表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
417/1232

ナバロンの嵐 78年

2015年11/3ガラケー投稿 2020年12/22タブレット端末にて改稿開始〜2021年1/14作業終了

【 前作から17年 流石に出演者の総入れ替えとならざる終えなかった第2弾の舞台は当時ユーゴスラビアだったボスニア・ヘルツェゴビナ マカロニ・ウェスタンを始めとする様々な時代劇の撮影ロケ地として有名で 前作同様現地ユーゴスラビア軍全面協力 主演俳優達のアピールは控え目だし居ない筈の黒人兵士や何やら色々突っ込み要素満載ですがクライマックスのダム破壊シーンは充分前作越えたと思います。 】


★でも結局ニコライって誰だよ? 誰がマロリーで誰がミラーなんだとなったのは私だけじゃ無いかな 似てる役者さんだったら何とか誤魔化せた?


原題:FOSE 10 FROM NAVARON

翻訳すると支離滅裂になるので邦題が妥当です

ナバロンよりフォース10

イギリス劇場公開作品

1979年 日本劇場公開

原作:アリステア・マクリーン 著

Fose10 From Navaron 1968年

翻訳版は1970年 ハヤカワ ノベルズ

1977年 ハヤカワ文庫化

■映画版ベースに物語を再構成し登場人物を変更した作品

パルチザン Partisans 1982年

翻訳版はハヤカワ文庫にて1984年に出版



 この映画を初めて見たのは小学生の頃、何度目かは覚えてませんがゴールデン洋画劇場にて前作と2週連続放映での事 黒髪でメリハリ効いたイケメンの主人公(グレゴリー・ペック)が本来金髪だけどわざわざ髪染めて似せようと努力したロバート・ショーに変わり 小心者なイメージのミラー伍長がすっとぼけたオジサンになって 色々ズッコケた記憶が有ります。 今回旧稿書き直すに辺り色々調べてみるとそもそも製作年度が随分後になり其れなりに歳を経たキャストの再起用は流石に不可能 ついでにかなり評判良かった前作がハリウッドサイドではかなり嫌われていたらしく 二度目の合作が叶わなかったりとかなり面倒臭い事情が有った様です アニメだったら声優さんの頑張りでどうにかなった訳ですが実写作品はそうは行かない


原作小説を古本屋で手に入れたのは高校生になってから そちらではアンドレアスが再びメンバーに加わり (なんかやっつけ仕事感が酷い) 駆け出し時代のハリソン・フォードが演じたバーンズビー中佐にあたるアメリカ兵の見せ場は殆ど無し 史実ガン無視した黒人脱走兵の出番も勿論有りません 前作同様謀略戦がメインで映画の最大の見せ場となるジャイアント・キリング=ネレトバの鉄橋(映画では "戦車が数十台乗っても壊れない匠が作った木造建築" になりました 多分日本製かな?)を破壊するダムの決壊描写も割と控え目 最年長のミラー曹長ですら20代後半だから雰囲気が違うのですよ。 第二次世界大戦では25オーバーは完全にオジサン扱いで40越えは爺さんでした そもそも平均寿命が違い過ぎます。


キャストの1新やストーリー改変の問題は有ったものの 007シリーズ手掛けたガイ・ハミルトンが監督努め 撮影ロケ先のユーゴスラビア連邦の全面協力で実現した大スケールのアクション 但しアメリカサイドは1切製作に関われなかったからアメリカでの劇場公開や宣伝はかなりおざなり 物理的な妨害も有り大ヒットとまでは行かなかったそうです。 前作より増えた皮肉やユーモアにニマニマした物語で原作も映画版も面白かったのですが 別作品として楽しんだ方が良いのかも



【 今回のエピソードの元ネタは、1943年1月〜3月まで続いた在ユーゴスラビアの枢軸軍とクロアチア国家主義義勇軍 そしてチェトニクと呼ばれるセルビア人王党派による共産党ゲリラとその賛同者に対する絶滅作戦=ネレトバ橋を巡る攻防戦でした。 前作同様あくまでも史実とは無関係、そもそもこのシリーズの売りはイギリス軍の代わりに汚れ仕事押し付けられた余所者達による死地からの生還 映画のラストで此れからどうしようとなってますが原作では2ヶ月後に生還してます。 】


