9人の翻訳家 囚われたベストセラー 19年
2022年1/16〜1/17午前タブレット端末にて執筆 同日新規割り込み投稿
ミステリー作品ですので読む際はネタバレに要注意 但しこの作品初見で素直に楽しめ理解出来るのはほんの一握り フランス語やドイツ語等の複数の言語で日常会話が成立出来る程の語学力必須ですので 私みたいに字幕読んで漸くストーリー追い付けるお客様は端から犯人もオチも判っている方が納得出来るかも
【 日々多くの人々が様々な媒体で創作続ける物語は一体誰のモノなのか? 特亜のみならず表現の自由を規制する国や他の所ではOKだけどウチの国じゃポルノ扱いするからなとオースコリアみたいに色々やらかす所で小説売るため 出版社やカリスマ経営者の都合で勝手に内容変えたり妥協するのは正しいのか? そんな感じで問題提起した作品だけど色々惜しい……せめて笑えるコメディ形式しかも吹き替え版で楽しめるスタイルにすべきだったかも 陰湿な復讐譚は笑えないし楽しめない しかもターゲットとは全く無関係な被害者続出なストーリーだと尚更ね。 】
★多分 "相棒シリーズ" かせめて "刑事コロンボ・シリーズ" みたいにコメディリリーフ入らないと娯楽作品として落第点 本当に勿体無いです
☆元ネタはダン・ブラウン作 インフェルノ 翻訳に纏わるエピソードから
原題:LES TRADUCTEURS
英題:THE TRANSLATORS
翻訳者達
フランス&ベルギー合作 劇場公開作品
2020年 日本 劇場公開
令和4年1月16日 トンガ沖で直径400kmのキノコ雲 海底火山爆発による津波到達以降王国とは連絡途絶状態 深夜未明に防災放送その他で叩き起こされ一時は覚悟を決めたものの 日本の被害は引き波による漁船の沈没や転覆程度 逆にオーストラリアやニュージーランドにアメリカ西海岸なんかはいきなり津波がやって来たとかで未だ被害の全容は掴めてません こっちでも津波の影響で川が逆流したりと色々有りましたが本格的なダメージは此れからかな オーメン3 でダミアン・ソーン率いるソーン産業が氷河期の対策備えてましたが 成層圏まで達した火山灰が気候にどんなダメージ与えるやら……なにせ広島型原爆50個分だし
今回こんなマイナーで主人公の外見その他に癖が有りまくり 陰鬱な気分味わう事請け合いな誰もスカッと出来ない復讐譚を取り上げようと思ったのは このサイトから巣立つ形でプロデビューしたものの出版社側の都合 或いは担当編集者の不手際、しいては小説家自身の性格や能力の問題に イラスト担当者とのマッチングその他で本が売れず 消えていった作家さんなら色々ダメージ喰らったりトラウマ思い出し兼ねない展開 あくまでもフィクションですが欧米の合理主義なビジネスモデルを妄信してるどうしようもないクズが 今まで散々見下して来たモブの1人の報復により何もかも失うそんな物語 日本でもとある国に媚びるためテレビアニメ化進んでた作品と原作者の権利守らなかった事例が有りますので色々思う所があってね 敢えて名前出しても良いけど粘着されたら嫌だから匿名と言う事にしときます
惜しむらくは小見出しにも書いた通り探偵兼コメディリリーフの不在 弱者が踏み躙られる悲惨なだけの現状に1石投じるなら ドキュメントじゃ無いんだからせめて最後は笑える物語にすべきでした 好きな人は此れで良いのかも知れませんがモヤモヤした思いが残るのは減点かな?
