007 消されたライセンス 89年
2021年タブレット端末にて執筆7/15〜同日深夜脱稿 7/16深夜新規割込み投稿
小ネタ並べるのもアレだからだいぶ端折りましたがこんな感じ
【 東西冷戦終結とHIVアメリカ合衆国蔓延に シリーズに対する内外リベラル系芸能マスコミやテレビ局の執拗なバッシングと ワイドショーによるデマの流布 現実世界における諜報業界も大規模な再編成がとなった過渡期に公開され もしかしたら好き勝手出来るスパイアクションは此れが最後かも……ならば登場人物達が敵も味方も感情的に自分の為に動く物語を作ってみようとなった作品 この頃はまさかイスラム原理主義とか中共による時代錯誤な超限戦が始まるとは1部の物書き除いて誰も想像していなかった ある意味時代の徒花みたいな物語。 】
★本編最大のツッコミ要素はまたしても外見が別人の様に変わったボンドの盟友 フェリックス・ライターCIA捜査官(演じたデヴィッド・ヘドソンは "死ぬのは奴らだ" 以来のライター役) 人生初めての結婚式 中の人が御年63歳で新婦の歳が…………フィクションとは言え色々アウトじゃね(汗)
☆日本の場合更に大喪の礼で自粛ムード⇒天安門事件⇒東側諸国の崩壊ニュースが次々加わり 今更スパイ映画ってとなった訳です エイズは飛沫或いは接触感染するなんて出処不明なデマも流れてたっけ そりゃあ密な映画館行かないわ
原題:LICENCE TO KILL
殺人許可証
イギリス/アメリカ合作 劇場公開作品
同年 日本劇場公開
原案:イアン・ランカスター・フレミング
短編集 007号の冒険 1960年 に収録された
The Hildebrand Rarity 珍魚ヒルデブラント から引用
ジョン・エドモンド・ガードナーによる二次創作
日本では1989年 文藝春秋よりノベライズ
❖検閲入りシリーズ初の年齢制限 米PG-13/英R15
結果劇場収益も悲惨な事になりましたがビデオとDVDで回収
令和3年7月半ば 此処沖縄は夜明け前からクマゼミによる蝉時雨 家の場合庭で羽化始まって一斉鳴きから始まりますので目覚し時計要りません 抜け殻が壁やら柱のあちこちにくっついてるから小学生が………もう流石に諦めたけど節度は守れ 夏休みのテレビ放映定番だったコネリーやムーアーのボンドと違いティモシー・ダルトン主演の今作は初視聴 グラディス・ナイトの主題歌だけは格好良いなと思ってはいたものの 当時あまりに執拗なリラベル系のバッシングと嘘報道(確かプロデューサーの娘に云々……事実だったらクビどころか逮捕案件だったけど何もかもデタラメでした)にすっかり騙されてたし アルバイトと学校生活両立させるの大変だったからずっと放置 テレビ放映もタイミング合わなくて見てません 日本語吹替版が収録されたアルティメットバージョンは ビデオや初期の日本語字幕のみの物と異なりカットされた残虐場面も収録 今見てみるとそんなにでもないんだけど当時は悪党でも惨たらしい最後迎えるのは無しだったらしい
特に減圧室使った人体破裂とかね リアルでやれそうな辺りが滅茶苦茶キツイ
途中、香港警察の潜入捜査官や灰色忍者等の不可解な描写が入るのは初稿案の名残り 中華人民共和国の麻薬王が本編ラスボスになる筈だったけど天安門事件で撮影そのものが不可能になり 今回のラスボスに臨時昇格=当初オープニングムービーのみ出演予定だったフランツ・サンチェスの性格がかなり面倒臭くなったし人間関係もかなりややこしく ちなみにクライマックスの怪奇現象云々もやっぱりデマだってさ 何にせよ此れでシリーズ最終回になる可能性も高かったから 割とダルトン版の主人公とは険悪だった筈のMが何だかんだ言いつつもボンド庇う名場面が有ったり Qがメキシコに現れ最後まで大活躍 出落ちキャラなヘクター・ロペス メキシコ大統領役に "ロシアより愛を込めて" で活躍した在トルコ諜報局長ケマル・ベイ役演じた俳優ペドロ・アルメンダリスさんの実の息子が起用されたりと色々小ネタ満載です。
