007 ロシアより愛をこめて 63年
2021年6/6〜6/7タブレット端末にて執筆し午後脱稿 即日新規割込み投稿 久し振りなポイント評価に感謝捧げつつ 所でソビエト連邦ってやっぱり死語ですかね。
【 偉大なる同志ジュリアス・ノオ博士を殺したジェームス・ボンド中佐を暗殺せよ と言う訳でソビエト連邦の新型暗号通信機とロシア美女を囮に始まった007抹殺作戦の顛末描いた古典的な名作らしいのですが………惜しむらくはソ連の諜報員のみならずスペクターの首領や暗殺者達 果ては今作のヒロインに至るまで軒並み“かしこさが足りない”のは何故なんだ(笑) と子供心に感じたポンコツ臭 改めて見直しても当時の私が抱いた其れは正しかったかも 】
★ヒロイン=タチアナ・ロマノヴァ伍長演じたダニエラ・ビアンキ(何かローラに似てるから私はアウト)がシリーズ最高の美女だと語るお爺ちゃん達が圧倒的多数だけど 英語のみならず演技もアレだったから台詞全部吹き替え ちなみに彼女はれっきとしたイタリア人で勿論ロシア語も話せません
☆マッドモンローの主題歌も滅茶苦茶売れたらしいけどリアルタイムで其れ体験してませんので勘弁を 寧ろ私の好みはトム・ジョーンズです。
原題:FROM RUSSIA WITH LOVE
ロシアより愛をこめて
イギリス/アメリカ合作劇場公開作品
1964年に日本&アメリカ劇場公開
1972年リバイバル上映の際 現在のタイトルに改題
旧題 007 危機一発 はあの水野晴郎御大のアイデア
新聞社や国語学者から袋叩きだったそうです
原作:イアン・ランカスター・フレミング 著
From Russia, With Love 1957年 シリーズ5作目
翻訳版は1964年 東京創元社 創元社推理文庫より
何度かタイトル他変更しつつ出版
令和3年6月7日 小学生の頃、夏休みシーズン迎えた月曜ロードショーで毎年楽しみにしてたのが007シリーズ 但し当然の事ながら好き嫌いが有りオープニング始まったら5分で飽きたとなる定番の物語がこの作品です(苦笑) "サンダーボール作戦"や"007は二度死ぬ"なら最後までしっかり見てたけど 私にとってこの映画は睡眠薬と同じ 毎回毎回ソファの上で電池切れとなり両親のみならず祖父母や叔父叔母にも笑われてた記憶が有ります ちなみに"ドクター・ノオ"と"ゴールドフィンガー"は日曜午後のロードショー(正式タイトル忘れました)で極々偶に放映 月曜ロードショーで何故取り上げ無いのか不思議でしょうがなかった 世の中にはテレビ放映権なるものが有ると知ったのは高校生に入った辺りかな?
だからこの作品に対する私の印象は白人の殺し屋とお掃除おばちゃんが恐い ただそれだけです。 後年げんれい工房の通販サイトで"静かにしましょう=サイレンサー装着"或いは"トイレは綺麗に使いましょう=あんまりヤンチャすると掃除のおばちゃんに片付けられますよ"なステッカー見て大爆笑 以降あのサイト閲覧する度にこの映画の主題曲が頭に流れます そういや幼稚園or保育園の頃から親にお願いして映画音楽のレコード聞かせて貰ってたっけ あっちでは"危機一発"のタイトルだったから別の映画が有るもんだとばかり勘違いしてました ちなみにマカロニ・ウエスタンと007主題歌集のCDは未だに気が向いたら引っ張り出して聞いてます。 だけどダニエル・クレイグに代わってからのこのシリーズは見てませんし主題歌も聞いた事有りません 折角だからシリーズ纏めつつ見てみようかな 今なら何か受け入れられそうだしね。
