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魍魎の匣 CLAMP版.前編 08年

2017年6/3~6/7ガラケー執筆 前編という形で分割 6/10~6/12記載内容全面手直し~脱稿&追記 何とか読めるレベルに整理出来たからこれから投稿します

6/12お昼投稿

【中途半端にストーリーをなぞるだけの形で映画化された“姑獲鳥(うぶめ)(なつ)”と“魍魎(もうりょう)(はこ)”が惨劇レベルな駄作だったからある意味忘れられた存在ですが、京極夏彦先生のあのシリーズを読み砕いて映像化した中でベストと断言します。主題歌やエンディングのビジュアル系ダメージソングは忘れて下さいな。何故か雑誌でも単行本でも見つける事が出来ず読む機会を悉く逸した志水アキ先生のコミック版はいずれ読む機会があれば書いてみます。Amazonで購入しろってことですかい?存在X。】


日本アニメ作品.

全13話構成.


※1994年(魍魎の匣は1995年)から始まった講談社版は文庫版も含めて廃版決定(涙)角川から“いずれ”百鬼夜行シリーズ新作と共に再版予定だそうです。


 最初に…頓珍漢な台詞続出.大事な演出シーンを軒並み削ってゴアシーンだけの酷い脚本に致命的な“ミスキャスト”殺意すら抱かせる演技と不意打ち気味な爆笑必至のラストで映像化を期待した私にトラウマを植え付けた映画版(姑獲鳥の夏・2005公開.魍魎の匣・2007年公開)については“そんな映画は知りません。”という事にしといて下さいませ。あんなゴミを原田知世様出演で釣られた挙げ句、映画館でそれなりの代金払って観た私がバカみたいじゃないかね。


※絶●先生で的確な言い訳…「原作通りやったからしかたないじゃないか」と監督が逃げだすギャグかましてましたが困るのはやっつけ仕事で信用失った監督と制作スタッフだわな。


 私が“百鬼夜行シリーズ”を知ったのは4作目“鉄鼠の檻(てっそのおり”が新書版で発売された頃ですから1996年の春になります。前年1995年に起きた阪神淡路大震災による燃え盛る街の地獄絵図.オーム真理教によるサリンを使った無差別テロ→富士山麓に建てられた教団施設の攻防戦で巷は混乱。肝心要の政府を担うのは腐敗と老朽化.派閥争いで弱った挙げ句、マスゴミの情報操作で自民党が崩壊した事で政権を手に入れた社会党がさらに社会不安を引き起こし、ノストラダムスの大予言を始めとする世界の終わり…1999年を間近に控えた、そんな時代でした。災害復旧がたかだか1年程度で終わる筈も無く社員で積み立てた互助会費全額提供に人員派遣もありましたっけ。


物語は太平洋戦争の闇の記憶が色濃く残るGHQ占領下の昭和27年(1952年)を始まりの舞台とし、得体の知れない“あやかし”が闊歩する逢魔が刻に「世の中にはね、不思議な事は何ひとつ無いのだよ関口君。」とささやきながら時代錯誤な陰陽師、あるいは神主そして古本屋<京極堂>店主として形無き存在を妖怪に堕とす事で固定化する“憑き物落とし”をやってのける“中禅寺秋彦=屋号・京極堂”に過去が見え空気を読まないもとい読めないから推理しない探偵…サヴァンとしての異能を持つ不思議生物“榎木津礼二郎”彼等の幼なじみで関口君の元保護者(戦争中)究極の堅物で、ある意味墓穴掘りの名人“木場修太郎.巡査部長”とその後輩“青木文蔵刑事”“木下刑事”(アニメではカチコミシーンのみ登場)に物語の語り手で鬱病の小説家“関口巽”等々、色々濃いメンバーが人間がやったとは思えない異様な事件.怪奇現象じみた事案を解決してゆく姿を描いた物語は時代を反映して大ヒットしました。


