ドクター・デスの遺産 17年
2023年1/6 タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
映画化されてる作品ですが内容は別物 映画版はぶっちゃけ原作無視しストーリーやテーマも捻じ曲げた劣化版です 出演した俳優のファンでも無い限り私は原作バージョンの方を薦めます
【 延命治療技術の発展により起きる医療費負担増に患者が被る痛みや苦しみをどう和らげる そもそも治療不可能な末期癌や各種の病でただ死を待つだけの患者を救えるのか 超高齢化社会迎える中で何れ向き合わないといけない安楽死に関する現行法の高いハードルをどうする? 映画版は原作者が別作品でしっかりネタにしてますが色んな自称NGOとか殆ど反社な人権擁護団体から圧力掛かり問題提起から逃げたらしい(笑) 素直に物語楽しむなら原作小説がお勧めです 】
★本屋でクライマックスシーン立ち読みした令和4年大晦日に起きたのが土砂崩れによる山形県鶴岡市における集落崩壊の惨劇 家屋に潰され亡くなった老夫婦には謹んでお悔やみを申し上げますが それにしても偶然なのかね此れ(汗) 何か怖かったから文庫本購入しました
英題:The Legacy of Dr.Death
ドクター・デス=ジャック・ケヴォキアン 元ミシガン大学病理学者
稀代の殺人犯として収監されてた実在の医師 2011年に病没 享年83歳
患者とその家族に懇願され手掛けた安楽死は130件以上
日本 ミステリー小説
中山七里 著
講談社 日刊ゲンダイ15年11月号〜16年4月号で連載
2017年角川書店にて書籍化 2019年角川文庫化
刑事 犬養隼人シリーズ 4作目
映画は2020年にBLACK FILE のサブタイトル付け公開
令和5年1月6日 昨年度は安倍元総理筆頭にアニメ界や昭和のドラマや映画の立役者が次々と物故致しましたが 生きてる限り何れ死ぬのは当たり前の話だし 朝まで生テレビの老害司会者みたいに些細な事でイチイチ去勢された豚みたいにギャーギャー騒ぐのもアレだからなるべくありとあらゆる創作物を楽しむ人生を…… せめて今年の目標ぐらいは決めてメリハリ付けようか そろそろ1000話突破は確実な今年はLGBTQの強要と娯楽要素の排除で断末魔を迎えたハリウッド新作映画やドラマをガン無視し 取り上げるのを躊躇っていた国内の娯楽小説も色々取り上げてみる予定 尚、キャスティングや脚本がどうこう以前に殆どの超大作が原作レイプな平成末期の邦画(但しアニメを除く)についてはサラリと黙殺させて頂きます
動画サイト等で予告編閲覧したら一目瞭然ですが 映画版はスマホやタブレット端末の時代なのに登場人物の描写や価値観が昭和末期に逆戻りしたウリジナル 特に犬養と明日香の性格と2人の関係性に関しては完全に別人ですしドクター・デスに至っては単なる後天性精神異常者と化してますので見るなら自己責任でお願い致します 原作のジリジリ来る描写に嵌まった私みたいなニワカファンには文字通り地獄絵図 やっぱりこのシリーズは手間暇掛けて 京極夏彦のミステリー小説 魍魎の匣 の様にアニメ化するべきかと トンチキな脚本に加え演技と演出にBGMが全く噛み合って無いのでどうしようも有りません
【 ある意味便利にはなったし初動捜査で重要性が増している個人携帯端末を使った通報に車載カメラやウェブカメラによる証拠映像や通信指令センターへの通報 だが対応に追われるオペレーターの負担は右肩上がりで上昇する事になり勿論ヒューマンエラーも多発する事になった 何より面倒なのが偽証やイタズラが犯罪行為だと自覚してないDQNや子供達による悪ふざけ これでも日本はかなり自重してる方だけど欧米はかなり手が付けられなくなっている という訳で官憲や救急車の呼び出しはあくまでも必要に応じて…… アメリカみたいに消防車派遣すら有償になると洒落にならん 】
