アリスのレストラン 69年
2023年2/26〜2/27タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
ある意味製作サイドの雰囲気作りに関わったジョン・フォード監督の映画 怒りの葡萄 の時代の歌を多く遺した元ホーボーなフォーク歌手ウディ・ガスリーの最後とその息子の物語綴った映画だし此処に置いときます
【 ワケ有って偉大なミュージシャンで無賃乗車常習犯と呼ばれる放浪者だった父親同様にゴクツブシ演ってます 有る意味もう1つの駄目人間版 おやすみラフマニノフ 10年 音大辞めもしかしたら明日、徴兵されるかもと内心ビビりながら友人や先輩と共同生活に挑戦しヒッピー目指すが 何時の時代だろうが男らしさを持て囃し有りもしない綺麗事が大好きなアメリカ合衆国には其処にもヘタレ平和主義者の安住の地は無かった 放浪の吟遊詩人アーロ・ガスリー 1967年当時20歳の殆どブラックコメディな物語でほぼノンフィクション 今なら単なるホームレスなヒッピーの自由って死と隣り合わせだし人生は意外とままならないものらしい 】
★日本に当て嵌めるとその人生も似たり寄ったりな高田渡1949年〜2005年=代表曲:自衛隊に入ろう な歌手らしいけど私は其処まで詳しく無いです 何か駄目人間見て我と我が身振り返ったり コイツよりはマシだと色々癒やされたいお客様向け
原題:ALICE'S RESTAURANT
アリスのレストラン
アメリカ 劇場公開作品
1970年 日本 劇場公開
原作:アーロ・ディビー・ガスリー作詞作曲のフォーク
アリスのレストランの大虐殺 1967年
❖1976年TBS 土曜ロードショー放映時の吹替版収録
令和5年2月末 レンタル店でもうすぐ新作映画がラインナップに並ぶから取り扱い終了予定とメモが貼り付けられていたそのパッケージは主人公がぶっちゃけ貧乏臭く不細工でした 下手なお笑い芸人よりも貧相で無視するには余りにも悪目立ちするし多分此処でスルーしたら二度と見る機会は無いなとうっかり借りて来ちゃったんだけど……こんな極め付けなイロモノ・ノンフィクションをどう評価したもんんだか(苦笑) ちなみに1969年度アカデミーの監督賞作品だけどBSや地上波でも殆ど再放送されない辺りで色々お察し下さい 唯一出来が良かったのは日本劇場公開版ポスターぐらいで 本国公開版に合わせたDVDパッケージも思わずガチホモ向けですかと、襟首掴み担当責任者を豪快に殴り倒したくなるレベルのデザイン
と言うのも本国版ポスターとDVDパッケージ・デザインの元ネタになったのは1967年にレコード化された アリスのレストランの虐殺 のオリジナル・レコード・ジャケット イケメンマッチョな白人モデルではなく作詞作曲に本人役で映画の主演こなしたアーロ・ガスリー自身を撮影したパロディ版なポートレート=裸エプロン姿な其れの出来については、日本劇場公開版のみわざわざポスターやパンフレットを配給会社で丸々変更したぐらいには酷いから 私みたいにこの兄ちゃんの名声どころか歌すらも全く知らないお客さんにしてみれば滅茶苦茶貧相に映るのは仕方ないかと なんせ未だデビュー仕立ての20代前半な若造だし アーロがドロップアウトしたのは父親が亡くなるまでの僅か半年程度 主題歌となったこの歌のテーマは結構重い 自由と平和には必ず責任が伴わなければならない 利益ばかり享受してたら何時か何が自由で平和なのかそんな事すら分からなくなる
アーロが自分に貸したルールは 父や祖母の様に何時舞踏病発症し寝たきり生活からの緩やかな死に追い込まれるのか医者にも勿論自分にも分からないのだから嫌な事は絶対にやらない 祖母や父親同様に遺伝病で治療不可能な其れが発症する可能性は五分五分 幸いにも自身も二度の結婚で授かった子供や孫達も今の所は大丈夫 精々50歳まで生きてりゃ御の字だった筈の彼は2020年に高齢を理由にミュージシャン生活を引退したが 此れ書いてる時点ではピンピンしてるらしい 令和5年7月で76歳、普通のアメリカ人男性の平均寿命より少しばかり長生きしてるのは常に健康に気を使うから では長い前振りは此処で打ち切り本編へ 映画見つつあらすじ纏めてるから勘違いも有るだろうし そもそも史実や時系列も色々入れ替わってる娯楽作品なのでご容赦を ガチの黒歴史まで映像化しちゃったら公開処刑じゃ無いか(苦笑)
