表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
569/1233

フォロー・ミー  72年

2016年12/30ガラケー投稿

【何と言うか物語や小物に舞台。全て好みのスタイルですが主役夫婦が親族&元親族に外見も性格もそっくりな奴らばかりだと色々複雑です。画面視てて変な汗が出ました。まったく。】


原題:FOLLOW ME!

私について来て

イギリス劇場公開作品.

1973年日本公開.

米国公開版:THE PUBLINC EYE 世間体

舞台劇の元脚本:The Private Earand Pubic Eye



 アメリカ公開版のタイトルについて直訳では“世間体”となりあまり良い意味で使われてませんね。今ならアワード付けて“ブラック企業”ってとこかな?この映画では“PrivateEye=私立探偵”をもじった意味合いとなります。勿論この映画限定アメリカ公開版のみのスラングです。オリジナルの元脚本タイトルから省略した訳じゃあ無い…と思いたいなあ。 主題歌が印象的だった事も有り、日本はオリジナルの英国版のタイトルになりました デジタルリマスターや権利関係の問題で借りたDVDはやっぱり米国公開版 最近何から何までイギリス製品入って来ませんので寂しい限り まあこの辺りの事情は書き始めると切りがないからサラッと流しますが、元々の国家運営の失策+EU経済圏に入ったが為に、国内産業もブランドイメージも手離す羽目に陥ったからだったりします そういう話はいずれ別の形で書きますわな。


ストーリーはギリシャ神話・音楽家で普通の人間オルフェウスとその妻・木の精霊エウリディケの悲劇をベースに、舞台を1972年のロンドンに、危機の内容を浮気疑惑とすれ違い生活の悲喜劇に変更 浮気調査の依頼受けた変てこりんな経歴と天才的な口車の探偵が夫婦のトラブルを華麗?に解決するドラマが出来上がりました。 恋愛ドラマだの色々好き勝手に解釈されてますが実は“お散歩映画”。女性の一人歩き&街探索が普通におこなえた当時のロンドンの風物詩や携帯&パソコン普及以前の街歩き文化。当時は最新、今見ると大爆笑な食文化まで 旦那にあらぬ誤解を受けたカリフォルニア出身のヒロインが街を徘徊、何故か白いコートにハンチング帽、スラックスなモジャモジャ頭のギリシャ人探偵がエスコートしてくれる物語です。


これ以上のストーリー説明は蛇足ですから今回はオミットするとして……実は予備知識無し&主題歌をあのジョン・バリー(代表作007シリーズ)担当という事だけで借りた私が画面観て突っ伏した理由が……主役のチャールズ会計士:母方の叔父 その妻ベリンダ:絶賛行方不明な叔父の元ヨメそっくりだったからですよ

映画と違ってバッドエンド。しかも現在進行形で迷惑被ってます。


ついでに書かせて貰うとヒロイン役のミア・フォローが女装したデビッドボウイにしか見えない私…そろそろ眼科医にお世話になるべきでしょうか?


とまあそんな理由で今回は映画視てて気になった謎の食べ物達と間違いなくこの物語に影響受けたある探偵さんの話を絡めて軽~く済ませたいと思います。



【日本語版だけでなく字幕もそっち謎のお菓子“マコロン”について勿論英語版は“マカロン”ですよ。謎のロンドン外食産業はオマケです。】


 最初から最後までしゃべりまくり、そうでない時は大抵何か食べてる白ずくめの探偵クリストフォルのカバンやコートのポケットには食べ物が沢山入ってます。彼のお薦めは日持ちが良くて腹持ちも保証付の“マコロン”いやさ“マカロン”フランスのメレンゲとアーモンドに砂糖を混ぜ込んだ今では日本でもお馴染みのお菓子ですがこの映画公開当時は割とマイナーなデザートでした。アラブ経由でイタリアに入り魔改造したアーモンドと小麦粉の菓子“アマレッティ”~泡立てたメレンゲを加えて食べ易くした“マカローネ”16世紀にメディチ家との政略結婚でフランスに伝わりバリエーションは250種類を超えます。


