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チャイナタウン 74年

2015年7/25ガラケー投稿 2020年11/25改稿開始〜

【ジャック・ニコルソンの探偵物語】


原題:CHINA TOWN

本来は中華街と言う意味ですが……かなり皮肉めいたタイトルです

アメリカ劇場公開作品

1975年 日本劇場公開



 タイトルだけは知っていましたがこんな話だとは思いませんでした。


あらすじの説明って大事ですね。

と言いますか内容の説明が無いと手が伸びない作品です。


推理小説の要素が入った「ハードボイルド」だと思ってましたが

実は北アメリカ大陸が「西部劇」の時代からいや、大陸が誕生した時から抱えている致命的な問題も提起された映画です。


調べれば調べる程、本当に泥沼だわコレ。


物語本編は、ジャック・ニコルソンが職務に忠実で正義感の強い探偵を見事に演じきった作品です(汗)


ただまあ私の場合あのオジサンのイメージが

「バットマン:ジョーカー」

「シャイニング:アレなお父さん」の印象が強いせいで笑顔が滅茶苦茶こぇ~です。


※故:芦田豊雄監督(代表作:UFO戦士ダイアポロ…もとい銀河漂流バイファム/魔神英雄伝ワタル等)曰わく「ミックジャガーとジャックニコルソンの歯茎は凄い!(怖い!)」


いつあの狂気な演技が出るのか期待…もといヒヤヒヤしてました(注:そんな映画では断じてありませんから)


ここまで敢えてふざけた文章になったのは理由が有りまして、実はこの映画最後まで一切の救いが無いバットエンドな物語だったりします。


事件の犯人も動機やトリックも全て明らかになりますが


正義感の強い真面目な刑事

(警官辞めて浮気調査専門の探偵になり果てた主人公が許せない幼稚な理想主義者)

が全てを台無しにする皮肉的な結末が待っています。


タイトルの「チャイナタウン」の由来は主人公の私立探偵「ジェイク」が物語の中で敢えて語らない「警官を辞めた理由→とある忌まわしい事件現場」と今回の救いの無い物語の「クライマックス」の舞台となった場所から取っています。


映画公開から既に数十年、日本人街と共に中国人街も死語となりつつあります。


戦争中強制収容所送りになった日本人の家に黒人や南米からの不法移民が住みつく様になり、


戦後は更に大勢の韓国人が棲みついて

(現在も増加中、密入国も多く自称中国人や日本人と最初は名乗っているそうです)


中国人街も日本人街も陰険で手段を選ばない嫌がらせに耐えかねてどんどん居なくなっています。


「ブレードランナー」のレプリカント潜入事件が発生した2019年まで後わずか4年。


あの映画じゃロサンゼルス市は「止まない酸の雨」や「逃亡レプリカント(人造人間)」が問題になってましたがもっと陰惨な事になりそうです(笑)

人種対立の行く先はルワンダかポル・ポトか?


以下ストーリー紹介&若干ネタバレ有りますからご注意下さい。



【1937年夏:カリフォルニア州・ロサンゼルス市】


 「結局の所、誰かを助けるという事は別の誰かを助けないという事なんだ … by衛宮切嗣」


「理想を抱いたまま溺死しろ … byランサー」


出典:アニメ/Fait stay night より



 暑さによる慢性的な水不足→給水制限が始まっていたロサンゼルス市。


※実際は数年前にコロラド川からの巨大水路建設で実は若干状況改善してます。

むしろ2015年現在、人口の急激な増加で地下水迄無くなりつつある現在の方がはるかにヤバいです(笑)


 数年前にある事件をきっかけに警官を辞め探偵事務所を始めた主人公「ジェイク」は


2人の頼りになる部下と決して愛想は良くないが仕事の出来る受付嬢「ソフィ」も加わってささやかながら順調な探偵家業を続けていた。


 折しも世間でダムの建設計画&公聴会が近く始まるある日

金払いは良いが妙な依頼が舞い込んできた。


仕事はいつも通りの浮気調査、


ターゲットは今話題のダム建設計画の重要責任者、建設技師の

「ホリス・モーレィ」

依頼者はその妻

「イブリン・モーレィ」

1見何らおかしい所は無い筈なんだが?


何故このタイミングで浮気調査?


