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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん / 幸せの背景は不幸 07年

2017年6/21~6/25ガラケー執筆し脱稿 同日昼投稿

【 家族は全員サイコパス 誘拐殺人犯の父親は虐待の末に両親殺害強要されて壊れた女の子に殺された 全てを忘れ幸せになる事が出来た筈の主人公 但し自分の名前が言えないし書けない程度には壊れた枝瀬✕✕君 何処までもお人良しだったが為に、再び猟奇な厄介さんと関わりサンドバック人生に突入開始 今から10年前にシリーズ開始〜2011年に終わった実質半年の物語第1巻のイメージってそんな感じですかね………そんな不幸は嘘であって欲しいけど。 】


★なお実写版は大概完成度がね(汗) 左さんのキャラデザには勝てなかった


日本ライトノベル作品.

入間人間 著.左 イラスト.

メディアワークス電撃文庫.

2010年映画化.

2011年佐藤敦紀により“とっておきの嘘”のタイトルでコミカライズ

完成度は映画版越えたけど長瀬透が殺されちゃうシーン有り(涙)

で泣く泣く手放しました。尚まーちゃんはガチで怖いです。


 書き出しから前回のアレについての反省です。いくら2007年~2011年当時人気有ったとしても、そもそも6年前に最終巻が出版されたライトノベルの一作品…やっぱり忘れられとりますがなサイトでの反応が鈍くて滅茶苦茶寂しかったです(泣)当時高校生やってた読者の大半が社会人になってますから知らないのは当たり前なんですかね? 悲しいけど。


2017年6月22日 運転免許更新ついでに久し振りに都市部の書店 ジュンク堂とか戸田書店廻ったけどどこにも“嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん”略して“みーまーシリーズ”売って無かったわど畜生。という訳で以降は、ネタバレ有りで進めます。そういや古本屋は回ってねーな。


 電撃文庫にて、そこそこヒット・シリーズ累計135万部も売れたけど、何故か15周年・20周年記念イベントに“電波女と青春男”同様取り上げられなかった異形の物語。まあアニメ化しようなんて言い出す物好きが存在しなかったってのも有りますね。先輩格の西尾維新先生が造り上げた“戯言シリーズ”ですら20年以上過ぎて漸くオリジナルアニメ(やっぱりTV放映無し)販売優先作品になる辺り、サスペンスあるいはミステリーと呼ばれるジャンルに対する締め付けは色々厳しいものがあります。意外と未成年が犯人役の物語が無いの気付いてましたか? 子供達に悪影響与えるから駄目だそうですよ……馬鹿な話です。


マンガやドラマ、アニメ見て犯罪やらかす人間は所詮何もかも他人のせいにするのはわかりきったことじゃないですか? 悪いのは周囲の環境であって自分じゃない。だから何もかも断罪してしまおう規制したり殺してしまおう……そんな発想の行き着く先は紅衛兵やクメールルージュ.ぶさいくな黒電話を崇拝しローソクデモで気勢を上げタラバガニに怯える近代化に失敗した惨めな奴隷と無能で残忍なご主人様が交互に入れ替わる共産主義者の理想社会です。


……敢えて何処とは書きませんがね。ええ。


もっとも日本がもし天皇制というシステムを構築出来なかったら?政権や国の根幹が代わる度大虐殺や文化の破壊を止める事が出来ず列強の奴隷あるいは中東やアフリカ.南米諸国みたいな無法地帯に成り果てた可能性は高いです。最近のキリスト狂による平等主義vsイスラム狂の無差別テロを見てると宗教とやらも役立たずになりました犯罪の片棒担いじゃ駄目だろうコラ!まあ私達は運が良かったんですよ威張る事じゃないけどな。


うん、なんか色々脱線が過ぎました。反省しつつ本編に戻ります。


 2007年当時、月の半ばの楽しみが電撃文庫でした。なんせあんまり悪趣味展開な方面で“外れ”が無かったのさ、値段も手頃で平均5冊ぐらいは一度に大人買いして読んでましたっけ。でそんな中でも異色のストーリーがこれだったんですよ。味がある“(ひだり)先生”のイラスト…特にカバー裏のサイコ振りと裏表紙のアレで手にとってしまい鬱展開、場合によってはグロ展開も在りながら最後迄付き合った理由は過酷な状況で思わず軽口・ジョークを連発する主人公“枝瀬××(みーくん)”がお気に入りだったからって事ですな。


