シンメトリー 08年
2023年4/12〜4/14タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
姫川玲子シリーズ第三弾
【 姫川玲子警部補シリーズ第3弾は短編集と言うより箸休め回 敢えてバラエティ豊かにしてるのは雑誌掲載だからこそ 後期高齢者が起こした自動車事故による過失致死傷罪に問われる裁判で またしても執行猶予付きな温情判決とやらが出たのでね ちょっと色々考えながら再読した所です 元々自動車普及目的にこの手の事故は実際に刃物手にやらかした犯罪より罰則軽くなりがちだけどさ………私も含めそろそろ健康面に難有りだったり判断力や反射神経が低下する一方ならば 交通違反や事故の責任はいい加減厳しくしないと事故死は増えるばかりだと思う 】
★車であれ刃物であれ正当防衛ならともかく 人の命奪ったり怪我負わせてしまったら同じ罪にならないと不公平だと思います 日本は此れに銃が加わらないだけまだマシなのかも知れないが家族奪われた方は堪らんよ
英題:SYMMETRY
左右対称 或いは 均等
日本 ミステリー小説
誉田哲也 著
光文社雑誌 小説宝石 2004年〜2008年 不定期掲載
2008年光文社刊 2011年文庫化
"手紙"以外は2012年&2019年フジテレビでドラマ化
令和5年4月12日 嘉手納基地のF-15イーグル戦闘機順次退役に伴いF-35ライトニングⅡの離着陸訓練が本格的に始まりました。 かれこれ四半世紀近く聞き慣れたエンジン音と明らかに異なる単発エンジンの響きが独特だし仮想敵機として上がってるF-15とは明らかに違ってますが、まぁその内慣れるでしょう CH47ヘリに代わってオスプレイが上空行き来するのも低空でホバリング飛行やらかした挙げ句建物も窓ガラスも変な振動するのもそろそろ日常茶飯事になりつつ有ります 航空自衛隊のF-2戦闘爆撃機も増産して此処沖縄に配備して欲しいモノですが其れが叶わないならせめてミサイルぐらいは無いと色々厳しいかな 既に中国は侵略戦争始める気満々だから急がないと手遅れになる で時事ネタは此処までとして3冊連続で誉田哲也先生の作品紹介です
前振りどうしようか悩んでたけど短編集のタイトルにもなったエピソードの様な判例が最近頻発 本当にこの国の司法は加害者の人権擁護やぶっちゃけ殆ど成功例が無い更生が優先し被害者に寄り添う判決出してるのか疑問抱く様になりました なお此れは死刑廃止含め特亜利権に塗れた国連の意向でも有るらしい 日本人はコオロギ食えと押し売りしたり中国製のソーラーパネルで森林破壊進めるこの国の政権与党なんかくたばりやがれ 私自身も公共交通機関がアテにならない僻地暮らしだしそろそろ棺桶に片足突っ込んでる年代だから多少反射神経が低下しても免許返納なんざ考えられないのは理解出来るのだけれど 安易に凶器に変貌する自動車の運転免許を持つと言うことは 周りの人々が安全に暮らせる様な環境を守る義務が有る 交通違反は言語道断だし ましてや自身のミスで誰かを怪我させた場合は相応の責任を取らなければならないと思います ブレーキとアクセルを踏み間違えた? スマホに夢中で周りが見えなかった? そんな下らない理由で己の罪や責任から免れられるとでも? 甘いよ。
■東京/小説宝石 2006年6月号
❖全国合同は10月辺りらしいですが 殆どの地方は勤労感謝の日前後にスケジュール組まれる警察官&消防士をメインとする殉職者慰霊祭 対象は官憲のみならず誰かを助けようとして命失った民間人も含まれます とは言え病死は殉職扱いにはなりません
2004年2月27日 品川署時代の恩師と言える強行犯捜査係 故 木暮利光巡査部長の墓参り 景子夫人と故人の思い出話をしながら花を手向けた帰り道 擦れ違ったのはかつて木暮巡査部長が身体張りその心諸共救い出した多田美代子 彼女との出会いは今から6年前の夏、品川区東高校で起きた水泳部生徒墜死事故 当時15歳の美代子は部活の上級生から執拗な虐め受けており拷問役だった栗原知世が亡くなった原因は偶発的な事故だった 隠蔽図る上級生のパワハラと罪悪感の板挟みとなり独り屋上から飛び降りようとした少女に自身が余命1年の末期癌で有る事実を告白し身体張り説得してみせた言葉足らずな不器用な上司 木暮が亡くなったのは告知受けてから2年後の事。