勿論、私も例外ではなく高校卒業以来久しぶりのGW休暇…しかも休日出勤の予定日ゼロだった事から暇つぶし目的で購入した“姑獲鳥の夏”で完徹してしまいハイテンションな状態で本屋へダッシュ。“魍魎の匣”“狂骨(きょうこつ)(ゆめ)”“鉄鼠(てっそ)(おり)”までほぼ完徹で読みふけった記憶があります。連休最終日はなんとか眠りましたが食事も殆ど取らなかったから体重がエラい事になりました。作る時間も惜しかったんだよう。そして物語の集大成、独立した事案と思われたそれぞれの事件の根幹に関わる無垢で悪意無き優しい化け物=蜘蛛と呼ばれた人物が起こしたささやかな行動が読者を心底恐怖に追い込んだ5作目“絡新婦(じょろうぐも)(ことわり)”で一旦第1部終了を迎え探偵・榎木津礼二郎が大暴れする数冊のシリーズ“百鬼徒然袋-雨/風/雲/陽”や物語の裏側で犯人が体験する“通りもの”の恐怖を描いた短編集“百鬼夜行”を合間に挟みながら


塗仏(ぬりぼとけ)(うたげ)準備編・始末編”“陰摩羅鬼(おんもらき)(きず)(実際は旧漢字です)”“邪魅(じゃみ)(しずく)”と続くわけですが私は“塗仏”である人物を強制退場した事とあの結末に色々納得行かず“陰摩羅鬼”で読むのを断念した経緯があります……何のことは無い仕事が忙しくなった挙げ句、精神的に色々きてたんですよ。シリーズ自体は滅茶苦茶長く、イラストは気休め程度なぎっしり詰まった内容…鈍器やレンガに例えるファンもいますがそれぞれ独立した内容で順番バラバラでも楽しめますから、あまり構えないで欲しいんですが敷居が高いですかね?読むの断念した理由として他の小説にアニメ視聴を優先した事もありますが物語の雰囲気が時代からズレたって感じた事もありますよ。逢魔が時は一瞬の輝きでしか有りませんから。そういや別の出版社で自称原作者を名乗る阿呆による作品全否定、悪口全開の告発本がありましたが帯のコメントの下劣振りに目すら向けなかった記憶がありますなあ。当時特撮やSFの揚げ足取る解説本が結構あったのよ。


【アニメ版は映画や原作ではさらっと流した関口語(笑)で話すヅカ系中学生“柚木加菜子”と“楠本頼子”のプラトニックな百合描写から始まります。陰惨な本編とは真逆な春“月灯りの下、舞い散る桜と踊る2人の少女の光景”はCLAMPキャラならではかな?この物語を知らないお客様に是非お薦めしたいぐらいお気に入りです。】


☆例によってネタバレ有りのストーリー説明と感想ですので本編未見あるいは原作未読のお客様はバック下さいませ。


 楠本頼子(くすもと よりこ)柚木加菜子(ゆずき かなこ)が好きだった……周囲に居る家柄だけは立派な無知で陰険な小雀とは勝負にもならない知性。当時不良の振る舞いと軽蔑された喫茶店に出入りし優雅に珈琲と読書を楽しむ自由闊達さに、まるで文学青年の様な言葉使い。桜吹雪の夜、天女の様に美しく舞い踊り独特の価値観を語りかける現実離れした孤高の存在……あのシーン関口君が見たらあまりの恥ずかしさに無言で突っ伏すだろうし、京極堂は死ぬほど笑うだろうけどな。


