ナ・バ・テア None But Air 04年
2021年2/22〜2/24タブレット端末にて執筆し午後脱稿 同日128話に割り込み投稿 何とか無理やり起承転結纏めたので投稿しときます
【 あからさまに信頼出来ない語り手で有り 極めて視野が狭い主人公のモノローグだけ追っ掛けてると 何がいったいどうなったのかてんで解らなくなる本当に映像化する気皆無な困った物語の第二弾 此れ読んでるお客様相手に手短で分かりやすくストーリーを整理するなら押井守監督が撮った劇場版の舞台設定に準じたスタイルにしかならないのをご容赦下さいな。 とにかくスカイ・クロラ劇場公開当時の私が此れ読まされてたら ブックオフ送りにしてたかも(苦笑) 】
★其れにしても劇場公開どころかコミカライズも挫折した理由が何となく判ります 此れ起承転結が存在しないからドラマ化さえ大変だわ(汗)
日本SF文学
タイトルの意味は ただ空だけが有れば良かった
となるかな? 厳密には造語です。
森博嗣 著
2004年 中央公論社 刊
2004年 C★NOVELS 刊
表紙イラスト 鶴田謙二
2005年 中公文庫化
表紙イラスト 西尾鉄矢
英訳版は次巻も纒め2016年出版
いきなり小見出しでボロクソに貶してますが文学として読むに耐えない訳じゃ無いし73ページまで正体不明な僕のモノローグに振り回されひたすら眠気を我慢したら 其処から漸く面白くなるから駄作と言う訳でも有りません。 でも前作同様にスカイ・クロラ劇場版のあの雰囲気が好きなお客さんにはあまりの違いと主人公 草薙水素の女版菅野デストロイヤー振りに付いてけないかも……。 元々個人視点のモノローグがメインな物語って映像化してみるとかなり冗長な展開続いて睡眠薬になるから大概ポシャるんだよなぁ スカイ・クロラから続けて読むと何故今作が設定だけ流用され映像化のみならずコミカライズも断念したのか良く判ります。
このシリーズ 物語として成立させるなら最低限必須な状況説明 "何時" "何処で" "誰がどうした" "どうなったのか" が著しく欠落してるのよ。 国語教師が与えた課題でこんな作文出したら 或いは家の母が毎週楽しみにしてるバラエティ番組の芸能人が書いた短歌添削やってるあの厳しいけど面白い夏井いつき先生みたいなお客さんが此れ読んだら 間違いなく酷評されるだろうなと感じます 人様に読ませる努力を端から放棄してますので物凄く感情移入がし辛いのですよ。 と言う訳で原作者以外がストーリーを説明しようとすると かなりの割合で推測や思い込みから来る勘違いが混入致します 私が書いた駄文読んで原作手を出したら何か違ったと怒られそうですね
読む人によりそれぞれ受ける印象が変わってくるそんなモヤッとした掴み所が無いシリーズだとご理解下さい WikipediaやAmazonの書籍紹介欄が何故あんな端折った上にぼんやりしてる説明なのか 何となく理解出来ました(笑)
【 オレンジ色に染まった美しい空 黄昏の世界で繰り広げられる3対2の遭遇戦 馴れない機体に悪戦苦闘 少しでも自機の操作を誤れば数で有利な敵に撃ち落とされる だが初めて共に飛んだ同僚ティーチャは切れ味鋭いナイフの様な輝きを見せていた エンジンの不調に苦しめられながら何とか1機を撃ち落とした草薙水素が目の当たりにしたのは2機の双発戦闘機を理想の飛び方で翻弄し撃墜して見せた先輩パイロットの姿 空を飛んで居る間だけは笑っていられる彼女が何時までも共に飛んでいたいと感じる相手に出会ったのは此れが初めてだった。 】
★映画版では殺戮者でしたが原作版のティーチャは普通に悩み苦しみ不安に追われる人間のパイロット その辺りの落差に慣れるのに時間掛かるから原作読むなら間を置いた方が無難です。
