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眩惑の摩天楼 87~91年

朝日ソノラマ繋がりで雑誌ハロウィンで連載されていたマンガのお話です。


少女向けでオカルト要素の入ったストーリーですが主人公もヒロインも全員大人。

主な舞台はアメリカ合衆国のニューヨークでした。


【某ニュースサイトで最近の日本人はサヨナラを使わないと聞いて思い出した作品です】


 とある理由で親友に撃たれ記憶を失った、家事万能で博識、ただし鉄壁無表情(笑)な主人公“カート”と健気なピアノバーの歌手なヒロイン“マデライン”のカップルがニューヨークをメインに様々なオカルト混じりな事件を解決するお話です。


※書き忘れたけど主人公は主夫業(家事万能)をメインに、様々な知識を活かして科学雑誌等のフリーライターで稼いでます。


その中の“インディアンのトロフィー”を巡る物語で初登場~以降“風車の弥七”みたいな準レギュラーキャラの“ホワイト・ファング”


※狩猟が趣味な成金コレクターが偶然手に入れたインディアンの頭蓋骨を使ったハンティング・トロフィー(まるで剥製の様に加工)を飾ったら、夜な夜な怪しいインディアンが周囲に現れるという物語でした。


祖先の骨を奪われた家族の依頼を受け魂を鎮める為やって来た“ホワイト・ファング”は色々あって“カート”と意気投合。


悪趣味なジジイに笑える鉄槌を下します。事件の解決と長老が予言した“オオカミの協力者”の件を報告する為“ホワイト・ファング”がニューヨークから居留地に帰る最後のシーンは未だに覚えてます。



「この次は歌を…」と挨拶する“ホワイト・ファング”に「さようなら」と返事しようとした“マデライン”を“カート”は止めます。


「インディアンは(再会を祈って)別れの言葉は口にしないんだ」

“マデライン”の挨拶は「きっとね(今度は歌を聴かせる)」となりました。



…もしそんな理由で日本語から「さようなら」の言葉が廃れたなら?

それはそれで良い事なんじゃねーのと思います。



雑誌連載は今は亡き朝日ソノラマのホラー漫画専門誌/ハロウィン掲載。著者は、篠原鳥童先生で全5巻~95年に再販されてます。


当時コミック買う為には、バスに乗って那覇まで出かけないと手に入らない事もあり、実際に購入して読んだのは最終巻が発売されてだいぶ後の事になります。

だからもう1つの代表作「ファザード」の存在は最近知りました




では物語本編へ入ります。


例によってネタバレ有りで書き進めますからストーリーを知りたくないお客様は逃げて下さいませ。


後、当時読んだ時の記憶を元に書いてますから事実関係に間違いがあるかも知れません。

指摘があれば修正致します。




【このマンガ・基本的にはオカルトを絡めた恋愛ストーリーですが、少しだけ“腐”の要素と“ショタ”要素があります】


 基本ストーリーは退魔の瞳を持つ主人公が生まれ育てられた怪しい宗教組織との戦いを描いています。


“カート”の記憶喪失はとある事件で偶然“ダンジェ”に再会する事で復活しました。


だけど物語の半ばであるショタの“腐”な嫉妬のせいで再びに記憶喪失に。


最終巻の教団内部崩壊に教祖との戦いで漸く記憶を取り戻します。


とある新興宗教の孤児院で育てられ、魔を打ち払う瞳を持つ主人公。親友で“洗脳を打ち払う瞳を持つ“ダンジェ”片や“救う者”片や“裁く者”な二人は教祖の武器として教団に育てられました。


ところが権力を手に入れる為に、ありとあらゆる犯罪行為を行う教団と親代わりに育ててくれた“教祖”のやり方に疑問を抱いた“カート”は教団を離反。


主人公の能力を恐れる教祖の命令で親友の“ダンジェ”に暗殺され、遺体は行方不明となりました。


銃で撃たれた“カート”はそのまま川に転落。


ショックで記憶を無くし濡れたまま街をさ迷っていた彼を拾ったのは偶然通りかかったヒロイン“マデライン”でした。



教祖の命令通りに本当に暗殺したのか疑われた“ダンジェ”は以降教団の監視者


(ダンジェと最終的に恋愛関係になる女性・名前忘れた・得意技は記憶操作とマインドコントロール)