……新興宗教に嵌り家庭を省みない母親に失望。逼迫する生活に追い込まれ絶望しかない現実……まるで恋人の様に孤独な自分に寄り添ってくれる憧れの彼女に成りたかった頼子は加菜子に“来世の私”と認められ縁の(えにしのひも)を託された事で幸せの絶頂にあった。だが夏休みに計画していた冒険…ささやかな家出旅行決行のあの夜、楠本頼子は突然“通りもの”に遭遇してしまう……武蔵小金井駅で何者かによる線路への突き落とし事件が起きる.重傷を負ったのは柚木加菜子という美しい少女。避けきれず彼女を轢いた列車には事件の後処理で遅くなりクタクタになっていた今回の物語の主人公、警視庁捜査一課刑事.木場修太郎巡査部長が乗っていた。


☆おんばこ様→携帯ではあの漢字変換出来ません。敢えて平仮名にします。あの事件については勿論“姑獲鳥の夏”でやらかしたドタバタの後処理です。前作知ってる人は木場刑事が色々機嫌が悪い理由、ご存知ですね(笑)元上官と学生時代からの腐れ縁共の後始末は以降も付きまといます。


生死の境をさ迷う加菜子の姿にどこかで会った様な妙な縁を感じ、駅前派出所警官の福本巡査と共に救出作業と事故処理で忙しい鉄道公安官の代わりに重傷を負った少女の友人(頼子)保護と事情聴取を行っていた木場刑事は、意味不明な言動とパニック状態な彼女に途方に暮れていた。事故の連絡を受け病院の緊急処置室に現れた横柄な弁護士“増岡”彼女の同居人を名乗る“雨宮”そして加菜子の姉を名乗る元映画女優美波絹子…引退し“柴田陽子”となった彼女は学生時代の木場修太郎憧れの存在でした。実は警察手帳にこっそりブロマイド(カード大写真)を隠し持ち時折眺めて癒やされていた彼は漸く加菜子が彼女にそっくりなんだという事に気が付きます。生死の境をさ迷う加菜子をほったらかしに死んだ後の手続きについて話を始め、時折陽子や雨宮を罵るる冷酷な弁護士に強い憤りを感じ。さらには陽子宛てと思われる“死神”と自称する誘拐予告状を偶々目にした木場刑事は彼女達の力になる為管轄外の事件に潜り込む事になりました。ついでに年頃の娘ほったらかしにおんばこ様の儀式に出てた癖に、ヒステリックに頼子を罵る母.君枝も登場しますが…まあどうでも良いか。


 それから半月後、初夏に起きた事件からかろうじて立ち直ったばかりの語り手で小説家“関口巽(せきぐち たつみ)”は月刊実録犯罪の若い記者で色々付き合いのある“鳥口守彦(とりぐち もりひこ)”奇譚月報編集記者で京極堂の妹“中禅寺敦子(ちゅうぜんじ あつこ)”と湖で見つかったバラバラ屍体(少女の手足)の捜査現場を訪れていた。何時もなら率先して現場を仕切る木場刑事の代わりに指揮を取る青木刑事からあの堅物が管轄外の現場から帰って来ないとの情報におかしみを感じつつ案の定、方向音痴な鳥口君のミスで道に迷った3人は偶然、美馬坂近代医学研究所に辿り着く。人里離れた山中に佇む黒い(はこ)の様な不気味な建物。暗闇から突然現れ明らかに殺気立つ多くの警官達。建物入口で疑わしげに様子を見守る所長美馬坂とその部下.須崎.里村に不安げに見守る陽子.雨宮の姿に疑問を抱きつつも苛立たしげに現場を仕切る木場刑事に言われるままその場を追い出されました。


翌日8月31日未明、大勢の警官の警護をかいくぐり家族や木場の目の前で柚木加菜子は攫われた。警官を呼ぶ為外に飛び出した須崎は殴殺され雨宮も行方をくらます。「加菜子は死なない!彼女は屍解仙になったの!!」事件直前見舞いに訪れ、空になったベットを前に何故か歓喜の叫び声をあげる頼子。謎に包まれたまま、神奈川県警の担当者による八つ当たりに近い言い掛かりにより木場刑事は現場から離される。管轄外の事件に関わって帰って来なかった事について謹慎処分を受け、無聊を囲む木場の下宿にバナナを持って(木場がゴリラという訳ではなくあの頃バナナは高級果物です)を情報収集と相談に訪れたのは武蔵野連続バラバラ殺人事件を捜査中の青木刑事。あの日から毎日の様に発見される犠牲者は既に8名にも達し、手足のみの遺体が武蔵小金井各地で綺麗に桐匣に納められた状態で発見されました。