ちなみに正ヒロインは“伏見柚々(ふしみ ゆゆ)”だと思ってます。但し彼女の登場は3巻からだけどね。ある目的で定期的に拉致監禁やらかす“御園まゆ”こと“まーちゃん”は本当に重すぎる(笑)ではとっとと物語をおさらいしますか。もう時効でしょうからネタバレ注意です。これから読むから内容知りたくないってお客様はバックお願い致します。


【 八年前に発生した陰惨な児童虐待から始まるある家族の崩壊事案…壊された彼女と壊されて何もかも忘れた筈の彼。そして何も出来なかった為に致命的に壊れた彼。結局事件は終わりませんでした。精神科医が辞めたくなる訳だこりゃ 】


 最新の傷害事件が侍が刀を振り回してた時代まで遡る…平和な筈の●●県名岐町郊外で八年前に起きた、地元の名士による小学3年生男女の拉致監禁と1年間も繰り広げられた虐待行為は生き残った小学生男児による通報で漸く事件に発展。警察が発見したのは御園夫婦とその家の主人に妻の遺体。いずれも包丁でメッタ刺しされた無惨な姿。生き残ったのは血まみれで錯乱状態の小学生の男女と重傷を負いながらも実は二人目の母に庇われる形で命を拾ったこの物語の語り手で主人公。


…あれから八年、小動物惨殺から始まった通り魔による殺害は人間がターゲットになり始めた事で街に再び暗い影を落としていた。2人が殺され遺体発見.小学生兄妹が行方不明となり既に三週間が経過。当初は事態を警察に任せるつもりでいた生存者の一人“枝瀬××”は過去のある事案から子供達を拉致監禁しているのがクラスメイトで問題児の“御園まゆ”と気付いてしまい最悪の事態を穏便に解決する為、再び“みーくん”として彼女の前に現れます。


 八年前の事件で精神崩壊、他人を全て拒絶する事で精神の安定を保っていた彼女は“まーちゃん”というキーワードで相手を拉致以前に依存しきっていた近所の男の子“みーくん”として識別。まあ拉致監禁ぐらいならまだ可愛い方で場合によってはそれに具体的な暴力が伴うという問題があり誘拐された時もみーくんと一緒だったから偶に見ず知らずの人を拉致監禁する事があるのですよ困った事に。最初に犠牲にされたのは迂闊にもまーちゃんと呼びかけた当時二度目の小学校四年生やってた主人公でした。


 脱出した所を恋日先生に助けられ無力な自分に泣き彼女の幸せの為に離れていた××君が、何故再びみーくんとなったかの理由は後々明らかになりますが今回のお話には関係ありませんから後回しにするとして…案の定一人暮らししているまーちゃんが住む部屋には、拘束された池田浩太(こうた).杏子(あんず)の姿が…


反抗的な態度に逆上し杏子の脳天に突き立てられる筈だった箸を、代わりに右手で受け血まみれになった事で兄妹の敵対心とまーちゃんの激情を逸らせたみーくんは必死に説得。風呂もトイレも食事もままならない状態だった兄妹の生活環境を改善しつついずれ折りを見て必ず逃すから“主人公(みーくん)が誘拐した事にしてほしい”と何とか池田兄妹を説得します。


怪我を負わせた事で混乱し。同棲どころか幼児に退行して結婚を迫るまーちゃんを騙くらかし親代わりとなっている看護士&医師な叔父夫婦に事情を説明する為、一旦マンションを離れたみーくんはある疑問を抱くのでした…そもそも外を正体不明の殺人鬼が彷徨いている警戒真っ最中の街で屋外に兄妹だけで夜遅く公園に居た所を拉致された事。いくら拘束されてても隣人が住んでるマンションで兄妹はなぜ助けを呼ばないのだろうという疑問。昼間、まーちゃんは高校に居るから足枷で拘束されてても簡単にドアから出られるし助けを呼べる筈なのになぜ?


