死にゆく者の祈り 19年
2023年7月28日未明〜同日夜21時前 タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
【 隔靴掻痒……その意味は足の痒みを靴の上から掻く様なもどかしさ 中山七里先生、通算30冊目の作品紹介は教誨師と呼ばれる滅茶苦茶マイナーな職業と言うより無料奉仕のボランティアに就いてるかなり訳ありな主人公が25年振りに死刑囚官房で再会した親友のために奔走する物語。 海外の映画やドラマで登場する死刑囚や懲役囚に付添い相談乗ったり末期の祈り捧げるあの仕事だけど日本の場合は報酬ゼロ よって資金面でも余裕有り組織的に動ける浄土宗のお坊さんがメインになるそうです 】
★何故普通に結婚し高校生の息子居た主人公が何もかも棄て出家し 労多く見返り皆無なこんな職務に就いたのか? 読み進め色々見えて来るまで文字通り隔靴掻痒な気分を味わえます
英題:A PRAYER OF THE DYING
日本 ミステリー文学小説
中山七里 著
新潮社 雑誌 yomyom 2017年6月号〜2018年12月号連載
2019年新潮社出版 2022年新潮社文庫化
2023年7月28日 かたや教誨師のお坊さんでかたや見ず知らずのカップルを衝動的に殺害した罪で既に死刑が確定している服役囚 元山岳部に所属していた親友同士が繰りなす心理戦と事件の再調査で浮かび上がる物語の全容とタイトルの意味 …………何処となく森村誠一先生の初期の名作連想させる描写に苦笑しつつもやっぱり二転三転する真相にニマニマしながら本作読み終えたのは24日の夜の事 享年90歳で死因は肺炎 新聞赤旗の意向と中華人民共和国政府からの写真資料等や被害者証言に現場取材等々、情報提供受ける形で執筆し当時は私も含め多くの人々がまんまと騙されたフェイク・ドキュメンタリー"悪魔の飽食"には糞つまらない後日談(そもそも日本は細菌兵器も生物兵器開発にも失敗してた)含め色々閉口したものの "人間の証明"や"野生の証明"を父子2代で楽しませて貰った森村誠一先生が死去 虫の知らせがこんな物語を手に取らせたのかなと感じつつこんな前振りを
なお一部のそっち系サイトではかたや歴史の彼方に埋もれていた戦争犯罪を告発した英雄 その反対側では左翼思想に傾倒し冤罪捏造に加担した売国奴野郎と右左双方で死体蹴りやってますが どんな思想持とうが死ねば仏様 有りもしない功績で祀り上げるのも既に本人が捏造やりましたと記者会見開き謝ってるのに今更罪をあげつらうのも恥ずかしい行為だと思うのだけれどもお客様はどう思います 私個人は思想信条は個人の自由 無理矢理押し付けたりしなければ見て見ぬ振りするのが社会人のマナーだと断言致します だいたいまともな人間なら1度は左翼思想=増税クソメガネや小泉エネ次郎みたいな無能を物理的に排除して1握りの優秀なエリートで社会を変革しようなんて理想論に陥るものだし 逆に60代70代に突入しても未だに全共闘や中核派に協力する様な輩は若者の脚引っ張る老害だの底なしのアホウだの罵られても当たり前だと思うけどね 個人の思想信条なんざ生きている限り様々な事を見聞きし判断しどんどん変わるのが当たり前 後生大事にそんなモノ守る必要が何処に有る?