身元不明犠牲者の手掛かりを求め本庁総動員で未成年の行方不明者や赤線で行方をくらませた少女達の調査を行った結果、指紋や血液型から犠牲者の内7名の身元が判明します。彼女達の周辺調査をおこなった結果、失踪直前周囲に黒衣に手袋をした怪しげな男の目撃情報があった事。それは加菜子誘拐事件の前後目撃された容疑者らしき人物と特徴が一致する…木場刑事は再び捜査に乗り出します。


 その頃、月刊実録犯罪記者.鳥口君はなかなか内部に切り込めない新興宗教団体の調査に苦戦していました。森に隠れた怪しい匣型の建物から追い立てられた翌日、清野と名乗る人物より刑事告発を条件に預けられたのは信者の弱みや多額の喜捨額が記されたおんばこ様・顧客名簿リスト。祈祷は原則無料の筈なのに大金が動き。資金運用に政治家や資本家、果ては怪しい高利貸しが関わる真っ黒な現状。取材の際判明した教団を裏で仕切っていると思われる“黒衣に手袋をした若い男”の存在。特に名簿に記された最近喜捨額が滞納気味のブラックリストの内容と、ある情報提供者より入手した武蔵野連続バラバラ殺人事件の被害者候補のリストの一致。さらには教団から黒衣の男によって大量の桐の匣が事件発覚前に持ち出された目撃情報にその匣とそっくりな桐匣に手足が納められていたという目撃者の証言。遺体発見現場周辺で子供達が見た黒衣に手袋、匣を抱えた幽霊の目撃情報はあの事件を追う中禅寺敦子孃からです。


潜入取材を見抜かれ。教主の不可解な霊能力に衝撃を受けた彼は意外と頼りになる人物“姑獲鳥の夏=久遠寺病院を巡る連続事件”を友人達と解決してみせたと関係者の噂が絶えない幻想小説家で事件記事掲載で色々お世話になっているフリーライター.関口巽を訪ねました。同じ頃、進まぬ誘拐捜査にしびれを切らした柴田財閥の顧問弁護士.増岡は事件を解決する為、とんでもなく優秀と評判の高い“薔薇十字探偵社”を訪問。顔を観ただけで全てを読み取る捜査しない探偵“榎木津礼二郎(えのきつ れいじろう)とその助手“安和寅吉(やすかず とらきち:愛称・和寅 アニメでは美少年(笑))”に玩具にされ、柚木加菜子の本当の母親が姉を名乗る柴田陽子である事、遺産相続を巡るトラブルで加菜子が唯一の相続人となった事等情報を全て抜かれていました。相手が悪すぎるのよ。


【その頃、仕事に戻った関口巽は“久遠寺凉子”の事件を元に書いた“目眩”を含む近代文藝・掲載小説を元に編纂した作品集の順番と編集者小泉珠代を困らせる後輩新人作家・久保竣公の幻想小説“匣の中の娘”に振り回されていました。】


※関口巽の短編.目眩の少女モデルと不可解な遣り取りは前作読んだお客様ならご存知ですね。小説版の姑獲鳥の夏クライマックスシーンを揶揄した幻想的な光景…特にあのヒロインの美しさはアニメじゃなきゃ再現不可能だわ。