【 第二次大戦後の1947年に一旦廃止 アメリカ合衆国において朝鮮戦争&東西冷戦で選抜徴兵制度が再び再開されたのは1951年に入ってからの事 対象年齢は18歳から26歳までで徴兵期間は後年ダイエット運動として持て囃される事になるブートキャンプの其れを含めてもきっかり2年間 色々特典付きな志願兵と異なり嫌々担ぎ出される人員だから危険な最前線送りなんて自体には中々ならないが与えられる仕事も給与も普通の勤め人より遥かに貧相 検査逃れや親の介入も多発し大体総力戦なんてミサイル撃ち合う核戦争下じゃ中々有り得ないと制度そのものが廃止されたのは1973年に入ってからだった。 】
★勿論志願入隊経験有れば大学進学も国庫負担だし就職も優位だった 何より男らしさ女らしさが全ての欧米じゃ徴兵拒否は男性失格 低身長のみならず長髪や貧相な身体に眼鏡は無いことになっているイジメの格好の対象 終生其れをコンプレックスにしてる輩は山程居る
1967年8月末 州により多少の違い有るものの飲酒やタバコがOKな成人年齢が25歳のアメリカ合衆国じゃ徴兵検査の予備審査が高校時代のクラスメイトと久しぶりに顔合わせる最後の機会であり成人式 下手すると老境まで付き合い続く中西部や南部じゃ有るまいしニューヨーク生まれな若者達のドライな人間関係は日本の地方都市と大して変わらない 自分の病気は遺伝病のハンチントン舞踏病……10万人に1人なそこそこ珍しい病気だけど発症するまでは普通の健常者と変わらない 書類止まりな予備審査の受付やってるオバちゃんにしてみれば 勿論この物語の語り部で偉大なフォークシンガーの息子アーロ・ガスリーが徴兵アウトな理由を理解して貰えなかった ちなみに1967年時点で全身麻痺となり延命治療中な父親ことウッドロウ・ウィルソン・ガスリーも軍務中は発症しなかったから軍隊生活経験してる
書類審査の末に公式な徴兵検査が始まるのは早くとも12月に入ってから ならば入隊前にせめて大学ぐらいは行っておこう 病院に通い一進一退な状態の父とその傍らで介護続ける母マージョリーに暫しの別れ告げロッキー・マウンテン・カレッジの音楽科に進学したものの そこで教えられていたのは子供の玩具の延長みたいな海外の其れとは比べ物にならないレベルのちゃちなエレクトーン 1流音楽家気取りな教授達はフォークソングを毛嫌いしクラッシック音楽しか認めない ヒッピーにしか見えないからと軒並み宿泊断られたバッハみたいな髪型に瓶底眼鏡な高校時代の友人クローサを寮に泊めたら 神経質な生徒の密告電話で浮浪罪で捕まり ついでに許可受けてない部外者を学生寮に泊めたから自身も停学喰らう
クローサ同様に伸び放題の髪を意地でも切らない主人公はいきなり見知らぬ人間に殴り倒されるからおちおち街のダイナーで食事する事も叶わない 喧嘩売られ突き飛ばされたのに器物損壊容疑で警察に捕まったから何もかも嫌になり大学を辞め 親子程歳の離れたオフロードレーサーのレイ・ブロックと結婚した元クラスメイト=アリスの誘い受ける形でマサチューセッツ州ストックブリッジへ移住を決める 途中主人公を戸惑わせる福音派の移動教会のテントで起きてる馬鹿騒ぎを挟みつつ 辿り着いた場所はニューヨークから北へ約240kmも離れた大西洋沿岸部 2023年の今も信号が数えられるぐらいしかなく まともな産業もないから平均年齢50歳越えの爺ちゃん婆ちゃんが年金生活で細々と暮らす人口1500人以下の小さな街 信者不足で閉鎖決まったカトリック系の教会を破格の安値で手に入れたブロック夫妻の新たな夢はこの街でのレストラン開業と元教会を宿泊施設に改装し気のおけない友人達との共同生活
イギリスから流入した自由と平和な文化は頭御花畑なカリフォルニア州はともかく此処アメリカ東海岸には大して根付かなかった 此処にフラワー・チルドレン達の理想郷を作る ブロック夫妻……特に二度目の結婚なレイ・ブロックのもう1つの夢はアリスとの再婚後、いきなりコカインに耽溺する様になった友達みたいな関係の前妻の忘れ形見で主人公の友人でもあるシェリーの更生 実は彼が麻薬に手を出す様になった理由は元クラスメイトで義理の母親に横恋慕が原因で時偶義母とエロいこともヤっているなんて描写もしっかり描かれる なお物心付いた頃から父親に特訓受けそこそこ稼げるミュージシャンな主人公は下は10代前半から上は母親と同い年なマネージャーからも肉体関係迫られる総受けボルト 勿論同性からも迫られるが自身の病気が子供に遺伝するのを恐れ割と必死に逃げ回る アリスとヒッピーな仲間達によるレストランの立ち上げ 集客は主人公が作詞作曲したコマーシャルソングが東海岸沿いのラジオでガンガン流されるから右肩上がり
