真夜中の死線/トゥルー・クライム 99年
2022年10/14〜10/16タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
なお小見出しにも書いた通り劇場公開&ソフトのタイトルはトゥルー・クライム 邦題は原作小説翻訳版から引用
【 タイムリミットは深夜0時 女と酒で人生踏み外し捲くりな初老の新聞記者は無実の若者の死刑執行を止められるのか? 基本コンセプトはまんま ウィリアム・アイリッシュ又はコーネル・ウールリッチさんの1940年代に世界中で出版された古典サスペンスだけど ……本当の目的は1999年で世界が終わり最後の審判=推挙が始まる前の監督自身の公開ザンゲ 結局何も起こらず見事に黒歴史となったのは言うまでも有りません 95年に亡くなった山田康雄さんの後を引き継ぎソフトの日本語吹替え版でイーストウッドを担当したのは小林清志さんでした 】
★実際の所クリント・イーストウッドは女と車で毎回失敗してるそうですが私も大概他人を笑い者に出来る程立派な人生送ってませんので此れ以上は書きません 皆もしかしたらと不安だったんだよ
原題:TRUE CRIME
本来は 実録犯罪 と訳しますが原作小説の元ネタがね……
なお 劇場公開&DVDソフトの表題は トゥルー・クライム です
アメリカ 劇場公開作品
同年 日本 劇場公開作品
原作:アンドリュー・クラヴァン True Crime 1995年
翻訳版は1999年 真夜中の死線 のタイトルで創元社推理文庫にて出版
❖元ネタ 暁の死線と幻の女:何方もウィリアム・アイリッシュ著
令和4年10月14日 今回紹介するクリント・イーストウッド作品は処刑直前に判明した冤罪の可能性を据えたモノ イランや中国に露助なら有り得る話だけど令和4年現在は普通フィクションの世界で無いと成り立たない物語 度重なる思い込みと偏見によって本来なら証拠不十分で釈放が妥当な人物に対して刑が執行された例は日本にも有りましたが其れは昭和辺りまで 現在は偽証罪も厳罰化が進み疑い無い様な状況下で逮捕され最高裁で極刑の判決が出たとしても10年以内の執行は行われないのが常識 日本に置ける其れは余り情報出ませんが アメリカの場合は収監中の死刑囚から懇願される形での事例がかなり増えてるとかで今も執行時は映画やドラマでやってる様にワイドショーによる生中継が定番 但し西部劇やマカロニ・ウエスタンの様な公開処刑は映しません 50年代辺りまではラジオで電気椅子使った処刑生中継なんて特別番組も有ったけど流石に今は無理。
寧ろアメリカの場合は公式には存在しない事になっている人種偏見やキリスト教的倫理観から歪められる裁判員裁判で本来収監されるべき人物が心神喪失を理由に無罪となったり単なる嫌悪感から本来受ける罪より遥かに重い量刑喰らう例が余りにも多過ぎてね だからこそ裁判物が映画化されたりドラマの題材となる事例も多い訳です 悪名高いマクドナルドのコーヒーで火傷云々とか犯罪者がヘマして怪我した事例にまで訴えられた方が賠償金払えと言われてもなぁ……
そういやリーマン時代にアメリカから輸入し国内販売する予定だったぬいぐるみを、子供が食べて身体壊して訴えられるかも知れないから日本に送れないと船便止められメール使い大喧嘩した経験有るけど本当に頭大丈夫かあの国は? 偶々アメリカ本社の担当者が英語不自由なシンガポール系中国人だったから途中から漢文で口論続けましたとも 結局代金支払い済なのに荷物届かなかったから他の国の系列社と契約結ぼうとしたら慌てて割り込み入り此方が営業へ配置換えされたんだよ 後日更にムカついたのがメーカーの意向で輸出禁止の筈の其れがカナダ経由で同じモノ手に入れた県内の輸入雑貨店の目玉商品として並んでいた事 結局ぬいぐるみ横流ししてたのはその中国人だった 以降どうなったかはアメリカ本社が敵対的買収で名前残しスタッフまるごと総入れ替えになったから知る由もないけどな
