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デザート・イーグル 95年

2016年7月14日投稿 2018年12/27改訂開始〜

【撮影の為に破壊された本物のミグ21型戦闘機&19型戦闘機は100機以上。文字通り廃棄予定の空軍基地ごとナパーム弾で吹き飛ばした痛快戦争映画で勿論現地の映画館は満員御礼となった大ヒット作品。 但しイラン・イラク戦争は当時既に昔話…流石に売れないだろうと考えたアルバトロスは“ミグvsファントム撃墜作戦開始”の名目で姉妹作デザート・ライオンとセットで宣伝してた物語。 】


★一応デザート・ライオン同様ノンフィクションで売り出してますがアチラの武装SS=革命防衛隊全面監修&国防軍全面協力という事でお察し下さい なお空軍パイロットは当初全員囚人部隊でした この任務自体本当は片道切符だったそうです。


原題:ATTAC ON H3

H3基地空爆.

イラン劇場公開作品.

日本未公開.

1998年にビデオ発売.



 98年にイラン政府製作戦争映画の第1弾として当たり外れが大きいアルバトロス映画配給会社からビデオ化。 ペルシャ語ではなく英語タイトルなのは海外輸出に辺りアチラ側が付けたタイトルで、色々悩んだ末にもう1本の戦争映画 “デザート・ライオン” 共々イラン初の特撮やCG加工無しで撮られた豪快戦争映画として宣伝してましたっけ。 とにかく4機のF4Eファントム戦闘機が高速道路に着陸して燃料補給&超低空飛行からのド派手な本物の爆弾やナパーム弾攻撃で100機以上のミグ戦闘機を木っ端微塵に吹き飛ばす豪快な映画でした。



第2弾のデザートライオンも同じ仕様です。

エキストラの子供達を除いて登場人物の平均年齢は軽く30代を突破。女子力零の“薩摩にせ仕様(戦闘民族限定)”


但しF4EファントムⅡ戦闘機がほぼ全シーンで活躍

特別ゲストとしてF14Aトムキャット・イラン軍限定仕様と同じく地上攻撃で大暴れするF5Aタイガー戦闘機も登場します。


クライマックスはイラク軍親衛戦闘機隊に扮した見渡す限りの中華人民共和国製殲烈6/7型戦闘機を木っ端微塵に破壊。


※訳合ってこの表現第2弾でも使い回します。


1980年~1988年まで延々と9年間も続き

犠牲者は推定100万人悲惨なイランイラク戦争の終結10周年を記念して作られた外貨獲得と国民の士気向上目的の娯楽作品です。

アメリカ合衆国から嫌われてる国になぜ米国製戦闘機が?

ましてや中華人民共和国製戦闘機を大量破壊する理由は何?

と色々疑問はあるでしょうがまずは簡単な歴史文化紹介とイランイラク戦争についての説明から始めます。



【キリスト以前の古代文明国家ペルシア帝国…かつてはギリシャと連合国家を建設しアジア&ヨーロッパの統一を目指していました】


 紀元前550年頃、古代シュメールを併合し誕生。以降エジプト文明も併合しギリシャ都市国家と戦争や交流を繰り返し最終的にマケドニア生まれの“オッドアイな元祖チート・アレクサンダー大王”により統一。


※正式にはアレクサンドロス3世、吉井明久は無関係です。

※スパルタ軍やレオニダス王。テーバイ神聖隊はキャラが強烈過ぎますから今回省略


ギリシャ中東地域。アジアはインドから中国西方辺境迄征服。アフガニスタンやインド国境付近からは未だに新しい都市遺跡の発見がある程です。


アレクサンダー大王が20代の若さで早世し遺言「宇宙最強の奴がオラの後継者だ(史実)」で“天下一武道会開催(嘘)”実際は化物レベルの側近達の対立から民族別の内戦に発展。分裂した“セレコウス朝シリア”“バクトリア”“パルティア”はローマ帝国に吸収滅亡します。“ササン朝ペルシア”は7世紀にイスラム教徒の侵略により滅亡。