【 要所要所でインスパイアされた今回のモチーフは 勿論 "死ぬのは奴らだ" と "ドクター・ノオ" に "サンダーボール作戦" 撮影ロケをより困難にさせたのが当時病原体そのものの発見が遅れどうやって人に感染するかイマイチ不明なままだった後天性免疫不全症候群こと別名エイズ 例え感染しても潜伏期間がかなり長いから 原因が輸血や血液製剤そして注射器の使いまわしに性的接触だと判明したのはこの頃辺り その反動とやらで女性取っ換え引っ変えで必ずエロい事やってるボンドとその役演じた俳優に女優が理不尽なバッシング受けた訳です フィクションと現実の区別付かなくなったハリウッド側の要望で内容も二転三転 なんかボンドが終始情緒不安定なのが緊迫感を招きます 】
★と言う訳で1作目同様、動ける場所はフロリダ半島と隣のメキシコ バハマ諸島は独立したからロケ断念 珍魚ヒルデブラントの要素も入れないといけないから色々遊びもはいってますが 中途半端にシリアスなのはどうかと思う
☆多分当時映画館で見てたらもしかして今回主人公は本当に死ぬのかと思わせる描写多数 結果アクション場面のギャグが空回りしてます。
フロリダ湾上空で不法侵入対処にあたる沿岸警備隊所属のE2Cホーク・アイ早期警戒機が 低空飛行を続けるメキシコ国籍の犯罪者フランツ・サンチェス所有のセスナ・サイテーションを発見したのは日曜日の朝 盟友フェリックス・ライターや現地協力者で漁師のシャーキーと共に白のロールスロイスで教会へ向かう途中 沿岸警備隊の応援要請を受けたボンドとフェリックスは多数の容疑が描けられた札付きの賞金首を捕らえようとヘリに便乗 呆れるシャーキーに後を任せ飛び出した。
サンチェスの目的は浮気相手と共にメキシコから逃げ出した愛人ルペ・ラモーラの奪還と仕置き 間男の心臓抉り愛人を鞭打ち鬱憤晴らしたサディストは連れて来た部下達を囮に古いセスナ172型機奪い逃走を図るが 飛行機にワイヤーで取り付いたボンドの活躍で沿岸警備隊のヘリに吊り下げられる 教会上空に到着したボンドとライターはそのままパラシュート降下 結婚式の思わぬ余興に盛り上がる人々に囲まれ風穴開いた帽子をさり気なく被るボンドの姿からオープニングテーマスタート いきなりオリンパスのOM4カメラが出るのは今回最初の悪ふざけかな?
とんだ騒ぎが有ったもののライターとダナの結婚式は無事終了 逮捕されたサンチェスはエド・キリファDIA捜査官と麻薬取締局により重犯罪者用刑務所へ連行される途中 捜査官の裏切りによりサンチェスは護送車から脱出 表向きは水族館に納品する魚の捕獲や運送請け負うフロリダマフィア ミルトン・クエストとその部下達と共にライター夫妻を拉致したサンチェスはダナを殺害しライターをサメの餌にした 空港カウンターでサンチェスの脱走を知ったボンドは慌ててライター邸を訪ねるが何もかも手遅れ 片脚をサメに食い千切られ瀕死の状態のライターを病院に搬送 盟友の復讐に怒りを顕にしたボンドはシャーキーと共に手掛かり求め捜索開始 クエストに匿われていたキリファを見付け出しサメのプールに叩き込み惨殺
瀕死の盟友に代わりダナを殺した阿呆共を皆殺し だが行く先々で死体を大量生産するボンドを見兼ねたCIA捜査官達の通報を受けMI6はジェームス・ボンド中佐を緊急逮捕 頑なな態度を崩さない主人公に対し職務剥奪 そのままイギリスに強制連行する筈が逃げられた 抵抗するなら射殺も覚悟していた他の00ナンバーを制止したのはクビを言い渡した筈のM フロリダに潜伏を続けるボンドとシャーキーはルペ・ラモーラと置いてけぼりにされたサンチェスの部下達を乗せメキシコへ向かうクエストの船を襲撃 手練の刺客により惨殺されたシャーキー 自らも満身創痍になりながら次々とクエストの部下を殺すボンド 船の倉庫には大量のヘロインが
麻薬取引に殴り込みパイロット殺してまんまと水上飛行機ごとサンチェスに渡る筈だった8000万ドルの現金を奪った主人公は麻薬組織に潜り込んでいるCIA捜査官を助け出すためメキシコへ 内部に多くの裏切り者を抱えている可能性が極めて高い現地警察に未だ動かないCIAは今回あてには出来ないかも その頃ボンドの動静を追っていたマネー・ペニー中尉はMの黙認受けQの長期休暇許可を取り付ける 何処までも自己中な駄目な部下をあくまでも見捨てないMI6のスタッフ達 ストリップバー・バレルベッドで救援を待っていたCIAの潜入工作員は女性パイロットで軍人上がりのパメラ・ブービエ 此れから問答無用の殺し合いが始まる現場にハンドガン1つで現れたボンドをあからさまに間抜け呼ばわりする彼女の獲物は大口径のライアットガン 案の定主人公は微妙に役立たずだった 這う這うの体で危地を脱出し盗んだ大量の現金で雇用契約 メキシコシティに乗り込んだボンドは早速サンチェスが持つ銀行へ大金預け 隣接するカジノで25万ドル勝ち逃げする等、何時もの手段で揺さぶり図る
