グッドナイト&グッドラック 05年
2023年9/13〜9/14タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割込み投稿
例によって毒気満載なのでご注意を
【 事実上、ジョセフ・マッカーシー上院議員とその取巻きによる恐怖政治或いは異端審問と化した "赤狩り" を批判し立ち向かいCBS躍進に貢献した伝説の名キャスターが懸念していたのは、言論の正義や報道の自由を振り翳し彼等を失墜させてしまったマスコミの新たな独裁政権化 何の権限も持たない英雄として祀り上げられたエドワード・R・マローが抱いた懸念は半世紀を待たず現実となってしまった そんな堅苦しい物語を魅力的に仕立て上げたのは日本語吹替版で主人公演じた小林清志さんと相棒役の小山力也さん 野暮な字幕版よりそっちがお勧め 】
★"エギーユ・デラーズ"も小林さんの声と演技力無けりゃ単なるハゲのテロリストな親玉だったね(苦笑) 吹替版が凄く魅力的じゃ無けりゃスルーしてました
原題:GOOD NIGHT, AND GOOD LUCK
お休みなさい、そして《皆様の》幸運を祈ります
アメリカ 劇場公開作品
2006年 日本 劇場公開
❖モノクロ作品
令和5年9月13日本日は朝から病院 受診料やら薬代やら考えるとただでさえも気が重い動脈硬化のエコー検査やら心電図検査終えたけど今年はレントゲン撮影無かったから幾分低負担で抑えられホッとしている所です 其れでも7000円消えたけど 明後日には不動産屋でややこしい書類手続き 其れが終わったら今度は祖父の三回忌法要で坊さんとか葬儀会社と打ち合わせ 武漢コロナの蔓延を盾に、親族にも家に顔出さなくて良いと此処3年ばかりは逃げ回ってたけど正直要らぬ気疲れでそろそろヤバい でも今年は此れが延々11月末まで続くんだよ 此れで年末年始もお祭り騒ぎなリーマン仕事やってたら斃れてるぞ という訳で独神で妻子も居ないのに親族会議で仏壇&位牌の管理丸投げされた愚痴をこぼしつつ本来の私なら決して見向きもしない題材テーマにしたこんな物語を
アカデミー賞とかエミー賞もらうような作品ですので はっきり言って業界関係者向けの内輪受けに徹したゴミ映画です此れ(苦笑)
映画では思いっ切り都合の悪いそもそも煽った馬鹿は誰だったという責任論をばっさり省いてますが ラジオ放送からテレビ放映へ路線変更図り多くの中小テレビ局を買収する形で急成長遂げたアメリカ三大ネットワークの1つCBS 元々ラジオ放送やってた頃から正確な報道の合間にさらっとキャスターの私見や思い込みを交え世論誘導で聴取率伸ばしスポンサーを増やして来たのは有名な話 極め付けは俳優オーソン・ウェルズや本物の局アナウンサーを起用し、H.GウェルズのSF小説・宇宙戦争をあたかも本当にアメリカ合衆国に火星人がトライポッドで攻めてきたとドキュメント形式で生放送 パニック引き起こしたのはメディア史習った人々には有名な話 ナチス・ドイツの侵略戦争の最中も孤立主義を深めるアメリカ合衆国の世論に危機感抱き本作の主人公エドワード・R・マローをロンドンへ派遣 ドイツ軍による市街地狙った無差別爆撃をラジオで生中継し、ナチス・ドイツを滅ぼさなければ次は自分達の番だと世論を誘導
その後、今度の敵は共産圏だと第二次世界大戦後始まった"赤狩り"をラジオとテレビで生中継 原爆開発に関わったユダヤ人科学者=ローゼンバーグ夫妻をソ連のスパイとして有罪判決 確かに夫妻がソ連の原爆開発に協力してた証拠見付かったけど 電気椅子で夫妻処刑する音声をラジオ全米生中継した史実読んだ辺りで彼の国のメディアは単細胞な国民諸共滅びてしまえとすら思ったしなぁ
