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THE BAI ザ・ベイ 12年

2015年9/25ガラケー投稿 2020年4/4タブレット端末にて改稿開始〜4/9夕方終了

【 魚之餌(ウオノエ) = 魚類の舌や(エラ)等に取り憑いて血や肉を食い尽くす "寄生虫" なのですが細かな生態や種類の判別等々……未だ良く分かってない つーか見た目がかなり気持ち悪いから殆どの生物学者が研究してないフナムシ+ダニみたいな生き物です。 其れが産業廃棄物で突然変異起こして人間をも餌食にし始めたらというコンセプトで描いたフェイク・ドキュメンタリーホラー 当時の私はゾンビ映画或いはクレイジーズ風な予告に釣られて借りました。 】


★注意!間違っても海産物を食べるまたは調理する前に観ない様に!! 特に生魚=御頭付きな刺身食いながら観ると地獄絵図となります。


☆江戸時代の日本だと鯛に寄生した其れは縁起物として素揚げにして食べてたらしいですが……ぶっちゃけ虫です アレが駄目な人は閲覧しない様警告します。


原題:THE BAY

"湾"或いは"入江"

アメリカ劇場公開作品

日本公開2014年



 小見出しで画像検索は止めた方が身のためだと書いときながらウオノエのおぞましい生態を説明するのもアレですのでまずはこんな話を 何故海の寄生虫パニックホラーの舞台が西海岸では無く東海岸、しかも汽水域になったのかと言う説明から 太平洋側 特にカリフォルニア州沿岸は元々日本人移民による漁業が盛んな地域でしたが今から75年以上前の大日本帝国に対する警戒感から軍関係の施設が急増。 特に海軍工廠や基地も湾岸地域に多い事から中々漁業がやりにくい環境下に有ります。 下手に船で近寄ると拿捕される場所も多い上、法律で漁業どころか海上航行そのものが禁止されてる地域も多いんです よってアメリカ西部の水産物は専ら北部のサーモンや南部の蟹がメインとなります。 遠洋漁業ならもっと大きな魚が狙えるのだけれどキリスト教的価値観(魚=キリストのイメージ)から其処まで熱心にやってません 蟹や海老はユダヤ教では食べちゃいけないそうだしね。


元々西海岸に居た漁業関係者や日系人移民がどうなったかについては確か "チャイナタウン 74年" でも説明してますのでこの辺りの背景はそちらを参照下さい 西海岸で認められてるのは専らマリンスポーツと海水浴だけ よって漁船が集まるのは白身魚を欲するユダヤ系や東欧と南ヨーロッパ系が多い東海岸がメインとなります。 特にチェサピーク湾は周辺河川から流れ込む栄養豊富な淡水と大西洋の冷たい海水が混じり合い 魚の餌となる微生物が発生しやすい地域。 海中沖合に有る巨大クレータにより落差が作られバラエティ豊かな海産物が水揚げされる場所でも有る此処は、同時に様々な科学薬品工場が乱立し 果ては不法投棄の最前線でも有りました。


特にイタリア系とユダヤ系マフィアが絡む産業廃棄物投棄による水質汚染 2020年になってもゴミ減量や分別 果ては焼却処分場の建設が底無しの馬鹿(リラベル)の反対で中々進展しないニューヨークという合衆国最悪のゴミ溜めが有りましたから、1時は海水浴場なんかに足延ばすと砂浜で注射針が刺さったり得体の知れない油で子供の手足がカブれ水膨れが出来たなんて話もチラホラ有り、トランプ大統領就任に伴う東海岸大規模カジノリゾート開発計画による経済梃子入れプロジェクト辺りから漸く環境保全対策が始まりますが進展具合は正直微妙。 荒唐無稽ながらも映画の様な事態は有り得る現状です。


黃熱病にポリオ、コレラにスペイン風邪等々 此れまで合衆国の住民を絶滅に追い込み兼ねない疫病は大体此処東部……特にニューヨーク.メリーランド.ルイジアナから感染爆発が始まります故 この地でコロナが流行るのは自明の理だと書いときますか ではあらすじに入ります。



【 物語の舞台は1903年から続く古い港街 メリーランド州クラリッジ 海洋汚染により漁業は衰退傾向に有りますが、代わりに様々なマリンスポーツと甲殻類の養殖。 湾岸部では巨大な養鶏場を運営する事で其れなりに繁栄し6200人が暮らして居ました。 毎年独立記念日には蟹の早食い大会等のイベントが目白押し 近隣の都市部から其れを目当てに多数の観光客が押し寄せる程の賑わいを見せています 2009年7月4日 僅か1日で街は壊滅な被害を受けたものの 生き延びた人々は風評被害を恐れて口をつぐみ。 大量の塩素が投入された海は事件後もその40%が立ち入り禁止となったまま今に至る……という設定です。 】