三回忌を終え、夫の遺骨共々田舎へ隠遁しようと考えていた景子が此処東京に残る事を決意したのは 毎年の命日にお墓参りを続けてくれる亡き夫に命や魂を救われた大勢の老若男女達 ただ思い出だけで生きるのもアレだから昔取った杵柄で飲み屋でも開こうか そう語る景子にならば店の常連になりますと笑う玲子の姿でこのエピソードは締めとなる。
■過ぎた正義/小説宝石 2004年10月号
❖東野圭吾先生始めとして多くの作家さんが題材にする未成年者の凶悪犯罪 欧米では既に更生無理だと裁判員裁判による厳罰化が進行中 やがて日本も外圧でそうなるかも
夏の盛りを迎えた埼玉県川越市南大塚 姫川玲子警部補がただでさえも忙しい最中を縫うように管轄外な埼玉県へ出掛け 延々3ヶ月も川越少年鑑別所に通いがてらその周囲のパトロールを続けていたのは 連続殺人犯となる覚悟を決めた元警部補 倉田修二に最後通牒と宣戦布告を叩き付ける為だった 息子 英樹がとある少女を殺し鑑別所へ 少女の肉親が復讐のため手に掛けたのは倉田警部補の妻 何処まで行っても未成年の凶悪犯罪者をまともに裁こうとしない司法や世論に対する不信から刑事を辞めた倉田が始めたのは何喰わぬ顔でシャバへ舞い戻って来た元少年達の処刑 不可解な死に様に最初に疑念を抱いたのはベテラン監察医の國奥定之助
倉田が最後に殺そうと待ち構えているのは取り返しの付かない過ち犯した自身の息子 拘束期間終えた彼が出所するのは9月21日 今の所証拠は無いが必ず貴方を止めてみせる そう宣戦布告してきた姫川警部補の態度にかつて仲間と共に犯罪者を捕まえるために動いていた自身の魂を揺らす元刑事がヒロインに投げ掛けた言葉は意外なモノで…………。
■右では殴らない/小説宝石 2005年2月号
❖最近沖縄で激増してるのが軍属や大陸経由で潜り込む観光客が中高校生に売り付ける大麻 逮捕されても未成年者だからと表沙汰にならないし高校側は端からそんな生徒居なかった事になる 合成麻薬と違い毒性低いけど依存性が酒やタバコの比じゃ無いから自身のみならず周りの家族も犠牲になります 言っても無駄かも知れないが絶対に手を出すな 売春の方がまだマシです。
2004年1月下旬 出勤待機日を利用し以前手掛けた未解決事件を追っていた姫川警部補を呼び出したのは飲み仲間な監察医國奥定之助からの緊急要請 服用すれば劇症肝炎発症する毒物混入された合成麻薬が出回っているらしく既に1人が自宅アパートで腐乱死体で見付かり救急病棟に担ぎ込まれた2人目も程なく死亡 携帯履歴から浮かび上がる援交ついでに違法薬物バラ撒いていたのは都内のお嬢様学校に通う女子高校生 下坂美樹だった。 遊ぶ金欲しさに安易に身体売り姫川の神経逆撫でする失言繰り返す阿呆を問い詰め判明したのは 彼女に搾取された挙げ句、遂に思い詰め毒入り薬物プレゼントした医大生 宇田川浩一
こんなアホウに貢ぐ奴も大概だけど何処までも被害者面な女子高生に遂にブチ切れた姫川警部補は、利き腕で思いっ切り壁ドンしお説教 あまりの迫力にお漏らし仕出かした美樹はともかく流石にコンクリートを殴ったのは失敗だった 怒って席外す振りしながら医療室に駆け込んだ姫川は指折れてるかもと医師に言われ半ベソ状態 私も昔鉄の扉殴り脱臼したけどさ……怒りぶち撒けるならゴミ箱蹴るぐらいにしときなさいな(苦笑)
■シンメトリー/小説宝石 2007年10月号
❖業務上過失致死傷は殺人でも傷害でもない ドライブレコーダーの登場でそんな屁理屈はもう通用しないかと いい加減刑法も道路交通法もマメに改正しないと時代の変化に耐えられない 憲法9条なんざその最たるモノ
元JRの車掌 徳山和孝の人生を滅茶苦茶にしたのは 6年前酔っ払い運転の末に踏切に自動車を進ませ死者100人重軽傷者400人を越える大惨事を引き起こした人間の屑 米田靖史 此れだけの無辜の人々を殺傷したにも関わらず長い裁判の末に被告に下った判決は業務上過失致死傷罪によるたった5年の禁錮刑判決 JRと被害者遺族団体が起こした民事訴訟により8億以上の賠償命令が下ったものの被告は支払い能力皆無だからとのらりくらり責任躱し一向に賠償請求は進まない 常連客の女子高校生を助け出そうと脱線した車内へ飛び込み彼女を救えなかったばかりか右腕を切断 半ば精神を病み長いリハビリの末に退院果たしたものの後悔と後遺症に苦しむ徳山が米田を刺殺し列車使った自殺を偽装したのは数日前の事
