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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん11 / ✕✕の彼方は愛 17年

2017年6/19~6/22脱稿 同日朝ガラケー投稿 2019年5/20タブレット端末で改稿開始〜5/23一応終了

【 (あい)に似た姉=枝瀬あゆと(マユ)に似た妹=枝瀬まい…(まい)が認識出来ない壊れた(あゆ)と自分達を壊したとある人物をバット片手に探し続ける(まい) 美しいけど何処か歪で壊れた双子がどの様に育ち“お馴染みの厄介な人々”と対峙しながら誰かの母となる人生を歩んでいったのか 敢えて時系列をぐちゃぐちゃにしてその懐かしさから内容確認しないでジャケ買いしたみーまーファンを阿鼻叫喚の混乱の渦に巻き込んだファンディスクみたいな物語だと書いときます…………幸せの背景に広がるのはやっぱり不幸な辺り救いは皆無です 多分嘘だけど。 】


★後日談にしてはかなり醜悪で悪趣味な展開が有ります。まあ、コレがみーまーシリーズなんだと書くとそれまでの話だけどね。


日本ライトノベル作品.

入間人間 著/左 イラスト

電撃文庫.


 この物語を改めて読み直し感想やストーリーを書き直そうと考える様になったのは、2019年5月にアラバマ州を皮切りにアメリカ合衆国の各州でキリスト教原理主義者(しかも提案した阿呆も承認しサインした州知事も女性な辺り…但しアラバマ州の議員は全員白人男性でした)により発布された“中絶行為禁止法案”に対するそこはかとない薄気味悪さとやりきれなさを感じたからです。 例え実の親や通りすがりの見ず知らずの人間にレイプされても 孕まされた被害者が初潮を迎えたばかりの少女で有り堕胎措置を行わなければ彼女の身体や心が壊れる可能性が有ろうとも避妊や堕胎は殺人なんだ 生まれる子供には罪は無く心身共に幸せになる権利が有るんだからと長年“綺麗事(ポリティカル・コレクトネス)”を叫ぶ中絶反対派は 堕胎措置を行った医師を殺害し病院やその家族が暮らす家にまでも火を放つ等 好き勝手やらかして来ましたが今後は法案の名の元で人々を縛り付けそれを合法化しようと動き出した訳です。


ちなみに彼等をバックアップする勢力には特亜から移り住んだ自称キリスト教徒(実際の所ウリスト教団)や共産主義(アカ)に染まったキリスト教福音派と呼ばれる悪質なカルトが多数存在し、民主党の1部みならず共和党やトランプ大統領ですら懸念を表明しているのですが対立は此れから始まる所で御座います。 なんせ司法や教育機関、町のインフラまで掌握してるメガチャーチと呼ばれ政府立入りを拒否する怪し気な団体=街や集落がそのまま教団施設と化したソレは既に700の大台を越えておるのですよ 93年に発生したブランチ・ダビディアンによる銃撃戦の末の放火自決とか70年代末期サンフランシスコでの武装蜂起に失敗し逃げ込んだガイアナで集団自決やらかした人民寺院みたいな騒ぎを今更大々的にやらかしたくはないという事情も有りますしね。


まあ此処まで書いたら大体察しが付くと思いますけど、6年振りの後日談は人によっては胸糞悪い醜悪なバッドエンドを著述トリック駆使して無理やりハッピーエンドに仕立て上げた悪意の塊みたいな物語です 出版当時は懐かしさ最優先“畜生! ミスリード描写に時系列もバラバラで何がどうしてどうなった?”な感じで読み終えましたが、まあ登場人物の心がどれだけ壊れようが60の大台越えた(なんつーか、壊れ切ったまーちゃんと心身ボロボロな空中分解寸前なみーくんこと枝瀬✕✕君は間違い無く早死にすると思ってたからさ…)みーくんがまーちゃんを相変わらず甘やかし2人の周りには実の娘達とその孫達が居て穏やかに笑ってるんだからまあ生きて歳を取ったんだしハッピーエンドで良いんじゃねと半ば現実逃避してましたが…改めて読み返すとかなりどぎつい描写に気付いて吐きそうな気分になりました。


