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ハーモニー<harmony/>  15年

2017年2/13~2/20脱稿 ガラケー投稿

本来ならバレンタインデーに投稿する筈が血まみれで救急車の到着待つ羽目に

単なる目撃者でしたから私も駄犬も無傷です。幸い犠牲者も生きてたし…。

2017.2/21投稿。そういや今回チョコレート食べてねえな

【 見つけた瞬間、これ以上にない絶妙なタイミングで流れ出した“YATTA!女性アイドルリメイク版”で崩れ落ち。 変なテンションで楽しく閲覧致しました(笑) シリアスな感想ご期待のお客様はバック御願い致します。 伊藤さん……君の遺した物語は“はっぱ隊”に負けたぞ 】


※まあそういう理由で思い切り不真面目に観賞した感想です。メンヘラ・スプラッタでグロなアレ思い出すよりあの歌で踊る主役3人:葉っぱ1枚のトァン.ミァハ.キアンをイメージしチベットスナギツネの様な目でご笑覧下さい。


 本来なら、なんぼデストピア舞台のSF作品だからって露骨に人生や世界を解った気になって“疲れた”と嘆くイタいにも程がある“お孃ちゃん”の愚痴が出てきた段階でDVD止めて返却する所だったんですが“うん、小学生の頃こんな悩みで反抗した事有ったなあ”と笑って流せたのはあの歌のおかげです。ありがとうはっぱ隊。


※ネットで彼女達の心中未遂事件時の年齢知り、ドン引きしました。流石に原作通りの設定は可笑しいと思ったのか中学生ぐらいに変えましたね。


 前回、前々回に続いて伊藤計劃プロジェクト…本来なら第3弾となる筈の物語でした。大人の都合でそもそも“こんなクソふざけた世界が誕生した原因=大災渦”の描写や状況説明皆無の状況でいきなり“キマシ塔のでんぱ文章記述シーン”から始めるとは…初見お断りな作品目指したんでしょうか祇園の料亭気取りは勘弁して下さいな、ただでさえも少ない客が逃げるぞ。アホウ。


一応、事前に大まかなあらすじと舞台設定を予備知識として頭に入れていた私も観てて結構辛い物が有りましたね、同性愛濃厚なメンヘラ描写にグロ演出は結構来る物が…トイレはどこだい?ちょっと吐いてくりゅ。 大災渦から始まる異様に親切で清潔、様々な制約が“健康的な生活”を押し付けるデストピアというかクソふざけた世界描写については昔観た“2300年未来への旅”まんまの世界です。


※1976年公開の馬鹿映画。ヒロインが全裸にカーテン1枚で動き回る為、何故かBlu-rayで再販中(笑)


いや、むしろ内容自体が“士郎正宗のアップルシード”オリジナル版で展開される“アポロシード計画”“オリュンポス建設”“エルビス計画”まんまな内容だったから滅茶苦茶懐かしいと思った世代が多いかも知れません。なんせあのコミックもブログで感想書いてる人が書いてた“栗本薫御大のレダやメディア9”とか1980年代中期に流行ったヨタ話なんだよな~うん。個人の意識を排除し集団による理想生活“要するに天使化”理念は国家という概念が誕生した瞬間からスタートしている間抜けな発想で失敗例なら“宗教洗脳.絶対王制.共産主義”と山程ありまして正直下らない話になりそうな気がしますからオミットします。私は御免だしねぇ。


そういやそれも士郎正宗の十八番でしたね“ドミュオン”や“オリオン”“攻殻機動隊”も裏テーマはそんな話でした。SFって分野はやっぱり停滞化が始まっているのかも…むしろ老朽化かな?


深く考えてもロクな事ありませんから先進めます。本編のストーリー追う前に私がメチャクチャ気になった存在が恐らく娯楽作品初登場の“トゥアレグ族”でした。実在の種族なんですよ彼等。


【 ニジェール砂漠が緑の大地の時代から生き続ける“蒼き衣の民”文献によると最低4000年以上の歴史と文化.文字に言語を持つ人々です。ちょっと寄り道ですから興味無いお客様は読み飛ばして下さいな。 】