志願兵として一足先にベトナム向かいコミュニティに合流してきた黒人のジェイクは右腕を失っていた 自分達も軍隊に入ればもしかしたら最前線に送られ命落としたり役立たずな傷痍軍人として放り出されるかも…………後年のイラク戦やアフガニスタンでもそんな風に僅かな年金与えられだけで放り出され 麻薬中毒患者になったりホームレス生活続ける元兵士が右肩上がりで増え続け様々な問題を引き起こす事になったのだが勿論当時はそんな予感がするだけだった 不安を押し殺し此れが最後かも知れないと海へ繰り出したりオフロードのバイクレースに没頭する主人公とヒッピーな友人達 見舞いに行く度にどんどん病進行してる父親やミュージシャン仲間との交流を始め様々な小ネタやエピソードを挟みつつ時は流れ 1967年11月23日木曜日朝から始まる感謝祭の乱痴気騒ぎ 翌日壊れた家具や食べ滓を含む粗大ゴミの山をライトバンに詰め込み街のゴミ埋立地に向かったら日曜日までお休みだった 何の気無しに不法投棄やったらヒッピー嫌いな住民の通報受け主人公とクローサは街の警官オービー警部にいきなり威力業務妨害で逮捕される
曲がりなりにも芸能人の息子が捕まった 小さな街に押し寄せたのはスキャンダルやアラ探しが大好きなマスコミと州警察の選抜捜査官に加え鑑識に警察犬やヘリまでも とは言え大山鳴動して鼠一匹 駆け付けたアリスやレイ、マネージャーや専任弁護士の介入や執り成しもあり何とか2人合わせて罰金50ドル 不法投棄したゴミは責任持って全て回収しマサチューセッツ州から遥か離れたニューヨークはブルックリンの埋立て処分場まで持って行くオチとなる 感謝祭で知り合ったアジア系の陶芸家マリーとプロポーズついでに自動車デート 勿論クローサも同行しニューヨークまでの長旅場面 再びコカインに手を出すシェリーの不穏なシーン挟みつつ 12月8日に主人公は徴兵検査受けるため再びニューヨークへ 何とかキチガイの振りして徴兵免れようとしたらブリーフ1丁と帽子だけ身に付け放り込まれたのは前科持ちや犯罪行為で捕まり徴兵検査に送り込まれた強面の面々がなんか前のアレが黄色い様な白ブリーフ1丁姿で座る特別室
まずいこのままだと犯される(冷や汗)
だが見た目まんまヤクザか犯罪者な男達は割と良い奴ばかりだった 爆笑誘ったキチガイ演技とゴミの不法投棄と言うショボい罪で特別室に放り込まれた顛末話し変なテンションで意気投合した面々は居丈高に現れた徴兵官を相手に一歩も引かず結局主人公含むその大半が目出度くも検査落選し無事開放 「 何とか兵隊に取られずに済んだけど…… 何故だろう物凄く申し訳ない気持ちに駆られるんだ。 」 病進行し最早目しか動かせない父親と主人公の束の間の逢瀬 元教会だった廃屋が建ち並ぶストックブリッジの街で唯一賑やかで多くのヒッピー達が出入りするフラワー・チルドレン達のコミュニティ 聖歌歌いながらこっそり回し飲みしてるのは勿論大麻 再びコカインに手を出し中毒者となった息子を諫める父と義母振り切りバイクで暴走するシェリーはその夜に高速道路で事故死 葬列に参加する主人公とマリーを探していたクローサからの緊急連絡でニューヨークの病院へ駆け付ける主人公達 シェリーの弔いは主人公の父ウッディを加えた合同音楽葬となった 息子の事故死を契機に仲間達の介添えもあり書類だけじゃ無く正式に婚姻を結ぶレイとアリス
息子の痕跡残る教会と店を手放しバーモント州に移住 もう一度人生やり直すと告げるレイとアリス どうもマリーの中に新しい命が誕生してるらしい…………教会の二階に和室設けてジョン・レノンしてた主人公達も兄弟や母親が居るニューヨークへ戻る決意を固める 落ち着いたら再び会おうと握手交わす主人公とレイだったがシェリーの事故死を契機にわだかまりが出来ている彼等が再び共同生活を送ることは無いのかも知れない フォルクスワーゲンのワゴンに荷物積み込み教会離れる主人公達を独り見送る手作りウェディングドレス姿なアリスが浮かべる悲しみの表情 ある時代が終わってしまったと感じさせるエンディングとフォークソングを最後に物語は幕を閉じる。
なお史実のウッディ=ヴッドロウ・ウィルソン・ガスリーが55年の短い生涯終えたのは1967年10月3日 アーロ・ガスリーが同年最初に結婚し2012年の死別まで共に過ごした相手はアジア系ではなく何処となく旦那そっくりなジャッキー・ガスリーとなります。 その他の史実についてはそもそもプロフィールに残されておりませんし大半が既に物故してるから今更真相調べるのもアレかな?
ただちょっと気になるシーンが1つ 14歳だけど服脱いで主人公に肉体関係迫る少女役の子が何処からどう見てもリアル嫁なんじゃ無いかな 今となっては調べようも無いけど




