ダンタリアンの書架 アニメ版 11年
2016年8/27ガラケー執筆&投稿 2020年10/22タブレット端末にて追記&改稿開始〜
【 三雲岳斗 広げた風呂敷を畳めない=物語の伏線や謎を散々バラ撒いて置きながら後始末や結末を決して描こうとはしない 嫌な事有った日には何もかも投げ出し雲隠れしそうな厄介さんのイメージが有ります 結果私は未だに "ストライク・ブラッド" とやらを読む機会を逸したままで 未だ結末すら見えないアニメやコミカライズもわざわざ読もうとは思いません という訳で今回はあくまでもアニメ版の感想です 】
日本 ライトノベル作品⇒テレビアニメ化
英題:BIBLIOTHECA MYSTICA DE DANTALIAN
ダンタリアンの書架
原作:三雲岳斗
イラスト:Gユウスケ
月刊誌 ザ・スニーカー 読み切り連載
2008年4月号〜2011年4月・最終号
角川スニーカー文庫にて 2008年〜2011年 全8巻
原作は2008年~2011年まで雑誌“ザ・スニーカー”で連載されていた短編集。全8巻で雑誌休刊契機に“謎は全て謎のまま”終わってしまった物語です。2011年にアニメ化された際“せめて謎の1つぐらいは明かして下さい”と出版社や編集部が“幻の9巻”企画を立ち上げましたが……“そもそも一度も物語完結させた事が無い”厄介さんに完結編は無理でした 前宣伝の費用は全て無駄 DVDorBlu-ray予約したお客さんに平謝りのグダグダな結末になりました あの時代だけでなくいつもこんな感じの小説家は実在します このサイトにも居ますが金貰って書いてる訳じゃありませんしコメント読んでると投稿サイト独特の問題が有りますから論外。 この原作者の“三雲岳斗”は“田中芳樹”や“平井和正”同様筋金入りの確信犯です(笑)
“コールドゲヘナ”や“アスラクライン”の恨みは忘れてねーぞ。 他の作品も全て謎をバラまきながら謎解き無し、悲惨な状況を描いた挙げ句物語をそこでブッチする悪趣味な事もやらかしてますな。 作品の結末を纏めずに出版社の都合で新しい物語を というのは良く有る話ですが上手く纏める人とそれが出来ずにポンと放り出してしまう この作者は残念ながら後者です。 そんな事情も有り“Gユウスケ”のイラストはお気に入りだったんですが全巻ブック○○に売却 ストーリーも完全に忘れた頃に偶然観たアニメが気に入りこの文章書いてます。
…という訳で感想は基本アニメ版についてです 原作者?誰だよそれ(笑)という形で内容進めますのでご理解下さい 普通は逆だぞコラ 因みに“知の悪魔ダンタリアンの書架”“迷宮図書館”“アカシックレコード”“死想図書館”はおそらく同じ概念で“禁じられた書籍”“魔導書”はファンタジーやホラー小説の定番ネタ 何故かというかやっぱりというか当時ネタ被りとなった作品は同じライトノベルだけでなくコミックにゲーム、映画までありとあらゆる媒体で似た作品が乱立しています。
ライトノベルではコスプレ趣味の怪しいメイドが図書館司書な“折口良乃先生”の“死想図書館のリヴルブランシェ(2010年~2012年全5巻)”禁書が人間や猛獣、空間現象になったりする“おかざき登先生”の“図書館迷宮と断章の姫君(2010年全3巻)”がお薦めですかね。 機会があれば紹介します どちらもアニメ化したらこの作品より面白い作品になりそうです。
もう容赦はしませんとも
では本編の簡単な紹介と感想です。ストーリー説明は今回割と控え目にしました。多少の手抜き処理や演出はありますが美しい音楽としっかりとした演技が楽しめる良質なアニメですからなるべく観て楽しんで欲しいです。
【 舞台はおそらく1920年のイギリス南部…この世界ではドイツ帝国陸軍航空隊のイギリス空爆は成功した世界ですが戦争の結果は変わってません 】
●第1話:仕掛け絵本
主人公“ロード・ディスワード”こと“ヒュー・アンソニー・ディスワード”が爺さんの遺産こと少女で黒の読姫“ダリアン”と出会う話。
グルメで本好きツンデレで様々な秘密を身体に抱える“ダリアン”と負けず劣らずな秘密と過去の闇を抱える“ディスワード卿”持つに値しない俗物を破滅させる“幻書”とその回収役“壺中の天の鍵守り”となった主人公は伯爵家の後継ぎです。