※実は“マカロニ”の語源はこちら。日本にはアメリカ経由で言葉が入ったから色々複雑です。


日本には幕末~明治時代にイギリス経由で流入してますが味がイマイチだったのですよ。長距離移動でアーモンドの香りは吹き飛び、使われている砂糖は精製が粗く甘味もお粗末。熟成と湿気りで微妙な後味となりました。勿論クリームなんざ挟まってませんしカラフルな色付け無しです。


あれはパリジェンヌまたはパリジャンスタイルと言いましてフランスはパリ発祥のアレンジです。クリームそのものを楽しめる様に泡立てたメレンゲを様々なハーブで色付けした生地に大量に加え口の中で解れやすくなっています。数を楽しむ為敢えて重量感は有りません。


偶々それを手に入れた仙台藩→後の宮城県にある和菓子屋さんは輸入困難だったアーモンドの代わりに身近で生産していたピーナッツを使用しイギリス出発時の味を再現します。仙台銘菓“まころん”の誕生です。字幕や日本語版吹き替えはそちらで表示してます。グラニュー糖ではなく日本独自の砂糖を使っている為イギリス版より和菓子に近い仕上がりとなりました。砂糖黍使うか甜菜糖あるいは砂糖椰子、糖分1つ取っても微妙に風味が違うから面白いです。


ロンドンでもカラフルに色付けされたパリジェンヌスタイルが“極めて最近”メジャーとなり映画に出てくるタイプのマカロン・ナンシースタイルに近い“イギリス版マカロン”は絶滅寸前の駄菓子に近いタイプです。

砂糖ではなく加熱して風味と粘度を上げたカラメルに近い品質の物を使ってますから案外沖縄の駄菓子“タンナファクルー”がソレっぽいかなと思いました。粘りり具合と小麦粉の比率が近いかな?


但しこっちはアーモンド風味無し。


甘味と腹持ちの良さが強味です。

因みに漢字では“玉那覇黒”と書きます。

琉球王朝にお菓子納品してた玉那覇家が庶民用に安い材料を組み合わせて作った菓子で発明者が日焼けし色黒だったのと黒砂糖使用で色黒の駄菓子だった事からネーミングされてますな。袋販売は“しーぶん=サービス分”が数枚必ず入るのがどのメーカーでも伝統です。


他にもミントチョコレートパフェやら様々な甘味が登場しますがヌガーって何だい?というレベルの私が書き連ねても虚しいだけですから勘弁してもらうとして、バリバリの堅物な会計士チャールズが自由奔放なベリンダと出会う事になった謎メニューだらけのエジプト“風”レストラン


(やってる奴は明らかにエジプト人じゃなくパキスタン人)


初々しい会話シーンがこっそりギャグシーンになってるの気づいたお客さん居たんでしょうか?

今からDVD借りて観るお客さんは英語・日本語字幕版に切り替えて比較する事お薦めします。


牛/豚/鳥/魚の各グリル料理(…だけ)がみんな甘い味付け蜂蜜からチョコレート果てはキャラメルソースにラム/ジン/ブランデー/ウォッカ/ウィスキー等各種蒸留酒のフランベ仕立て…燃やすんだ


例えば、鶏のグリル・キャラメルソース和えにウィスキーフランベ…思わずモンティパイソンのアレ(ス●ム)を思い出し地味に笑ってましたが、感想やレビューに出て来ないのは何故なんでしょうか?燃える料理が股間に皿ごと落下って往年のたけし軍団でもやってねーぞ。


…どんな料理も文句言わず食え!とイギリス独自の教育受けたチャールズ会計士も流石にドン引き、ベリンダお薦めのキャラメル仕立てウィスキーフランベからどちらも抜いて普通の“鶏のグリル”リクエストしてました(笑)