【 実は最後ザマァされるカリスマ経営者見てて連想したのが バブル時代に超訳とやらで原作捻じ曲げた翻訳やらかしたア○デミー出版とあるアニメ監督途中降板させて作品滅茶苦茶にした○○ホールディングス 徹底的におちょくり捲くる積もりだったけど故シドニィ・シェルダン先生の翻訳小説比較してる とある物好きさんのブログ読んでると 此れはこれで有りかも(苦笑) とつい納得しちゃったから貶せなかったんだよ 確かに翻訳すると途端に読むのも嫌になる小説有るよなと具体例出したくなったけど……此れも自重します 映画の字幕なんかでも失笑レベルの間違い並べて平然としてる作品多いしね 】
★リメイクするなら徹底的にギャグ仕立てのテレビシリーズで 時間足りず結局9人の個性的な翻訳者全員にスポット当てられなかったし 肝腎要のデダリュス三部作がどう面白かったのかバッサリ削られてますので物凄く気になる
何者かの手により放火され燃えているのは フランス北部ノルマンディー地方の小さな港町で営業していた小さな本屋 火災現場に残されていたのは階段を転げ落ち命を落としたと思われる老店主ジョルジュ・フォンテーヌの変わり果てた遺体 火元から原因はタバコの火の不始末として処理される 町に大勢のマスコミが押し掛ける前代未聞の騒ぎとなったのは全てが後の祭りとなってから 物語は書店火災から数ヶ月後、内部に様々な問題抱える出版社の経営を劇的に立て直したカリスマ経営者エリック・アングストロームの得意満面な記者会見へ 未だ正体も経歴も不明な小説家オスカル・ブラックの人気シリーズ=デダリュス完結編 死にたくなかった男 世界同時翻訳出版の発表シーン
原文のフランス語のみならず 英語/北京語/ポルトガル語/ドイツ語/ラテン語/ギリシャ語/ロシア語/デンマーク語/スペイン語の翻訳者として集められたのは其々のっぴきならない理由を持つ者 只働きでも良いから誰よりも早くオスカル・ブラックの新作を読みたいと願う者など色々
旦那に子供押し付け急行する作家志望なデンマークの主婦エレーヌ・トクセン 例え本職失ってもこの仕事受ける決心したポルトガルの坊主頭な女性テルマ・アルヴィス 吃り癖が有り入国審査に手間取ってる人が良さそうな眼鏡のオジサン=スペイン人のバビエル・カサル 典型的なラテン親父イタリア人のダリオ・ファレッツ 堅苦しいドイツ人女性 イルグリット・コンドル 髭モジャなギリシャ人の賢者 コンスタンティヌス・ロドリゲス フランス在住でこの仕事を自由と金の為と割り切る中国人チェン・セオ シリーズのヒロインにして犠牲者でも有るレベッカと自分を同一視する不思議ちゃんなロシア人女性カテリーナ・アンツノバ とある理由からアングストロームと直談判し今回初めて翻訳に参加する訳有りな英国人アレックス・グットマン
アジア系やアフリカ系が大嫌いなフランス&ベルギー人の映画なのでナチュラルに日本やアメリカが存在感無いのは何時ものパターン イスラムやトルコに至っては倫理道徳そのものが全く異なるから論外です
計9人の翻訳家が此れから2ヶ月程滞在するのは 警戒厳重な城塞の様な別荘地下に設けられた核シェルター 情報漏洩を避けるため携帯端末やパソコンは持ち込み禁止 外部接触無しのストレスフルな缶詰め状態を少しでも快適に過ごして貰うため下手な5つ星ホテル顔負けな設備が充実した中で始まった翻訳作業 総ページ数450枚の原稿から渡されるのは1日20ページ分 勿論作業終われば監視付きでは有るものの好きに過ごして構わない 年齢差に性別も参加理由も様々 当初は距離感掴みかね戸惑ったものの多言語を日常会話成立レベルで使い熟す翻訳者達のみならず 司会進行を任されたローズマリー・ウエクス秘書の根回しその他で和やかに進む筈だった作業に暗雲が立ち込めたのは数日後の事
裏で人間の屑呼ばわりされているアングストローム社長に掛かって来た脅迫メール 小説の冒頭10ページがNETに流出し続きをバラ撒かれたく無ければ500万ユーロを口座に振込めと要求 実は此れまで2作はアングストロームが英訳 アングラサイトで自身の其れより遥かに優れた英訳原稿をNETで無断配信し逮捕 3作目は未読な筈なのに小説の展開を当てて見た薄気味悪い青年の関与を疑うアングストローム 荒事専門の調査員等と共に密かにアレックスの素行調査を命じられたローズマリーが辿り着いた真相は……全てを悟った彼女はアングストロームを見放しアレックス側に味方する事を決断 会社に三行半を叩き付ける。
明らかに情緒不安定気味な社長の高圧的な態度でギスギスし始める地下室の雰囲気 八つ当たりの対象となったのはデンマーク人の翻訳者エレーヌ 仕事の合間に自作小説執筆していた彼女の手書き原稿取り上げたアングストロームは其れをゴミだと言い切り暖炉の中へ投げ入れた 以降も厳重な監視体制を嘲笑うかの様に繰り返される原稿流出と振込み金額の増額要求 翻訳者同志でも誰が流出犯なのか推理合戦が繰り広げられる 完全に狂ったアングストロームにより服を剥かれ食糧や飲料水を絶たれ果ては電気までも停められた やがて取り返しの付かない悲劇が起こる 原稿焼かれて以降情緒不安定だったエレーヌが首吊り自殺 拳銃を手に流出犯が自首しなければ翻訳者の1人を見せしめに射殺すると脅すアングストロームに対し多言語使い取り押さえようと動く翻訳者達 警備員やローズマリー元秘書も暴走するクソ野郎を取り押さえようと地下室へ侵入図るが間に合わない
