鑑定人 氏家京太郎 22年
2023年7/4〜7/6タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
【 司法解剖同様に刑事&民事裁判で原告被告双方の証拠提示や真相究明が争われる以上、科学捜査鑑定は必ずしも官憲側の特権と言う訳には行かなくなった。 此れ迄専ら学術調査とか精々テレビのバラエティ番組でお宝鑑定とか筆跡鑑定や声紋鑑定ぐらいしか世間で認知されてなかったけど 民間でも委託受け有償でDNA鑑定やったり公判に辺り検察側が提示する遺留品とか物的証拠を公平に再検査する研究施設が有るのは考えてみれば当たり前 でも誰も着目してなかったね(汗) 】
★御子柴弁護士シリーズやさよならドビュッシーなシリーズでは既に登場済 出自は元鑑識/科警研/科捜研ですが新卒採用に民間企業からの転職組も居ます ちなみに平成14年=2002年から設置 其れまでは大学の研究室委託
日本 ミステリー文学小説
中山七里 著
㈱双葉社 刊
同社雑誌 小説推理2019年5月号〜2020年2月号連載
加筆修正の後書籍化
令和5年7月5日 今から3ヶ月前の5月19日深夜、沖縄都市モノレール那覇おもろまち駅で起きた観光客狙った強盗傷害事件の実行犯2人が今月2日に漸く逮捕 監視カメラに克明に映像残されてるのにも関わらず此処まで逮捕手間取ったのは犯人が17歳と18歳の未成年者だった事と即座に県外へ逃亡 どうも同級生頼りに首都圏を転々と移動してたらしくあちらこちらに置いて有る定点観測カメラの顔認証によるチェックシステムなければもっと手間暇掛かった可能性が有るんだとか なお2人掛かりでタコ殴り 軽傷負った被害者が奪われカバンの中身はノートパソコンと現金2万円前後 勿論サイフに入ってたカードは即座に無効化されてるので逃走資金には到底足りない このどうしょうもない屑共に関しては勿論余罪を追求中だけど何処で何やったかなんて情報開示されるのかね?
端からこんな端金奪った程度じゃ捕まらないなんて勝手に思い込んでたようだけど 担当捜査官が真面目に追い掛ける所だと最早逃げ場は無い訳だ 犯罪多過ぎて既に飽和状態の欧米じゃ有るまいし日本の警察はそこまで堕ちちゃ居ないと書きたい所だけど残念ながら其れは都道府県警によるのかも? 中南米程じゃ無いにせよ身内の仕出かした犯罪隠蔽やバレたら上層部軒並み粛清な裏金作りも決してゼロじゃ無いしそもそも捜査すらしてない事案も有る 警察庁広報が抜かしてる裁判における立件=有罪率の高さ云々は公務員を数値データでしか評価しないお役所仕事の証明でしかなく 地方によっては具体例上げると刑法39条に引っかかる上に身内に有力者居るからなるべく穏便になんてなってる"無敵の人"なんて例もあるし 欠陥や穴だらけな道路交通法によりあからさまな殺人が滅茶苦茶軽い罪で結審する事例に至っては日本中に存在する
前に別館で取り上げた"衝動殺人 息子よ" でも描かれてた様に欧米の其れよりマシだけど少年法に刑法や道路交通法は犯罪者が必ず更生することが前提になってる御花畑な理想論 こんなんでも犯罪被害者家族会や司法立法に携わる有志が動いて半世紀前よりはマシになりつつあるとは言え 最大の障害は当事者感覚がどうしても持てない他人の痛み苦しみが想像出来ない 増税クソ眼鏡とか小泉エネ次郎みたいな恥知らずだと言えるかも ちなみに本作にはまんまこんなタイプの輩を象徴する様なサイコパスが出て来ます 普通に受け答え出来るし下手な屑より理性的だけど自身も他人もモノとして判断してるバケモノ…………厄介な事に外から見てる限り無害な輩と何一つ変わらないが故におぞましい此れ 割と増えつつ有るんだよ。
【 DNA鑑定の信頼性が幾ら上がろうが、検出作業や報告書作成に携わる者が人間で有る以上、絶対なんて決して有り得ない 海外程では無いにせよ官僚や司法機関に携わるエリート様が陥りがちなのが 新技術を盲信しヒューマンエラーや偶発的なトラブル発生を考慮外とする"無謬性の原則" とある不祥事隠蔽をうっかり報連相の欠落で台無しに 派閥争いに終始する警察上層部と同調圧力に与する科捜研に愛想尽かし辞職 スカウトした科警研や科捜研の元部下達を引き抜き 退職金とどうも滅茶苦茶裕福らしい親の経済出資受け民間鑑定所を立ち上げる なんつーか世代や立ち振る舞い全く違うけどやってることは某要介護探偵+元最高裁判官と同じ…… このシリーズの主人公=氏家京太郎はそんな人物です 】