 イスラム教の影響を受けたのは割と近年。それでも本来の理念を捨てず、白いラクダに跨がり武器を手に頑強に抵抗するからトゥアレグ(廃棄)族あるいは遺伝子上近似な民族全体を意味するギリシャ語語源のバルバロイ(野蛮人)→ベルベル人とも呼ばれます。藍染めの鮮やかな衣装を身に纏い男性は戦闘員。女性は家の主人として政務.育児.文化を司る女性優先の社会の為、イスラム教やキリスト教から弾圧されてきた民族です。ニジェール在住の彼等は2017年現在1万人程度が生存。


核燃料目当てのニジェール政府&バックで暗躍するフランス政府と長年敵対関係に有ります。


日本も無関係という訳でもなく原子力発電所の燃料…核物質は此処から彼等が遊牧民として生きる場所を奪い殺し尽くし盗み出された物です。ニジェール以外はアルバニア.リビア.マリ.ブルキナファソに在住しますがそれでも100万前後しか生き残れませんでした。おそらく21世紀には滅亡が決まっている民族です。


アラブ人でもアフリカ人でもない人々。伝説の初代統領が美女だった事もあり日焼けしないレベルで露出OK逆に命張る漢衆は何故か覆面姿だったりします。


敢えて国を持たず酒.タバコも程々に嗜み、人生を楽しみ自由を選ぶが為にそれぞれの勢力と戦う定めを持つ民族…それが彼等です。果たして人間と呼べる存在はどちらなのかねぇ?ちなみに最近じゃ日本車にカラシニコフ装備。よくイスラム原理主義と間違われます。


では徹底的に不真面目に本編に入りますか。正直私はこの話大嫌いです。登場人物全員に言える事は只一つ。


「痛いとか苦しいと思うならそう言えば良かったんですよお孃ちゃん。」


ああ忘れてました。例によってネタバレ有りの私視点で再構成してます。ただでさえ鬱全開なメンヘラ・レズビアンな関係素面で書けるわけねえべよお客様。では。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



…幻想じみた存在の彼女が奏でる言葉はまるで“四月の雪”死への悦楽・意識の破壊と意思の共有化を望む“世界の敵”…だからこそ排除される必然があった。


ネタ元:1998年電撃文庫出版.上遠野浩平・ブギーポップ・リターンズvsイマジネーターより。



【傷物の赤にかけられた呪いは消えず。13年前のあの時から彼女の心は凍ったまま。…だからこそ霧慧トァンは彼女を殺す処刑者。“金曜日に降る雨.レイン・オブ・フライデー”と成り果てる。】


 未熟な感情と心を揺さぶる存在…それはさながら“四月に降る雪”の様に美しいが、触れる物全てを死へと誘う異端の存在“御冷ミァハ”偶々選ばれた犠牲者がこの物語の主人公にして断罪者“霧慧トァン”と傍観者、零下堂キアン。


産まれた時から外科手術で身体に埋め込まれた接続端子。“WachMe”と呼ばれるソレで常時健康状態をモニタリングされ随時修正プログラムを脳に入力。“オーグ”と呼ばれる補助端末が常に“データ分析と画像&音声警告で”健康的な生活を勧める異常な世界。半世紀以上前に起きた“大災禍(メールシュトローム)”を生き延びた大多数の人類は権限を増したWHOの監視下、公共牲と健康的な状態を押し付けられる。それは死や病気すらも克服しゆっくりと人々の心を麻痺させていた。


勿論それに耐えられない人々…特に未成年者の自殺が頻発する事態を“生命主義の名の元に神にでもなったつもり”の世界は見向きもしなかった…いや中途半端に理解したつもりでいる狂信者による意思制御システム=ハーモニー・プログラムを安全装置として秘密裏にインストールしたからあんな間抜けな結末になったのかも知れない。


 13年前、違法薬物による自殺という形で姿を消した彼女“御冷ミァハ”と異なり救命センターで命を繋いでしまった彼女は世界に対する憎しみを受け継ぎ管理される側から管理する側。国連WHOの武装調停官…わずか10名前後しか存在しない螺旋監察官に就任。紛争地帯と化したニジェールで反政府勢力。トゥアレグ族と物々交換…禁止されている酒タバコの流通に関わっている状況を“偶々、査察に訪れた”厳格な上司・オスカー・シュタフンベルクに見咎められ謹慎を兼ねた。日本への一時帰国を厳命される。戻る積もりのなかった数年振りの故郷。彼女を出迎えてくれたのはかつての親友、“零下堂キアン”だった。


