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ナバロンの要塞 61年

2015年10/22ガラケー投稿 2020年12/23タブレット端末にて全面改稿開始〜12/24午後作業終了 位置を変更し217話に割り込み投稿

【 検索ついでに色々読んでみたら この物語はノンフィクションなのか なんてトンチキな疑問が出てて珈琲吹きました(*_*) まあ作品自体発表されてから半世紀以上経過してるし時代の流れかな? グレゴリー・ペックやアンソニー・クィン知らない人も増えました なお廃棄した戦艦の主砲を再利用した同じ物は英仏海峡挟んでイギリス海軍vsフランス占領ドイツ海軍の双方が設置してましたが 大戦中、どちら側も何の成果も上げられ無かったとだけ書いときます。 】


★そもそも固定して装備動かせない要塞や動かすのに大人数必要な巨砲そのものが時代錯誤の極みだった訳ですが そこら辺りの話はまた別の機会に


原題:THE GUNS OF NAVARONE

ナバロンの要塞或いは砲塁

イギリス/アメリカ合作 劇場公開作品

同年 日本劇場公開

原作:アリステア・マクリーン 著

THE GUNS OF NAVARONE 1957年

翻訳版は1966年 ハヤカワ ポケットブック

1971年 ハヤカワノベルズ

1977年 ハヤカワ文庫化



 令和2年もそろそろ終わるこの時期に、旧稿手直しでは無く改めてこの物語を纏めようと思ったのは 流石に600半ばまで色々な作品紹介してるとシリーズ物は並べて残して置いた方が細かな手直しが進むし探し易い と言う訳で旧稿は此れの投稿終わった段階で丸々削除します 事実誤認や思い込みで書いてしまった要素が多過ぎる。 2015年10月当時にガラケーでこの作品を取り上げようと思ったのは 出版社ド忘れしてますがこの頃ムック形式で名作戦争映画や西部劇にマカロニ・ウェスタン 果ては金田一耕助作品のテレビシリーズが次々と安価で販売され、もしかしたらレンタルコーナーからその手の作品が消えるのかと危機感を抱いたから まぁ実際に消えたのは専らB級以下のホラー映画やお色気要素の強い文芸作品(ソフト・ポルノ)(笑) アニメ作品がメインでしたね ボッタクリ価格付いたDVDのBOX買うか地道にブックオフを歩き回るかして探すしか無くなりました。 


DVD版は今回初めて視聴 版権や販売元の都合なのか続編の "ナバロンの嵐" と違ってレンタル用は字幕オンリー その代わりに今では撮影そのものが不可能なロードス島アテナ神殿遺跡等で撮影された未公開フィルム 1959年当時は王政だったギリシャの事情が見え隠れする街の風景 撮影に動員された本物の駆逐艦 (多分アメリカが供与したアレンMサムナー級かな? 当時使われた本物の艦隊用イギリス駆逐艦は殆ど残ってませんし) に遺跡の側で本物の爆薬使った空襲シーン等々を眺める群衆の姿等々 ビデオ版には収録されていなかったメイキングや裏話がチラホラ とは言えこの映画をテレビで見てた世代にしてみれば吹替版も収録して欲しかったなとつくづく思います オリジナルの音声だと微妙に距離感感じるのよ



【 映画では7人乗りのランカスター重爆撃機使ってますが原作版は確かナバロン島砲塁の航空攻撃を命じられ 成果を上げられ無いまま9機=18名の未帰還出して辛うじて帰途する夜間戦闘爆撃機……多分2人乗りのボーファイターかな? の帰還風景を見守るジェンセン大佐とマロリー大尉の会話から始まります。 1943年当時、イギリス空軍には長距離掩護が可能な単発戦闘機が皆無 護衛無しで出撃し成果に見合わない損失を重ねていました。 まぁ零戦は例外にしても第二次大戦は航続距離がお笑い草な単発レシプロ戦闘機が主流 空中給油や早期警戒機による航空管制以前の戦いは大概運任せ 航法間違えて迷子になったりはザラの時代です。 】


★夜間戦闘機やレーダー照準の対空砲避けるなら 低空で身軽なモスキートやボーファイター(或いはその雷撃型のボーフォート)の仕事です ランカスターは絨毯爆撃がメイン。


☆原作小説や映画本編でナバロン砲塁の空爆実行したパイロット達が提案するカミカゼ攻撃 無人操縦によるB17爆撃機を使った作戦が実行されたのは1944年 V1ミサイル工場狙った其れは失敗したもののアメリカ海軍の戦闘機F6Fヘルキャットをドローン化した其れは朝鮮戦争で予想外の活躍を果たします なお中共含む共産圏は60年代初頭まで洗脳した日本人を使ったに違いないと非難してたそうな。 完全自動コントロールのシステム作り出したのは60年代の日本企業⇒農業用の無人ヘリは未だ世界トップのシェア持ってます。



