シー・バトル 戦艦クィーン・エリザベスを追え!! 12年
2017年5/31~6/2ガラケー執筆し朝脱稿 同日午前投稿
テーマは悪く無かったものの……CGに頼り過ぎだし同盟国の活躍無かった事にするのは卑怯かと感じました 多分最初のガリポリ上陸作戦描いた作品
【 トルコ共和国建国の父でイスラム教からの政教分離と信教の自由 中世そのままな男尊女卑極まる時代錯誤な社会環境を独裁者となり欧米より先んじて近代化させた ムスタファ・ケマル国父将軍と トルコ軍各師団の第1次世界大戦におけるガリポリ=チャカナレの戦いにおける活躍を描いた物語。 戦艦クィーン・エリザベスは登場します 艦隊旗艦だから戦闘シーン皆無で出落ち感半端ないけどね。 】
★幾ら指揮官が戦死したら困るからと最新鋭艦を旗艦にしたら戦闘に使えない⇒作戦大失敗なんて教訓残しましたが 日本は学ばなかった(-_-) まあそんな話です。
☆酒は飲むし打つし買う人だったからイスラム原理主義者には心底嫌われてます トルコの宗派は絡み酒はアウトだけど他は全部OKだし 断食の義務も有りません。
原題:CANAKKALE1915
英題:GALLIPOLI1915
1915年 連合軍が失敗⇒戦争長引かせた
ガリポリ上陸作戦の物語 但しほぼイメージ映像
トルコ共和国 劇場公開作品
2016年 日本DVDセル
私はデザイン系の工業高校出身でしたから高等教育で世界史を習った経験が皆無です。どっちかと言うと美術史よりの専門教育だったのですよ。まあ、小学~中学校程度の知識+テレビや図書館通いで身に付けた雑学程度しかありません。で、今思い返しても教師に軒並み恵まれなかった事もあり思いっきりパヨク系な偏り甚だしい洗脳じみた授業を受けたせいか歴史関係の教師とは成績と反比例する形で悉く敵対してきました(笑)勉強するのは楽しかったからある特定の年代限定で異様に詳しく知ってる割に意外と普通の高校生なら知っいる項目を知らなかったりします。
特に開戦~終戦の年度と主な参戦国.後何故か日本軍による青島攻撃を“中国に対する侵略行為”だと頭がパヨクってる阿呆の教育受けた為、メインのヨーロッパ=フランス.ソンム戦線のイメージしかなかった訳ですが今回の舞台は2線級の扱いとなっている地中海戦線.しかも短期間にトルコ首都.イスタンブールを攻め落とす事で戦争を終わらせようとした顛末をトルコ側から描いた珍しい物語です。再現が経費的にも物理的にも厳しいイギリス大艦隊や爆破炎上シーンはCGで対応してます。
北方のクリミア半島からトルコ侵略の為、南下するロシア軍に併せて南方の地中海からガリポリ半島に46万8,000もの大軍で上陸。目障りな要塞群に立てこもるトルコ軍僅か4万程度の戦力を、艦砲射撃で吹き飛ばし一気にオスマントルコ帝国首都イスタンブールを占領。ドイツ帝国やオーストリア・ハンガリー帝国を包囲し継戦能力をへし折る筈だった“ダーダネスル戦役”作戦の中心、要塞群破壊任務を担うのは当時最新鋭だった超ド級戦艦クィーン・エリザベスを旗艦とするイギリス&フランス前ド級戦艦群(こっちは19世紀末に建造された石炭動力の旧式戦艦)それを支援する無数の艦艇(初期の空母.戦闘機を搭載可能な水上機母艦も居ます)上陸軍を満載した空前の規模で襲い掛かる輸送船団の姿がありました。
1908年に起きた青年トルコ人革命でイギリス.フランスによる近代化支援を受けていた…但しイスラムの慣習は排除出来ず莫大な借金も嵩み強攻策として法整備を廃止、独裁体制となっていた皇帝アブドゥル=ハミト二世は退位し国外追放。
過激な指導者、エンヴィル・パシャ(閣下の敬称)により引き継がれたパン・イスラム生存圏拡大を目指した無謀な侵略&他宗教勢力弾圧にロシア国内にアフガンやインドのイスラム教徒の暴動支援で端を発した第1次~2次バルカン戦争.イタリア・トルコ戦争によりオスマントルコ帝国は国土の1/3と多くの国民を失い弱体化。新興勢力のドイツ帝国から技術支援.軍事支援を受けながら巻き返しを図るトルコ帝国は地理的な環境からなし崩しに第1次世界大戦に巻き込まれます。
開戦直後に同盟国側でブルガリアについで弱い国を降伏.占領下に置くことでクリスマス迄に戦争を終結させる筈だった連合軍の作戦はロシア軍の不手際と思いもよらぬトルコ帝国軍の抵抗で泥沼化する事になりました。
1914年11月~1916年1月迄、最低でも10倍以上の圧倒的な戦力比で攻撃を開始したサー・イアン・ハミルトン将軍指揮下の連合軍(英.仏.インド.オーストラリア.ニュージーランド.カナダ)は4万近い戦死者と9万以上の負傷者.14万以上の腸チフスや赤痢による戦病死。海上では要塞砲と巧妙に仕掛けられた機雷や魚雷艇.Uボートによるゲリラ攻撃で旧式艦とは言え、戦艦6隻撃沈・3隻大破という大損害を被り膠着。
“多くの犠牲者に報いる為に”なおも作戦を継続しようと抵抗するハミルトン将軍を解任。後任となったチャールズ・モンロー将軍の巧みな采配でかろうじて包囲されたガリポリ半島から撤退。イギリスは作戦失敗の責任者として計画に関わった海軍大臣ウィンストン・チャーチル解任の処分を下します。
防衛戦をやり遂げたトルコ帝国軍側も結果的に戦力の逐次投入…経験の浅い志願兵による穴埋めで戦死8万6,692名.負傷者16万4,617名もの多数の犠牲者を出し以降の継戦能力損失、宗教指導者の政治介入で責任者.エンヴィル・パシャは国外追放。トルコは1918年に降伏。ムスタファ・ケマルによる共和国独立まで占領下の屈辱を経験します。
物語はバルカン戦争の惨劇、避難民や負傷兵の悲惨な光景から始まり理不尽な侵略行為に抵抗する、各要塞指揮官.増援部隊下士官に兵士達、難民キャンプからやって来た志願兵や野戦病院の看護婦による視点を交えながらスローモーションやイスラム音楽を多用したイメージ映像を交えつつ、時系列に沿った形で連合軍側の攻勢が頓挫するまでのトルコサイドの戦場風景を映し出します………。
とは言え“たけのこの里?”みたいな軍帽をかぶった“太い眉毛に口髭の濃ゆいオジサン”が「アッラーアクバル!!」と叫びながら敵陣に突撃するシーンがやたら多いわ、老若男女登場人物全員の発言がやたら愛国心全開だったり、なんか変なツボを刺激して不謹慎だけどちょっと笑いたくなるのはいかがなものか……いかん映画では終始高圧的で間抜けなイギリス軍の軍帽が“きのこの山”に見えてきた(笑)
まあ登場人物全員が実在のノンフィクション…遊びの要素は色々怒られるから真面目にソフトに仕上げた作品です。ガリポリの戦いを描いたオーストラリア等、他国の映画化作品と対比しつつ●治のお菓子を食べながら楽しむのが無難かなと思います……せっかくだから幼女戦記のアニメ第二期オリジナルストーリーとして組み込んでやってくれませんかね。制作スタッフ&カルロ・ゼン様。
ではまた次回。