此処まで書いたら大凡想像つくでしょうが、ジョセフ・マッカーシー上院議員ってそろそろ此奴目障りになったし飽きた 今度はテレビ局のキャスターやラジオ局のアナウンサーを公職から追放したり最悪の場合、局が潰されたり自身や妻子が強要された密告で強制収容所に送られたり最悪死刑も有り得るから潰してしまえと 軍に向けられた異端審問に危機感抱いた主人公等を焚き付け用済みの狂犬にけしかけた経緯を思いっ切り美化して描いたのがこの映画になります 粛清後程なく病でくたばったマッカーシー上院議員の疑念は紛れもない事実だったと判明したのは誰も彼もが鬼籍に入りソ連も崩壊して後顧の憂いも消えた90年代 ヴェノナ文書を取り上げるのは此れが最初でも最後でも無いのでその辺りは追々 どうも脚本家を始め数人の製作スタッフや俳優達は薄々其れ見抜いてたらしく評論家にバレない様にこっそり皮肉ってるんだけどどうにか誤魔化しきれたようです(苦笑)
【 ちなみに私が本作取り上げようと思ったのは 故 中沢啓治先生の代表作となった漫画"はだしのゲン"に対する自称愛国者の一方的な批判とバッシングに故人を英雄に祀り上げ反戦反核兵器運動のお飾りに利用する恥知らずな反社活動家達の振る舞いに嫌悪感抱いたから 彼が天皇制を否定しアメリカ合衆国に嫌悪感抱くのは個人の思想信条の自由だし、そもそも両親に弟や2人の妹を原爆で殺されたのは紛れもない事実 あの作品は彼の実体験です 私が漫画読んでて強烈だったのは偶々生き延びた彼が抱える罪悪感と東京や各地方都市や農村で散々味わった被爆者に対する陰湿な差別 図書館から排除され無かった事にされるのが許せない 尚、沖縄戦も少年ジャンプで漫画化してるけど圧力掛かって単行本化されてないんだよ 】
★例え其れが毛沢東語録や我が闘争だろうが、正々堂々と批判するなら不快に感じようがちゃんと相手の主張に一度は耳を傾けろ ボコボコに殴り倒すのは其れからでも遅く有りません(笑)
「 テレビは人を欺き、笑わせる事で真実を視聴者から隠し続ける…… もしこのまま三大ネットワークがこんな恥知らずな忖度を繰り返していたら 50年も経ずにアメリカ合衆国を覆い尽くすのは格差による退廃と思想信条の隔絶による内乱状態の始まりだ。 」
1958年10月15日 アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ テレビ・ラジオ報道担当者協会RTNDA年次総会の特別ゲストに招かれた報道の自由を"赤狩り"から守り抜いた英雄エドワード・R・マローを称えるイベントにおける彼のスピーチは意外にも既存メディアに対する強烈な批判から始まる 死してなお葉に着せぬ発言で多くのリベラルに慕われ続けるジョセフ・マッカーシー上院議員を没落させ憤死に追い込んだマローやプロデューサーのフレッド・フレンドリーへのバッシング スポンサーであるアルコア社(アルミニウム製品取り仕切る大企業で勿論軍にも色々納品してる)からの圧力に屈したCBSはあの事件に関わった多くの番組スタッフを解雇し 毒にも薬にもならないバラエティ路線やメロドラマをメインとした放映形態に変わろうとしていた
物語は遡り1953年10月14日夜、ニューヨークCBSテレビ本社ビル内の喧騒風景へ 40年代末期から始まった民主党による異端審問=赤狩りの波は公明正大な中立を社則とするテレビ業界にも暗い影を投げかける ジョセフ・マッカーシー上院議員をリーダーとする非米活動委員会から送られて来たのは "私は共産党員では無いと確約誓う証明書類への記載強要とテレビ局にも居るであろう工作員を炙り出すための密告要請" もし逆らえば仕事を失うのみならず妻子や親族にまで危害が及ぶ 映画では敢えて触れてないが懲罰委員会が公職からの追放や逮捕国籍剥奪を狙っていたのは東欧移民……特に異教徒でもあるユダヤ人だった。