★前作と異なり吹替版入ってますが私個人は会話シーンが毒気たっぷりだったフジテレビ・ゴールデン洋画劇場版の方が好みです。



 敵は手強く味方は信用出来ないナバロン砲塁破壊作戦から奇跡の生還果たしたキース・マロリーは少佐となり休暇後からは安全な後方勤務 共に生き残り軍に愛想尽かしたミラー伍長は民間企業?に転職  だが疫病神のジェンキンス准将は使い勝手の良い2人を手放す気は端から無かったらしい 無理やり再招集され曹長に昇格したミラー共々司令部へ 彼等2人に与えられた新たな任務はロードス島からまんまと脱走しあちらユーゴスラビアで暗躍しているニコライ⇒今はレスコバ大尉と名乗っているドイツ軍工作員の暗殺命令


疫病神が思い付いた別の作戦に参加するアメリカ陸軍特殊部隊の任務に途中まで便乗し後は何とか自力で帰って来い………普通に考えたらブラックにも程が有る阿呆な任務を断れなかったのは彼等にも色々後ろ暗い理由が有ったからなのだが 既に前任チームが3回も未帰還状態な作戦指揮するバーンズビー中佐はピリピリムード 部外者2人が加わった特殊部隊(フォース・テン)14名が向かったのはイタリア半島に設けられたターモリー空軍基地 機密保持がザル同然なイギリス軍は信用出来ない バーンズビー中佐達は無断でランカスター爆撃機を強奪する方法で裏をかく作戦に出る 


偶々無断離隊やらかした黒人衛生兵ウィーヴァ軍曹を連行中のアメリカ軍MPに見付かり大乱闘 大怪我を負ったノーラン軍曹を残し 色々有って勝手に付いて来たウィーヴァ軍曹がメンバーに加わる形で出撃したものの パルチザンに潜り込んだスパイ(レスコバ)の通報受け待ち構えていた夜間戦闘機の待ち伏せ攻撃によりフォース・テンの隊員乗せた爆撃機は呆気なく墜落 なおミラー曹長が残した置土産により夜間戦闘機も返り討ちとなった 地上には駆け付けたドイツ軍のパトロールチーム 例によって生き延びたのは主人公(マロリー)とミラー曹長にウィーヴァ軍曹 特殊部隊の生き残りはバーンズビー中佐とその副官レイノルズ中尉の計5人 曹長(ミラー)が持ち込んだ物騒な花火セットを除いてまともな武器も無いまま見晴らしの良すぎる荒野をウロウロ


アメリカ軍特殊部隊は何故3度も作戦に失敗したのか? マロリーとミラーはこの後に及んでも出たとこ任せなバーンズビー中佐に疑念を抱く間も無く 共産党パルチザンに偽装した王党派(チェトニク)に捕まりドイツ軍司令部へ 其れまで同様ハーグ交戦規定に違反した破壊工作員(テロリスト)として処刑されそうになるがマロリーのハッタリ (新型抗生物質の密売目的で脱走 しかもマロリーはニュージーランド人だし云々) にまんまと引っかかったシュローダー少佐のミス (個人的には最早この戦争でドイツは勝てない と戦後の再出発を見越した少佐の判断は正しいのだけど……年下の愛人に溺れてる描写がね(苦笑)) 少佐の愛人として王党派に潜入していた女スパイ(マリッツア)の協力で何とか危地を脱したマロリーとバーンズビーは本物のパルチザンと合流 色々有ってレスコバー大尉の協力を得る形でミラーとウィーヴァ軍曹 そして粗暴なドラザック大尉に拷問されていたマリッツアを救出 大尉(レスコバー)の部下2人とレイノルズ中尉はシュローダー少佐と相討ちになる形で戦死