私が年長者だから囮になる 撃たれたタイミングでクソ野郎を取り押さえろ コンスタンティヌスが北京語で仲間に合図送るタイミングで自らの流出関与を集まった皆に仄めかすアレックス 暴発した銃弾は主人公庇おうとしたカテリーナを貫き次いで心臓を撃たれたアレックスが斃れた 生き残った翻訳者達と漸く封印破り突入するローズマリーと警備員達により取り押さえられたアングストローム 胸元に故ジョルジュから生前託された1冊の本=オスカー・ワイルドの小説により辛うじて命拾うアレックス 映画では平行して映される主人公の原稿強奪&コピー作戦の全貌 アレックスと結託していたのは格安報酬で雇われたスペインのハビエル 滞在ビザの延長条件に望まないこの仕事引受けさせられた中国のチェン セクハラばかり繰り返すカエル喰いが大嫌いなドイツのイングリットにポルトガル人のテルマ
事件から2ヶ月後 昏睡状態で生死の堺彷徨うカテリーナを見舞い届かぬ謝罪を続ける主人公 頑迷にも未だ黙秘を続ける監禁致傷及び殺人未遂の容疑者を本当の地獄へと叩き落とすべく フランス=ポワダルシー刑務所で特別捜査班と協力し容疑者の自白を引き出そうとするアレックス 断筆した元人気小説家で作家志望だった若かりし頃の容疑者の師匠でもあった老書店主=故ジョルジュ・フォンテーヌ 実は彼の最後の愛弟子が主人公=アレックス・グットマン 母子家庭の寂しさを紛れさす様に頑固者な老人が経営する古本屋に幼い頃から入り浸る やがて殆ど孫とお爺ちゃんの様な関係となった10代半ばのアレックスが持ち込んだ原稿がデダリュス その才能に歓喜した師匠は道を違えた元愛弟子通しプロデビューを支援しようと考えたが対人恐怖症を患いしかも未だ幼い主人公を下手にあの業界に放り出したら 時代錯誤も甚だしいフランス文壇や出版業界に叩き潰されるか食い物にされる
ならばアドバイスついでにフランス語に翻訳した原稿を不肖の弟子の元へ 2人で考えたペンネーム=オスカル・ブラックの名義で持ち込もう フランスで小説を売りやがて各国の言葉で翻訳し世界へ…………だが師匠の小説デダリュスに夢中になったアングストロームは自身で英訳原稿を勝手に製作 誤訳や曲解も多い英訳版に激怒し悲しむ主人公 あの自分勝手な男に出版権を与えたのは間違いだった 此れから書き上げるアレックスの作品はまともな編集者を通し世界へ送り出す 書き上がりフランス語訳された原稿を手にアングストロームを責め契約打ち切りを断言する師匠を逆上し殺害 証拠隠滅の為に古書店に火を放った容疑者
「そんな馬鹿な事が有るか! オスカル・ブラックは確かにあの時死んだ筈だ‼」
間抜けにも接見中に自供し 本物のオスカル・ブラック=アレックスを殺そうとして捜査官達に取り押さえられる容疑者 脅迫行為で奪い取った8000万ユーロはこっそり容疑者の口座に振り込まれており最早言い逃れも出来ない 錯乱状態のアングストロームの妄言を誰も信じないだろうが師匠の復讐を果たした主人公の表情は何処までも醜く歪み続けている デダリュスの第三作にして完結編は無事世界同時翻訳出版を果たした 自殺したエレーヌと未だ昏睡状態のカテリーナの代わりにあの事件に巻き込み又は巻き込まれた翻訳者達で書き上げたデンマーク語版やロシア語版も出版されたがその莫大な利益をアングストロームが享受する事は決して無い
★かなり強引な謎解き描写ばかりの本編最大の突っ込み要素がフランス国内の刑務所の清潔さ加減(爆笑) パソコンや画像検索可能な各種端末お持ちなら 捕まり収監されるぐらいなら撃たれて死んだ方がマシなフランス独特の刑務所の楽しい日常風景が探せます ヨーロッパでもダントツで檻内での殺人に自殺や不審死がトップな囚人生活 此れでおフランス様は日本の不法滞在者拘留施設や拘置所を犯罪者に厳しすぎる中世以下の生活環境と罵る訳ですからさらなる怒りに駆られる事必至です カエル喰いの目は節穴なのかも知れない。
☆なおベルギーもそうですが映画で刑務所代わりに使われたゴミ処理施設の惨状や市内のゴミポイ捨て状況も必見だと書いときますね。 日本でこんな事やってたら昭和30年代の埋立地みたいに悪臭とハエの巣と化します そりゃあ武漢コロナが収束しない訳だわ。
実はヨーロッパよりもかなり無法地帯なアメリカ合衆国の文壇 特に個人事業主で有る小説家の平均寿命は65歳前後 編集者や代理人により利益中抜きされたり 酷い場合は出版者が偽の作家立ち上げ勝手に本売り捌く事もザラ 版権欲しがる犯罪者紛いな連中に有りもしない精神疾患診断され死ぬまで精神病棟押し込まれたりなんて事案も有ります その辺りを徹底的におちょくり巻くったのがメル・ブルックス監督が撮影した "新サイコ" 興味お有りならそちらもどうぞ