【 令和3年の今もそうですが今回のメイン舞台となるトルコ共和国は東西冷戦の係争地 映画撮影の数年前に反ソ連でギリシャ系住民弾圧し親米路線取ってた民主党政権が軍事クーデターにより倒され閣僚が軒並み処刑されてます。 よって当時はソビエト寄りの軍事政権だったから撮影は秘密警察に監視されながら 後に作られたトルコを舞台にした作品と違いその殆どがスタジオロケ ついでに払う対価も相当高くついたから同じくお高いヴェネチアロケは完全に無くなりました。 シリーズの中でも珍しく合成映像が矢鱈と多いのはそんな理由からです。 】
★数年後再び軍事クーデター起きて真っ赤な将校達は同じ目に合ってますが 共産主義がイスラム原理主義に変わっただけでその後も軍事クーデターは繰り返されてます 多民族&3つの1神教が勢力争いしてるリラベルの理想郷の現実はこんなもの だからヨーロッパに密入国する人々も多い訳です。
前作から半年後、秘密結社スペクターの本拠地で行われていたのは訓練施設で調教を施した元殺人鬼レッド・グラントの卒業試験 ボンド中佐に扮した同僚をなんの躊躇いもなく1分52秒で殺害した手際は幹部達のみならずスポンサーにも満足頂ける仕上がりとなった。 チェスの国際試合の真っ最中に呼び出されたスペクターの作戦参謀No.6ことクロンスティンは最近昇進したばかりの女性幹部No.3ことローザ・クレーブと共にソビエト連邦政府を巻き込んだあからさまな罠を使い主人公を追い詰める作戦を開始する ブロフェルドに内通する党幹部に抜擢されソ連防諜部隊からスペクターに転職したローザは訓練施設でグラントをスカウト 続いて餌となる候補に選んだのは祖国に対する無条件な忠誠心が強く割と騙され易い 在トルコ諜報局員タチアナ・ロマノーヴァ伍長 もう1つの撒き餌はソビエト連邦の最新暗号通信機レクター
その頃ジェームス・ボンド中佐は前作で好を結んだ謎の遊び人シルヴィアと半年振りの逢瀬を楽しんでいた。 約束していた朝のゴルフコース回りにお昼は湖で軽く日光浴を楽しみながら昼食を……そんなまったりした雰囲気に水を指したのは愛車ベントレー・マークⅣコンバーチブルにブースロイド少佐がこっそり搭載してくれやがった自動車電話 半日も連絡絶って何処に隠れてるの? 問題児を呼び出したのは勿論マネー・ペニー中尉 楽しげに邪魔をするシルヴィアとマネー・ペニーの小コントを挟みつつ まずはプライベートを優先し昼飯も彼女との云々も楽しんで意気揚々とMI6本部へ参上
「お前の写真見て一目惚れしたらしいソ連の情報局員の亡命を手伝い 最新鋭の暗号通信機強奪して来てくれ。」
呆れ顔のMから提供された今回の任務は胡散臭さ満載 こりゃどう考えても罠でしょう 初めて意見の一致を見た上司と対応検討した事で何とか遅参の言い訳せずに済んだとはしゃぐ主人公 だがアメリカも手に入れていない通信機を手に入れる絶好のチャンスでも有る ブースロイド少佐の後任となるQの登場とギミック満載なアタッシュケースの説明 またも危機を乗り越えたぞ友よと マネー・ペニー相手の大人な小芝居を挟みつつ ターゲットのブロマイドに "ロシアより愛を込めて" とスラスラと落書き残し舞台はトルコへ
なお契約の都合でシルヴィアの出番は以降有りません 矢鱈と頭の切れる峰不二子タイプはどうもアメリカ人には駄目だったらしい
例によって空港ロビーは各国の監視員がウロウロしてる とは言え前回とは違い会社社長としての公式訪問だからコソコソ隠れる必要も無い 現地協力者の運転手と交わすトルコ国内の防諜体制 数年前の軍事クーデターで何処の勢力も大火傷負ったから誰かを殺し殺されなんて事態にでもならない限り面倒な事態には陥らない筈だ なるべく穏便に観光でも楽しんでくれと挨拶する現地協力者ケマル・ベイとの遣り取り 予約したホテルに貼り付いていたのはトルコ当局の諜報部隊 盗聴器探したりコンセルジュに扮した怪し気な男女に揺さぶりかける小ネタ挟み ブルガリアの諜報員殺しホテルの前に置き去りにするグラントとローザの暗躍によりソ連諜報機関は犯人をイギリス諜報機関による破壊工作だと勘違い 穏和に片付く筈だった案件はいきなり血生臭い展開になってゆく