草薙水素大尉が旧式化が進んだ重戦闘機 翠芽マーク6で敵機と交戦したのは基地に赴任してから2日目の夕刻 以前からその美しい飛び方が噂になっていた少佐 コールサイン=ティーチャと組んで初めての哨戒飛行 基本他人には無関心 性別的には女性だけどそう言う扱い受けるのが死ぬ程嫌いで、自分の事を僕と称する主人公が気を許し軽口を叩くのは自機の主任整備士で転勤先も常に一緒 戦闘機パイロットになった頃からの腐れ縁な笹倉永久ぐらい。
水素赴任まで長年男所帯だった戦隊司令を纏めて来た合田大佐は紳士的だが 交代要員含め20人程居る同僚戦闘機乗り(ちなみにその大半はキルドレが占めつつ有る)と数十人の地上スタッフ、食堂を取り纏めるオバちゃん達とも未だ距離感が掴めない 元々少食で痩せっぽち小柄、空ではその軽さが有利になるが何時までも大人の女性に成れないキルドレな自分と違い基地の周りには"そういう事"をして日銭を稼いでいる女達が沢山居る。 初めての女性操縦士だからと気を効かせた上司や同僚の計らいで宿舎は別棟 独り部屋は落ち着か無いから此処数日は笹倉に頼み込んで翠芽のコクピットに毛布を持ち込んで寝泊まりする事も多い
初めて乗った空冷エンジンの翠芽(其れまでの愛機はプッシャー式で水冷エンジン、操縦特性も全く違う散香)で敵機を撃墜したと言う主人公の柔軟性に驚く同僚 薬田大尉 彼女の無茶な機体コントロールに危機感を抱き「命を粗末にする飛び方は最後まで取っておけ」とアドバイスするティーチャ 気付いていなかった愛機の被弾に落ち込んだり落ち着かないと煙草燻らせる水素の二度目の出撃は、薬田やティーチャと組んでの味方機護衛任務。 合流ポイントに現れた機体は紫目と呼ばれる双胴4発エンジンの戦略爆撃機 恐らく目標は工場なんてちんけなモノじゃ無い 現れた敵機は全部で4機だが多分此れだけじゃ無い筈だ ティーチャと薬田が対処する中、爆撃機の側に張り付く命令を受けた水素の前に現れる敵2機 味方機を守りながらの空中戦は3人の連携プレーにより此方側の被害はゼロ 敵機5機を返り討ちとワンサイドな結末を迎える。
薬田から向けられる不器用な好意に戸惑ったり 合田司令から持ち掛けられた散香新型タイプへの機種転換の話に舞い上がる だがティーチャ自身は散香への機種転換を断ったらしい 共に草原に寝そべり煙草を燻らせながら憧れの男と無駄話 散香開発に長年関わりながらもトラクター式な旧来の戦闘機が好きだと呟くティーチャとの穏やかな時間 新型機 散香マークA2の配備が始まったのは其れから1ヶ月が経過した頃 その間6回程ティーチャと共に出撃したが敵機との接触は無く空振り状態 笹倉永久は念願だったティーチャが搭乗する翠芽の整備も任される事になり多忙な日々を送る。
新型機到着の前日、ゴミ置き場で見付けた年代物のバイクを仕事の合間にレストアしていた笹倉に誘われ2人乗りで外出 寂れたダイナーでミートパイとコーヒーを堪能 帰りは僕が運転したいと笹倉に頼み込み初めてのバイクで1本道を疾走 途中酔っ払い道路に転がっていた短髪の女=フーコを挽きそうになり 咄嗟に避けたがバイクは大破 取り敢えず基地に戻り女を介抱 フーコが漂わす独特な大人の色気に不仲だった母親を思い出し反発心を抱く主人公 新型散香マークA2を運んで来たのは水素の元同僚 彼女より一足先に戦隊を離れテストパイロットとなった赤座だった 早く此れに乗りたいと整備点検中も散香に貼り付いたままな主人公に微笑ましさすら感じている薬田や最近漸く名前覚えた同僚 辻間との遣り取り フーコはティーチャお気に入りの娼婦だった。