イスラム教がイラン文化と混ざり合う事になります。


※本編とは関係ないから十字軍/アサシン誕生は省きます。


以降は独自言語のペルシャ語/絨毯/ベリーダンス等独自の文化を残しながらもトルコ領土時代を乗り越え

1925年大英帝国の後押しでパフラヴィー朝によるイラン王国が設立。

実態は同じ頃独立したイラク王国同様、軍事・経済の全てをイギリスに握られた傀儡国家です。


※“アーリア人”は本来彼等イラン人とインド人を表す言葉で“世界最優秀民族”の意味が有ります。恥ずかしいから彼等は絶対使いません


帝国主義を進めインド征服を目指すイギリス人知識層に悪用され

紀元前1800年代にロシア南部に存在。ヨーロッパに進出した筈の“チベット超人文明”から徐々にねじ曲がり最終的に“金髪碧眼に進化したアーリア人の末裔たる我々は世界文明を率いる権利がある”となって発想丸ごとナチスドイツにパクられました。

大体金髪碧眼ってイギリスにも殆どおらんわい!!。



ちなみに現在は日本の近くに居る恐水症の生物が勝手に名乗ってますな。


※日本在住のハーフ某AV女優兼写真家ネタは危険ですから自重しました。

割と贔屓にしてます


イスラム教の無駄に女性に厳しい戒律のせいで現在チャドルで隠されてますが

イランは世界的美女&美少女の宝庫です。


宗派が違うから別民族扱いですがシリア人も同じ言語文化圏です。


美女・美少女が多い理由は多民族の混血が進んで顔やスタイルが平均化した事が原因で。ダーウィンも書いてますが雑種は純血種より進化に適応し易く、稀にずば抜けた個体が生まれる事が有ります。本当に稀にですよ。

パーフェクトソルジャーはおとぎ話です。


山岳地帯は花や植物の宝庫。薔薇も有名ですね。


ハーブや多種多様のスパイスを使った日本人も気に入る筈のペルシャ料理も魅力的です。



【イラン革命~戦争勃発迄ダイジェストで進めます。】


 1951年イギリスの傀儡統治は破綻します。それまで外貨獲得に貢献した石油マネーの利益は16%がパフラヴィー王室

残り84%は全てイギリス政府が運営する石油メジャーBPの利益でした。


国民の主な収入は農業からの僅かな利益だけ。


民主化を求めるアメリカ合衆国トルーマン大統領の支援とイラン王国自国民の支持を背景に王族の1人だった

モハンマド・ムサデクが首相に就任。改革が始まる筈でした。


※彼の首相就任、民主化運動支援に出光石油の“海賊さん”が関わっている為、日本人に対するイメージは滅茶苦茶良かったりします。

今回は省略(涙)