★場合によっては顔の広さや金すらも武器にする辺りが特にね 典型的な無謬性の原則な事例が 太陽光エネルギーのメガソーラー事業とEV技術 何方も中国共産党が流布したれっきとした詐欺なのに頑なに盲信してる辺りがもうね なおその中国共産党を騙した黒幕についてはフィクション作品だけど映画ウォールストリートで薄っすらと
完全とは必ずしも言い難いが検察側にも被告側にも敢えて与しない民間経営の科学捜査鑑定 其れは刑事裁判に限った案件ばかりではなく 例えば民事裁判以前の家族の不和=遺産相続に纏わる様々な偽造トラブルを未然に防ぐことも出来る。 とある冤罪事件を解決したものの自身における空気の読め無さと独断専行が原因で真犯人のみならず法律上は無関係なその親で優秀な警察官僚を自死に追い遣ってしまった氏家京太郎が再出発後から配慮しているのは決して独りでは動かないことと例え更生の可能性皆無な凶悪事件の犯罪者であろうが逃げ道と細やかな解決策をアドバイスすること
遺産相続と後継者を誰に据えるかで当人のみならず兄弟の妻までもが介入し色々揉めていた華道の名門、俵屋家のトラブルを解決したばかりの氏家鑑定センターに 元検事上がりの吉田士童弁護士により持ち込まれた依頼は 連続猟奇殺人犯で元研修医 那智貴彦が殺害に関わっていないと主張する三人目の被害者 安達香里に関する科学捜査鑑定 屍姦願望に駆られるがまま狙った女性を絞殺 河川敷で情欲を遂げた後、証拠を隠蔽する為に被害者を解体し子宮を切り取り魚の餌にしていたサイコパス 昨年8月から3ヶ月おきのスパンで都心荒川河川敷⇒埼玉県入間川河川敷⇒千葉県市川市河原河川敷で行われた犯行は所轄署と警視庁の主導権争いが脚を引っ張る形で捜査が難航 氏家と彼の部下達の一斉辞職後に科捜研を纏める元ライバル黒木康平副主幹率いるチームにより漸く犯人の身元が判明し逮捕
端から有罪で負けることが決まっている気の進まない弁護を引き受ける事になった吉田弁護士に殺人に関与したことを告白したものの 3人目を殺し被害者を解体したのは自分じゃ無いと語る那智被告の態度は真摯そのもの その後公判開始前に担当の増田秋希判事や元同僚で逆恨み等の遺恨が残る谷端義弘東京地検1級検事との顔合わせで提示された科捜研の捜査報告書があまりにおざなりだった事に疑念を抱いた彼はまともな資料揃え裁判に向き合いたいと氏家に相談 裁判前なのに何故か全て廃棄されている遺留品に鑑定報告書は紙切れ1枚 氏家自身が黒木を、部下でDNA鑑定の専門家 橘奈翔子を通し今も科捜研に所属する元部下 小泉正倫に接触、試料廃棄の裏事情探っただけで始まった科捜研 等々力管理官からのバッシング 橘奈、相倉、チームのムードメーカーな飯沼周司そして氏家自身も動く形で始まった被害者の試料確保
千葉医大法医学教室の池田直記主任教授 中山七里作品ファンならお馴染みの浦和医大法医学教室のキャシー准教授と光崎教授の元訪ね再審となった場合の為に保管されていた控えを確保 再鑑定の結果、1人目の犠牲者 関戸亜美と2人目の犠牲者 藤津彩音の試料から検出されなかった何者かの唾液が3人目の犠牲者から検出される 鑑定センターに押し込み強盗が入り奪われた控えの試料 安全の為にデータを持ち歩く橘奈を襲撃し彼女のカバンを奪い取った強盗犯 所轄署の担当刑事の探りをまんまと煙に巻いた氏家鑑定センターは事件の黒幕である科捜研に彼等なりのやり方で意向返し 3人目の被害者捜査に関わったものの警視庁の介入で捜査外された 首すげ変わっても相変わらず事なかれ主義な千葉県警上層部と居丈高な警視庁の捜査官達に疑念抱いていた高頭冴子警部の捜査協力で明らかとなる2人目の猟奇殺人犯 其れは意外にも那智被告と同じ様に医大に所属する研修医で元同僚の自慢の息子 幼い頃から家族揃って交流があった彼の屋敷を訪ね何食わぬ顔で試料を集めた氏家は悩むことになる 犯人もその動機も判明した、だがどうやって彼等を説得し自首を促す形で事件を軟着陸させるのか
まぁ取り敢えず事件は真犯人出頭で穏便に解決したものの 2人を残虐な形で殺害した那智被告の極刑は必至だし 証拠隠蔽と氏家鑑定センターの施設破壊し橘奈を襲い怪我負わせた科捜研に待ち受けてるのは………………(苦笑) 此れが能面検事の二作目に繋がる訳です