貯金や退職金等を切り崩しネットカフェを定宿にしてる不具者を疑う者は居ない筈 そう考えつつも此れからどう生きるのか希望も何も無い徳山の前に現れたのは勿論姫川警部補 彼女によりアリバイ工作はおじゃんとなったものの不思議と腹が立たないのは何故だろう 姫川の笑顔に釣られる様に笑う徳山は素直に逮捕を受け入れる。
■左だけ見た場合/小説宝石 2008年1月号
❖超能力…… 有るかも知れないが論理的な説明が成り立たない以上は幽霊と一緒で無いモノと考えるのが正しい判断
2005年2月15日火曜日、東京都板橋区高島署管内で起きたマジシャン吉原秀一がアパートの自室で刺殺体となり発見される 被害者の携帯履歴を手掛かりに所轄署捜査班と総当たりでアリバイ確認を始める姫川警部補達だったが 通話履歴から浮かび上がる被害者と容疑者を繋ぐ過去の因縁 犯人 渡辺繁はかつて吉原が経営する工務店から建築資材を盗み出し会社を違約金負担で倒産させた張本人 まるで殺された被害者がどんな過程を経て奇術師となり容疑者を追い詰める最中、無念の最後を遂げたのかリアルに追体験したヒロイン達だが渡辺を逮捕し送検した後 鑑識課の調べで漸く判明したのは被害者の携帯端末に履歴が入力されたのは吉原が殺されてからだと判明
死んだ人間がどうやって姫川達に手掛かり残したのか 彼は参考人達が証言した通り本物の超能力者だったのか? 答えは調べようが無い。
■悪しき実/小説宝石 2005年12月号
❖次回作のプロローグとなる広域指定暴力団大和会との前哨戦 今じゃヤクザより半グレと呼ばれる屑や大陸系のマフィアが敵となりました
2004年11月下旬の商店街に程近い北区赤羽 姫川警部補達は通報者であり現場から独り立ち去った春川美津代を保護 首にロープ巻付け死んでいた遺体の身元は前科持ちの元大和会構成員 岸谷清次 内縁の妻だった春川は自殺した岸谷に寄り添い眠りその後警察へ通報し行方眩ませた事が判明 所轄署がコンビニ強盗殺人の帳場立てで多くの捜査員取られてんてこ舞いなため所轄署からの応援は4人のみ どうも大和会から追われていたらしい岸谷との出会いから始まる逃避行 9人以上の追手を返り討ちにしたものの徐々に悪夢に魘される様になり遂に自死した男が残した不可解な遺留品の正体は樒を使った手彫りの仏像 タイトルに繋がる謎解きについては本編読んで楽しんで貰うとして独りの男を破滅させた広域指定暴力団に怒りを抱くヒロインの描写でこのエピソードは幕を下ろす。
■手紙/小説宝石 2007年2月号
❖断罪だけでは受刑者の心は動かせない この物語は徹頭徹尾フィクションだけどこうで有ったら良いなという理想論は放棄しちゃいけないとなるエピソード
其れは姫川玲子がまだ巡査部長に昇進したばかりの頃の物語 碑文谷署交通課規制係の主任だった彼女は別件応援に駆り出され人手足りない目黒署へ なし崩し的に中目黒OL殺人事件に関わる事になった 被害者は社内でもかなり評判の悪かった杉元香苗42歳 殺人現場に残された遺留品や靴跡から当初は脅迫的なセクハラ受けていた男性容疑者による怨恨を疑われたが被疑者のアリバイは全てシロ 多くの捜査官達が彼女名義の7台もの携帯端末の履歴追い掛ける中、姫川警部補だけが遺された被害者のノートパソコンに着目しSNSの履歴から執拗なパワハラの末に精神的に追い詰められ被害者を殺害した武田由紀に辿り着く 逮捕〜判決受け収監されるまで被害者を罵り頑なだった武田の心境を変えたのは杉元のパワハラから彼女を守ってやれなかった会社社長からの真摯な詫びが綴られた長い手紙
懲役7年2ヶ月の刑期を4年で仮出所となった武田と姫川警部補の対話 罪を犯した人間は、まず赦されてから初めてその罰を受け入れるのかも まるで別人の様に生まれ変わり更生したらしい武田との遣り取りを感慨深げに語る姫川玲子を微笑まし気に眺める姫川班の何時ものメンバー そんな最中多摩で殺人事件と思われる不可解な遺留物が見付かりヒロイン等は現場へ急行するシーンでこのエピソードは終焉 前作ソウルケイジと時期も季節も違うから多分別の事件だと思われる。