CBSのウィリアム・ペイリー会長を始め主だった役員やキャスター達も冤罪恐れサインする中、悩んでいたのは社則に反し密かに交際の末に籍を入れていたジョーとシャーリー ニュース解説をメインに据えた人気番組SEE IT NOWで取り上げるニュースを決める打ち合わせ 番組司会者のエドワード・R・マローが着目したのは何者かの密告書により父親と姉が共産党員に仕立てられ軍を放逐されようとしているセルビア系のマイロ・ラドロヴィッチ中尉の訴え 空軍上層部すら懲罰委員会に忖度しまともな審議すら行わず中尉を切り捨てる もし肉親が共産党シンパだとしても中尉やその妻子までもが罪人扱いされるのは如何なものか? スポンサーの放映自粛要請をブッチする形で行われた問題提起に CBSとそのスポンサーに対するバッシング始める非米活動委員会
狙われたのは妻と別居中で精神的に不安定なマローの同僚ドン・ホレンベックやシャーリーと密かに結婚生活続けてるジョー・ワッシュバー リベラル系の新聞記者からマローが共産党シンパだと無理矢理でっち上げた告発記事渡され上司の追い落とし命じられたジョーは激昂し腹をくくる 例え会社規則に違反し同僚と結婚してるのバラされ職を失おうと構うものか マッカーシー上院議員の矛盾に満ちた過去の発言を論う二度目の告発番組も喝采を浴び ラドロヴィッチ中尉の解雇命令も無事撤回された 非米活動委員会は国防省で事務員として働く老女アニー・リー・モスが黒人で有る事を理由にソ連の潜入工作員として告発 ヒステリックなマッカーシー上院議員による疑わしい者は皆アカに違い無いと決め付けるその宗教裁判は批判の嵐に晒される マローをソ連の工作員だと断言するマッカーシー上院議員の記録映像は勿論テレビでノーカット放映 彼の発言は妄想以外の何物でも無いと順序立て視聴者に分かりやすく伝えるマローの生放送は彼等の愚かさを顕にする事になった
だが論争を恐れたアルコア社が番組スポンサーを降りた事でCBSは報道部門のリストラを敢行せざる終えず SEE IT NOWも金曜日のゴールデンタイムから誰も見る者が居ない日曜日の午後に放映時間変更を余儀なくされ マローを庇い延々と嫌がらせを受けていたドン・ホレンベックも遂に心病み自宅で命絶ち 密告状によりシャーリーとジョーも規約違反理由にCBSを解雇される事になった 例え予算削られ左遷されようが戦い続けよう マローとフレンドリーは徹底抗戦誓うものの 恐怖で人々を縛る者達に何処までも卑屈なテレビ局上層部とスポンサーの態度に腸が煮えくり返っていたしこの仕事を虚しく感じ始めていた そして物語は再び1958年10月14日のイベント会場でマローが観客に語り掛ける警告で幕を下ろす テレビは人を正しく導き考えさせるモノで無ければならない もし今リアルタイムで行われている様にこの媒体が現実逃避の道具として使われ続けるならば……やがて視聴者からも見放される日がやって来る
お休みなさい、そして貴方の幸運を祈ります
1961年マローの第二の職場は JFケネディ大統領に請われる形でのUSIA=合衆国情報庁長官への就任 マッカーシー上院議員と非米活動委員会が仕出かした後始末に追われつつもアドバイザーとして活躍 1963年に癌によりその人生を終えた
白黒画面で描かれる渋いオッサン達の物語だけど絶えずタバコ吸ってるのが時代感じます そういや酒を飲むシーンも今では検閲入るとか 自由の国アメリカ合衆国って何処に行ったんでしょうね?




