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ヨーロッパの解放① 70年

せっかくですから

あの「ガールズ&パンツァー」でも出せなかった危ない話もオマケに付けましたが。

【ソビエトの戦争映画は果てしなく長い】


 始めに、この映画については第1部~第5部まで1本に纏めると全部で7時間48分という地獄絵図となります。


制作期間約6年

使用した

戦車の数1万台

各種車両1000台

飛行機1000機

大砲150台

登場人物3万人

莫大な制作費は国防予算から捻出されて実現した2度と再現不可能な規模の作品でした。


アニメ・ガールズ&パンツァー・タイアップ企画の名の元にDVD化/デジタルリマスター/ストーリー分割構成に合わせて再編集されましたからそのバージョンで紹介。感想を書きたいと思います


普通にやったら間違い無く死にますから(笑)


 では第1部:史上最大の戦車戦「クルスク戦」の紹介です。

時代は1943年7月~8月迄


○ドイツ側:68万5000人

戦車:推定2800台

大砲:〃9000門

飛行機:〃1850機


最終的な戦死行方不明者:約1万3千人

負傷者:約5万人

戦車損失:273台


○ソビエト側:111万5700人

戦車:推定3028台

大砲:〃1万4300門

飛行機:〃1915機


最終的な戦死行方不明者:約7万人

負傷者:約11万人

戦車損失:1614台


合わせて約200万人と戦車だけでも6000台が戦った空前絶後の戦いでした。

…被害数見て殆どの方はお気付きでしょうが、実は負けてますソビエト軍(笑)


他にも資料によって諸説あるんですがロシア人の捕虜が数万単位で発生、後方に送られ土木工事やらされてました。


まあ、そっちは後日反撃の際に滅茶苦茶減った戦力の補充兵としてソビエト軍が改めて使い潰してしまったという、おっかない事実が有ります。

(大戦後半にソビエト軍が多用した戦車の専用随伴兵→平均寿命一週間です。)


※被害者や損失した戦車の数は最近判明したデータから取ってます。

但しこれもどこまで正確なのかは不明です。

なんせ10年前の資料でも本や編纂した歴史学者によっては万単位で違ってますから。

航空機や火砲の損失は実は正確なデータが未だ有りません。


但し戦闘の前半だけでソビエト側は最低でも450機以上撃墜されました。

ドイツ軍側はレーダーで正確な位置を前もって探知、待ち伏せ攻撃で袋だたきにしています。



ちなみに映画の中でバンバン登場して

やたら撃破されている

ドイツ軍の最強戦力

「タイガー戦車1型」は参加数わずか148台

但し破壊された数はたった10台(笑)

逆に返り討ちにした数は最低でも400台超えるそうです。


また勿論映画では居なかった事になってますが

伝説の急降下爆撃機乗り「空の魔王:ハンス・ウルリッヒ・ルーデル」は大暴れしました(笑)


※ソビエト軍の栄光描く筈が怪獣映画になりますしね。


※クルスク戦で最低でも戦車50台以上撃破してます。


このオッサンはデビュー戦でソビエトの戦艦1隻撃沈/巡洋艦1隻大破

の記録を残し


最終的に

戦車:700以上

各種車両:1500以上

飛行機撃墜:19機

小型船舶:150以上

戦艦:1隻撃沈1隻大破

巡洋艦:1隻大破

駆逐艦:1隻撃沈

の記録を残しました(笑)

ちなみに自分自身も15回以上撃墜されてます(笑)


愛機は最大速度400キロ以下しか出ないJU87スツーカ爆撃機です。


実際の所、8月に起きた連合軍のイタリア上陸作戦の成功でドイツ軍は緊急移動→なし崩し的に「クルスクの戦い」は終わりました。


という訳で第1部の映画は本当の所、殆どのシーンがデタラメです(笑)


但し戦争映画としては空前絶後のスケールで撮影されてますから空から撮影された360度全て戦車戦とか

見渡す限りの地平線全てにドイツ兵が居る信じられない光景が見れます。


今のCG技術を駆使してもこのスケールは無理です。


防御戦闘やってた砲兵隊が絶望的な戦闘を繰り広げるエピソードだけは事実だったりします。

部下に逃げられ上司に問い詰められた将校が拳銃1丁で戦車に向かって突っ込む悲惨なシーンが各地で実際にあったそうです。

※ソビエト軍の場合

何かある度「銃殺刑」が執行されてまして200万人近くが味方に殺されています。


またこの映画のストーリー紹介で困ったのは

主だった主役級の登場人物が居ない事です。

一応主役に近い形で看護婦の「ゾーヤ」が映画の後半から登場しますが、彼女と関わった人物は大半が惨たらしく戦死します(笑)


…なんか親戚の叔母さんそっくりなんですよ

おかげでいまいち萌えなくて(笑)




【オマケ話:全ての元凶は…】


 今回のクルスク戦で意外な機動力を見せて大活躍(?)したソビエト軍の主力戦車「T34」は


1930年代後半に開発「ノモンハン事件(ハルハ河戦争)」で日本軍の精鋭独立戦車部隊を殲滅した「BT高速戦車」の改良型です。


※当時の戦車としては破格の最高速度100km以上(一般道路で)

荒れ地や多少の湿地帯でも60㎞以上出せる化け物です。



実はこの高速を出せるシステムを発明しソビエト軍に技師を提供したのは、アメリカのある中小企業でした。


1920年代後半カリフォルニアで湿地帯を自由に動き回る

キャタピラ付水陸両用トラックを開発販売していた

「クリスティー社」は



当時画期的な時速100㎞で移動出来る高速戦車を開発。


アメリカ陸軍に売り込みました

ところが購入した陸軍はよりにもよって代金を踏み倒し知らんぷり。


開発に多額の予算を銀行から借りていたクリスティー社は倒産の危機に直面します。



追い詰められていたクリスティー社に声をかけてきたのは

当時世界中に多数の諜報員(スパイ)を潜り込ませていたソビエト政府でした。


合法的に技術を購入したソビエト政府は新型戦車の開発に着手。


以降ロシアと国名が代わった現在もまったく同じ基本技術が活用されています。

※大戦以降開発されたT44戦車はT34戦車のエンジン配置場所を変更→車体を低くする事に成功した改良型でクリスティー社の基本技術は今だに活用されています。


経営を立て直したクリスティー社はその後イギリス政府との契約取り付けにも成功しイギリスの「クロムウェル高速戦車」などの開発に協力しました。


但しトラブルを起こした某国の馬鹿陸軍とは最後まで物別れしたままとなり会社清算まで敵対したままです。


どうしようも無い理由でソビエト政府と契約した事を社長は死ぬまで後悔してまして、

1930年代後半に今度は「ナチス・ドイツ政府」が技術提供を持ちかけて来た時

「悪魔とは2度と手は結ばない」と断固拒否しています。



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