※個人の特定を避ける為“トゥアレグの戦士”“医療の民”と呼び合うシーンは割と気に入ってます。因みに彼等の階級は貴族(イマシュク)自由民(イムカド)死語となりますが捕虜=奴隷(イクラン)となります。但し酒は投げるなあれは何回観ても不愉快。

※実は映画観た2/13からこの話書き始めていきなり苦戦したのは、ちょっとしたトラブルに巻き込まれたから。2/14夕方.散歩しながら携帯に文書入力し、ふと足元を見たら…犬も私の足跡も大量の血で真っ赤………どうやら人身事故だったようです。まさかリアルで“空の境界・俯瞰風景”を体験するとは思わなんだアニメのアレはグロシーンに苦しみましたが実際の光景は割と平気でしたねぇ…何故? 因みに犠牲者生きてます。


【 世界を憎む彼女達の迂回路(ラウンドアバウト)あるいは安全装置(フェイセルフ)になろうとした“零下堂キアン”は結局の所、観察者で傍観者でしかなかった。だからこそ世界に順応出来たし最初の生贄に選ばれる。 】


 ある意味、御冷ミァハの欺瞞も霧慧トァンの空虚さも感覚的に理解していた彼女は相手からも同じ様に見透かされていた。<敗北者.脱走者.つまりわたし…>子宮を思わせる異世界に立ち並ぶ“キマシの塔”の前で物語から突然放り出された彼女は最後迄、彼女達の観察者・案山子(スケアクロウ)として立ち尽くす。


※あんなクソふざけた塔は“キマシタワー”で充分です。書き記す文面は“でんぱ”だし…。


 全ては13年も前に終わってしまった事…久しぶりの再開。共通の話題はトリニティの中心だった彼女の思い出。孤独を尊びながらもミァハが常に仲間を求めていた事。


※三位一体を表すイラストの入った名刺。世界への憎悪を剥き出しにしながらもあの頃のミァハが仲間を求めていた証拠です。死を口にしながらも彼女は自分の存在を受け入れてくれる世界を求める。気付いたのはキアンだけでした。


キアンは“親友”と呼び、トァンは“戦友”あるいは“同志”と呼ぶ…そもそも学校以外での繋がりが無い彼女達はそれぞれの家庭環境も孤立した事情も違う。その程度の関係…いや、個人としての微妙に歪な恋愛関係だった。


…じゃあ御冷ミァハから見た二人は何だったのか?そんな思いを抱きながら顔を上げたトァンが目撃したのは、オーグ(端末)で何者かと話した後、突然ナイフを首に突き立てるキアンの姿だった。


同じ時間、同じタイミングで実行された自傷行動は6000名にも及び、WHO螺旋監察官は緊急体制に入る。友人の死を目の当たりにしたトァンは当初捜査担当から外されPTSDの治療を受ける様オスカーババ…もとい主任に命じられるが彼女は戦地調停官の権限を行使し5日間の猶予をもぎ取る。


 自殺したキアンが最後に通話した相手は、死んだ筈の“御冷ミァハ”今更ながら彼女の家族も家庭環境も知らない事に気付いたトァンは捜査の過程で、彼女がチェチェンで保護され海外から送られた養子だった事。遺体は司法解剖も葬儀もおこなわれず家族の元に戻る事すら無く、離別した父.霧慧ヌアザが勤める大学に献体された事。


そして父が突然大学を辞めて医療都市バグダッドへ何者かを連れ向かった事を知る。キアンの最後の通話記録に聞こえてきた声は間違いなくミァハ。彼女の裏切りを告発する音声と共にオーグに送り込まれたソレは対象者の身体を乗っ取り自殺へと強制的に駆り立てる悪質なプログラム……こんなモノを作れる存在はそうは居ない。彼女は間違いなく生きている!!


ミァハの生存を確信したトァンは一路バグダッドへ旅立った。


※悪ふざけ目的でブギーポップの二つ名を入れて厨二描写濃厚にしたらギャグになるかなとやってみたんですが違和感なさすぎで失敗しました。今更手直しも面倒ですからそのまま進めます。


※三位一体=ハーモニーを意味する図形。聖書では父(神)と(キリスト)と精霊(天使あるいは御使い説も有り)となりますが彼女らの場合はどうだったのか……まあ原作未読の私の見解は戯言ですよ。ええ。全能な唯一の神を崇拝している筈のキリスト教ですが他の宗教を平然とパク……もといインスパイアした教義の為、矛盾や突っ込み所満載です。その最たる概念がコレだったりします。