 1943年 地中海を巡る戦いはギリシャ半島を取り巻く島々の争奪戦へと移り変わる 一進一退の攻防戦が繰り広げられる中、ドイツ軍に包囲され孤立してしまったキロス島のイギリス軍2000名の撤退作戦の障害となっていたのは ナバロン島に設置された2門の要塞砲 駆逐艦程度の艦船ならば返り討ち 航空機を使った通常爆撃では固い岩盤に守られ破壊不可能な拠点に築かれた砲塁をどう無効化するのか 相棒の爆弾屋 雑巾野郎(ダスティ)ミラー伍長と共に様々な厄介事に対処して来たアメリカ海軍のロイ・フランクリン少佐 (以下フランク少佐) が提案したのは現地抵抗組織(レジスタンス)との共同作戦 完全機械化された歩兵部隊と戦車大隊 果ては少数ながらも戦闘機や爆撃機が常駐する厳重な警戒態勢ラインを突破するにはロッククライミングの経験実績が有る優秀な将校と汚れ仕事に特化した兵士達が必要となる。 


白羽の矢が立てられたのは ニュージーランド軍に所属し戦前はヨーロッパ中の山々を制覇して来た元登山家 キース・マロリー大尉 ギリシャ半島からの撤退戦に始まり4年間に渡る任務に疲れ果て休暇を申請している彼を説得したのはブラック企業の上司そのものなイギリス軍のジェンキンス准将 元ギリシャ軍大佐のアンドレアス・スタボロス大尉 スペイン内乱にも参加した無線士のブラウン1等兵 亡命ギリシャ人義勇軍でナバロン島出身のスピロ・パパディモス1等兵 総勢6人のメンバーはカタリナ飛行艇でイギリス軍支配下に有るロードス島へ向かい装備を調達するが アメリカ人将校が指揮を取るNJ/USA/ギリシャ/スペインの多国籍チームは様々なやっかみやに悩まされる事になる。 ジェンキンス准将とその副官が懸念した通り機密保持はなおざり状態 権威主義の塊で階級章でしかモノが見えない居丈高なベイカー大尉が基地司令を務めるロードス島は文字通りスパイ天国だった。


当時はクルド人コックとして基地に潜り込んで居た ドイツ軍スパイ=次作のラスボスとなるニコライの処遇を巡るイギリス軍との対立と作戦妨害の末、 主人公達が調達出来たのは草臥れ果てた機帆船 ギリシャ漁船に偽装しエーゲ海を進む彼等の前に現れたドイツ空軍の観測機 辛うじて撃沈し乗組員を皆殺しにした敵のパトロール艇は明らかに主人公達の動向を知り尽くしていた マロリーの判断ミスで妻と子供達をドイツ軍に殺されたアンドレアスの抱える怨恨 ストレスが原因でナイフが使えなくなり敵を殺せないブラウン1等兵の闇 実はカナヅチで全く泳げないミラー伍長は将校嫌いだったりと小ネタ挟み 彼等が乗り組んだ機帆船は季節外れの大嵐に遭遇 何とか目的地のナバロン島には辿り着けたものの船は座礁し沈没 運び出せたモノは僅かな武器と爆薬だけ 嵐の中での命懸けなロック・クライミングを敢行するマロリーとアンドレアスを待ち受けていたのは居ない筈の監視兵 


敵を仕留め装備と共に崖をよじ登るメンバー達 泥濘に脚を滑らせフランクは片足と内臓を骨折 当初はオブザーバーで外国人枠のマロリー大尉が指揮官となり作戦は続行 負い縋るドイツ軍山岳部隊をたった1人で撹乱するアンドレアス 待ち合わせ場所の古代遺跡に地元協力者として現れたのは スピロ1等兵の父親では無く姉マリアと拷問されPTSDにより喋れなくなった元教師のアンナ 追撃部隊を躱すため夏場でも雪が降り止まないコストス山を走破するが 敵も急降下爆撃機を投入し中々振り切れない 大怪我を負ったフランク少佐をどうする? 盟友(フランク)を助けたいミラー伍長と足で纏い(フランク)を何とかしたいアンドレアス大尉&マロリー大尉の対立 逃避行の最中徐々に接近するマリアとアンドレアス アンナの不可解な行動や態度に疑念を抱き始めるミラー伍長



 食糧補給とフランク少佐を現地の医師に託すため訪れたマンドラス村は結婚式の真っ最中 だが其処で待ち構えていたのはドイツ軍の大部隊 色々有って捕まった主人公達は憲兵隊による尋問が行われる 憲兵隊将校は端から彼等のフルネームのみならず経歴すらも熟知していた アンドレアスの芝居を切っ掛けに形勢逆転 彼等の軍服や装備を奪った主人公達は恐らくは自白剤に耐えられないであろうフランク少佐に偽の情報を吹き込み憲兵隊将校に託す。 