御園まゆと枝瀬××が受けた受難とPTSD。治療にも関わった叔父夫婦を徹夜で説得、定期的な連絡を条件に感情を取り戻した事で“本当に危険となった”彼女の介護と池田兄妹の保護の為、同棲を始めたみーくんは兄妹が実の両親から偏執的な虐待を日常的に受けていた事。狂気と無気力の境目が曖昧なまーちゃんの本当にギリギリな私生活を知る様になります。祖父母からも半ば見捨てられ精神科医も迂闊に治療すると全てを思い出し返って症状が悪化する事を聞かされたみーくんは彼女に寄り添う覚悟を決めました。間違い無くそれは地獄道だけどな。


当初疑っていた通り魔の容疑者としての御園まゆではなく馬鹿ップルの片割れとしてのまーちゃんとの生活。監禁中の池田兄妹の生活環境も改善し始め三週間後のある日、みーくんは自分が通り魔の容疑者として監視対象になっている事に気付きます。定番となりつつある精神科医“坂下恋日(さかした こいび)”先生の所へ受診後のデートを条件にまーちゃんを数年振りのカウンセリングに連行したみーくんは、同じく先生との何時ものカウンセリングという名の世間話から彼女の親友で幼馴染みの女性刑事“上社奈月(かみやしろ なつき)”が調査を始めた事を聞かされました。


※ちなみにこの段階で刑事さんの名前は不明です。坂下恋日先生とは事件の後、入院中のリハビリ相談~その後の定期的な通院で10歳ぐらいからの付き合いとなります。クリスマスプレゼントやバレンタインの交流も有りますよ。


【囚人服姿の微笑み腹黒なジェロニモこと上社奈月さん.単行本でイラスト登場は9巻になってからでした。御年知ってる読者一同の感想は「あれで●●歳って詐欺だ!!」そのひと言につきます(笑)友人の恋日先生は失業してから6巻の辺りで漸くノーメイク姿で登場。ファンの涙を誘いました…ごめんなさい多分嘘です。】


 通り魔による9人目の犠牲者が見つかったその日。まるでまーちゃんの不在を狙った様なタイミングでマンションに電話をかけてきた上社奈月のアポイトメント~抵抗するなら家庭訪問しますよみーくんに答える形で修学旅行の前日・日曜日に待ち合わせ場所へ外出。その日は生憎の豪雨でした。待ち合わせ場所は近所のデパート。


 浮気防止と所有権主張の為、まーちゃんから頬(ほほ・ついでに大量の唾液も)に消えない程強烈なキスマークつけられたみーくんに声をかけてきたのは、食品コーナーで楽しげに試食品のパンを食べまくる銀髪に近い金髪を(かんざし)でまとめた髪型に、肩からブラ紐が見える程サイズが合わない白黒ボーダー柄のTシャツと同じ柄のミニスカートが囚人服に見える年齢不詳の外見に笑顔を貼り付けた色々残念な美少女もとい美女。


足音を一切立てず背後に回り込める特技を持つ彼女が上社刑事ことジェロニモだと知りみーくんは途方に暮れますが、それが彼女の常套手段です。丸めた針で突っつく様な愉快で嫌みな受け答えを交わしつつ喫茶店で奈月さんはカツカレーを平らげ.みーくんはココア…因みに八年前の事件の詳細から枝瀬××君と御園まゆさんの嗜好や行動パターンも掌握済み。おそらくマンションに池田兄妹が居る事も彼等が両親から虐待受けてる事も把握してます。


これはあくまでも非番を謳歌する地方公務員と暇な高校生のデートという態度(たてまえ)を崩さないジェロニモさんは食品売り場やフードコートで次々購入した惣菜やデザートを楽しみながら、犯行のパターンや犠牲者の傾向から通り魔が高校生である可能性が高い事やみーくんが深夜こっそり外出している時間帯と犯行時刻が重なる事など、ついでに事前にチクった恋日先生の恥ずかしい初恋エピソードを公開処刑の形でばらしつつ、やんわりとコーナーに追い詰める形で警察への連絡先として自分の携帯番号を教えてくれました。