【 物語冒頭、蒼き衣の戦士“アサフ”達は生命主義の神による強欲を拒絶した。程々という形で妥協出来ない狂信者等の悲劇は私達にしてみれば間抜けな喜劇でしかない。世界はこうも容易く破壊される。 】


 霧慧トァンを始めとする螺旋監察官の捜査進展とは無関係に謎の勢力による“WachMe=それを管理運営する政府(原作では生府)”へのテロ攻撃は続いていた。“メディケア”データの修正バッジとして送り込まれた謎のプログラムはテロリストの任意でコントロールを奪い人を自傷行動へと動かし恐怖とパニックを撒き散らす。


報道機関に送られた音声データは告げる。“あなたの命が大切ならあなた以外の他人の命を奪いなさい…猶予期限は1週間以内”一定数の人々が自殺を選び多くの人々は無差別の殺人あるいは暴動を選んだ。WachMeとメディケアを回線遮断すれば解決する簡単な決断がつかないまま、世界は徐々に壊れてゆく。


※映画本編では物語に登場するお利口な大学教授やディアンケヒト.バグダッドの研究病棟で脳科学を研究する間抜けな研究者が色々ややこしいだけの無価値な理論を展開してますがさらっと流しましょう。生命を理解したつもりのキチ●イ共の戯言は原作通りなのかも知れませんが机上の空論は物語には無意味です。覚える価値の無い妄想書き連ねられてもなあはっきり言って邪魔でした。


WHOの電脳緊急会議中にホテルに残されたメモから全てを察した霧慧トァンは回線を遮断。WachMeの恩恵を拒否した壁の外、スラム地帯へ向かった。チグリス・ユーフラテス川の合流地点。礼拝施設の成れの果てで彼女が来るのを待っていたのは、13年前に家族を捨てた実の父・霧慧ヌアザ。


 彼女を連れバグダッドで“人体実験”をやらかした父・ヌアザは語り出す。全ては13年前に始まる。WachMeとメディケアそしてオーブの投入以降、大災禍を体験していない新しい世代の中から自傷行為→自殺をおこなう幼い子供達が続出していた。政府は対策として脳科学の権威者から選ばれたエキスパートによる“次世代人行動技術ワーキンググループ”を設立。内密利に人間の欲望.感情による行動を制御する為のプログラム製作を始めていた。


 偶々ヌアザの目に止まった存在が御冷ミァハだった。チェチェンの少数民族出身者で、幼少時に人身売買の犠牲者として性的虐待を受けた事から憎悪に身を委ねた最悪の状態の彼女を治療出来ればこの問題は解決の糸口を掴めるかも知れない……実験体としてプログラムを埋め込まれた彼女の心は壊れた。実験は大失敗に終わる。


“ハーモニー・プログラム”と名付けられたソレは行動の抑制を実行する代わりに致命的な欠陥を持ち合わせていた…心の平穏&幸福感を引き起こすそれは色々面倒クサい説明挟んでますが要するに“頭をトリップさせる麻薬そのもの”投入すれば情報の共有化・心の安定化の代わりに個人としての意識を奪われプログラム通り動くだけの存在…人間のまがい物“天使”製造に他ならない禁断の解決方法だった。


だが近親交配の末に特殊な劣勢遺伝子を引き継いだ種族“個人という概念が生来欠如した生命体”として産まれた御冷ミァハにとっては幼少期に経験した懐かしい至福の世界。彼女はハーモニー・プログラムの虜となり生来のカリスマ性をも発揮して組織内に自分を崇拝する勢力を結成。


6000名以上の自傷行為から始まった一連の事件はメディケア・システムへの介入権限の一部を掌握した、彼女・御冷ミァハとその信奉者達が引き起こした“ハーモニー・プログラムを起動させる為の脅迫行為だった”娘に真相を告白した霧慧ヌアザはインターポール捜査官の立場でミァハの信奉者となった愚か者の襲撃の際、娘を庇い銃弾を受け命を落とす。霧慧トァンは全てを知る事となった。


事、此処に至りハーモニー・プログラムの真相を知る、WHO内の上層部は“監視者”オスカー・シュタフンベルクを窓口に霧慧トァンに接触。改めて事件の解決。関係者への説得あるいは実行リーダーの拘束を訴えかけるが、そもそも世界の存続に興味がないトァンにとっては最早どうでも良い事だった。


彼女は銃を手に全てを振り払い御冷ミァハが潜伏する地。チェチェンの山岳地帯へと向かう。


※厨二描展開に合わせてハーモニー・プログラムの説明書きましたがもっと分かり易く説明すると“はっぱ隊のあの歌”がプログラム作動後の世界です………ふいん気は真逆ですが要するにそういう事なんよ。私がレンタルDVD店で思い切り崩れ落ちた理由……御理解いただけましたでしょうか?