ところが共和党のアイゼンハワーがアメリカ合衆国大統領に就任すると事態は再び一転します。

1953年軍事クーデターが発生。支援したのはアメリカ合衆国と大英帝国そして国連でした。

ムサデクは自宅軟禁、失意の中60年に亡くなります。


※何故アメリカが方針を変えテロ紛いの裏切りやったのかは不明です。この事がイラン国民が反アメリカに発展する理由になります。


近隣諸国が次々とソビエト連邦の軍事支援を受ける様になると、イラン王国は石油メジャー経由で西欧諸国に軍事支援を要請。


戦車やミサイル果ては海軍の増強を進めます。

空軍については

F14Aトムキャット65機/F4Eファントム264機/F5Aタイガー240機と戦闘機だけでも最新鋭あるいは信頼性の高い戦力を莫大な予算を組み購入。


※軍組織の腐敗で予算使い込みの誤魔化しもある為、正確な数量については諸説紛々です。よって80年代のジェーン軍事年鑑を参考資料にしています。


モハンマド・レザー・シャー・パフラヴィー国王や親族達は国内統治に関わらない代わりに

莫大な石油マネーのおこぼれで豪華絢爛な生活をし。

従属する軍人や官僚、平民についてもそこそこ優雅な生活を保証。


一方で反抗的な勢力は秘密警察や石油メジャーが集めたヤクザにより徹底的に弾圧しました。

死体はペルシャ湾で魚の餌に…


しだいに国内は反欧米に世論が傾き。

軽視し弾圧されていた宗教勢力が力を付けてゆきます。

反政府勢力を集めた彼等は“イラン革命”を起こし、パフラヴィー政権を打倒。


アメリカ大使館を1年以上に渡り武装占拠し人質確保。石油メジャーを始め甘い汁を吸っていた勢力を追放あるいは逮捕します。


裏でコソコソ行う筈だったアメリカ大使館奪還作戦は失敗。

再占領作戦も計画段階で敵対するソビエト連邦等から暴露され失敗。アラブで初のイスラム教シーア派政権が誕生しました。


近隣諸国、特にイスラム教スンニ派の代表サウジアラビア王室は恐布し強硬案をまとめ暗躍します。


イラン人はペルシャ語を使う雑種の異民族。

“純粋な真のイスラム教徒にあらず。”


アメリカ・イギリス政府に大手石油メジャー、クウェート等の湾岸諸国を遂にはヨーロッパの国連安保理勢力迄味方に付けた彼等は

簡単にけしかける事が可能な成り上がり者に目を付けます。


1958年当時のイラク王国ハシーム・ファイサル2世国王を含む王族全員を処刑したイラク自由将校団。

組織内の血を血で洗う内部抗争は以降も長らく続き、1978年にライバルの若手将校60名をシリアのアサド大統領と内通した罪で皆殺しにしたばかりの国


バース党党首サダム・フセインが主導権を握った軍事政権イラク共和国です。


政権奪取に成功したものの途方に暮れていた彼は近隣諸国の金銭面軍事支援だけで無くこっそり支援してくれる欧米諸国に自信を深め言われるがままイラン侵攻を決断します。


※フランスやアメリカ合衆国が提供した秘密兵器・毒ガス・サリンも供給受けてました。



イランイラク戦争勃発です。


戦争は当初イラク側優位に進みました。

なにせイラン側は当初、6世紀で頭が止まっている世間知らずの宗教指導者とノリで革命成功させてしまったインテリ市民が指導者です。

根性や祖国愛による戦果を期待した彼等は稚拙な指導で多数の犠牲者を出す事になりました。

追い詰められた革命勢力は追放あるいは刑務所に収監していた軍人達や官僚を解放。流血の事態も有りましたが話し合いの末革命勢力に味方する事なった彼等は命懸けの勝負に出ます。



