魔女は蘇る 11年
2022年11/12〜11/14 タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
【 鮫やら熊やら鼠に鳥とそんな映画や小説を思いっ切り楽しんだ昭和生まれな世代なら何故に今更こんなテーマで?となるんでしょうが 製薬会社が事件の黒幕な動物パニックホラー映画なんざお笑い路線に走ったアサイラムのイロモノ作品しか知らない平成生まれな世代ならかなり新鮮なのかも 続編は此れから気長に探してみる予定ですがアニメにするならそこそこイケるB級ホラーサスペンス 】
★とは言え重要人物の性格を決定的に歪ませた虐めや虐待の描写は アニメ・チェーンソーマン第1話並み 登場人物が全員死のうがどうなろうが面白ければOKなお客様向け
日本 ミステリー小説
中山七里 著
幻冬舎より2011年刊行 2013年文庫化
❖執筆⇒投稿したのは2006年 色々有って半ば御蔵入りになってたらしい
令和4年11月13日 海外言語からの日本語翻訳って結構俊逸だったりするのだけれど偶に的外れとなる例も有りまして その最たる例が WITCHを魔女と訳したことなんだとか 英語やラテン語がメインとするキリスト教圏では男女関係なく悪魔と契約し人を何らかの形で害する技術を持つ存在 特に薬殺やら呪殺等を行なう存在をウイッチと呼び 異端の存在として恐れたり忌み嫌う傾向に 幼稚極まる絶対悪と絶対善の概念持たない日本じゃそんな存在を性別関係無しに呪法使いとか呪い師 或いは時の政権に仕え呪法や得体の知れないあれやこれを調伏する陰陽師と読んでましたが海外からウイッチの概念が絵図と共に伝わった際、鉤鼻の黒尽くめな怪し気な老婆だったことから魔女と翻訳されたんだとか なお此れが国や文明圏がそもそも違ってたりするとシャーマンだの賢者だのとコロコロ変わるのは 今更此処で色々語ってもこの物語とは何の関連性も無い話ですのでさらっと流します
ついでに書いとくと19世紀の出版物で魔女の概念に鉤鼻の老婆=ユダヤ人やロマのイメージを書き加えたのはボッシュ共とカエル喰い ヘロインや合成麻薬精製したり毒ガスやら各種科学兵器開発し実戦投入なんて悪魔も慄く振る舞いやってる連中が魔女を罵る資格なんざ無いし 本末転倒だと思うけど彼等も大概他罰主義者だったね 歴史を学び自らの振る舞いを省みない輩が何処でどうなろうが知ったことじゃ有りません
実は中山七里の名前知ったのもこんな作品有るんだと気まぐれに手を伸ばしたのもつい一昨日のこと 森村誠一御大の野生の証明を探し図書館へ……お目当ての作品は既に古い作品だからと撤去済でまんまと空振りに終わったので悔し紛れにレンタル 月1の飲み会に関する準備やら予約した店への人数連絡とかバタバタ準備してて少しだけ間が空いたので暇潰し兼ねて閲覧 この場面とか設定云々はあの作品からだねと色々吹いたりしながら楽しませて頂いたので感謝と御礼を兼ねつつ物語を紹介してみようかと お目当ての方は文庫版を定価で入手しました 他にも色々仕入れたので物語を満喫しつつ追々取り上げ割り込み投稿する予定です 本作は読み切りだけど ヒートアップ なる主人公チェンジした後日談みたいなモノが有るらしく 機会が有ればこの作者の映画化作品を探しながら色々漁ってみようかと 其れにしても此れ、高々20年前ぐらいだったら富士見ミステリー文庫か電撃文庫で扱っててた類いの物語だよな(汗) その手のミステリー書いてた大御所が軒並み老境入ったり鬼籍に行っちゃったから世代交代なんだろうね
【 流石に例えフィクションでもアメリカと露助に中共には喧嘩売れなかったから諸悪の根源は何処ぞの半島生物と同じく謝ったら負け&人種差別は当たり前のドイツ製薬企業ということになってますが まんま 悪魔の飽食 を彷彿させる倫理観全く皆無な生物実験や科学兵器開発実験は敗戦直後のアメリカ軍主導で日本や沖縄でも行われていた可能性が有り 場合によっては人間も…………悪名高いのは日本占領統治まで人間扱いされてなかったパラオ住民根絶やしのためスペインが散布した天然痘とかドイツが行った可能性も有るガス実験云々ぐらいかな 】
★殺人の忌避感や体力のリミッター外すために酒や薬物を兵士に投与…… てのは別段欧米の専売特許という訳じゃ有りません 今も治安悪い南米やアフリカに東南アジア等では日常的に行われてます 其れ国上げてスポーツでやったのは特亜と露助ぐらいだろうけど