貴族の若様は基本的に卿+家名で呼ばれます。本人は家名に違和感ある様で「ヒューイと呼んでくれ」と言ってますが“ヒューイ”と呼ぶのは近しい存在になりたい“ダリアン”と3話登場の幼なじみで出入り商人の娘“カミラ・ザウアー・ケインズ”だけな所が物語のミソです。ある程度の領地持ちに屋敷の紋章で推定しましたが事実かどうかは微妙かな。
※公爵は王様の兄弟。侯爵は叔父に当たる親族ですから、悪役令嬢クラスの話でしか出番は作れません。子爵や男爵は名誉称号の場合もありますから生活基盤が無い場合、あたまに“貧乏”が付く場合もあります。変なオカルトに関わる時間はねーです
人を殺しても珍しい本を手に入れたい馬鹿者の結末は予想通りの展開となりましたが“限りなく本物に近い災い”がハーレクイナード=飛び出す絵本は厄介です。
私の場合初めて貰った飛び出す絵本は“仮面ライダー”でした。ショッカー隊員がいっぱい出てくる秘密基地のページがお気に入りでした。でも次のページが基地を木っ端みじんに破壊する仮面ライダーのキックシーンです…おや?。
●第2話:胎児の本
ヘブライ語で“胎児=ゴーレム”と時計塔のある伯爵家を長年にわたり祟った呪われた一族の顛末に立ち会った話。
数日経った遺体の臭いは甘く強烈にクサいです。あんだけあれば極寒の地でもすぐ分かります。元職場の駐車場で自殺した人の車に迂闊に近づいた時……うん、危ないからこれ以上は書きません。
“幻書は人を殺さない”“呪いなど存在しない”“人を殺すのは人だけ”まあそんな話です。
最後の“ダリアン”の髪型…笑ってないで褒めないと待ち受けるのは地獄だぞ主人公。魔導書は単純に本の形だけではない。書き込みは文字とは限らないという点が新鮮でしたね。でも皆同じ事考えてたんですよ。と意地悪書いときます。
●第3話①:叡智の書
昔は墓場あるいは私の場合高校への近道で発掘していた18歳未満お断りの……なんか微妙に合ってますが違いますよ。
読めばどんな人間も天才となる本の話ですが珍しく笑えるオチです。化物どころかニート製造本でした。
予告編の“ダリアンのお菓子しりとり”が滅茶苦茶可愛いのと今回から準レギュラーメンバーとなる“ヒューイ”の幼なじみで新大陸帰りの教師“カミラ・ザウアー・ケインズ”登場回です。
因みにファッションセンスは微妙…。
※何故か彼女の声に色気とそこはかとない恐怖を同時に感じたのは“凶れ(まがれ)”のあの娘役だったから…アホだろうがいき遅れだろうが面と向かったら私は間違いなく逆らえません(笑)
“承知致しました姫様”
持つ者による労働者階級への私塾による基本教育は、実は日本からの影響だったりします。
江戸時代末期に欧米より文化の遅れた日本を導きにやってきたイギリス人はこの話のミルドレッド嬢の様に彼等に脅威と恐怖を抱いたそうです。
もっとも1833年に義務教育に関する法案が出て来たとは言え高額の授業料や教材は相当な負担となり反対運動が続出しました。以降も基本持つ者が半ば自費負担で教育する事になり個人の才能や地方の修学レベルの落差はイギリス没落の遠因となります。
日本の様に政府支援の法律が整備されたのは1988年になってからです。それも実は上手くは進んでいません。結果的に海外からやってくる難民や出稼ぎ東欧人の方が基礎学力が高く職を奪われる結果となりました。
※ユダヤ系については古くは聖書の時代から最低限の計算知識や文字の勉強が宗教指導者の責任として義務化されていました。“ベニスの商人”じゃないが銀行家や商人が多いのは基礎学力の違いです。だから差別があったという話も有ります
●第3話②:夜の女王
13年に1度1晩のみ咲く伝説の植物。明らかに見た目が危ない植物に予備知識無しに近づくとろくな事にならないという話。“あさりよしとお先生”の宇宙家族カールビンソンに登場する“桜の木”をフラッシュバックさせた私…他には“オードリー2”や“ビオランテ”等植物ネタは豊富ですなあ。本を盗む為やってきた強盗は皆殺し……まあ“本好きには当たり前の常識”かも知れません(笑)いや無いから。