まあ要するに真犯人あるいは“真犯人を知っていて行動している自殺志願者”として任意の事情聴取を提案された訳ですね。デートのお礼に大判焼きと万感の思いを込めたハグに妙な懐かしさを感じたみーくんは思わず抱き返してしまいます。


※実は彼女は八年前の事件における第一発見者で壊れ果てたみーくんを泣きながら抱き締めた警察官なんですが未だこの時は変人扱いです。


でその場面をこっそり憑いてきたまーちゃんに目撃されてしまいます。


錯乱と唯一残された感情=みーくんへの重過ぎる感情から無差別殺人を行いかねないまーちゃんの状況を強制停止させる為、デパート屋上からノーロープバンジーを決行したみーくんは病院に緊急搬送される事になりました。勿論馬鹿ップルの婚前旅行も兼ねた修学旅行はお流れです。



…此処まで延々と鬱描写やシリアス展開書いてて疲れましたから少々脱線します。1970年代に流行ったマンガで“愛と誠”という作品がありました。ああついでに書いとくと原作者は梶原一騎先生.コミカライズはながやす巧先生がやってまして西城秀樹主演で70年代に3作.2012年にリメイク版も公開されてますよお客様。


それで登場人物、ぶっちゃけ脇役なのに日本マンガ史上に残る伝説を作ったバカがおりまして名前は岩清水弘(いわしみず ひろし)ヒロインに横恋慕した彼の名台詞が


「君の為に死ねる!!」


と屋上から飛び降り未遂やらかすシーンでした。


…後に1986年に読み切りで発表された楠桂さまのギャグマンガ“中谷君!命がけ!”という作品でネタにされノーロープバンジーを決行した挙げ句病院に緊急搬送されて面会謝絶中にヒロイン、確かさゆみを横取りされたおバカ(中谷)が居た事をふと思い出した私は無実ですよね? 多分。あとまんまラブラビッツなゲームで歌にもなりました。


みんなは真似しちゃ駄目だぜ



【無傷だけど介護疲れと工作活動に情報収集を連日繰り返していたから二日間も意識が戻らなかったみーくん。待ち構えているのは激怒全開な恋日先生と奈月刑事さん。勿論叔父夫婦も駆けつけたから土下座祭りからです。足首くじいたまーちゃんはその間、みーくんとの約束守って池田兄妹の食事当番やってます。】


 落下直後に雨除けに開いてたテント生地の(ひさし)に引っかかりほぼ無傷で生還(ちなみに壊れた庇などの弁償は資産家な御園家が負担)飛び降り騒ぎの原因となったまーちゃんと大喧嘩の末、鉄拳制裁。そもそもこの仕事向いてないしいずれ私が精神科通いだわと辞職した恋日先生。二日間ほぼ眠らずに看病していた彼女はそれでも壊れたまーちゃんを庇うみーくんを何度もビンタしながら説明後、ベッドで一緒に不貞寝しました。


…実はみーくんにはまーちゃんが拉致監禁犯であって通り魔ではないとわかった段階で真犯人の正体を掴んでいます。八年前のあの日と同じ行動を繰り返すなら…もしかして記憶も戻ったのか? 場合によっては真犯人を殺しまーちゃんの為に永遠に口を閉じてもらう必要がありました。


この物語の語り手で主人公“枝瀬××”こと“みーくん”は八年前迄、天野あいと呼ばれていました。奇妙な名付けを決めたのは母・美沙で、なんで次男をそんな名前にしたのか、とうとう聞けずじまいのまま彼が3歳の頃亡くなります…けど、もしかしたらその遥か以前からこの家族は壊れていたのかも知れません。