なおイギリス映画らしくマリッツア演じたバーバラ・バックの全裸でお風呂なサービスとキスシーン入りますが 昔の映画だからガードは固い(苦笑) でサービス終わったら彼女は退場。


そもそもバーンズビー中佐率いる特殊部隊の任務は何なのか マロリーとミラーに与えられたレスコバー大尉の暗殺任務は正しいのか 明らかにあのニコライとは別人以外の何者でも無いレスコバー大尉の怪しい挙動 3個師団に包囲された2000人規模のパルチザンの撤退を支援する為の橋破壊作戦は破壊工作の専門家で有るミラー曹長から言わせると1個師団規模の工兵注ぎ込んで8時間掛けないと不可能レベル 端からやる気皆無な応援しか寄越さない連合軍に疑心暗鬼を抱いている共産党パルチザンを率いるペトロヴィッチ将軍 物理的に壊せないモノをどう壊す 打開策を思い付いたのは主人公(マロリー)だった。


人間が持ち運び可能な爆薬で4km上流に有るダムを破壊し水の力で橋を崩落させる


イギリス本国から補給物資を乗せて来る筈だった輸送機の代わりに現れたのはドイツ軍爆撃機 マリッツア他20名もの犠牲者を出した共産党パルチザンは主人公達を追放 ダム破壊工作に協力してくれるのは恋人マリッツアを殺され復讐に燃えるレスコバー大尉(勿論真相に気付いた彼女を殺したのはレスコバー本人だけどこの時点では視聴者しか知らない)とその配下の2名のみ ドイツ軍の補給物資集積場から高性能爆薬を盗み出す作戦で部下を殺し裏切り者の正体を顕にするレスコバー大尉を処刑 主人公達は僅か4人でダムの破壊工作に挑む 野性の本能で敵の位置を嗅ぎ付けたドラザック大尉の襲撃に立ち向かうウィーヴァ軍曹 自爆覚悟でダムへ潜り込むマロリーとバーンズビー 手持ちの花火でダムを警備するドイツ軍を翻弄するミラー曹長


翌朝遂に始まったドイツ軍の総攻撃 爆弾は起爆したもののマロリーもバーンズビーもほぼ無傷 作戦は失敗したかに見えたがミラー曹長の気配りは手抜かりが無かった タイムラグを置いて始まったダムの崩壊により起きた大激流は橋を破壊しドイツ軍が持ち込んだ戦車や様々な重装備を下流へと押し流す。 何とか任務は達成したもののパルチザンとの合流は最早不可能 爆薬どころか銃もナイフも無い状態で山狩り始めるドイツ軍からどうやって生き残る 


頼りになるのは持って生まれた二本の脚 命懸けの脱出行が始まるよとなった所で物語は幕を閉じる。



オマケ:主人公がシュローダー少佐を煙に巻く芝居でネタにした抗生物質(ペニシリン) 第二次大戦で大量生産に成功したのは確かにイギリスですがアフリカ戦線で其れを入手したドイツ軍経由で世界中に拡散してます。 其れなりに高価だったんで戦後はヨーロッパ等で密売行為が多発 その辺りの話はまた別の機会に


王党派(チェトニク)が何故枢軸側だったのか? 元々セルビア人を国王に据えた連合王国だったこの国に革命起こした王族とソビエトの支援受けたセルビア人共産党がイギリス軍を呼び寄せようとしたからドイツ軍がユーゴスラビアに侵攻 分離独立を進めるクロアチア人勢力やイスラム国家建国図ったボスニア・ヘルツェゴビナのイスラム教徒支援してた経緯が有り彼等を味方に付けユーゴスラビアの再統一狙った経緯が有ります 


他にも地下資源の利権求めて入り込んだイタリアにルーマニアやハンガリーとトルコが各勢力に介入 バルカン半島の歴史はかなりややこしいです。


サム・ルウェリンが後を引き継いだこのシリーズは ナバロンの風雲 Stom Force Navaron 1996年 翻訳版は2001年 / ナバロンの雷鳴 Thudervolt of Navaron 1998年 翻訳版2002年まで続きます。


もし入手したら改めて

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