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図書館迷宮と断章の姫君① 10年

2016年8/31ガラケー投稿 2020年11/13改稿開始〜

【読書魔法という名の異能と 図書館迷宮と呼ばれるダンジョン誕生により激変した世界で剣術のみでの戦いに拘る主人公と彼に絶対忠誠を誓う肉食系幼馴染 み そして記憶を無くした魔導書の姫君と恩人を探す姫剣士の物語 電子書籍でも購入可能ですが物語のテーマに添うなら紙媒体で読んで欲しい作品です。】


日本 ライトノベル作品

おかざき登 著

ちゅ イラスト

KADOKAWA/メディアファクトリー

MF文庫J 紙媒体は廃版扱い



 2016年当時、アニメ版 ダンタリアンの書架 を取り上げた際に連鎖反応的に思い出したから作品紹介致しましたが反応は正直微妙(苦笑) この頃は未だにノリと勢いで好きなモノをアピールするだけで お客様にどう作品の魅力を伝えるのかなんて考えもしなかった頃の産物ですので少しずつ手直しを



 16年前、街の中心部数キロに渡る地域を巻き込んで突如顕現した“図書館迷宮”多くの人々を犠牲にし運命を狂わせたそれは“読書魔法”という新技術・知識の導入&魔法を使える子供達誕生と引き換えに“魔獣”や“人に変化する書物”そして顕現する“世界”を生み出した。


前作の基本脳天気な“二人で始める世界征服”から打って変わってシリアスモードに。世界の激変にもしかしたら“魔導師だった両親が関わっている”疑いから主人公達は“家族を人質に”国の管理下=戦闘奴隷状態。


特に主人公“九条刻馬”は幼馴染みで忠臣の“菱谷美々子”同様先天的に魔法の才能が有る事で研究所で“実験動物”扱いを受けてきた陰惨な過去を持ち…内容の重さに続き買うのどうしようか?と悩んだ訳ですが、安心して下さい“主人公が基本脳筋でエロい事に正直者の為”物語が進むにつれドンドン明るいハーレム計画になります。


“おかざき登先生”の作風は基本的に“らぶこめ”です。


陰惨で暗い物語書かせるより“ドタバタと食事シーン”描かせれば栄える小説家ですので、この物語は全3巻で終了する形になりました…次回作“この部室は帰宅しない部が占拠しました”で華開く事になります。


ある意味過度期の作品ですが莫大な情報を構築する世界観と複雑な心情を持つ登場人物は後進のラノベ作家に多大な影響を与えた作品です。


但し第1巻についてはほぼ7年振りに読み返しましたが…説明多過ぎる上にややこしい 我ながら良く続き買ったな私。


※お客様そこで具体例聞いたり名前上げるのは止めましょう。7人のご先祖様とおはようからお休み迄主人公を見守る暗黒従者は多分違いますよ。きっと。


本来の元凶・執筆者の出番は結局無し。まあ冷却期間挟んでじっくり内容練り込んで再開したら大ヒットしたかも知れません。但しライトノベルの場合、基本3年ルールが有ります。広い年代を引き込めない物語の寿命は読者の環境に影響が…今みたいにサイトで簡単に読めるってのは便利なんですよ。本当に。


【まずは“図書館迷宮”とそれを巡る世界観の説明から入ります。でないとストーリー説明がややこしい上に真っ暗闇です】


 ありとあらゆる物が書物となって存在する何処でも有って何処にも無い世界。“本に選ばれた人間しか読めない魔導書”が無数に生み出される為、魔力の歪みで絶えず誤作動が発生。魔力持ちで無い人間にはトラップと化物だらけの危険地帯………まあ簡単にまとめるとダンジョンです。