最初の物語“幸せの背景は不幸”と対を成し、西暦2026年の誘拐監禁レイプ事件に始まり2055年に一応のハッピーエンドを迎えたシリーズの中で最も長い30年近い時系列をフラッシュバックで書き綴る…長い時間の末に構築された犯罪被害者と加害者家族との穏やかな遣り取りとそれでも消えないちょっとした距離感…生まれた子供に罪は無いけど彼女達が味わった苦しみはずっと終わらないんだ…そんな暗鬱な気分に追い込まれるかも知れません。では無理やり結論出した所であらすじに入ります。あくまでも私なりにこの物語を受け止め独自解釈した戯言でしか有りませんのでご容赦下さいませ。


ネタバレ入りますのでご注意を。


【 幸せで居続ける為に記憶と心が壊れ果てた彼女とその隣に居る為に身体を壊し尽くした彼から生まれた双子の娘。 外見は父親似なのに中身は母親同様壊れてしまった姉=あゆと母親似だけど中身は父親そっくりな妹=まい 壊れた姉は妹の姿を認識出来なくなりその残滓を探し続けて街を彷徨い、妹は姉を壊した犯人に鉄槌を下す為に金属バット片手に街を彷徨う様になった。 一見辻褄が有っている様だが前後の流れと会話が出鱈目にも程が有る支離滅裂な理由は何なのか……結局の所姉妹の関係断絶は6年程ずれ込んでいたのでした。 】


第1章:姉=枝瀬あゆ


 それは2033年.秋を迎えた頃のエピソード。いつ頃から何故その症状が始まったのかどうしても思い出せない私“枝瀬あゆ”の耳や目は、いつも共に居る筈の双子の妹“まい”の姿を何1つ認識出来なくなっていた…別に精神に異常をきたした訳では無いのだと思いたいが私は壊れ続けているらしい。子供の頃に同じベットで眠り馬鹿な遣り取りを繰り返し小学校の頃に誰かに扇動され妹を犯罪者の孫だと虐めるクラスメイトを豪快に椅子で殴り付けた思い出もその後のゴタゴタで学校に呼び出された父に“昔の自分とおなじだと”手を握られた記憶だけはしっかり残っているのだ。童話に出て来る眠り姫の様に殆どの時間を微睡み続ける母と決して善人とは言えない父の住むマンションを離れ、大叔母の暮らす家で同居しているのは働かなくとも生きてゆけると大叔母に太鼓判を押された野性味溢れる叔母と見えない妹……そして多数の犬猫達。


周囲の同級生…何故かいつも出逢う度に名字を間違えねばとサービス精神と義務感に駆られる剣道部の金子君を除いて友人らしい存在は居ない。元々人の名前や顔を覚えるのが得意という訳でもない私にとって他人は別にどうなろうが知った事では無いのだが“心配しているのは妹がやり過ぎないかという”それだけの事だ。小学校の頃の担任や数少ない幼馴染達が次々と認識出来なくなった事実……当初はワイルドで豪快な金属バットを使った人の壊し方を叔母から習得したらしい妹が殺人行脚を繰り返しているのかと心配したが……どうやらソレは違っていたらしい。何者かにバットで殴打され危うく人生終わりそうになりながらも妹を止める為に街を歩き回る私を見かね、悍ましい事に顔見知りには良く私の母と勘違いされる浴衣姿の無数の名を持つ変質者(イーノック)=大江湯女(おおえ ゆな)から自分が何故妹を認識出来なくなったのか答えを知らされた時、危うく私は錯乱寸前になったらしい。


私は何故記憶を呼び起こそうとした人々を自分の認識から消したのか……2026年 私達は誘拐され凌辱された。潮の香りや血の匂いに恐怖を感じるのはそのせいだ…漸く全てを思い出した私は遂に妹を認識する事が出来たもののそれは束の間の夢の様に薄っすらと消えてゆく……そうかこの家の近所にはあの子も居るのか…父を不必要に苦しませない為に私達はマンションから離れたのだと……多分全てを思い出してしまうと私は再び壊れてしまうのだ。私と違い記憶を失わず壊れる事で救われなかった妹を助けて欲しい…リセットされる直前に頼み込み続けた花咲とかいう探偵が事件を解決し死にかけた妹を助け出し犯人に鉄槌を下したのは5度目の依頼を受け調査を再開させた2044年の事だった。



