モスキート爆撃隊 69年
2014年9/27投稿 2019年10/3全面改稿開始〜
見も蓋もない話ですが私はモスキートよりボーファイターの方が好みです。
【正直書くとテーマ曲や主人公の立ち位置 物語自体も色々被ってそうな 633爆撃隊よりコッチの方が好みです。 途中色々有るけど困難な任務乗り越え戦闘に勝利しボロボロでも必ず生きて帰る 史実の捕虜収容所脱走支援作戦ベースにしたフィクションですが詳しい話はちゃんと資料集めてから直します。】
原題:MOSQUITO SQUADRON
モスキート飛行中隊
イギリス劇場公開作品.
日本公開は1970年.
今みたいに割とどうでも良いバラエティーなんて日曜日の昼間しかやってなかった時代の話です。
家庭で簡単に映画やドラマなんか見れる筈も無い頃の定番な「お楽しみ」が、テレビ放送の映画でした。
特に夏休みの定番が「戦争映画特集」でこの映画については前後の週にやっていた「レッドバロン」「633爆撃隊」と内容がごっちゃになってた記憶が有ります。
数十年振りに上記の2作品も含めて見てみましたが意外と面白い作品です。
尚他には水曜ロードショー、日曜洋画劇場、ゴールデン洋画劇場等今も残る定番の映画番組が有り。
夏休みのシーズン向けに「ホラー映画特集」「アニメ映画特集」「SF映画特集」をやっていました
【残り物で再構成した低予算戦争映画】
ある意味「職人技」な作品。
音楽と演出、脚本がしっかりしてるとちゃんと映画は成立すると言う見本の様な作品です。
①別の大作映画「633爆撃隊」で余った飛行機の撮影フィルム+1部のシーンは新規撮影
※ストーリーが結構似てるのはご容赦下さいな。
好評だった633爆撃隊の丸パクりがバレて割と最近までDVD化もビデオ化もされなかった作品です。
②敢えて明るい主人公では無い地味な脇役クラスを主役に起用
※登場人物に今ひとつ華が無いから妙にリアルになっちゃいました(笑)
③実際にあった特殊作戦を映像化
※1944年4月19日に行われた「ジェリコー作戦」但しかなり脚色されています。
アミアン刑務所で1部死刑が決まっていたフランス・レジスタンスの救出作戦だったのですが712名中脱走出来たのは258名・内185名は再逮捕。
誤爆で102名が犠牲。74名が重傷を負い入院。
ドイツ軍側は看守85名死亡。
作戦を指揮した隊長機は撃墜され戦死。
他1機が撃墜→捕虜になりました。
蜂の巣状態で不時着したのは2機→廃棄処分。
護衛で参加した「タイフーン戦闘機」は2機撃墜されました。
犠牲者続出の割に効果がなかった為、2度と行われなかった作戦です。
(壁を破壊するのには少量のプラスチック爆弾で充分だったんですが…)
刑務所の壁だけ破壊する筈が10発近く命中したのに破壊出来た壁は僅か?建物は爆風と破片で酷い事に
(虫歯の治療に手榴弾を使う様な無茶な作戦です)
当時は「大成功」と宣伝していましたがフランス側は(-_-#)
主役の戦闘爆撃機「モスキート」は部品の大半が「バルサ材」組み立て加工は熟練の家具職人が技を駆使した変わり種の高性能飛行機です。
他の国でも金属資源の節約目的で木材加工の戦闘機は製造されていますがここまで性能が滅茶苦茶高い飛行機は作れませんでした。
なんせ、ジェット戦闘機登場までは普通の戦闘機が追いつけ無い加速性能、木製なんでレーダーでの探知も難しい飛行機です。
同じ会社で製造された後継機、ちなみにこれも主な材料がバルサ材な「ホーネット」も含めてプロペラ機の最高峰にある飛行機です。
【ジェリコの由来と物語について】
作戦名は旧約聖書の「ヨシュア記」から名付けられました。
「十戒」でお馴染みの「モーゼ」が亡くなった後、ユダヤ人の指導者となった「ヨシュア」が現在のヨルダン川西域に軍隊を率い侵入。
「神の声」の命令を受けながら、エルサレムに「進撃する」物語です。
もっとも「十戒」と違い映像化されない理由が有りまして、実際にやっていた事は都市国家の皆殺し&略奪行為でした。
「神の命令」で血の繋がった兄弟までも飼い犬に至るまで全て皆殺し!唯一の王様となった話を映像化するのは流石にマズい(汗)
今では竜退治の「聖ゲオルギウス」同様作り話扱いです。
物語自体も余所の宗教団体に出て来る英雄伝の丸パクりで、現在は架空のホラ話扱いになっています。
※あのモーゼの話よりも胡散臭い内容です
でその中に出て来る皆殺しの街の1つが「ジェリコ」です。
住民を守る為巨大な壁「ウォール・ジェリコ(…なんかどっかで聞いた様な(笑))で覆われた街を破壊する為にエルサレム軍は「鋼の巨人もとい→巨大ラッパ」を使用。
音の振動で壁を破壊し住民を皆殺しにしました。
※但し後年、遺跡を徹底的に調査した結果、壁の破壊自体デタラメだった事がはっきりしています。
彼等が来る数百年前から水不足で放棄。
既に誰も居ない廃墟でした。
では、物語本編へ戻ります。
捕虜救出&何故かフランス沿岸で建設中のV2ミサイル工場破壊作戦をクライマックスに幼馴染みの三角関係(恋愛?)を絡めた物語です。
大戦末期、フランス沿岸で毎日の様に「V1飛行爆弾」発射基地への攻撃を繰り返す「モスキート爆撃隊」
※簡単なレールで発射可能&なまじ性能の良い飛行機なら撃墜可能なこの「飛行爆弾」は多くの空軍パイロットに負担を掛けていました。
攻撃はなんとか成功しましたが隊長で主人公の幼なじみ「スコット」は撃墜され行方不明に
爆撃隊の一員で主人公「マロリー」は長年の経歴を買われ次の部隊長となります。
隊長として最初の仕事は、前任者の家族への行方不明報告でした。
スコットと妻「べス」とは親友で幼なじみ
※厳密には孤児だった「マロリー」はお金持ちのスコット家で育った為、兄弟みたいな関係です。
互いに慰め合う関係は何時しかささやかな恋愛関係に変わってゆきます。
その頃ドイツ軍はV1に替わる新たな攻撃兵器「V2ミサイル」投入の為、地下基地を建設。
連合軍の攻撃を避ける為隣の刑務所に捕虜収容所を設けていました。
強行偵察で事態を把握したイギリス空軍は「謎の新兵器(笑)・ゴム爆弾」による敵基地攻撃の為、マロリー隊に白羽の矢を立てます。
※阿呆兵器&デタラメ兵器開発で定評のあるイギリスですが流石にコレは存在しません。
残された記録映像見ると説得力無いけどさ。
脱線話になるから別の機会に。
得体の知れない新兵器(笑)の使用訓練に追われるマロリー隊。
何故か親切なドイツ軍は秘密基地攻撃の際に基地の秘密と捕虜収容所の映像を映画にして届けてくれました(笑)
※この映画がB級扱いになった最大のお笑いシーンです。
空軍は急遽作戦を変更マロリー隊は秘密基地攻撃だけでなく捕虜救出作戦も同時に行う事になりました。
※別の部隊投入すれば済む話ですが突っ込み無しですよ。
捕虜収容所には次々とイギリス空軍の捕虜が集結。
その中には墜落で記憶喪失になったスコット隊長の姿がありました。