ヒューイ&ダリアンコンビは基本腹黒だと確定した話です。
このシリーズ警察の出番あまり有りません。
今回出オチ担当の“カミラお嬢様”のアレは“災厄の女王”の正装です。
西部劇によく登場する実在の人物で当時はアメリカ観光の目玉でした。
●第4話:喚魂の書
「あんな鉈女の仲間になった覚えはないのです。」
“ダリアン”の台詞で“ひぐらしの鳴く頃にの竜宮レナ”思い出したのは私だけ?この話の悪役ストーカーの怪物は自ら新しい怪物を生み出しましたが…まあ定番のオチです。当時としては画期的なBL小説“狼達の帝都”途中で作者が我に返って展開が普通の恋愛小説なオチに納得いかない→自分達で書くよ。な“腐ダリアン”が笑えますが割と恋愛関係が大らかな日本の小説界と異なり当時のイギリスは世界一検閲が煩い国でした。
テーブルも足が丸出しで下品だからカバーかけろとやってたのが英国です。でも“売春も人身売買も幼児虐待すらOK”だった辺り“悪名高いアグネス・チャンの理想世界”だったりします。まんま現在の中国です。国連の理想世界だそうですがあいつら●●●●●…。
まあ日本の未来図にならない事を切に願います。私はBL苦手、ロリは論外ですがそれが好きな人間を全否定する程“ご立派な人間”じゃありません
嗜好の否定&その強要は“まんま共産主義、ISISムスリム、ナチス”の発想です。今更平民は無知で忠実であれなんて中世の論理は通用しません。
もっともこの間の都知事選みたいに“わたくしめは奴隷で御座います”と投票拒否した阿呆は実在します。しかも大物芸能人に…心の底から軽蔑します。
痴呆老人に絶対忠誠誓う家畜も結構いました。健康診断はちゃんと受けましょう。痴呆は自覚症状ありませんよ。
オリジナル脚本の予告編…ダリアン年増説発覚まあ最終回でうっすらとバレますけどね。
●第5話:魔術師の娘
クルティザンヌの美姫ビオラに惚れた5人のお間抜け様と長生きし過ぎて露骨に鳥●となった魔術師の話
「くたばりやがれ糞爺」
“ダリアン”のコメントが全てを表すオチでした
かつての部下、財閥の御曹司“アルマン・ジュレマイア”によって“ヒューイ少尉”経歴発覚。パイロットの最低階級ですが貴族子弟の場合もっと上の階級が当たり前だったりします。彼の立場なら終戦時には大尉が妥当ですが…。
クルティザンヌはフランスで生まれた高級娼婦です。身体を使ったアレなサービスは見受けあるいは愛人契約まで御法度。裸を見せつける事は有りますが基本知的会話による交流、多額の資金援助によるパトロン化がメインです。
ポルトガルやオランダ経由で鎖国中の某国文化は色々曲解されて世界中に拡散しました。変わった物ではフランスの“バガテル”を小型化した“ビリヤード・ジャポネーゼ”…後の“パチンコ”がフランスで普及→日本に伝わります。
小さいから、あるいは今までにない発想だから日本と付いた物は意外と多いです。
結局高級娼婦は下手な庶民より身持ちが固いのさと“バカ=アルマン君”のフォローぐらいはやっときます。
●第6話:焚書官
“ダリアン”以外にも幻書の読姫登場という事で空襲で滅びた筈の街の謎を巡ってバリツ使いの焚書官“ハル・カムフォート”と銀の読姫にして墜ちた天“フランベルジュ”登場。おそらく教会関係者の為サイドカーでドサ廻り。野宿が当たり前のスナフキンコンビ。
以外と主役メンバーよりお人好しでした。幻の街や人形使いの話でしたが猟奇的な物語なのに爽やかな終わり方してます。
“バリツ”って古武道の船上格闘術あるいは武術がなまって伝わった様です。ホームズで世界的メジャーになった幻の格闘術ですな。
史実では第1次大戦でのドイツ帝国陸海いずれの航空戦力…飛行機&飛行船の戦略爆撃は攻撃側の壊滅で終わりました。
住宅地への墜落による犠牲者は5年間で合計157名。イギリスは避難所として地下鉄を発展させます。
住宅地の側に弾薬庫や出火したら危険な工場が隣接する国は今も昔も特定アジア3ヶ国だけです
●第7話:調香師
個人的に1番嫌いな話です。童話や神話じゃ典型的な自己犠牲…読んでも見ても不愉快なんですよ。結局の所究極の自己中だと思っています。遺される人の気持ちは無視ですか?