※実は霧慧トァンよりも早く事件の真相に気が付いていたのが零下堂キアン。良く言えば純粋、悪く言えば空っぽだったトァンのミァハ化を懸念し、死んだ筈のミァハからのオーブ通信で彼女が致命的な迄に“壊れた”事を察したキアンは助けられなかったミァハの心と狙われたトァンへの警告の為「ごめんなさいミァハ」と口にした。身体をコントロールされ身動きが取れないキアンにとってミァハに対する唯一の反撃……脱走者としての冴えたやり方でした。まあ推測だけどな。


※生命主義の信奉者で未成年者に対する生体実験をおこなった狂人。トァンの父ヌアザは最後に漸く人の親として行動した。彼に対して嫌悪感を抱けない理由はソレです。普通は殴り倒すぞ。明らかに犯罪者だし。


【 堕ちた天使…異端の血脈から生まれ様々な偶然から“世界の敵”と成り果てた御冷ミァハの心は紛い物。憎悪も嫌悪も書籍から抜粋しエミュレートした物に過ぎない。 】


 御冷ミァハ。彼女に感情らしきものが産まれたのは、チェチェンの戦場に築かれた買春施設…欲情したロシア人将校に“串刺し”にされた時だった。痛みと恐怖から生まれたそれは真逆の優しい偽りの中、華開く。


但しそれは全て偽物の感情でしかなかった。電子書籍から学んだデータをプリントアウト→製本するなど、不可思議な行動と発言で“同じ様で異なる孤立した存在”を収集した彼女は結局同類を見つける事が出来ず絶望の末死を選ぶ。


本来の彼女は他者に対する愛情も友情も存在しない“鏡”種族本来が持つ美しさと協調性。自分のイメージを相手にインストールする才能……イマジネーターと呼ばれる存在でしかない。それは他の種族、科学技術と生命主義に溺れた愚か者から見ると“調和のとれた美しい人々”


 勘違いが惨劇を産む。痛みと恐怖しか知らない理解出来ないミァハはハーモニー・プログラムに初めての心の安寧を感じ、快楽に溺れてしまった。最早、生と死を克服し.友人の命すら「残念だったね…」と簡単に奪える“世界の敵”意思を持ってしまったプログラムの端末個体。


13年前の記録通り本を燃やしトァンを誘うミァハ……かつての彼女の心を受け継ぎ世界を憎悪する霧慧トァンにとってそれは無残な人間の脱け殻でしかなかった。


 「トァンは何一つ変わってないんだね。」悲しい嘘を口にしながら「愛してる…ミァハ…。」彼女を抱きしめ引き金を引くトァン……銃声が響く。ハーモニー・プログラムが動き出した世界に彼女達の姿があるのかは最早誰にも判らない。どこでもない世界に佇む観察者・零下堂キアンらしき人物も姿を消し物語は暗転する。個人という概念が消えた世界に別れを告げて…………。


…それはさながら“四月に降る雪”暖かい小春日和に咲き誇る満開の桜の中、降りしきるソレは地面にたどり着く事なく消えてしまう…そんな物語。


という訳でどういう訳で、額に“かませいぬ”の貼り紙をパッチンとやりたくなる零下堂キアンの暗躍=個人的な見解あるいは救済策もやらかしつつ物語を再構成して見ました。


2~3日程度で軽くまとめて投稿する筈が色々迷走したのは御冷ミァハのアレを見て随分昔に読んだ“ブギーポップ・リターンズvsイマジネーター”の出オチキャラ…タイトルになった筈なのに出番が殆ど無い(笑)水乃星透子ことイマジネーターを思い出したからです。


キマシタワーの塔が建ちまくるキグルッタ世界の終わりと思いきや厨二病要素満載のイタい話…まあ私にとっては、あの歌のせいで腹筋が痛いとなりながら観ちゃった作品。そんな感じです。


…そもそも大災禍って何なのさ?最新作にして伊藤計劃最後の物語がどうなるのか実は原作もまだ読んでません


では。





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