なおこのシーンについてドイツ軍=残虐非道なナチのイメージ定着させたかったハリウッドや合衆国の民主党からは猛抗議喰らったそうですが この映画赤狩りの真っ最中で多くの映画関係者や俳優女優がイギリスやヨーロッパへ亡命していた状況下、イギリスの映画スタジオ(パインウッド)やギリシャはロードス島で撮影されてますので クレームの類はガン無視 アメリカ公開にあたり脚本や台詞回しもかなり検閲受けたそうです 勿論自称リベラルを騙るハリウッドの嫌がらせですけどね 出演者も後々まで映画出演干されたりと散々な目にあってます。 ドイツ軍役&イギリス海軍部隊を演じたのはイギリス人俳優達とギリシャ陸海軍 後々他の作品でも貸し出され大活躍するM24チャーフィー戦車にグレイハウンド装甲車 イギリスから購入したランドローバーや博物館から借りたキューベルワーゲン等々 バラエティも数も桁違い


レジスタンスとの関係を疑われたマンドラス村は焼却処分 夜明け前に別のドイツ軍車両を調達した主人公達は度重なる砲撃や連合軍の空襲に根を上げ放棄された元ナバロン村へ潜入 当初6日後に決行される予定だった駆逐艦6隻によるキロス島撤退作戦は情報漏洩により5日後に繰り上げ……つまり今夜ナバロンの砲塁を使用不能に出来なければ何もかもが台無しとなる 盟友を見捨てたのみならず偽装工作の囮に仕立て上げたマロリーに嫌悪感を顕にするミラー伍長 任務の為に平然と仲間や部下を切り捨てる将校になんかなりたくなかった 貴方は人間じゃ無いとそう言い放つミラーに激昂するマロリー 砲塁を吹き飛ばす筈だった爆薬や起爆装置は何時の間にか無効化されていた そもそも行く先々でドイツ軍が待ち構えていたのは何故だ 特務部隊に潜入しドイツ軍に協力していたのはアンナだった。


将校なら責任取れと押し付けられたスパイの処刑 覚悟を決めたマロリーに先んじてアンナを撃ち殺したのは親友だった筈のマリア 例えこの場で拘束し置き去りにしても双方から狙われる 父をナチに引き渡した裏切り者を処分したものの後悔に苛まれる彼女を労るアンドレアス 砲塁内部に潜入し破壊工作を敢行するマロリー大尉とミラー伍長 アンドレアス大尉とスピロ1等兵は地元のレジスタンスと共に敵兵力の陽動作戦 偽の情報にまんまと踊らされたドイツ軍戦車大隊と砲兵部隊は港湾施設が有る島の反対側へ マリアとブラウン1等兵は夜陰に紛れて脱出用のモーターボートの奪取を決行するが見張りの兵士の刺殺を躊躇ったブラウンは敵と相討ちとなり戦死 守備隊との絶望的な戦いを繰り広げるスピロは敵の将校を仕留めたものの詰めを誤り即死 アンドレアスも左肩を撃ち抜かれボロボロになりながら合流地点を目指す 


マロリーの活躍で監視兵を処分し遂に目的の要塞砲施設へ潜入したミラーは建物内や砲に囮の爆薬を仕掛け回る 何れ状況把握して突入して来る敵は爆弾を探し必ず排除する筈だ 最後の保険に仕掛けたブービートラップが肝となる準備を終え海へとダイブ キロス島撤退作戦に参加する艦隊が突入する中、決死の爆弾処理を終えたドイツ軍は砲身をイギリス軍駆逐艦へ向けた 二度に渡る交差射撃の末に遂に目標を捉えた彼等は艦隊に牙を剥こうとするが弾薬庫に繋がるエレベーターに仕込まれたブービー・トラップは火薬庫へ引火 ナバロン砲塁は基地司令や多くの砲撃要員を巻き添えにする形で木っ端微塵に 駆逐艦隊は勝利の汽笛を奏で始める 取り残された2000人のイギリス軍は此れで捕虜にならずに済む


だがドイツ軍の報復行為が始まるであろうナバロン島の人々は誰が守る?


仇で有るマロリーに何度も助けられ復讐以外の道も有る事に気付いたアンドレアスはマリアと共に島へ戻る事を決断 もしかしたら死ぬかも知れないが家族と共に生きる為の人生も悪くない 駆逐艦に乗り組んだだのはマロリーとミラーの2人 まるで火山が噴火したかの様な光景を眺める彼等の会話場面を最後に物語は大団円へ



★暗闇の場面が多いこの映画のクライマックスに何が映えるのか アンドレアス役を演じたアンソニー・クィンが撮影現場に持参したのはイギリスの漁師が愛用する赤いセーター 監督や共演者達がその視覚効果に驚いたのはフィルムが完成した試写会での事 ある意味主役より目立ってます。




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