疑問を抱きつつも調査は始まった。



【建築技師ホリスは何かを調べていた】


まずはターゲット本人を確認出来る

市役所主催、ダム建設承認の公聴会に参加したジェイク


市長を始め市民の大半が賛成している事案に特に興味は無かったが、

意外な展開が待っていた。


責任者のホリスはダムの設計上のミスを指摘し建設に反対。

畑や牧場に水が送られる筈の農民達は

「ロサンゼルス市が自分達の水を盗んでいる」と抗議活動。

公聴会は混乱状態で中断されてしまう。



公聴会の後、ホリスは


給水制限で停止中の取水場を調査→


水が既に殆ど流れなくなった川の側で馬を操るメキシコ人少年と会話→


浮気相手と思われる10代後半の少女と会食決定的な証拠にはならなかったが何とか写真撮影成功→


何故か家には帰らず海岸線の水が流れない筈の排水口の真下で何かが来るのを待っていた。


…いったいあいつは何を調べてるんだろう?

気にはなるけど今回の仕事は浮気調査。


帰る直前「排水口から吹き出した水」のせいで危うく尾行がバレそうになったジェイクは諦めて帰宅した。


…数日後ジェイクは交代で貼り付いていた部下の協力でホリスと浮気相手のキスシーンの撮影成功


イブリン夫人からちゃんと報酬も受け取った。

後は夫婦の問題です

…となる筈だったが


【騙された探偵は怒りに燃える】


 報酬を受け取りホクホクのジェイクは翌日床屋で見せ付けられた新聞にショックを受ける。


建築技師ホリスの浮気写真とセンセーショナルな記事が新聞の一面に掲載されていた。


更に探偵事務所に驚くべき来客が

浮気調査を依頼した「イブリン夫人」は全くの偽物。


激怒した本物の「イブリン」と弁護士が探偵事務所を告訴する為待っていた。


ジェイクは謝罪の為、新聞が掲載される前日から行方不明になった「ホリス」を捜したが既に最悪の事態になっていた。


「ホリス」が毎日の様に調査をしていた「取水場」の入り口に警官達が集まっている

そこには溺死し引き上げられる「ホリス」の姿があった。



【ようやく解った!これは事故や自殺なんかじゃない!!】


 罪悪感を抱きながら現場に潜り込んだジェイク。

ところがかってチャイナタウンで共に苦労→現在出世して警部となった同僚や検死官の推測は意外なものだった


遺体の状況、実際の死亡推定時刻から判断すると

「ホリス」はそもそも新聞に記事がでる数日前に溺死していた


死んだ人間が新聞記事を読んで絶望→自殺する筈がない。


おそらくは偶々取水場を訪れた際に誤って落ちた事故。

そうなる筈だった。


ホリスの肺に入っていた水が大量の海水だったと解るまでは…


同じ頃、検死官にホリスの死因を尋ねに来ていた「ジェイク」は偶々妙な水死体を紹介される事になった


ホリスが「水の流れない川で発見・通報したホームレスの遺体」

彼の死因は同じく大量の水が肺に入った事による溺死。



更に「ホリス」の遺体確認&事件の疑いで刑事達の尋問を受けていた「イブリン」から意外な話を聞く事に…


実は浮気調査を偽物の「イブリン」から受ける数日前に


「ホリス」から浮気の事実を知らされた本物の「イブリン」はその浮気相手も交え話し合いを行い。


公表しない事で示談が成立していた。


浮気事件のタレコミを疑われた探偵「ジェイク」に

殺人の疑いを掛けられた未亡人「イブリン」は改めて事件の調査を依頼。


「ホリス」が殺された理由を探して調査が始まった。



以降、物語がどうゆう風に展開してゆくのかは実際映画を見て楽しんで下さい。


現在も使われいる本当に薄汚い手口やあまりにも気持ち悪い真実そして救いのない悲惨な結末が待っています。


実はこの作品の監督「ロマン・ポランスキー」は映画撮影の数年前にロサンゼルス市で妻「シャロン・テート」を殺されました。


どうしてもこの作品を監督して欲しいとプロデューサーから嘆願され引き受けましたが唯一の希望があのラストへの脚本変更だったそうです


撮影→映画公開後に何故か「あの登場人物と同じ犯罪を犯したと告訴された」彼は以降、二度とアメリカに入国する事は有りませんでした。





【本当に全部フィクションだったら良かったんだけどね…】


 この映画に登場する金儲けの為の最低の手口は、実は「西部劇の時代」から使われています。


現在もまかり通っているこの犯罪行為に怒りを覚えていた「ジョン・ヒューズ監督」はこの映画で敢えてその汚れ役を演じました。


※名前を聞いてピンときた人は多い筈ですアメリカの西部劇映画の重鎮です。


…流石に殺人事件までは最近ありませんがまるっきり架空の話ではないのが救えないですね。



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― 新着の感想 ―
[良い点] <未視聴> タイトルから手に取る事すら頭にありませんでした(笑) [気になる点] 「チャイナシンドローム」と違い名作の予感が! といっても多分今置いてないだろうなぁ。 「西部劇時代から…
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