何が良くて何が正しいのかは自身で見極め判断し 功も咎も責任持って受け入れる 世の中の絶対的な理ってそんなモノだと思うけどね
【 物語冒頭で描かれるのは日本における死刑執行手続きの過程 他人の命を不用意に奪った輩が同じ様に不用意に奪われるのは当然の報いと言えるけど奪われる死刑囚にしてみれば文字通り恐怖の刻 ぶっちゃけ命乞いし泣き喚くそんな輩を絞首台に連行し刑を執行する刑務官や教誨師 死亡確認任される医師に掛かる心理的ストレスの方が相当キツいけどね だからといってリベラルが喚き立てる死刑廃止はやっぱり論外でしかない 肉親や愛する者を奪われた遺族の憎しみ悲しみは元凶が報い受けようが本人の命潰えるまで消えないんだよ だからこそ冤罪や証拠捏造は決して許されないけど捜査に当たる刑事や警官達も犯罪行為を裁く検事や裁判官 大抵の場合嫌々裁判に参加する国選弁護人も思い込みが優先してしまうもの 】
★だから捜査過程の可視化のみならず少年審判の其れも被告原告双方が公平に閲覧出来なきゃ可笑しいんだけど 有って当たり前の思い込みや誤認を認めない輩は何処の業界でも脚を引っ張る 犯罪者の人権だの更生だの喚き立てる日弁連なんてその最たるモノの1つかな
5年前、己の咎と向き合い心折れ 自らを罰する形で名も何もかも棄て出家し浄土宗に帰依 尊敬する武邑良然住職が取り仕切る道願寺の修行僧兼教誨師として其れなりに多くの咎人の死刑に立ち合って来た僧侶 高輪顕真が親友で命の恩人でもある関根要一と25年振りの再会を果たしたのは平成29年8月6日 檀家の葬儀でどうしても時間が取れない同僚の蛍法僧侶の代わりに集合教誨をおこなった日 40人程度の重犯罪者の中で懐かしげに目を細める親友が何故死刑囚に? 此れ迄5年間に渡り事実上の逃避生活を続けていた顕真を動かしたのは四半世紀に渡り疎遠だったとは言えあんな正義感が強かった関根がたかが鼻の痣を揶揄されたぐらいで親子程歳の離れた見ず知らずのカップルを殺害するのかという疑念
事件が起きたのは奇しくも5年前 平成24年8月22日 口論の末に人を刺してしまったと川崎署に出頭した被疑者の供述調書の通り公園で見付かった被害者は製薬会社営業マンの兎丸将司28歳と薬剤師の塚原美園24歳 資料開示してくれた横浜地裁の牟田圭吾検察官や国選弁護人の服部一真弁護士によると被告となった関根は終始態度頑なで寧ろ有罪を望んでいた節が見受けられたと言う 再審も再再審も頑なに固辞し マスコミを始めとするワイドショーが盛り上げた世論も後押しする形での死刑判決 物的証拠も独身生活を貫き近隣住民との付き合いも避けていた被告のアパートから見付かった凶器と返り血の付いたポロシャツから検出された血液は被害者の其れと一致 不可解にも関根が自首し供述調書に素直に応じていたことを除きおかしな点は見付からない様に見えたが
主人公顕良こと顕真が囚人番号2411号の教誨師であり元親友だと知った瞬間、態度を翻し頑なに再調査を拒否する担当刑事=富山直彦警部補の振る舞いにカンが囁いた元部下でベテラン捜査官の文屋巡査部長に協力仰ぐなら何もかも話せと追求され漸く明らかとなる主人公/元妻の樋野亜佐美/関根要一の出逢いと三角関係の始まり 大学の山岳部のメンバーとして親交を深めてきた彼等の幸せな時が終わったのは今から25年前 秋の剣岳を散策し山小屋に向かう筈だったその小さな冒険は突如発生した低気圧による暴風雨と例年より早まった積雪により亜沙美が右足首を骨折による壊疽で切断 主人公・顕良も片足凍傷と言う顛末を迎える そんな2人を最後まで見捨てず山小屋まで担いで連れ帰ったのが関根だった その後三角関係は主人公が亜沙美に結婚申込み籍を入れる形で決着 未練を断ち切るため独り姿を眩ませた関根 そんな奴が口論程度で人を殺す筈が無い 果たしてアパートから見付かった凶器の登山ナイフは明らかに関根の物では無い事実が判明 アイツは誰かを庇い敢えて死刑囚となる覚悟を決めている
再調査で明らかとなる塚原美園の元彼で ストーカー行為の前科持つ黒島竜司と関根の関係 私生児として生まれ育った黒島はあまりにも大学生時代の関根そっくりであった事から判明する彼の母 黒島美和子の悲しい最後 単なる優秀な営業マンに見えたもう1人の被害者 兎丸将司の裏の顔は大麻の売人 偶々事件の担当捜査官となった富山警部補が刑事となり復讐者となった悲しい悲劇 漸く事件の全体像が明らかとなったタイミングで下された法務大臣による2411号の死刑執行命令 真犯人の尻尾掴んだ文屋巡査部長が必死に奔走する中、関根を人質に死刑囚官房に立て籠もる主人公の時間稼ぎは間に合うのか…………真犯人が誰なのかは読んだお客様のお楽しみとして 勿論滅茶苦茶やった主人公は刑務官達や内部で熾烈な宗派争い続ける浄土宗の上層部 何より本懐遂げられなかった元親友から徹底的に恨まれる事になります(苦笑) 周りの人々に散々怒られ漸く道願寺へ戻って来た主人公を出迎えたのは天涯孤独な身となった顕良を教誨師にして修行僧の顕真として受け入れてくれた良然住職 まるでやんちゃ仕出かした息子を叱る父親の様に主人公を叱咤激励するその遣り取りを最後にこの物語はひとまず幕を下ろす。
タイトルがジャック・ヒギンズの作品と被りますが偶々です あっちは本職テロリストなカトリックのエセ神父でこっちは浄土宗の修行僧にして教誨師だけどね