ドロップした魔導書や技術書、人化した書物は莫大な価値ととなり。当初は災害を受けた日本政府に独占権が有りました。


ところが重要容疑者の息子で“当時小学生だった主人公九条刻馬”に対して国立研究所がやらかした“生体実験&洗脳行為”の情報が流出…スキャンダルを握り潰す代わりに諸外国の民間企業が多数参加。利益を奪い合う乱戦状態に…もっとも魔術師は大半の国で稀少勢力。迷宮誕生以降に産まれた世代の成人=戦力化を待つ空白の状態です。


この時受けた拷問と 実験のトラウマから主人公は莫大な魔力持ちなのに魔法が使えなくなります。代わりに命懸けで覚えた剣術で迷宮探索義務を果たす事になりました。魔力を使わず学校トップの美々子と並ぶ2位の実績は文字通り血まみれで勝ち取ったものです。


拷問&洗脳やった研究者で、主人公の父親の部下でもあった偽装幼女“鳴海冴香”は洗脳済の魔導師候補達と調査資料を持ち出し半国営企業LLL(スリーエル)を設立。隠蔽工作を行う一方で未だに主人公を狙ってます。


図書館迷宮。外見は巨大で歪なガウディの聖家族教会風。中は多数の階層と広大な空間。生物・無生物の関係無しに召喚や付喪神化が起きている事に加え災害時に図書館迷宮に組み込まれた“住民の生き残り+異世界人&人化した書物”が迷宮内に村を構築。共同生活を営んでいますが


“企業の調査隊=自称騎士団”による未確認の虐殺事件や書物の略奪事件が頻繁。更には迷宮で産まれた子供達を実験動物あるいは自社の戦闘魔導師養成の為に“生きた標的”としている疑惑が存在します。まあ事実だけどね。警察や自衛隊は事態を憂慮しているが探索可能な魔導師不足の為、実態調査は進んでいません


政府は状況打破の為16年前に産まれた魔力持ちの子供達を集め初等部~高等部までの“国立図書館迷宮探索訓練学校”を設立。迷宮探索可能な魔導師や戦術魔導師を大量養成。


更には“人化した魔導書”についても社会保証や市民権を与える代わりに訓練校への入学を義務付ける。どちらも実は企業の“魔導師狩り”“魔導書狩り”からの保護も兼ねています


迷宮側も虐殺事件を生き延びた魔法を使える“戸籍が無い子供達=ライブラリー・チルドレン”を中心に多数のレジスタンスグループを結成。犯罪行為を繰り返す企業調査隊に加え黙認する日本政府に対しても破壊活動や情報収集活動を行って迷宮の内外で戦っています。特に因縁が有る“スリーエル”に対して過激行動を繰り返しているのは“王国同盟”と呼ばれるグループ。


保護に成功した、主人公達魔力持ちの最初の世代は現在16~17歳。専門の学校に通いながら定期的に迷宮探索。莫大な報酬、特に魔導書は一生もの…と引き換えに命がけの戦闘行為と調査を義務付けられています


…1巻の情報がこんだけあるから続き買うか迷ったんですよね。という事で漸くストーリー説明に入ります。


【冒頭からいきなり戦闘→記憶の無い姫君誕生。幼馴染みのヒロイン正妻化。テロリストの内幕話と忙しいです。】


 物語は逢魔が時・夕闇が迫る中、宿題の資料探しで“九条刻馬”が幼馴染み“菱谷美々子”の自宅書庫に眠る怪しい魔導書を見つけた事から始まります


何時から置かれていたか家主の美々子も知らなかったその本は古い書き込まれたページと新品同様の白紙が混在する判読不可能な書物でした


そこへ近所の国営施設を襲ったテロリスト、王国同盟の“ヴィーゼル”と追撃中の警官隊が菱谷家敷地に乱入。火炎弾を撃ちまくるヴィーゼルの無差別攻撃から美々子を庇った刻馬が負傷。