在ソビエト大使館の床下にはケマル・ベイの商店まで繋がる地下水路が有り クーデターのどさくさ紛れに仕掛けた潜望鏡で内部観察はやり放題 だけど何故諜報局の大物ワシリー将軍や汚れ仕事専門のエージェント・ベンツに加え保安局長のコソロフスキーに暗殺要員のクリレンクまでイスタンブールに集まっている? その答えは程なく判明した 情報収集と視聴者サービスを兼ねて始まったロマの大物からのかなりこじつけ臭い情報提供シーン どんどん服が脱げる女同士の決闘にベリーダンス 宴を邪魔するソ連暗殺チームの襲撃は即座に返り討ち色々有って決闘やってた2人の美女と楽しい1夜を過ごした主人公は翌朝ホテルへ戻るとベットにターニャが居た 勿論美味しく頂きました。
クリレンクは今度はケマル商会に爆弾テロ 昨晩の襲撃で右手負傷したけど報復は果たさないと舐められる ケマルは主人公の持ち込んだ狙撃銃と肩を借りる形でクリレンクを暗殺 ソ連大使館への襲撃&ターニャ亡命支援と暗号通信機の強奪も大々的に派手にやらかす事になる 本当はこの辺りの場面かなりごちゃごちゃしてるけど列記しても眠りの神様の襲撃受けるだけだからバッサリ省略します。 逃走ルートはオリエント急行使い途中下車、国境近くの飛行場からターニャと暗号通信機抱えて真っ直ぐロンドンへとなる筈が列車にはKGBのベンツと殺人鬼グラントが乗り込んでいた ベンツとケマルがグラントに殺され途中下車が不可能に
応援要員としてザグレブから乗り込む筈だったMI6の支援メンバーを暗殺しまんまとナッシュ大尉と入れ替わるグラントだったが即座に主人公に見抜かれ本性を顕にした。 勝った積もりでスペクターの今回の目的をベラベラ喋り 金貨奪う為、アタッシュケースに仕掛けらたギミック作動させて自滅 グラントを連れ逃げる筈だったロマのトラックを運転手ごと接収 仲間の返り討ちを知り追い縋るヘリは手榴弾満載だったからタイミング良くライフルで返り討ち
この辺りのシーンは超低空飛行するヘリと主人公の割と緊迫感有る遣り取りが凄いのだけど万が一を考えイギリスで撮影してます。
その頃、ソビエト連邦の暗号通信機を主人公にまんまと奪われ 手練れの暗殺要員も軒並み返り討ちにされたと知ったブロフェルドは大激怒 全ての不手際をNo.3ローザの人選ミスだと断罪するNo.6クロンスティンは暗殺者養成所指揮官のモッゼーニにより処刑され 後始末を押し付けられたローザおばさんとモッゼーニは訓練施設の教官達を総動員 ロマから奪ったモーターボートでヴェネチアへ向かう主人公達を追い詰めようとするが撒き散らされたガソリンタンクに気付くのが遅れ3隻の武装艇に乗り込んだ教官達は皆殺し
結局独り生き残ったローザはホテルのお掃除おばちゃんに変装し靴先に仕込んだ毒塗ったナイフで主人公追い詰めるが 此処で漸くヒロインとして目覚めたターニャに撃たれてサヨナラ負け 実情知らされたソビエト連邦ではスペクター関係者の大粛清が始まった でラストはヴェネチアのため息橋でイチャイチャしてる主人公達のシーン映し大団円 一応フィルムだけは貸して貰ったからエンディングタイトルは 運河から眺めるヴェネチアの観光地巡りとなります。
★原作ではローザおばちゃんに蹴られて生死不明 こんな話聞くと原作はどんな風にオチ付けたのか非常に気になります。
原作版のボンドの愛車は1933年型ベントレー・コンバーチブル 当時はロールス・ロイスの子会社化してましたがその後ベンツに買い取られる形で会社は消滅 撮影や改装に耐えうる実車が残ってないからマークⅣを出してます。 ちなみに車体カラーは赤 残念ながらまだボンドカーでは無いのよ。