Qが持ち込んだラミネートチューブ型プラスチック爆弾……この映画のお陰で以降飛行機や船には歯磨き粉もシェービングクリームも持ち込み禁止になった 組み立て式の狙撃銃で早速サンチェスを狙うが 同じくサンチェスの内偵進めてた香港警察の忍者に襲われアジトへ強制連行 偶々駆け付けたサンチェスの部下ヘラー中佐率いる傭兵部隊に助け出され 客分として内部に潜り込んだボンドはラモーラを協力者に仕立て上げ 組織内の幹部同士に疑心暗鬼の種をバラ撒く 明らかに情緒不安定気味な主人公に不信感を抱いたラモーラはやきもきしてるパメラとQに接触しボンドのバックアップを要請 其々が自由裁量で動き複雑に練られる罠 ボンドに奪われた金の報告を伏せていてサンチェスに疑念を抱かれたクエストは捏造された証拠を元に減圧室で処刑され 自身をMI6を裏切った凄腕の殺し屋と売り込みかけるボンドは遂に宗教施設に偽装した巨大麻薬工場へ潜入
殺し屋ダリルに正体見抜かれ咄嗟に工場へ放火 危うく粉砕機の餌食になる寸前、工場内へ潜入してたパメラに助け出されダリルはヘロイン諸共ミンチ ヘラー中佐は自分達が殺した相手が香港警察とイギリス軍の合同チームだと気付きサンチェス裏切ってミサイル手土産にCIAへ投降しようとしていたがボンドに裏切りを密告されフォークリフトで串刺し刑 最早この施設は保たない サンチェスは顧客も従業員も見捨て僅かな手勢と共にガソリンに溶かし込んだ時価8000万ドルのヘロイン積んだタンクローリー3台と武装ピックアップトラックでコロンビアへの脱出を図るが 何とか死地を潜り抜けたボンドとパメラは空からサンチェス一味を追い詰める
トラック奪い乗員放り出し残りは2台 ガソリン&ヘロイン満載のタンク落としてもう1台を吹き飛ばす なおも主人公殺そうと追い縋る武装ピックアップ相手に片輪走行でミサイル避けたり ウィリーやって炎の壁を突破 会計士殺して最後のトレーラーに乗り込んだサンチェスを追いトラックからトラックへ 対空ミサイル尾翼に喰らってパメラが操縦するセスナは荒野に不時着 バルブ開いてピックアップトラックを文字通り火の車にした後 ナタ片手に飛び出して来たサンチェス相手に肉弾戦 馬鹿を上手く煽りブレーキを破壊させトラックはもう止まらない さっさと諦め逃げ出した運転手 取り残された2人はそのまま崖下へ転落 激昂しボンドの首にナタを振り下ろそうとしたサンチェスにトドメ刺したのは主人公がダナからプレゼントされたジッポーのライター 既に全身ガソリンとヘロインに塗れたサンチェスは簡単に人間松明と化し 爆発したタンクローリーから伸ばされる炎の手に握り潰される。
かくして物語は大団円 何とか此れからの人生に折り合い付けようとリハビリ始めたライターに事件解決を報告 主を失ったサンチェスの豪邸と銀行はメキシコ政府により摂取 ヘクター・ロペス大統領主催で開催されたパーティーに招待されたのは主人公達 10代の頃サンチェスに拉致され15年に渡り慰み者にされて来たラモーラはボンドに迫るが 身を翻したパメラ追い掛けボンドは二階から彼女が向かったプールへ飛び込んだ 多分振られたな……そんな彼女に紳士的に迫るのはロペス大統領 Qは漸くパーティー会場に到着した部下やM マネー・ペニーと共に祝杯上げ 共にプールで濡れネズミとなり子供みたいに笑うボンドとパメラを見守る様にウインクするのは巨大な怪魚を象った大理石の石像 かくして物語はエンドロールへ 敢えて次回作を掲げる事なくまたいつかとメッセージ残し閉幕
★DIA:国防省直属の諜報機関 情報収集と分析メインのCIAと違い軍の汚れ仕事や対外諜報活動をメインとする組織でしたが確か統合された筈
☆オープニングに登場した沿岸警備隊のヘリは現エアバス社のHH65ドルフィン イタリア製 順次ブラックホークに変換中 E2Cホーク・アイは退役し令和3年現在は代わりに大量に余ってるP3Cオライオンを早期警戒機に改造したP3AEW-Cが主力になってます 最近密輸組織は飛行機や船舶のみならず中国/北朝鮮製の小型潜水艇も使ってるから無人戦闘機や対潜哨戒機も増強中 メキシコ空軍も同じ理由で元イスラエル空軍のE2Cホーク・アイを3機導入してます