 みずうみの件以来、直々敦子さんと情報交換をおこなっている鳥口君に頼まれ頼りになる専門家として関口は京極堂を紹介する事にします。蝉時雨が鳴り響く街の郊外、訪れたのは眩暈坂。急な斜面に立ち並ぶ墓場と木々。壁で迷路に迷い込んだ気分になる事から名付けられた神社へ向かう坂道の途中、2年前に和菓子店から古書店に模様代えした自宅兼店舗。中禅寺敦子の年が離れた兄、中禅寺秋彦こと京極堂(最近は使わないけど同姓同名が多かった時代に個人名の代わりに渾名や屋号を宛てました)坂の頂上にある武蔵清明神社の神主でもありますが現実主義者で本馬鹿です。


妹から事前に鳥口君のプロフィールやおんばこ様の怪しい振る舞いについて等々、色々知らされていた京極堂は玄関で応対する妻・千鶴子(アニメで初登場。同じく初登場の関口の妻・雪江とは学生時代からの親友です)と関口&鳥口の会話からだいたいの要件を推測。占い師や霊能者が行う会話術で彼等を驚かせる事に成功します。


※榎さんといい、京極堂といい関口君が絡むと毎回手を替え品を替え驚かせるのは彼の新鮮なリアクションを楽しんでるからだったりします。貴重な突っ込み役だし相手が千鶴子さんだったら怒られるし(笑)


※京極堂役は洋画ではジョニーデップの吹き替え。ヘルシングではロンドンについてのモノローグが泣けた(あのロンドンがよ、今じゃ地獄ど同義語だ…本当しゃれにならん(涙))ベルナドット隊長役を演じた平田広明様。この人のイケボなら2時間連続でも耐えられますな。


おんばこ様こと寺田兵衛がやった掌握術を説明しつつ「あれは心霊術や超能力による奇跡ではないよ、だかこれだけでは警察は動かない…。」話を穏便に終息させる積もりでいた京極堂は、敦子のお気に入りで義理の弟候補の鳥口君が、記者としていや1人の真っ直ぐな若者としてこの問題を看過出来ず刑事告発する覚悟を決めた漢気振りを気に入り協力する事を快諾します。


近隣住民.幼なじみの風呂屋への取材により判明した、匣職人寺田兵衛が実直な性格故に次々と不幸にまきこまれた末に、魍魎専門の呪い師おんばこ様となるきっかけとその経緯。そもそも先祖代々宮大工で徴兵されていた時期を除き県外へ出た事がない根っからの職人だった彼が神主の知識や会話術を会得している謎。


彼が作る魍魎を封じる匣とその教義に最近巷を騒がしている武蔵野連続バラバラ殺人事件との怪しい関連性。顧客リストに“四肢を切断され匣に納められた生きた少女を持ち運ぶ男との出会いとその再現作業を綴った”不可解な小説を書いた“久保竣公”の名前がある事に動揺する友人に気が付いたものの簡単には口を割りそうにない暇な小説家(関口)に顧客リストのチェック…証人となりそうな人物の洗い出しとリストのコピー作成。前回“姑獲鳥の夏”で色々世話になった嘱託監察医.里村先生へコピーを預け捜査本部への情報提供をお願いする様頼み。


鳥口君には、おんばこ様の憑き物を落とす為の具体的な情報収集、彼の祝詞の内容や人間関係等の調査を頼みますがこの時点では勿論、バラバラ殺人事件の犯人との関連性は判りませんでした………ちなみに鳥口君、関口君自宅訪問~中禅寺亭で京極堂と千鶴子さん&飼い猫“石榴(ざくろ)の出迎え、心霊術の絡繰りとおんばこ様が取り憑かれた“魍魎”と呼ばれる不可解であやふやな妖怪の説明~バラバラ殺人事件との関連性発覚まで延々2話プラス5分ほどに渡る会話シーン。普通なら眠気に誘われ飽きるとこですが…滅茶苦茶面白れーです。何回でもリピート出来んのよ。