★本シリーズに思い入れ有るならご注意を 今回は敢えて犬養隼人警部補や高千穂明日香巡査部長に麻生礼司警部は悪役或いは憎まれ役です 勿論内容も映画版とは似ても似つかないモノになってます。
『 父さんを殺した悪い医者を捕まえて 』警視庁通信センターに2日間続け掛かって来たマゴメダイチと名乗る明らかに小学生と思われる少年から緊急通報に対応したのはオペレーターの倉科恵子 イタズラにしては余りに真に迫っているが恐らく妄想からの思い込みの可能性もある 恵子が相談した相手は近頃、上司や先輩に押し付けられる形で物凄く性格の悪い技能指導員(笑)の助手として振り回され疲労困憊気味な親友にして捜査一課の刑事 高千穂明日香巡査部長 凶悪犯罪に慣れており保育士としての才能有る親友に無理強いしたのは ストレス貯めて爆発寸前の彼女のガス抜きにでもなればという思い遣りから
ならばあんな面倒臭い作家刑事の御守り押し付けた朴念仁な先輩も巻き添えにしてやろう 明日香は自身を苦しめる元凶の1人 犬養隼人警部補を強引に連れ出す形で通報者 馬籠大地を訪ね練馬区石神井町へ 自宅療養中に容態が急変し死に至った馬籠健一に関する事情聴取は当初何事も無く終わる筈だったが末期癌に苦しめられていた家長の本当の死因は僅か20万円の謝礼で依頼を受けた医師と看護師が投与した塩化カリウム製剤投与による心不全だと判明 事情を知る被害者の妻 小枝子を問い詰める形で捜査線上に浮かび上がるアングラサイト《ドクター・デスの往診室》 このままでは延命治療費の負担で家族諸共破滅すると僅かな保険金を目当てに安楽死を依頼したのは妻と相談し全てを決めた被害者本人だった
サイト閲覧&相談者は総勢2000人以上 もしかしたら安楽死により人知れず消えた犠牲者の数はもっと多いかも知れない "かつてカルト宗教じみた手口で洗脳された実行犯による連続殺人とその真犯人〈教授〉自殺の後始末に関わったトラウマ体験から"《ドクター・デスの往診室》にあからさまな嫌悪感を抱く麻生礼司警部と犬養警部補 サイバー犯罪対策課の三雲班長と二人三脚で進めるデータ閲覧で浮かび上がる ドクター・デスに家族の安楽死を相談したと思しき人々をリストアップ あの時の様に陰惨な結末を避けたいと動く犬養刑事等の事情聴取に追い詰められた患者と家族の苦しみを何も知らないくせに正義面するなと怒りを顕にする遺族達 その多くが躊躇いの末にのたうち回り最後まで苦しんで死んだ安楽死志願者達の無念の思いを捜査官達に叩き付ける 自身も身内に難病抱える娘を持つ犬養刑事の葛藤 もしかしたら私達はドクター・デスを追い詰めることにより 難病に苦しむ患者やその家族の希望を奪ってしまうのではと頑なな上司達に疑念抱く明日香
犬養刑事の実の娘の承認得る形で麻生班長等主導で行われた架空の娘使った囮作戦は犬養刑事の個人情報まるごと抜かれる形で大失敗 逆にドクター・デス本人から例え架空でも実の娘を囮にするなとサイトを通じてメールで怒られる顛末を迎える 事件の突破口となったのは自身の死後のお家騒動恐れ安楽死を依頼した北条グループ総帥 北条正宗とその息子 英輔の事件から 色々思う所有り娘に尻蹴飛ばされる形で真摯に遺族に向き合う犬養刑事率いる捜査チームと鑑識の似顔絵担当者の活躍により判明した元看護師 雛森めぐみの関与 自身が僅かな報酬に靡く形で知らないままドクター・デス安楽死に関わった事実を突き付けられ心折れた彼女の証言から浮かび上がる謎多き人物 寺町亘輝の捜索は難航する
