敢えて色々“名和三秋”についての質問をおこなった“とーる”
それはある人物を表へ引きずり出す計略でした。ちなみに外出中の竹中さんや隣でこっそり聞き耳立てる童貞ニキビは無関係です多分。
ベットに座るとーるの膝に座り一緒に昼御飯。但し一樹の分は隣の建物にあるから親子丼を分け合い、配膳に現れたせんせーから「一樹はここでこのお兄ちゃんに食べられちゃうの?」とからかわれ、尋問ごっこから彼女が知ってる姉ととーるのイチャコラ発言傑作集を聞かされ悶絶したりと~デートの帰り道で長瀬がやらかしたポンコツ発言を一語一句再現してる辺り、見てたのか?見てたんだねと土下座で謝るとーるに満足し彼女は退散。
今度はブチギレモードの渡会さんに色々怒られます。…夫婦揃って治し様のない病気で入院。一樹入院~長瀬透の面会が始まってから何故か姉妹を見守り続け。名和三秋行方不明後、数日前から体調不良気味の爺さんの正体は…長瀬姉妹の実の祖父でした。
息子との折り合いが悪く結婚相手の婿養子となり疎遠な関係となったから彼女達は勿論彼の正体を知りません。年端もいかない孫が容疑者あるいは重要参考人されている事、初孫と交際していると思われる…だけど周りにまーちゃんを始めとする女性の影が耐えないヒモ男を脅し「いなくなった女の子も災難とは……」と発言したが為に彼は追い詰められます。
「どうして死んだのが女の子とわかったんですか?」名和三秋…普通なら男の名前です。新聞やニュースで見たと反論する渡会さんに容赦なく追い討ちをかけます、いまだに外部では名和さんは失踪扱い。殺されたという質問に間抜けにも躊躇する事なく答えた事で渡会さんは犯行を自白してしまった事に気付きました。
深夜冷蔵庫を開けて彼女に謝罪していたのは渡会さんだったわけです。そして彼女を階段から落としてしまったのは同じ部屋にいて何時もトイレへの同行をお願いしていたある少女………。
駄目押しと目撃者探しを止めさせる為「僕はあの犯行を最初から見ていた…」と嘘をばらまき外出するみーくん……破綻はその四日後に訪れます。いきなり廊下で渡会さんに椅子で滅多打ちにされた彼は渡会さんを取り押さえ看護士に引き渡しますがサンドバックにされたみーくんは今回も血まみれ。“偶々近くに居た”変態看護士.高梨らぶみに助けられ治療に向かう途中で事件の真相を話したみーくんは彼女と“お話合い”をすることになりました。
物語はちょっとだけ四日前に戻ります。
【長瀬姉妹と色々話し渡会さんを追い詰め“墓参り”とついでの雑事を終えたみーくんが見たのは恋日先生が貸した漫画を血まみれになりながらズタズタにするまーちゃんの姿でした。目覚めさせた責任…愛って言葉は吐き気がします。】
当初は事実を提示して長瀬姉妹の祖父でありどう考えても夫婦共々先が長くない渡会さんに状況を説明し自首→嘘の証言で孫の容疑を誤魔化す計画は渡会さんの反応と後始末で外出してしまったが為に起きたまーちゃんの自傷行為であまり猶予がなくなりました。
何となく誰かに監視されている不安感と何故か漫画から香る嘘つき女(恋日先生)と花瓶で殴られた日、自分を責めた女(長瀬透)の匂いがしたから触った指ごとハサミでズタズタにしようとしたまーちゃん。戻ったみーくんは何とか彼女が指を切断するのを止めますが、同時にややこしい茶番を無理やり終わらせる事にしたんです……まーちゃんを落ち着かせる為、奈月さんに手配をお願いした最終兵器“結婚届”で彼女の機嫌は最上位に上り詰めましたが奈月さんがついでに“離婚届”もプレゼントした事は勿論秘密です……つーかそんなモン見せたらみーくんの命が危ないじゃないですか。
渡会さんが傷害の現行犯でカツ丼ありの食事会に連れていかれた日、改めてもう一人の当事者で容疑者、そして名和三秋の遺体を発見し重要参考人のまーちゃんにこっそり自白剤?を食事に混ぜていた高梨らぶみに事件の真相を明かすネタバレタイムが始まります。尚、薬物や毒物を“八年前に娯楽感覚で投与され覚えていた”みーくんとまーちゃんは渡会さんにそのおかずを食べて貰ってました。
あの日、冷蔵庫に入っていた患者の遺体を見物するまーちゃんを目撃したのは巡回中の彼女でした。薬物で錯乱させ問題を起こさせる事で彼女に注目→遺体発見を早める筈だったけど違う見解で渡会さんを追い詰め錯乱させた事でもしかしたら自分は勘違いしていたのか? まあそんな心境になった訳です。
敢えて真相を追求したくない捻くれ者の見解は事故で突き落とした形となり一樹は逃亡、監視していた渡会さんがおそらく意識が戻らない彼女にトドメをさして隠蔽という結論になるだろうしそれで良いんだという灰色の見解だったのですよ。年端もいかない彼女に罪の意識を持たせたり追い込むのだけは止めよう……彼女を殺し隠蔽したのは見ず知らずの痴呆症をこじらせた老人。そんな結論を出した二人は似た者同士かも知れません。
……そしてみーくんには八年前の案件に拘るあまりに自ら不幸になろうとする嘘つきとの対峙が残されました。小説では各章の冒頭でイラストと文章で長瀬透の心の変化を追えます。幼なじみの心とみーくんの愛称を奪った泥棒猫=まーちゃんを憎み苦しんだ末、街の名士で子供達も知っている優しげなオジサンに相談。そのオジサンの正体は錯乱の末、重い罰を与える為に悪い子供達を物色していた天野あいの父親の成れの果て(皮肉な事にその立ち振る舞いは後の枝瀬透そっくりでした。勿論長瀬は白状してません。)………あの事件のきっかけを作ったのは当時未だ9歳だった長瀬透だったんですよ。
もしかしたら僕に接近したのは証拠隠滅だった?
敢えて悪役となる事を選んだ枝瀬透による断罪で、フリーズした彼女は舞台から一端退場となります……彼女の罪悪感を思い起こし追い詰めたけど天野あいとして彼女の罪を有罪としなかったし、結局八年前あの家で何が起きたか説明していない…長瀬あいの視点では病院内で起きた一連の事件の顛末…何故彼が錯乱した老人にズタボロにされそれが妹の心を救う事になったのか? 部外者だった彼女が事実を関係者から知らされ、その意味に気付いたのはそれから数ヶ月後。具体的には単行本で三冊もの事件をみーくんが生き延びてからになります。
あれから10年。改めて再読し物語を再構成した私の見解はこんな感じです。後半の断罪シーンは今読んでもなかなかエグいものがありました。気分転換も兼ねて“シン・ゴジラ”を視聴しクーラーがない屋外や自室(みんなから設置しろと叱られますが私クーラー苦手なんです。暑がりだけどな。)でこの文章書いてて段々まーちゃんや長瀬あいがゴジラに見えてきたから今回はこの辺で終了致します。
なんか台風も接近中だし
では、とぅ・びー・こんてーにゅ