※アニメではその瞬間

(・_・)エッ..?となった鳥口君のボケ…掃除と荘子(荘周という思想家が編纂した古典.明鏡止水や井の中の蛙-等が有名。道教の始祖)については字幕入れて下さいな(泣)あのシーンの同音異字ギャグは読まないと解りません。


……その頃彼女が愛読していた小説から実在しない“黒衣に手袋をした男”の目撃情報を思い付き警察に証言した楠本頼子は、あの日以来幻想と現実の境目に囚われたまま柚木加菜子の生まれ変わりとして人生を謳歌していました……ぶっちゃけ気が触れたあるいは簡単に発狂したと書いた方が的確ですかね。かろうじて自分が追い詰められた自覚はありますけどさ……。


喫茶店で独り読みふける雑誌.近代文藝に掲載された加菜子お気に入りの作家の小説。関口巽著.目眩に登場するデウス・エクス・マキナ“黒衣に手袋の男”そのままの格好をした芸術家の様な美しい男性久保竣公に声をかけられ「君の美しさを永遠にしてみないか…」と彼のアトリエに誘われ悩んでいました。


※久保竣公役はシャアと同じくあの世界でロリコン&マザコン&ショタコンの三重苦を患った(笑)アムロ・レイ役でお馴染みの古谷徹様。吉本?のバッタもんと違ってイケメン振りとそこはかとない変態性が染み出る演技がリアルです。褒めてるつもりなんですが何か変だな、おかしいな



結局ラストまで突っ走れなかったんで次回へと続きます。好きな作品紹介すると本当に暴走するわ。ではまた次回。



【オマケ話と与太話…本編とはあまり関係が無いから興味無い方はバックお願いします6/12追記】


 当時、あのシリーズ姑獲鳥の夏~魍魎の匣を読んだ時、私が連想したのはその数年前に出版された関口た……もとい摩耶雄高 先生.著“メルカトル鮎.最後の事件”と“夏と冬の奏鳴曲”でした。


貴族探偵?………知らない子ですね。誰ですかあんな小説書いた人は?!



学生時代、恩師の数学教師(故人)が副業で憑き物堕とし兼拝み屋やってまして、暇な時にその様々な厄介さんとの体験談を披露してくれた記憶があります。そういや京極堂のあのシーン、怖いという感情よりも読んだ時.懐かしいと思ったんだよな


あの頃.色々シャレにならない恐怖体験を山ほど経験しましたからなんか心霊現象に耐性か出来ました。だけどそっちについては墓場まで秘密を抱え持ってゆこうと思います。実際、死人出てるし。



このアニメを見てて気になったのが戦後の闇・赤線と半ば廃墟と化した工場周辺の商店街のシーンでした。戦前活況を極めたキューポラが見える街。敗戦による経済破綻とおんばこ様信仰で家計と家族の関係は崩壊。生活苦をどうにかする為、身体を売る少女達の姿。


小説ではさらっと流しましたけど楠本頼子も写真館の娘と同じ経緯を辿る可能性が高かった訳です。あの事件を契機に気が触れた彼女は幸せだったんでしょうかね? 全くこれっぽっちも救われない話です。





この物語で説明される.超能力者/占い師/霊能者/宗教家の違いや彼等が客を虜にする絡繰りの説明シーンは教科書に掲載するレベルの名シーンです。


アニメ見てて思わず鳥口君みたいに「…うへぇ」となりました。


アニメ版と書くべきタイトルをCLAMPとしたのは後年、再アニメ化を期待しての事。出来りゃこのキャストとキャラクターデザインで絡新婦の理まで見てみたいな…と思います。



後…実相寺監督が途中まで関わった映画のあのシーンについて、とん●●ず(本人の屑ぶり知ってるから様なんかつけません。●ねば良いのに(笑))や関根勤様がテレビでやってた微妙過ぎるモノマネ?…のあの落っこちるシーンをイメージ下さい。


本当にぶち壊しだったのよ。シリアスさんは即死しました。




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