★勿論架空の街で有りフェイクドキュメントですが アメリカ合衆国ってこんな感じでゴーストタウンになった場所が多々有りますし巨大龍巻とかハリケーン被害がそのまま残された廃墟が多数存在します 土地は有るから壊すより新しく作った方が安上がりなのよ。


☆2009年夏〜2012年にかけて 定期的に起きる急激な海水温の上昇による無酸素化と産業廃棄物の不法投棄で東海岸に大量の魚の死骸が押し寄せたのは史実です。 産業廃棄物から発生した毒ガスで2名死亡し117名が搬送された事件も有りました 事故の際、無数のコマドリが犠牲になりましたが オバマ大統領政権下、殆どの不祥事は金で隠蔽……調べりゃ調べる程底なし沼に嵌った気分味わえます。 



 2009年夏 アメリカ合衆国東部 五大湖周辺〜南はフロリダ州沿岸辺りまで頻発したのは異様な数の魚と鳥の大量死。 何故そんな事態が起きたのか? 当時SNSでは様々な憶測が巻き起る 論理的な意見から荒唐無稽な発言まで様々な可能性が乱立する中、とある告発サイトで公開された映像は多くの有象無象に巻き込まれ人知れず埋もれてゆこうとしていた。 同年7月4日午前 街が産業廃棄物を原因とする有毒ガスの発生で軍により3日間閉鎖されていたメリーランド州クラリッジを偶々メリーランド州のワイドショー・レポーター(インターン)として此処を訪れていたレポーター "ドナ・トンプソン" の証言と様々な伝手を使い手に入れたという惨劇の記録は果たして何処まで真相に迫ったモノだったのか? 多くの生存者が未だ口をつぐんだままでいる以上、本当の所は最早誰にも分からない。


映像が告発サイトに掲載されたのは2012年初頭。 "捏造報道により民衆を惑わせた" と地元ワイドショーのレポーター内示をキャンセルされ、今も当時の悪夢そのものな光景を目の当たりにした後遺症に苦しむ彼女(ドナ)は未だ正体が分からない協力者と共にアメリカ陸軍から返却された映像データと 様々な伝手を使い手に入れた監視カメラや病院とCDCのライブ記録他を再構成し様々な視点からの惨劇の再現を行う事により1人でも多くの人々に伝えようと考えたらしい 事件は闇に葬られたが彼女の悪夢は何一つ終わってなどいなかった 惨劇の前兆は数年前にまで遡る。


40年前にチェサピーク湾に流れ込んだ工場廃液により牡蠣の養殖が壊滅的な被害を被った事件を契機に衰退の一途を辿っていた町を繁栄に導いたのは 数年前に就任したやり手町長 "ジョン・ストックマン" が誘致した政府の海洋淡水化施設と大手食品メーカーの巨大養鶏場。 国からの補助金や企業からの莫大な税収を元手に寂れた漁師街を様々なマリンスポーツが楽しめるヨットハーバーとして再開発 港にはシーフードレストランを始めとするバラエティ豊かなテナントが進出し工場や養鶏場に務める人々を目当てに建設されたニュータウン  夏場は近隣から多くの観光客が押し寄せるその町は 物語の語り手で有るドナにとっても幼い頃から通い慣れ様々な思い出が残る場所。


最も美味しい話には裏が有る 1棟2万羽が生育される巨大養鶏場群から大量に放出される糞尿汚染により漁業はますます衰退の一途を辿り 収入が激減した漁業従事者を抱き込んだ過激な環境保護団体と町役場の対立は深刻を極めているし 様々なルートから流れ込む告発映像に懸念を抱いた地元メリーランド大学と国際環境保護団体=クストー財団は合同調査を開始 だがその報告書と撮影された映像はストックマン町長により握り潰されていたらしい。 事件発生6週間前、科学者2名が行方不明となり5月7日深夜水底から遺体で発見されたものの沿岸警備隊と国家安全保障局は死因を偶々此処に流れ着いたメジロザメに襲われたもののと処理 彼等に付いた傷が寄生虫によるものだと判明したのは7月5日未明 