散香マークA2に機種転換した水素は戦隊に所属する全14機の1員として敵PMC相手の航空撃滅戦へ参加する 途中二度程他の戦隊と合流 PMCロストック社に所属する味方戦闘機は旧タイプの散香や翠芽も含め60機前後 現れたほぼ同数の敵機は見慣れない双胴型の戦闘機 戦いは初っ端から乱戦となり新型機を渡されコールサイン=ブーメランの称号貰った主人公は格闘戦の末に5機を撃墜 ハイテンションな状態で基地へと戻るが味方の損害は旧式な翠芽に集中し 戦隊の未帰還はやっと顔覚えた辻間含めて全部で5機 戦隊の戦果は全部で13機、他の戦隊も多くの敵機を落としているが同じく損害が出ており中には壊滅した戦隊も存在しているらしい 数日後に補充要員として赴任して来たのは何れも原隊が壊滅した2人のパイロット 1人は男で栗田大尉 もう1人はこの戦隊2人目の女性操縦士となる比嘉澤無位大尉 何方も水素同様、其れなりに修羅場を潜って来たキルドレ 無位と栗田の愛機は旧タイプの散香 戦隊の散香は全部で3機に増える。
大規模戦闘以降、何らかの理由が有るらしく度々基地を離れる様になったティーチャ 自分と同じキルドレで有りながら歳相応な女性としての細やかな振る舞いが出来てあからさまにティーチャに好意を抱く無位に抱く劣等感 ロストック社上層部に所属する女性幹部 甲斐の訪問 彼女から提示された戦隊司令への就任提示
「平均寿命が2年8ヶ月な戦闘機乗りを半ば引退し地上勤務メインで働く気は無いか? 返事を急ぐ必要は無いが心に留めて置いてくれ。」
翌日久しぶりにティーチャを編隊長とした散香3機、翠芽1機による西海岸の偵察飛行 敵味方不明な対空砲火に晒されながら不利な体制で始まる空中戦 敵機は双胴タイプな6機の高速戦闘機 何とか全機撃ち落としたもののコールサイン=クリスマス/無位の駆る散香が大破 緊急着陸のため近隣基地を目指すが、撃たれ重傷を負っていた彼女は滑走路の前で力尽きた 田園に不時着し躰は焼け焦げているものの奇跡的に顔は無事だった無位の遺体 幼い少女の無残な姿に無責任な同情めいた発言をやらかした群衆に激昂する水素 好意を寄せてくれたキルドレの死に責任を感じらしくない失言を吐いてしまったティーチャ
「お前は絶対に死ぬな 危ないと感じたら飛行機を降りろ。」
もしかしたら明日は何方かが居なくなるかも知れない 娼館へ向かうティーチャの車に無理やり同乗 待っていたフーコに頼み込んで2人きりとなった彼女とティーチャは身体を重ねる 翌日から互いに顔合わせるのが何か気まずくなり距離を置く2人 補充機として持ち込まれた散香マークA2は機種転換の研修終えた薬田の乗機となる 笹倉は何だか知らないがエンジンの改良に没頭 双発の新型戦闘攻撃機 染赤のテストパイロットに参加した水素とティーチャによる模擬空戦 空母での散香・艦上戦闘機タイプの実施テスト 当初のコールサインはチータだった筈が何故かスペル間違いで教師となったティーチャの由来 補充兵としてやって来た3人のキルドレと3機の散香マークA2 2ヶ月の間に水素は敵戦闘機14機を撃墜 薬田が墜ちる瞬間は見ていない。
此処数ヶ月、徐々に食欲が落ち続ける様になった水素が自らの身体の異変を自覚したのは半年以上経ってから……彼女は妊娠していた。 臨時休暇を取り里帰り 密かに馴染みの医者へ墮胎を頼み込みティーチャに連絡取るが、医師の相良のみならずティーチャも墮胎に反対 未熟児の状態で胎内から取り出された赤子=女の子は会社を辞め病院にやって来たティーチャに引き取られる事に 半ば喧嘩別れの様に縁が切れた2人 数年後、水素は未だ空に居る 偶々出会ったかなり手強い敵戦闘機と1対1の空中戦 互いにヘロヘロ状態となり時間切れ 交戦を諦めた彼女を驚かせたのは時代遅れなトラクタータイプの戦闘機に描かれた黒いチータの意匠とあからさまに見覚えの有るその飛行スタイル 相変わらずだなと翼振り姿を消した彼の笑顔を見て思わず喜びの叫び声を上げ、同僚にいぶかしがられる主人公はゴーグルを外し涙を拭う。
「馬鹿野郎 チータってことか、全く何考えてんだか……………。」
ロストック社が水素を戦隊司令に据えようとしたのは殺人ゲームを見た目だけでも華やかにしようとした妥協案 主人公が抱いた理不尽な怒りについてはストーリーに組み込めなかったから此処に書き残して置きます。