数年後、拉致監禁&拷問の末みーくんと勘違いされる様になった彼がかろうじて覚えてる母の最後の姿は明らかに他殺死体です。


 この家の家長である天野南。曲がりなりにも父親だった筈のソレは世間的には教育××××とやたら長い肩書きを付けた地元名岐町の名士でしたが家庭内では暴力を行使する事に歯止めが効かない化物でした。母の死後.妊娠した状態でやってきた二人目の母.海豚(いるか)とほどなく産まれた妹.愛音(あいね)との対立をきっかけに引きこもりになった二つ年上の兄.司馬がある日中学校の体育館から飛び降り自殺。程なく上の兄を心底嫌悪していた妹は裏山で行方不明に……精神を病み追い込まれた父はある日完全に壊れます。


 テレビ画面や炊飯器と口論し三角関係をこじらせた近所の幼女の人生相談を受けていたソレが拉致して来たのは、町の資産家で親友の娘とその彼氏。危険を感じて義理の息子を逃そうとした二人目の母共々バットで滅多打ちにされ重傷を負った彼等も同じく監禁されました。恒常的に行われる虐待行為にある日飽きたソレは義理の息子にした元みーくんに、まーちゃんを殴る様命令します。自らの安全の為、他人を喜々として痛めつける元みーくん…やがて壊れたまーちゃんは彼女を必死に庇う“あい”を“みーくん”と呼ぶ様になります。


…あの日、四人を殺したのはまーちゃんです。娘の居場所を知っていると騙くらかし拘束した御園夫妻を殺す様命令された彼女は激しく抵抗。脅され今度こそ致命的に壊れたまーちゃんは両親だけじゃなく隙をついてソレを屠殺。続けてみーくんとなった彼を殺そうとしますが身体を張って庇い命を落としたのは二人目の母.海豚でした。元みーくんがどうなったかは記憶が在りません。覚えているのは血まみれのまーちゃんと何も出来なかった事で自分の本名にすら吐く程嫌悪感を持つから嘘で茶化す新みーくんの誕生でした。まる。


※可能な限りソフトな表現に抑えましたが原作はひらがなやイラストを駆使してよりエグい具体的な表現となってます。ご注意下さいませ。


 目撃者であり最早自分の名前を発音出来なくなったみーくんが沈黙を守った事、推定される容疑者が心身喪失した幼女である事から殺人については容疑者不明と処理された御園夫妻と天音夫妻の殺人事件の詳細はマスコミにも伏せられ。救助された子供達はそれぞれ別の病院でリハビリ治療→社会復帰を果たします。


あれ以降、隙あらば自殺行為に走るみーくんが精神科を退院。リハビリに関わった叔父夫婦の名字を貰い1年ぶりの社会復帰を果たしたのは数カ月後になります。だけどそれは新しい地獄の始まりでした、口がさない地方のコミュニティは忽ち人殺しの息子というレッテルを貼り付け虐めに発展。反撃も嫌がらせも日常のスパイスと化した彼は再び精神科の常連となります。


もっとも完全に他人を拒絶したまーちゃんと違い何故か世話を焼きたがる幼馴染みの女の子(柚々)やフラットな態度で交流するクラスメイト(金子)そして最近まで交際してた彼女も居ました……まあ過去がバレて駄目になったけどさ。


 何故自分が死ななかったかわからないままの彼は、敢えて犯人と差し違える形で彼女の平和を守るつもりでいたのですよ。深夜徘徊も情報収集も真犯人を誘き出す為の囮です。記憶を全て失い何事も無かった様に青春を謳歌し剣道部主将に生徒会長も兼任するもう1人の生存者。真犯人の“菅原道真”が何故八年前の殺人マシーンに戻ったのかなんて疑問は、どうでも良かったんです…勿論嘘だけどね。


奈月刑事ことジェロニモさんとの楽しい? 駆け引きと被害者の情報の結果。アレは記憶が戻らないまま殺人鬼に成り果ててるし対象とするのは幼児だった頃のアレが痛めつけることが容易な弱者。特に幼い子供に執着する事がわかったから色々手をうちます。