そんな最中犬養刑事宛にドクター・デスからの新たなメッセージが…… 捜査官達が見付け出した彼による安楽死の1つと見られていた事件 西端化成の爆発事故で瀕死の重傷負い意識不明のまま塩化カリウム製剤を投与され亡くなった安城邦武主任を手に掛けたのはドクター・デスに罪を被せ事故の原因を隠蔽しようと動いた被害者の上司だった 鑑識により馬籠邸から発見されたドクター・デスの靴跡とから見付かった特殊な藻により始まったドクター・デスこと寺町亘輝の捕縛狙った大捕物 恐らく寺町は多摩川河川敷沿い3ヶ所のホームレスが居住するキャンプの中の何れかで身を潜めている なお寺町を捕えたのは別作品で従兄弟共々主役張ることになる犬養刑事の部下 葛城公彦巡査部長 だが寺町の正体は雛森めぐみに日雇いで雇われ医師を演じていただけの単なるホームレスなオジサン 警視庁捜査一課麻生班をまんまと煙に巻いたドクター・デスこと雛森めぐみは 国外へ脱出する旨を犬養刑事に電話越しで伝え行方を眩ませた。
2人目のドクター・デスが誕生したのは今から5年前 勤めていた病院の廃業により僅かな退職金渡され解雇された彼女が身を寄せたのは国境無き医師団 派遣先はアラブの春と呼ばれる血塗れの革命ゴッコを皮切りに激化した悍ましい内戦の激戦地リビアのトリポリ 懸命な負傷者治療はリビア政府軍と多国籍軍双方による無差別攻撃が常態化するにつれ苛酷さを増し続ける 戦火の中で花開くアメリカ人医師ブライアン・ホールとのプラトニックな繋がり 内戦を激化させたい国連安全保障理事会の都合で供給が途絶えた医療品 やがて野戦病院で黙認される様になった救いようの無い兵士や民間人に対する安楽死 国境無き医師団が滞在する難民キャンプを狙った砲撃により瀕死の重症に追い込まれたブライアン医師に懇願され彼を安楽死させためぐみは遂に壊れてしまう 今も心はあの戦場の中に取り残されたまま
志願者とその家族を協力者として始めた 誰もが目を背ける安楽死に関する命懸けの問題提起はドクター・デスの事件発覚と主犯格を取り逃がす不祥事によりマスコミやワイドショーそしてSNSを通し広まりつつ有る 逃亡生活続けかれこれ1月 国外に逃亡するにせよ出頭しこの国の司法に身を委ねるにせよ此れがドクター・デス最後の仕事になる
めぐみが新幹線で向かったのは島根県出雲市 依頼者は末期ガンで余命幾ばくも無い九津輪博信 だが依頼者の自宅に先回りしていたのはドクター・デスの捜索を未だ諦めてなど居なかった犬養と明日香両刑事 彼女の過去を調べ上げた明日香によりブライアンに容貌が酷似する九津輪は敢えて泳がされていた 此れで何もかも終わりかと思われた瞬間、人里離れた廃屋同然の建物を押し潰したのは大雨により発生した土砂崩れ 犬養と明日香そしてめぐみは何とか五体満足で生き残ったものの 崩れ落ちた梁に内臓を潰された九津輪は到底助からない 元看護師としてめぐみが提案したのは折れた骨により苦しみ続ける九津輪の安楽死 幸いにも注射器も塩化カリウム製剤も無事だった あなた達が殺人行為を見逃してくれさえすれば九津輪さんは心穏やかに最後を迎えることが出来る このまま放置しても彼は確実に死ぬしか無いしかなり苦しむ事になる
刑事としての職務を優先するか其れとも九津輪に穏やかな最後を迎えさせるのか 葛藤の末に犬養刑事が下した決断は?
そして物語は事件解決から数週間後 犬養刑事が訪れたのはドクター・デスの投げ掛けた究極の選択に心揺らした彼の尻を蹴飛ばし犯人逮捕に向かわせた娘 沙耶香の病室 未だあの時の選択に囚われている父親の眼を開かせる娘との冴えた遣り取りがどんなモノだったかについては出来れば本編購入し読んで欲しい 多分映画版のアレなオチとは比べ物にならないだろうし
★本編で何故麻生警部と犬養警部補がドクター・デスを忌み嫌ったかについては 毒島刑事 最後の事件 20年 で面白可笑しく説明されてますのでその内に 当シリーズで被害者ポジションの高千穂明日香巡査部長があの性格最悪な作家刑事に振り回される顛末はなるべく早めに取り上げますとも