に纏わりつかれながら教団専属の暗殺者とて頭角を表してゆく事になります。


合衆国全土に絶大な権力を手に入れる為様々なオカルト事件を起こし暗躍する“教団”


だが老いには逆らえず限界を知ってしまった教祖は暴走し、自らの知識と記憶をある少年に移し替え“永遠の寿命”を手に入れようとし破滅してゆく事になります。


もっとも宗教団体の出番は合間合間で他の事件がメインとなるのは言うまでも有りません。


何でもやってたら仮面ライダーのアレですものね。



 当初“キリコ並み”の無愛想&無表情な“カート”に怯える周囲の人々。


ところがヒロイン“マデライン”は出会った時から主人公を気に入ってまして、微妙な違いで彼の機嫌をバッチリ把握してます(笑)


他の人々視点だと今にも殴りかかりそうな顔→彼女視点は満面の笑顔……読者含めてそれは無いと突っ込みますが、正解者は“マデライン”だけだったりするんです。


流石に物語の半ばではみんな理解してますけどね。




【勿論ヒロインだって複雑な過去がありますよ。】


 基本いつもニコニコ優しい笑みを“カート”に向ける“マデライン”ですが悲しい記憶が有りました。

富豪の娘として何不自由なく育てられた筈の彼女は子供の頃、深刻な育児放棄を受けていました。


ところがそんな彼女を救ってくれたのは皮肉にも誘拐犯達でした。


貧乏に耐えきれず身の代金目当てで富豪の娘を誘拐したとある夫婦。


彼女が受けた虐待に気が付いてからは呆れ顔の妻も巻き込んで何年もまるで本当の家族の様に生活していた彼等の幸せは、皮肉にもパトロール中の警官による犯人射殺で幕を閉じます。


発狂状態~治療の為、強制的に薬物で記憶を奪われた彼女は“カート”と同じ孤独を抱えた存在でした。


刑期を終えてやりきれない気持ちから“マデライン”に八つ当たりしようとする元誘拐犯の妻。彼女だけでなく偶然巻き込まれた“ダンジェ&監視者”コンビの恋愛模様も巻き込んで主人公とヒロインはお互いの恋愛感情を高めてゆく辺りは凄いですよ。


事件自体は“マデライン”も誘拐犯が好きだった事を知った“妻”との和解で幕を閉じます。


“マデライン”は苦しみながらも優しかった誘拐犯達の思い出を取り返し生きる事を選びます。







【全5巻も有りますからサブキャラ大活躍のエピソードも】


※但し基本ホラー漫画だよ(笑)


 例えば“マデライン”の友人達が巻き込まれた「連続女優殺人事件」や「ストーカーお嬢様による男性監禁事件」


近所で営業している花屋の老夫婦が体験する「人間に寄生する恐怖の植物事件」


アパート在住のイタズラ好きなクソガキ共が体験する「橋の下の怪物退治」


基本悪役サイドの“ダンジェ&監視者”コンビが何故か正義の暗殺者となる「スラム街の救世主」


番外編として“ホワイト・ファング&カート”コンビがインディアン居留地で起きた陰惨な「白人調査隊虐殺事件」に関わる展開も有ります。



時には、主人公もヒロインも蚊帳の外だったりする事も有りますよ(笑)


コミックス発売当時はアニメ化するには色々技術的に難しかったと思いますが、深夜アニメ戦国時代の今なら結構イケそうですがいかがでしょう?




本編では書き忘れてましたがハロウィンネタも結構強烈でしたね


ネコ耳尻尾のヒロインは定番ですが、主人公の格好が(笑)


機会があれば再購入したい作品です。

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