【 本作最大のツッコミ要素はショーン・コネリー主演で映画化もされたジョン・カッツェンバックのミステリー小説 理由 JUST CASE 1992年 とかなりシチュエーションに類似性感じること とはいえ何方も元ネタが同じだからウィリアム・アイリッシュの作品スタイルをどうリメイクしたかになるし オリジナル版では物語の肝だった時間制限は果たして本当に必要だったのかも含め問題山積 クリント・イーストウッドもよくもまあこんな面倒臭い題材選んだもんだと思います もしあっちがキャラ設定変えなかったら大惨事だったもんな此れ 】
★なおウィリアム・アイリッシュのみならずコーネル・ウールリッチもとある小説家の別名義のペンネーム 出版社の囲い込みとか税金対策だったそうです 例えば女性が書いてたりすると原稿料平気で踏み倒す屑には事欠かないアメリカならではの事情が有ります
You Dog もし英語圏の人間にこんな台詞吐いたらぶん殴られるだけじゃ済まないが 過去の仕出かしを女絡みのトラブル云々で誤魔化し悪ぶる元NYの花形記者 スティーブ・エベレットの下半身が見境なしなのは間違えようも無い事実だ。 不正事件告発ついでに女性絡みのトラブル起こし 妻子共々ニューヨークからざっと5000kmは離れたカリフォルニア州北部の地方紙オークランド・トリビューンへ島流し 何でも屋な記者として生計立ててる主人公の日課は専ら肉欲塗れ 其れが果たして自暴自棄から来るモノなのかそれとも別の理由が有るのかは本筋に比べてみると瑣末事でしか無いのでさらっと流して置こう
金曜日の夜、折角掴んだ特ダネが誤報と判明し記事を没にされた女性新人記者とバーで痛飲 なおアラン・マン編集長と直属上司のボブ・フェンドレイから禁酒を厳命されている主人公は律儀にノンアルコールのカクテル 翌日の取材に備え独り帰宅したミシェルが自動車事故で急逝 偶々休日出勤の上司の妻とベッドの上で早朝運動会やってたスティーブに掛けられた緊急呼び出し 急逝したミシェルの代わりに今夜0時に処刑される死刑囚フランク・ルイズ・ビーチャ厶のインタビューを肩代わり 仕事引き継ぐついでに故人が集めてた資料やディスクの独断で没となった記事を読んでいる内に抱いた違和感 先日の誤報記事で主人公をクビにする気満々な編集長とディスクの白眼視を見て見ぬふりしながら始めた事件の再調査
6年前、スーパー強盗で射殺された被害者の妊婦はフランクから借りた96ドルの借金を滞納中 事件は借金返済交渉の縺れからとなっているが容疑者は頑なに容疑を否認し続けるも前科持ちで黒人だったこと 2人の目撃者からの証言と嘘発見器の不確かなデータ そして犯人の厳罰を望む白人世論とワイドショーが煽った生中継報道その他により裁判員裁判で確定した死刑判決 確かに殺人現場から逃走図ったフランクの身体には被害者の血痕がくっきり残されていたが凶器となった38口径の拳銃は見付からず 加害者の身体からも硝煙反応は出ていない
「 あんな男は処刑されて当然だ!! 」
偶々ワイドショーに出演してた目撃者の会計士を捕まえレストランで問い質してみると 明らかに後から仕込まれた思い込みからフランクを犯人だと決め付けており 彼が血塗れのフランクを目撃した位置はカウンター越し 容疑者が銃を持っていたか否かなんて見える筈が無い 担当地方検事も端から有罪前提で裁判を取り仕切った事が判明 事件を担当した刑事は1人が殉職しもう1人は定年退職で連絡取れない だが彼等が残した捜査資料からフランクを殺人犯だと名指ししたもう1人の目撃者が判明する 当時未成年だった事と黒人だったから裁判にも出廷していない2人目の証人を訪ねスラム街へ 唯一の肉親で祖母によると街のチンピラだったウォーレンは組織のイザコザにより3年前に何者かの手により刺殺されていた