この映画は戦争の後半戦、特別チームの反撃作戦を描いた作品です。

但し娯楽作品として敢えて宗教要素は外しました。

戦争の勝ち負けに信仰は関係有りませんからして





【大量の粗大ゴミ購入理由と結果の話~そもそもの原因は天安門事件です】


 映画の中でイラク軍親衛戦闘機隊用に並べられた多数のミグ戦闘機。

ミグ19戦闘機もミグ21戦闘機も実用に耐えない粗大ゴミでした。

原因は戦争終了後の過度期の状況です。貴重なアメリカ製戦闘機は流石にボロボロ。

だが欧米諸国もソビエト連邦も戦闘機を売ってくれません。

困った革命政府は

折しも世界中から袋叩きにされている

中華人民共和国に接近します。


※次回の話で書きますがイラク軍も同じ状況でした。ペレストロイカから始まったゴルバチョフ書記長によるソビエト連邦の改革は欧米諸国の裏工作、

弾圧行為による積年の報いで共産圏=ワルシャワ機構全体が迷走を始め混乱期に入ります。


天安門事件で民主化運動を進める学生達を戦車でミンチ

日本のマスコミを国内優先取材権で抱き込み誤魔化す事に成功したものの


※外務省のチャイナスクール卒業生や日中友好の名目で取り込んだ政治家達。

日本以外の国々にも“飼い犬”“パンダハガー”は沢山います。買収や稚拙な色仕掛けにハマってる段階で底は知れてますよ。


当たり前の話ですがそもそも他の国のマスコミも現場に居ました。

同じ条件に逮捕拘留等、同じように脅迫したら一部勢力が不遜にも反発。

虐殺状況は世界中に流され経済封鎖。


困り果てた所ノコノコやって来たのがイランの革命政府でした。

経済封鎖の中、石油資源を持つ彼等は大歓迎され“殆ど原油のバーター取引”で戦闘機、戦車と有りとあらゆる武器を新品で大量確保。

密輸品配達員。又の名を“北朝鮮”の貨物船を使ってどさくさ紛れにペルシャ湾に送られました。


…ところが届いた新品同様の戦闘機はそもそも品質テストやってませんでした。

国営の工場で生産ノルマ優先で製造された全ての兵器は単なる粗大ゴミだったのですよ。


戦争でこっそり世話になったエジプトやイスラエル等からまともな部品をかき集め一部の機体はどうにか飛ばす事に成功しましたが、そもそもこの戦闘機達まともなレーダーすら搭載しておらず

基本設計自体が時代遅れ。

飛ばしたらイラク軍の標的です。


中華人民共和国の新型戦闘機達は殆どが即座に廃棄処分。新型機の購入目処がつくまで現行のアメリカ製戦闘機達を整備等で遣り繰りし使う事になりました。


幸いにもイラク軍やアメリカ軍との戦争が回避出来ましたから危機的状況に陥る事もなく当時のパイロット達も全員軍を無事引退。


戦闘機は最近漸くロシア政府と交渉成立出来ましたから新型機“SU30”の購入決まりました。


勿論粗大ゴミを送って来た中華人民共和国にはしっかり報復を。

なにせ報告しても弁解すら出来ない強気な幼児………騙された革命政府は中国と縁切り。


運び屋やってた北朝鮮や韓国に接近します。

ニュース見てて不思議に思いませんでしたか?

食糧も資金もないない尽くしのあの国がやたらミサイルだ核兵器だと勇ましく脅迫したり…。


もっとも韓国政府には銀行に預けた資金使い込まれたので現在お仕置きの準備中です。


…という訳で最後に滅茶苦茶単純な映画のストーリーに移ります。



【幽霊部隊僅か4機でイラク軍秘密基地を破壊】


 イランイラク戦争末期、独裁者サダム・フセインは自ら選抜した優秀な親衛戦闘機隊を編成。


膠着状態の前線近くに秘密基地を構築。

大戦車部隊と共に一気にイラン首都テヘランを占領する計画を立てます。


事態を把握したイラン空軍は選抜チームによる空からの奇襲攻撃を立案。

チームは密かに敵基地の背後に回り込み高速道路を利用した臨時基地で補給&爆弾を準備し待機。


偵察機チームの情報を待ちます。

その頃、敵戦闘機の警戒網をかいくぐるのに成功したF14Aトムキャット・チームは遂に敵秘密基地を発見、対空砲火の中、命懸けで情報を空軍本部に報告。


秘密基地の周囲は多数の対空砲や対空ミサイル陣地が設営されていた。

空軍本部は苦渋の決断を下します。


軽快な機動力が強味のF5Aタイガー戦闘機チーム全機が囮となり。

敵防空戦闘機、対空砲&ミサイル陣地を強襲。


その隙を突いてF4Eファントム戦闘爆撃機チーム4機は基地絶対防衛圏内に超低空突入。かくして壮絶な大空中決戦は開始されます。



【勿論このストーリーは全てフィクションです。イラク空軍…活躍してた話は有りません。】


 1925年に傀儡統治とは言え独立した事になっているイラン王国にイラク王国。


イラク空軍は1925年から存在しイギリス製戦闘機を長らく使用しています。


戦後も初期のイギリス製ジェット戦闘機を使用し中東戦争に参加していました。


……が活躍したのはイラン・イラク戦争における毒ガス=サリンの散布だけです。

フセインの命令でイラン軍だけでなく国内のシーア派村落やクルド人自治区にバラまいたサリンは推定で10万人の民間人を虐殺しています。


イラン空軍も実際に活躍したのは戦後新しい世代が空軍に入隊してからです。

戦闘機を操縦出来るパイロット=エリート層でしたので、要領の良い連中は家族を引き連れて財産毎国外に、中には退職金代わりに戦闘機で近隣諸国や海を越えてヨーロッパに脱出してます。

収監された要領の悪いパイロットは解放時既に引退を考えないといけない年齢でした。






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