第二章:妹=枝瀬まい


 長瀬さんちのあの娘を産み、壊れた人形の様に眠り続ける(あゆ)が漸く意識を取り戻したのは2027年に入ってからの事だ。だが姉の目や耳は事件を思い起こさせる何もかもが認識出来なくなっていた……ボロボロになりながらも共に歩んで来た私達の時間は徹底的に乖離しているのだと父を長年診てきた元精神科医のニート様はのたまった……だけど姉は基本的に何処までも見栄っ張りなのだ。見えない聞こえない私“枝瀬まい”をまるで見え聞こえているかの様に気遣う…私ごときが(かな)う筈もない大嘘付きなのだ。だから私は決めていた…家族の前では誘拐され凌辱され壊される前の様にお気に入りの絵を描き演技に気付かないかのように笑い歌い話し掛けようと…時折姉は正気に戻る。彼女にとっては微睡みの中の夢みたいなモノなのかも知れないが私と父は僅かなその瞬間に儚い希望すら抱くのだ……多分嘘だけど。


私は何1つ忘れた事は無い、いつか現れるであろうクソ野郎を殴り殺す為に金属バットを片手に無防備な姉を守るため街のパトロールが日課となっている。時折やって来る父に雇われた緑の帽子の花咲という不審者や姉に対するその過保護振りに呆れている小路坂と他愛もない遣り取りを繰り返しながら……やがて私を慕い“あねさん”と呼んでついて来る女子高生(ながせ)と街を散策し漸く姉様をいたぶるために舞い戻ってきたアレを見つけ出し、私は全てを終わらせる為にクソ野郎に襲い掛かる…神社に呼び出し追い詰めた積もりで逆に血塗れとなり追い詰められた私を大量の唐辛子パウダーを花咲爺の様にアレにぶち撒けて助けてくれたのは、姉に頼まれて最後の1線だけは越えない様にと待機していた不審者=探偵だった。2044年…私の復讐行脚は漸く幕を閉じる。殺したかったんだけとな…最後の最後に私の頭をよぎったのは体育会系の冴えない口癖が良い歳になっても治せない女子高生(めい)の姿だった。


☆ちなみに元女子高生の育ての親⇒後の義父母と叔母は、恐らく長瀬家に婿入りしたらしい元池田浩太君と池田杏子そして長瀬一樹なのかなと推測しました。大きくなった彼女はそのまま長瀬家へ嫁入り⇒生まれた子供達があの姉妹かと……なんかやる事成す事“長瀬透”そのまんまなんですよね、最後まで名前が出ないこの娘。


第三章:姉妹=長瀬あい&長瀬まゆ


 2055年の夏…コンビニの前で学校を行き来する幼い姉妹を見守るかの様に現れ、時折馬鹿な妹がお菓子や菓子パンを貰っている怪しいオジサン……誘拐犯だと勘違いしリコーダーで襲い掛かる姉=あいと何故か突如現れた怪しい浴衣女=大江湯女と3人掛かりでボコったりと色々やらかした挙げ句、彼の正体が姉妹の目茶苦茶若いひい爺ちゃんだと理解して貰えたのは全てが手遅れとなってから……未だに何故か元女子高生と大叔母(まい)に呼ばれる料理下手でその他の事も色々不器用な母も合流しその日4人が連れ立って訪れたのは叔母(まい)ややっぱり若い祖母(あゆ)…そして異様に若いひい婆ちゃん“まゆ”が暮らす古ぼけたマンション。


夢見る様に生きている曾祖母(まゆ)叔母(あゆ)…人間はどんな状況に追い込まれても幸せになる方法を探すし諦めないのだと母は言う。壊れたものは治らないしその積み重ねが人生なのかも知れないと曾祖父(ひひじいちゃん)は寂しげに呟いた。4世代の家族が過ごす穏やかで不思議な一家団欒…こんな光景を1言で纏めるなら私はこう答えるのだろう。



生きていて良かったと。








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