という事で調香師改め麻薬製造業なアレに対しては書きませんし同情もしません
この辺りから原作の欠点が出てきます。幻書=支配の手段と考える阿呆ばかり次々と…アニメ化の際オリジナルの要素入れて頑張ってますが似た様なネタはもう1話出てきます。
実は“ダリアン”がこだわる揚げパンって“マラサダ別名ハワイアンドーナッツ”ではと気が付いたのはこの話でした。
ポルトガル生まれのパン生地使った揚げ菓子で紅茶と同じ頃普及しています。イギリスに伝わったかは…多分この世界のオリジナル要素です。白パン自体イギリスやアメリカでは悪いイメージ有るんですよ。
日本主流のコッペパン・ベースなら美味しいでしょうがイギリスで主流のライ麦パンや酸味と塩味の黒パン・ベースの揚げパンはどうだろう?と思ってたんですが納得しました。
●第8話①:等価交換の書
ファッションセンスが酷い(笑)“カミラお嬢様”再々登場。まさかの男装しかもヒゲ付き本屋の爺さんも呑まれたか…致命的なミスやらかします。
使うと禄な事にならない幻書を有効活用小動物な“ダリアン”ティマーの本領発揮回でした。ヒューイと恋愛関係にならない理由が何となく解る回です。
元ネタはまんま“わらしべ長者”ですよね
第8話②:連理の書
“アルマン君”再登場回。今回も女性を巡る恋愛関係のもつれでした。嫉妬深いというよりまるで●●な彼女。ギャグ描写満載でやれば面白い展開でしたが…。
カミラお嬢様は今回出オチキャラでしたなあ。
●第9話:黄昏の書
実は私にとって究極のトラウマ回。本来なら変わった画風やファンタジー風味の異国情緒と意外なオチを楽しめるエピソードですが“シロアリ”に家毎書籍喰われた私にとっては……恐怖の物語です。
●第10話:幻曲
昼下がりの公園。ホムブルンク帽でバイオリン…アベンジャーズの“ジョン・スティード”かね?
解る人にしかわからない微妙なネタです。
演奏不可能な幻の音楽を奏でる彼女の正体は…手塚先生のメトロポリスでしたなあ。阿呆が幻書で権力を…第2段。
●第11話:ラジエルの書架
この話だけは出来れば1時間ぐらいの前後編で見たかった。
最終回でダリアンがバラしてますが数万年生きてても“おねしょが治らない”単に要介護の婆様なんじゃ?…もとい赤の読姫こと“ラジエル”再登場回です。
オリジナルは旧約聖書に登場する大天使ラジエルからアダムへ贈られた本でエデンから追放される際、外の世界で生き延びる為の“要はサバイバルマニュアル”です。
アダムの直系の子孫にしか読めず使えない魔導書でしたが後継者争いによる内戦で消失。再び名前が広まったのは中世・教会が絶対権力を持った時代です。それぞれの宗派で自分達が所有する本がオリジナルだと殺し合いまでやらかした紛い物の魔導書がおそらくあの幼女の正体。だからこそ本来の鍵守と読姫が出来ない事→人の命を奪ったり弄ぶ事が出来る訳ですが自覚は有りません。自称教授とやらは口先だけの無能です。我々こそ“オリジナル”だと思い込んでる辺り本当に無様です
因みに本物は焚書官の隣に居ますね
“ディスワード卿”が未だやさぐれ空軍士官の“ヒューイ少尉”だった頃の尊敬する上官“アルマン大尉”についての物語。いや地上で亡くなる迄はそうだった物のエピソード。
唯一の不満は“ダイダラボッチ”登場させたあのシーンだけです。フェイスレスファントムとの戦いは敢えて空戦だけにするべきでした。
大戦末期のイギリス空軍主力戦闘機は“キャメル”ではなく外見そのまま性能が桁違いに向上した怪物“スナイプ=ドラゴン”や配備が間に合わなかった最強の戦闘爆撃機“サラマンダー”等別名ベテラン殺しが投入されています。
もっとも好みの問題や独特のやんちゃな癖が強い“キャメル”愛用のパイロットも多く“ヒューイ少尉”は終戦迄そちらを使った様です。
“フェイスレス・ファントム”愛用のフォッカーDr1戦闘機との一騎打ちシーン。お互い相手の心を読む能力で“詩の朗読”やりながら戦うアレは強烈です。原作読んだ方にもおすすめ。
ヒューイ少尉を受賞を放棄したのは“ロイアルヴィクトリア勲章”貴族限定の殊勲賞で“ヴィクトリア十字章”同様“ブルーマックス”より受賞条件が厳しい…たいてい受勲者が死亡後貰う事が多い遺族年金付勲章です。彼にとっては単なるガラクタでしたね。
●第12話:まだ見ぬ明日の詩
最終回ですがある意味オマケ回。教授とラジエルの陰険テロリストコンビが焚書官に追い払われるだけの話ですがヒューイ&ダリアン・コンビは撃たれたり焼かれたりと散々な回でした。
オープニングシーン等、度々登場する“白ピクミン=ダリアン”と“ショタ=ヒューイ”の正体が判明する話です……え?白々しいですか。お客さん。
クライマックスでは残念ながら没にされたエピソードのカットと話し合いだけで終わってしまった未公開企画“未来編”のカットが……いっそのこと作者●●●て無理やり続編作りませんか(…おい)
話数限定されたから抜けたエピソードも沢山有りますし“ゼロの使い魔方式”で纏める事は出来ますよね?
※オマケ:バッカーノ3年振りの最新巻受け取りで久しぶりに大型書店へ…なんかアニメ見てたら読みたくなりましたからスニーカー文庫のコーナー探したんですが、影も形もありませんでした(涙)
ではまた次回。