尚もナイフを振りかざし襲ってくるテロリストに“刻馬と美々子”は徒手空拳で立ち向かいますが燃え盛る室内では形勢不利。ところが主人公の血を浴びた魔導書が突然人化。


「魔術師の血が鍵とは恐れ入る。なんとも厳重な封印を……」


怒りのあまり、鈴の様な声で主人公に掴みかかったのは真紅の瞳にプラチナヘアー。黒一色の露出気味な衣装を纏った姿。記憶が欠落した“異空密儀教典”と名乗る少女。


愕然とする襲撃者の隙をついて彼女達を退かせ刻馬が時間稼ぎの乱戦を繰り広げる中、魔法が使えない主人公に代わり“美々子”が“彼女を読み”読書魔法を発動させますが桁違いの出力を制御出来ず魔力暴走…犠牲者は出なかったものの菱谷家は巨大なクレーターを残し消滅します。


結局テロリストは逃亡。いきなり自宅が消えた幼馴染みと記憶が欠落した異空密儀教典→主人公命名…長いし本名名乗らせたら魔導書とバレ面倒だから“イクミ”は九条刻馬の家で同居する事になります。幸いにも週7日、学校も含め睡眠・風呂・トイレ以外ほぼ刻馬と一緒の“美々子”の場合、資産・生活用品・いざという時の勝負服から勝負下着迄、こっそり九条家に保管済。


事故で菱谷家が木っ端微塵になった事を心配する刻馬に対して家より先程の戦闘で負傷した刻馬の体を心配する美々子。


「家より俺のかすり傷か」「勿論です」「………」


刻馬が入ったお風呂のお湯を楽しみ。時折洗濯物の匂いを嗅ぎまくる得体の知れない行動に脅える“イクミ”を余所に念願の同棲生活もとい新妻メイド生活を楽しむ“美々子”の姿が有りました。刻馬は既に調教済“叡智の本”すら隠し場所も内容も把握してるのよ。この娘。

という事で父親は16年前の事故で生死不明。母親は人質として美々子の両親同様“入院中”広大な敷地を主人公+通い妻1名で管理していた九条家はいきなり正妻と元魔導書の居候の総員3人暮らしとなりました。幼少期の記憶欠落する程のトラウマと幼馴染みから徹底的に教育された結果“女性は誉めて当たり前”“女性の頼みは絶対厳守”魔力の相性は完璧なのに“基本オバカでスケベ”本性が見えない“刻馬”を警戒していた“イクミ”は人化初日に美々子の手料理…では無く何故か“タルタルソース(市販品)”にハマり呆気なく餌付けに成功します。


※地味に落ち込むヒロインが…まあ刻馬は既に囲い込み済ですから問題ないです。


菱谷家で刻馬に触られるまで休眠状態だった“イクミ”は中身同様多くの記憶と一般常識が有りません。断片的な記憶から“九条家=クソオヤジ”の関与を疑う刻馬達は“企業や国の介入を阻止する為”探索訓練校側責任者と交渉→学生扱いで彼女を保護します。


行方不明のページを集め自らの記憶を取り戻したい“イクミ”への戦闘技術レクチャーと図書館迷宮探索の生存ノウハウを教え込むハードな日々の一方、陽気でスケベなショタ“梶原誠十郎”スレンダーな無表情系眼鏡美少女で胸の件でイクミと同胞になった“針原理瑠”等、個性的で愉快なクラスメート達との交流&一般常識を学ぶ生活が始まりました。


※因みにサイズ&柔らかさは美々子が“訓練校最強”となります。by針原理瑠。


【復讐の為消えた魔導書を探す者と初恋成就と恩返しの為、ある少年を捜す者】


 菱谷家が魔法の暴走で消えたその日の夕方。多少のトラブルが有ったとは言え国の施設から16年前の迷宮誕生の原因で謎だらけな魔導書のページ“異空密儀教典の断章”を確保したレジスタンス“王国同盟のヴィーゼル”はリーダーの推薦で組織に入ったばかりの連絡員と接触します。