ちなみにサービスの“赤ワイン”も実はアウトです。牛肉と違って風味が酒に負けんのよ。本来なら白またはロゼ、食事の前ならお茶(日本茶)か水がベストです。

今なら給仕がアメリカ人という事で真冬でも“氷がガッツリ入ったジョッキ入り水道水”というネタになりますよ。


※イギリス人がコイツアメリカ人だと気付く定番の区別方法です。


大体この時代辺りから従来のフランス系ユダヤ人:フィッシュ&チップス。インド人:カレー…実際はタンドリーチキンとかに代わり、アフリカや東南アジア&特定アジアからの入国者による不思議な創作料理がロンドン市内ではびこります。最新鋭の自動販売機でチョコレートあるいは下町の中華街で持ち帰りの飲茶メニューと食生活も一気に代わりますな。


この映画が遺作となったキャロル・リード監督って手間暇かけた悪ふざけが大好きな変人です。街歩きのシーンやホラー映画館のシーンも細かいギャグが入ってますから油断禁物ですよ。出世作となった“第三の男”ではブラックユーモア方面で色々やらかしてますからいずれ書きますね。

※例えばベリンダが映画館で観てたハリウッドの吸血鬼映画でドラキュラが投げ縄使ってヒロイン捕まえるシーン…ねぇよ!!勿論追加制作です。



【探偵クリストフォルの車両尾行の手段はベスパあるいはランブレッタ。原付の普及は道路網が入り組んだ国メインですな。】


 後々作られた松田優作主演のテレビドラマ“探偵物語”で日本でもお馴染みとなったイタリア産スクーター・ベスパ。

実はこの映画で使われた事で大人気になりました。それまでは日本国内:スーパーカブ。海外、例えばイギリス:トライアンフだったんですが街中走り回るシーンの軽快さや丸っこい可愛いいデザインが受けて日本でも輸入される事になります。


従来なら尾行は車あるいは徒歩だったんですがタクシーが普及し渋滞が当たり前となった国なんかで一気に広まりました。もっとも現在のイギリスはさらに道路状況が悪化。ロンドン市内を離れるとデコボコ道。転けても安心で健康にも良い、ましてや職場に担いで持ち込み可能な事から専ら自転車に代わったそうです。但し信号守らないタワケが異常に増えた為、北京化してます。黒塗りのロンドンタクシーも赤い悪趣味な韓国車(値段を日本車や英国産車両より激安にした…勿論訴訟中)が出回りましたが僅か数年で故障。今じゃ混戦常態です。それでもドイツ車やフランス車が普及しないのは不思議ですけどね。


※自転車の値段が原付レベルの為、かろうじて最悪の状況からは抜け出せたそうですが…日本の自転車価格を知ったら激怒されますな。特に通称ママチャリ辺りは。


もっとも輸送費の関係やメンテナンスの問題で安い中古品でも国産新車の2倍以上。イタリア政府の全面支援で最近になって工場再建、限定品のランブレッタに至っては軽く三桁の費用が掛かります。防犯システムも日本の原付より緩いわ、割と頻繁にあちこちぶっ壊れるわ面倒臭いとこもあって所有断念した人も多いです。まあ実は私もそうだったりします。あの値段なら普通に中古車が何台も買えるもんなぁ。


 実は私、偶々この映画借りるまで、ブームの元がこの作品だなんて知りませんでした。探偵物語の工藤ちゃんがお気に入りで何度も売り出されたカレンダーを愛用してて不思議だったカットが有ったんですよ。あのドラマ観た人はご存知ですが彼の普段着は最終回を除き常に黒づくめのスーツにボルサリーノ?


何故かカレンダーには白のベスパに白づくめのスーツ姿。意味がわからなかったんですが元ネタに敬意を表して撮影したんだと今頃気付きました。


仮面ライダーのダブルなアレは…どうなんでしょうね


他にもいい年して母親の手料理を週末親子でランチとか、郊外の公園散策にオープンカーとポータブルレコードプレーヤーでクラシックとか色々書きたい話がありますが終わんないから今回はこの辺で片します。軽く済ませる筈が割と長いな


ではまた来年。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