どう決着つけるか悩んだ池田浩太&杏子・兄妹の解放と警察への保護手配。拉致監禁については情状酌量の余地があるとジェロニモさんの確約を得ているし被害者の感情については…まあ親切は無駄にならないかも知れない。最悪の場合は菅原君に罪を着せてしまおうまさかに備えまーちゃんには睡眠薬を飲ませ拘束。池田兄妹には事情を説明し囮役を承諾させ“釣り野伏せり”…得意の口車で翻弄し(ひのき)の棒でぶちのめす予定は、色々あってスタンガンの口内攻撃が逆転の決め手となり両者リングアウトな形で救援を待つ間抜けなラストとあいなりました。


まあ原作はあくまでも最後ギリギリまで犯人が解らないミスリードに主人公の偽悪趣味とウザイくらいの“嘘”を連発してますが意外と行き当たりばったりの無謀な自爆攻撃の詳細知りたいなら本編何とか手に入れて下さいなと書いときます。これで終わる可能性は高かったしねこの物騙り。通り魔に滅多刺しにされたみーくんの意識が回復したのは集中治療室にかつぎ込まれて三日後の事でした。


【意識が戻ったその二日後。目の前には笑顔で激怒するジェロニモさま。横にはいつの間にか現れ居眠り中のまーちゃんが待ち構える時限爆弾状態。逃げようにも足はギブスで固定中…さあ、答え合わせと行きますか。】


 たわけ!どたわけ!!クソどたわけ!!!後二度と顔みせるな!!!!…という有り難い坂下恋日先生からの伝言(内ひとつは後始末に追われる上社奈月個人の見解)を笑顔で報告したジェロニモさまは今回髪を下ろし黒のスーツ姿……なんか企業面接に訪れた新卒採用希望者みたいだな。と場違いな上にバレたら留置場か警察病院送りな悪ふざけを考えてるみーくんとジェロニモさまの嫌み全開な答え合わせシーンを挟みながらも結局やるせない結末に溜息が出る辺りやっぱり二人は仲良しです。


 この後におよんでも、のらりくらりと真相を誤魔化すみーくんの図太どさに呆れ、いつの間にか隣に潜り込んで歯軋りしながら寝てるまーちゃんが苛々するし…そういやこないだは恋日が気持ち良さげに寝てましたね……羨ましいのと悪戯心、後始末で寝不足気味の奈月さんは慌てるみーくんをからかいながらベットに突入。なんだか川の字状態のハーレムエンドに突入します。途中まーちゃんが目覚めて危うくデッドエンドになりかけましたが、奈月さんが「まーちゃん」と声掛けしたら「みーくんが二人に増えたこれは夢だ(泣)」とパニック起こし再び寝ちゃいました。


 八年前(実際は6年前)みーくんを見失った“御園まゆ”は再び彼を取り戻したけど実は代用品。感情もちぐはぐで精神安定の為、殆どの時間を寝て過ごすのは変わらず。再びみーくんとなった“枝瀬あい”はやっぱり自分の名前が気持ち悪くて耐えられない嘘つきな人生(恋日先生.曰わく、みーくんは何か蛾に似てるそうな)池田兄妹と両親の関係は相変わらず冷え切ったまま。だけど相談出来るお姉ちゃん(奈月)とお兄ちゃん(みーくん)が出来た。


みーくんが正当防衛とは言えない形で壊したから、家出中の兄妹を襲い止めようと介入した通りすがりの高校生を殺そうとした犯人を壮絶な格闘の末、取り押さえた事になっているジェロニモさまこと“上社奈月”刑事はまだまだ終わらない後始末に取り調べが待ってるし。精神科医からいきなり無職になった“坂下恋日”は心の平穏の代わりに喪女なアラサー生活が待っています。


順風満帆なエリート人生から殺人鬼として留置場と取り調べ室を往復する人生を歩む菅原道真こと元みーくんと彼は無実だと泣き喚くその家族はどうでも良いし、今回の事件で犠牲者になった彼等とその遺族については別の物語で取り上げるとして(実は8巻/10巻である女の子が関わります)生きて明日をどうするか? 考えられる人生が有るのは幸いかも知れない「まあそう思おうかまーちゃん。」というモノローグで今回の物語は終わります。



トゥビーコンテーニュ。







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