日本刀を使いこなしまるで野良猫の様な油断ならない目をした少女“刃紋”に胡散臭さを感じたものの伝言を受け取った彼女は再び本来の任務…迷宮探索訓練校への潜入工作員に戻ります。“針原理瑠”に。


かつて地上を目指し所持する魔導書略奪の為、企業調査隊に皆殺しにされた筈の“迷宮最深部ライブラリー・チルドレン”名無しの孤児達の生き残りだった彼女は同じく生き残り“通称キング”と呼ばれる王国同盟のリーダー“マルクト”と共に仲間の虐殺を行った“大企業スリーエル”そして地上に居る人間への復讐の為“異空密儀教典の断章”を集めています。


当初は迷宮最深部で亡くなった両親や仲間達の夢…安全な地上への帰還を目指していた“王国同盟”はいつしか魔導書による迷宮=地獄の拡大と歪んでしまいました。企業の調査隊や学生達と交流を始めた“村”すら憎しみの対象として…。


迷宮が世界に拡大すれば既存の兵器も論理も通用しません。

魔獣に脅える生活が始まります。迷宮にはドラゴンを始め魔法すら通用しない補食生物が存在するのです。王国同盟は既に“断章”を3編保有。現在、迷宮探索訓練校に居るイクミ達を襲撃し罠にかける為、“ヴィーゼル=理瑠”は確保した4編目を使う事を決心します。


一方新たに王国同盟のメンバーとなった“宗近刃紋”の目的は違います。

ライブラリー・チルドレン=実験動物として狂った研究者に処分される筈だった彼女は壮絶な拷問を受けて死にかけた少年。同じく実験動物だった地上の魔導師の必死の抵抗で命を拾いました。


証拠隠滅の為、児童養護施設に孤児として登録。軟禁された彼女は脱走。表向きは戸籍を持つ地上人として、裏では再び迷宮最深部に潜り込み多数の魔導書を手に入れた“刃紋”は魔力で強化した日本刀を使いこなす“侍”となります。彼女の願いは只一つ、初恋となった少年との再会です。


まさかあの時の少年魔導師が魔法を捨て剣術で迷宮探索をおこなっている。側には既に正妻と側室まで居るとは(笑)夢にも思っておりません。


【第7階層・村との交流&剣術の限界→王国同盟との最初の戦いそして彼等は悪夢と向き合う】


 刻馬・美々子・イクミの探索チームは遂に7階層へ侵入。イクミも刻馬や美々子のスパルタ教育の末何とか中型の魔獣程度なら槍で倒せる様になりました。

書籍が人化し“村”となった地区で村人と交流した刻馬達は村の女性戦士“ベルカ”から菱谷家を襲撃したテロリストの正体=“王国同盟”の情報を耳にします。調査隊や学生達と交流する村を脅迫、時には襲撃まで行う事も躊躇わない。

異空密儀教典を所持?する刻馬への罠は既に作動していました。下層に存在するデーモン級の怪物と戦闘となった刻馬達は大苦戦。とっさの判断で本の雪崩を起こしピンチは免れましたが魔力が有っても読書魔法が使えない刻馬はイクミに責め立てられます。


彼の陰惨な過去を薄々気付いている美々子のフォローやそれぞれの腹を割った話し合いで特訓が始まりますが、常に側に居る“針原理瑠”には筒抜け。準備不十分な状態で村人達も巻き込んだ“ヴィーゼル”の襲撃が始まりました。


“ヴィーゼル=針原理瑠”の攻撃は数百匹の眷族・6本足のイタチによる物量攻撃。遂には“断章”を使い村毎皆殺しを始めようとする彼女を止める為、刻馬は初めて読書魔法を使いこなします。


奇しくもそれは菱谷家を消滅させた魔法“異空の扉”でした。ヴィーゼルをわざと外し発動したソレは数百メートルの空間を破壊。彼女は撤退します。


結局様々な謎を残しながら物語は2巻へと続きます。



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