怪物を作り出すのは何時だって人間だ 得てして生み出された其れを手に負えないと制御に失敗するから大惨事が引き起こされる 11月半ばの埼玉県所沢市神鳥町 国道沿いの集落から1キロ程離れた半ば非合法な生ゴミ集積場 沼地で一際異臭を放つのは鴉に啄まれ僅かな肉片とバラバラの骨 死後推定2日程度、衣服の残骸が無ければとても人間だったとは判別がつかない 遺留品の財布から判明した被害者の身元は ほんの2ヶ月前に事業撤退で閉鎖されたドイツの製薬企業スタンバーグ社の元薬物研究員主任 桐生隆 30歳 未だ殺人か事故或いは自殺? 手掛かりを求めまるで透明人間の様に存在感が薄い被害者の過去を洗う事になったのは とある不祥事を理由に埼玉県警に配置変えとなり問題児だらけの渡瀬警部の班に配属された訳有りの刑事 槇畑啓介警部補
後年別作品で活躍する事になるらしいけど本編エピソードでは配属されたばかりの役立たずキャラな古手川和也が脚引っ張るストレスフルなストーリーはバッサリカットさせて貰うが 事件発生前後からこの辺りでは飼い猫が次々行方不明となり遺体発見の翌日には生後間もない赤ん坊も行方を眩ませる等トラブルが相次ぐ 遺された遺留品から誘拐には桐生隆殺害……此れが殺人事件だとしたらだが に何らかの形で関わった人物の関与も取り沙汰される
元々警備部畑出身な塡畑警部補を追い詰める過去の傷はVIPの警護任務遂行中に起きた水難事故 責任感と正義感の板挟みとなり川に流された子供を助けられなかった顛末で半ば職務に逃避の場を求めた主人公は身重な妻からも流産契機に三行半を叩き付けられ二年前から独身生活 地滑り事故で家族全員を失い身元引受人となった遠縁の伯母が早逝してからはまるで世捨て人の様な天涯孤独な生活送る被害者に自身の過去を反映させ 人畜無害に見える被害者の悲惨な過去と裏の顔=莫大な見舞い金を羨む同級生等の陰惨な虐めに担任教諭の責任放棄が原因で起きた給食に仕込まれた農薬による殺人未遂 金に目が眩んだ伯母による毒殺未遂⇒返り討ちの経緯を見抜いたものの肝腎要な被害者の死因捜査は 1年前から被害者と交際していた薬科大学の苦学生 毬村美里の協力得つつも手詰まり状態
そんな渦中に捜査本部に飛び込んで来たのは都内で広まる格安で依存性も低い特殊な麻薬ヒートの密売流通ルートを追い続ける班長の愛弟子 警察庁生活安全局に所属する宮條貢平警視 スタンバーグ社が日本で密かに行っていたのは都内の不良少年少女等をモルモットにした凶化薬の投与実験 だが神鳥町研究所で改良し完成した効果延長型は其れまでの既製品と違いあまりにも凶悪だった 投与された被験者3体が次々と手の付けられない無差別殺人事件に関与 警察病院に収容されてからも正気を完全に失った彼等の治癒は未だ手掛かりが見い出せないでいる 事態発覚と責任追及を恐れたスタンバーグ社は日本支社を閉鎖し研究に関与した職員達を文字通り口封じした可能性が高い
偶々身体壊し7ヶ月前から入院生活、事件発覚後は身を潜めていた女性事務員 松原令子の証言でスタンバーグ社の関与は明らかとなるも所長筆頭に殆どの社員は行方不明となっており海外大企業との揉め事を嫌う外務省や厚生労働省の圧力による事件封じ込めが始まった 凶化薬をバラ撒いた容疑者として捜査線上に浮かび上がる2人の売人の内1人は今も逃走中 変死した桐生はもう1人の売人だった事実が判明するがどうしてもその動機が見えて来ない かつて妹をヒート売買に関与した麻薬組織に殺された過去を持ち単独で犯罪行為寸前の捜査続けていた宮條警視が消息を絶ち 彼の外部協力者だった関東信越厚生局麻薬取締部の捜査官 七尾究一郎が加わる形で始まった再捜査により桐生は凶化薬を無効化させる手掛かりを求め閉鎖された研究所に向かう途中殺された可能性が浮上する 恐らくは行方不明の赤ん坊共々宮條警視の手掛かりも研究所の地下室に有る筈だ 捜査本部に応援を要請しつつ主人公と交際相手の無実を信じるヒロインは再びあの森へ…………待ち伏せていた真犯人は凶化薬で化物と化した鴉の群れ 桐生も宮條も消えた飼い猫達や赤ん坊も奴等に貪り食われた
県警の救援を待ちながら続く命懸けの攻防戦 地下室に仕掛けられた証拠隠滅と侵入者口封じ用の毒ガスを始めとするトラップに対処しながら始まった解毒剤の手掛かりを求めた2人の悪あがきは残念ながら報われなかった 凶暴化した鴉の大半は研究室の爆発により即死したものの主人公は鴉に片目抉られ失明 美里も研究所を木っ端微塵にした爆風と業火に焼かれ救援後3ヶ月を経過しても未だ意識を取り戻さない 全ての惨劇は事故として押し通されたし証拠物件も散逸してしまった 凶化薬の被害は研究所自爆により地下水や生き延びた鴉により拡散化 神鳥町では怪物と化した野良犬に散歩中の主婦が襲われ下半身をズタズタにされる等の被害が続出している 大量出血により凶化薬が抜けた可能性が有る主人公も或いはその野良犬の様に………… 外出許可を貰い散歩中の主人公の前に現れたあの時の鴉 互いに凶化薬の影響下にある人間と鴉の殺し合いが始まる場面を最後に物語は暗転 結末は曖昧となったまま続編へ持ち越し
そこそこ楽しませて貰いましたので元ネタ云々は深く追求しませんが…………本当に色々組み込んだねぇ此れ