午後4時、妻や娘との別れを惜しむ死刑囚と僅か数分間の面会 無責任に死刑を喜ぶ群衆を避けこの仕事をビジネスだと割り切りつつも嫌悪するリーディ刑務官とマッカドール刑務官やルーサー・フランキッド所長と言葉交わし ちょっとした遣り取りからフランクの無罪を確信するも最早判決をひっくり返す確実な証拠も証人も見付からない フランクのみならず色々嗅ぎ回る主人公にも嫌悪感を顕にしてる会計士と地方検事の協力を取付けることも叶わない もし彼が無罪だと判明すれば彼等のキャリアにも深い傷が及ぶのだ 浮気発覚し妻バーバラから今度こそ三行半叩き付けられ 職場からも事前解雇通知を言い渡される 今度こそ俺は終わりだニールのバーで今度こそ酒を頼み酔い潰れようとしていた主人公を覚醒させたのは死んだ孫の代わりにワイドショーのインタビューに答えるウォーレン婦人が身に纏う被害者から奪われたペンダント
見聞きしたモノや名前に発言を一言一句全て違わず覚える才能を与えらた代わりに 酒や肉欲で逃避しないと眠る事も叶わない猟犬
彼は漸く事件の真相と決定的な物的証拠と証人を手に入れた スラム街に出向き今度こそウォーレン婦人に詳しい事情説明しサンクウェンテイン刑務所へ処刑止めるため急行する2人 スピード違反の通報受け駆け付けたパトカー郡を相手にカーチェイスで大暴れし何とかギリギリで間に合った 数ヶ月後或いは数年後のクリスマスの夜 記者をクビになったものの事件の経緯を記した本を出版しノンフィクション作家となったスティーブ・エベレット ホテル住まいの成功者となり元妻や娘とも其れなりに仲良くやってるが彼の病気は多分治らない 娘へのクリスマスプレゼント購入ついでに女性店員へ粉かけるも敢え無く振られる主人公と自由の身となり家族水入らずな聖夜を堪能するフランクとの偶然の会合 互いに手を振り静かに別れる元死刑囚と新聞記者の対象的な姿を映し物語はエンドロールへ
❖物語の再構成に辺り映画ではもう1人の主人公=フランク・ルイズ・ビーチャム死刑囚と夫の無実を信じつつも迫る現実に押し潰されようとしている妻ボニーと娘ゲイルの悲しみ 彼はもしかしたら殺してなんかいないかも知れないと疑いつつも処刑の手続き進める刑務所所長や刑務官達の葛藤 罪悪感から免れるためにフランクに殺人を自供させようと宗教的な洗脳や強要続ける名探偵気取りなシラーマン牧師の身勝手な暴走が同時に描かれますが……正直詰め込み過ぎ 多分その反省を生かしたのが 硫黄島からの手紙と父親達の星条旗 な二部作に繋がるのかと
❖感の良いお客様は途中で気付くと思いますがメイン主人公な新聞記者スティーブ・エベレットは典型的なサヴァン症候群 実はこの手の才能持ちはそんな珍しい存在では無く 発明家ならエジソンやニコラ・テスラ 軍人ならパットン将軍とかナポレオン・ボナパルト 俳優ならダン・エイクロイド等々が有名 勿論クリント・イーストウッドにもそんな傾向有りますし彼の父親はその才能活かし私立探偵として荒稼ぎしてます ただ才能の代わりに酒や女、或いは薬物に耽溺する輩も多く その突飛な行動やら失言から対人異性関係が滅茶苦茶となったり早死にする傾向が多々有ります
❖アンドリュー・クラヴァン……別名義はキース・ピータースン 他には弟と共同執筆の際はマーガレット・トレイシー名義 80年代〜90年代初頭にキース・ピータースンの創元社文庫4部作 暗闇の終わり 88年/幻の終わり 88年/夏の稲妻 89年/裁きの街 89年⇒翻訳は90年〜93年 に嵌まったお客様ならご存知かも知れませんがエベレットはあのジョー・ヴェルズ記者のリメイクキャラ 編集長が活躍云々言ってる小ネタの其れは殆どハードボイルド探偵だったヴェルズ記者の事です(苦笑)
あらすじ整理するに辺り死刑囚フランクとその周りの人々の群像劇をばっさり省略 多少は物語にメリハリ付いたかな?
後、サヴァン症候群な登場人物がもう1人お遊びで組込まれてます……誰なのかは実際に本編視聴し判断を