既に何もかも手遅れだった。


 汚染物質や塩分を濾過可能なフィルターを擦り抜けた卵や幼虫は飲料水や生活用水として住民の身体に入り込み後は繁殖や成長に欠かせない気温や海水温の上昇を待つのみ  2009年7月4日 例年とは比べ物にならない急激な気温上昇に見舞われた街が地獄の様相を見せ始めたのは独立記念日のイベントが始まった直後。 最初の発症者となったのはマーシー・ベイツ……突如全身から出血し水膨れに覆われた彼女の姿に戦いた群衆はパニックを起こして手を差し伸べる事が出来ず、その後駆け付けた救急隊員により搬送され午前11時27分死亡 同時刻ほぼ同じタイミングでプールでは子供達が次々と疱瘡を発症させ蟹早食いコンテスト会場では参加者の殆どが嘔吐症状を起こす 勿論全てのイベントは緊急終了となる。


近隣のアトランタ病院で搬送された患者の治療に看護士達と奔走する "ジャック・エイブラムス医師" は政府のCDC=疾病対策センターに緊急連絡。 だが当時の担当者が専門家会議を緊急招集したものの対応が間に合わず 結局その日350人もの患者を懸命に治療し看取り続けたエイブラムス医師は殉職。 辛うじて発症を免れた看護士達に避難命令を出した彼が最後に撮影したのは自身の身体を食い尽くす得体の知れない寄生虫の姿。 新興住宅地メープル通りでは、住民が舌や内蔵を食い千切られた状態で次々と路上へ飛び出し死亡 通報により駆け付けた "ポール保安官代理"と"ジムソン助手" が警戒に当たる中次々と搬送されてゆく その光景は祭り中止直後慌てて現場に駆け付けたドナとカメラマンの "ジム・ウェイト" により地元ワイドショーで生中継 キャスターのバーニーとマーシャは研修中の見習いレポーターが特ダネにかち合ったと内心羨ましがるが状況は更に悪化していった。


犠牲者や数少ない生還者が残した様々な記録媒体から浮かび上がるのは 目を背けたくなる様な惨劇のオムニバス 海洋学者達が遺した物は生きた魚の内外で発生し何もかも食い尽くす寄生虫の姿 惨劇から2ヶ月後偶然発見された地元女子野球のエース=デニス・バトンのハンディカムに遺されていたのは海に飛び込んだ直後押し寄せた無数の何かに貪り食われる彼女達の断末魔 両親が病院へ向かい独り取り残された少女ジェニファーはNET仲間へ絶えずスカイプを繋げ自身の身体を苛む水膨れと激痛を訴える。 ジョン・クーリーがディスクジョッキーを務める地元FMラジオ番組に緊急出演したストックマン町長は落ち着いて行動する様に呼び掛けるが郊外では何者かの判断により町を出入りするための全ての橋が閉鎖されクラリッジは陸の孤島となっていた。


パニックを抑えるためメリーランド州知事の権限でテレビは止まり 町長の命令で携帯電話のアンテナ局も緊急シャットダウン 孤立したドナとジムはなおも撮影を続けるが日没を迎えた港のそこかしこに転がるのは惨たらしい最後を遂げた人々の死体。 喉の渇きが抑えられずプールの水を啜ったジムも深夜亡くなり彼の断末魔を目撃した彼女はその時以降の記憶が曖昧なままだと語る。 深夜町からの脱出を図る町長とリー保安官は寄生虫に取り憑かれたポール保安官代理と遭遇 錯乱状態のポールの自決に巻き込まれ保安官は死亡 


助けを求める感染者を次々と轢き殺しながら郊外を目指す町長は同じ様に脱出を図る何者かの車と交通事故を起こして死亡。 


町を襲った惨劇を知らないまま港に到着したタルメット夫妻と生後3ヶ月の長男アンドリューを出迎えたのは港を覆い尽くす無数の魚の死骸に遺体の山 途中悪ふざけの末に偶々海に落ちた夫アンドリューが喉を突き破る寄生虫に殺されたのは深夜1時26分 妻ステファニーはアンドリューを連れ助けを求め放浪……親子が助かったのは7月6日早朝 おっとり刀で駆け付けた防護服姿の州軍に取り押さえられての事だった。 700人を越える犠牲者が出たものの風評被害を恐れた町の住民達は合衆国政府の復興支援と賠償金を条件に沈黙を守り事件はメディアに流される事も無いまま無かった事にされた。 この告発番組制作の際、町に住む両親と夫アンドリューを失ったステファニー弁護士へも出演依頼を打診したものの彼女は取材拒否を貫いたと字幕のみで語られる。


寄生虫に貪り食われた犠牲者は急激な気温上昇により発生した有毒ガスによる事故として処理された。 国土安全保障局により大量の塩素が散布されたチェサピーク湾は今もその40%に生物が居ない。 


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