血と砂 65年
ある意味タイトル詐欺(笑)
全員最近まで童貞な元軍楽隊チームが大部隊に包囲&全滅必至な状況でディキシーランド・ジャズを奏でる。
そんな映画です。
アニメ「ソラノオト」ファン必見作品?
【反戦ついでに馬鹿騒ぎ、終戦記念日公開の悪ふざけ作品:もちろん私は大好きです(笑)】
この間「メトロポリス」観てた時にふと思い出した岡本喜八監督作品です。
内容的に見事なタイトル詐欺
(嘘は言ってませんよ公開日の関係とスポンサー&原作者の要望もあってタイトルだけは真面目にする必要がありました。)
昭和時代ならではの綺麗事と言っても、失礼にはもうならないでしょう。
生き残った人々や遺族に対する遠慮もあって結構最近まで「戦争をテーマ」にした映画やドラマって
毎年8月15日に集中する事が多かったのですよ。
「終戦記念日」と「お盆(新盆)」に加えその為の休み&里帰り等々色々都合が良かったからでもあります。
同じ理由で「怪談映画」や落語会の「怪談話」なんかもそうですね。
結局何綺麗事ぬかそうが戦争は地球上のどこかで年中やらかし人材やら貴重な資源を無駄にしている事には変わりない訳ですし、沢山の人々の命を奪う事故や災害も年中無休です。
敢えて期間を限定する事に意味は無い。
という訳で「終戦記念日公開映画」としては最後の作品となりました。
表向きのテーマは「反戦と平和」日本映画の場合大体この間抜けな「綺麗事」を糞真面目に捉えて「死んでゆく若者が可哀想」とか「私達は以降侵略され殺されても戦争だけは止めよう」なんて人間失格で家畜以下な妄言が出てくる訳ですがこの映画は一味違います。
裏テーマが「童貞と漢気」です。
実は従軍慰安婦出てくるんですよ、この映画。しかも主役の「小杉曹長」の愛人(日本人名名乗ってますが現地妻)で今回偶々中国戦線に派遣されてきた「元軍楽隊左遷組?」とおまけで引き取る事になった「墓掘り」「反戦屋」も含め部隊全員の「女神様」扱いです(笑)
彼女「お春さん」の夢は戦争でしっかり稼いで、甲斐性有りそうな主人公と一緒に故郷に大豪邸を建てる事。
という訳でありとあらゆる手を使い「小杉分隊」の行く所、どこまでも出てきます(笑)
ある意味1番の被害者が全員童貞な「元軍楽隊」チームです。中国軍にめった撃ちで追い詰められて「お春さん」と一緒に川へドボン!
敵が漸く攻撃諦めた、これで助かったと油断した瞬間。
ずぶ濡れで服が貼り付いた「お春さん」を見てしまい、冷たい川から出られない
(童貞の皆様、理由はわかりますね(笑))
というギャグや
最前線にわざわざやって来る「お春さん」の為にボロボロの敵城塞を占拠
ピカピカになるまで掃除、ベッドメーキング、豪華な手料理を準備しながら即興で作った楽器を駆使し歌い出すシーンはこの映画最大の見せ場です。
※ディキシーランド・ジャズの定番「聖者が街にやって来る」の曲で「お春さんが来るぞ」と満面の笑みで歌い踊るシーン。
事情を知らない捕虜の中国軍兵士はどん引きです。
まさかそんな理由で武器もろくに持ってない軍楽隊に前線基地攻略された中国軍の立場って……
ちなみにこの監督が撮った中国戦線の映画限定で敵兵役は中国共産党の幻の軍隊「八賂軍」です(笑)
理由はアメリカ軍と同じ装備を持った「国民党軍」相手にする程戦力無いから。
時は1945年の7月~8月15日お昼までの物語。直接見張ってガミガミ抜かす阿呆な上官は既に日本へ逃走中。
大部隊に囲まれ武器もろくに無い、やけだから楽器をフル装備して大攻撃の中「ディキシーランド・ジャズ」を演奏し攻撃の代わりとする彼等は果たして生き残れるのか?
双方の相談の末、後方に送られて解放された後、上層部から「終戦」を知らされた「中国軍捕虜」や「お春さん」が慌てて最前線に戻ろうとする最中、最後の一方的な戦いが始まります。




