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春を嫌いになった理由 05年

2023年4/6〜4/7タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿

一応ミステリーに入るのかな此れ?

【 テレビ太陽毎週水曜日の人気番組 解決!超能力捜査班 春の2時間スペシャルに呼ばれたアメリカ合衆国からやって来たヒスパニック系超能力者マリア・エステラの通訳として駆り出されのは 遣り手女性プロデューサー名倉(なぐら)織江(おりえ)の姪で借金抱え親と絶賛同居中なアラサーなフリーター秋川(あきかわ)瑞希(みずき) 小学生の頃、その手の番組による陰湿な虐め被害者体験と 友人が犠牲者となった誘拐殺人事件に巻き込まれた事でオカルト売りにする胡散臭い輩に嫌悪感すら抱く彼女が目の当たりにした番組スタッフの本当の目的と訪れた意外な結末とは? 】


★東京・埼玉連続幼女誘拐殺傷事件とほぼ全部捏造だった日テレの"FBI超能力捜査官"を覚えているお客様向け 番組の元ネタは58もの事件解決してるけど未解決の案件も多かったテレビ朝日の"テレビの力 奇跡の扉"


日本 ホラー?小説

誉田(ほんだ)哲也(てつや)

2005年 幻冬舎 書き下ろし出版

2010年光文社文庫化/2023年同社にて新装版文庫化


 令和5年4月6日 本来なら他愛もない昔話から前振り始める積りだったけど本日夕方に宮古島をパトロール飛行してた陸上自衛隊のUH60ヘリが墜落したらしい 行方不明となっているのはパイロット含め10名 家から程近い普天間基地からもオスプレイや大型ヘリCH53が離陸し今此れ書いてる深夜帯も捜索続いているとの事 前回の結局原因不明なままの台湾漁船乗組員行方不明に続いての和いだ海でのトラブル 明日から大雨降るとかで急ぎ対応に追われているらしいが何とか無事であって欲しいと願いつつ…… とは言え続報待つしか無いんだよなあ 


この話は此処までとして今回何故こんな物語を取り上げようと思ったのか 其れは不特定多数の匿名の輩による誹謗中傷や集団ヒステリーそのものなNETリンチに嫌悪感を抱いたから 個人情報保護法が施行されてから2年後の2007年の6月をもって新規番組制作もありとあらゆる媒体における再放映も事実上不可能となったこの手の素人探偵や異端審問官を生み出したバラエティ番組って結局誰も責任取らず有耶無耶となったままなんだよね そういや昭和の頃は不特定多数が見聞きするテレビを使った寄付金募集とか行方不明者の情報提供呼び掛け やがて何処となく胡散臭い海外からの超能力者とか霊能者ゲストに未解決事件とかの電話での情報提供を生放送で集めるそんな番組が21世紀の始め頃まで存在したけど何時頃消えたんだろう そもそもアメリカ合衆国国内しか捜査権限無い筈のFBI捜査官が来日し番組スタッフと共にロケやったりしてたアレは何だったのか そんな好奇心から古本屋の50円特売コーナーに有った此れを買っちゃたのだけどね(苦笑) 


お陰で姫川玲子シリーズに手を出しちまったじゃないかど畜生


なお本作のテレビ番組のモデルとなった"テレビの力以下略" は被害者遺族の神経逆撫でする番組構成 得体の知れない超能力者だの霊能者による遺体発見現場ロケに関するクレーム電話 実際に犯人が慌てて証拠隠滅図り墓穴掘ったり 偶にやった幼い子供の臓器移植に関しての海外渡航費用カンパ等々 少しは実績有ったものの素人探偵による流言飛語とかデマ情報拡散して結果的に捜査の妨げになったりと色々有って番組打ち切り この手の厄介さんは日テレの"スッキリ"や"24時間テレビ"だけじゃ無いんだよな腹立つ事に



【 勿論海外でもテレビ媒体使った公開捜査 占い師や霊能者等々使った未解決事件の謎を追えみたいな番組は有ったそうですが 途轍も無く悪趣味だったり偽善的と言うより独善的な番組スタッフの対応が問題視されたり敢えてデマや無関係な個人の誹謗中傷流すアホウに振り回されたりと大概打ち切りになってます…… 視聴率は滅茶苦茶稼げるそうだけどね 一応其れなりに不可解な現象目撃した経験有るから忠告しとくけど オカルトはその無駄知識はともかくも犯罪捜査において直接的には何の役にも立ちません ハッタリに騙されテレビ見てた真犯人が動揺する事で捜査が進展する事例もゼロじゃないけどデメリットの方が遥かに多いかと 】


★そういやスピリチュアルとか霊的スポットとやらもTVじゃ取り上げなくなりました 私も最近占いの類は当てにしてませんね


 『 ハロー、プータロー 暇だろうお前 』 かなり面倒臭い性格してるアラサーヒロイン=秋山(あきやま)瑞希(みずき)が、怒らせると親よりも恐ろしく頭が上がらない叔母 名倉(なぐら)織江(おりえ)TV局プロデューサーに電話で呼び出され、六本木のカフェで押し付けられたアルバイトは オカルト番組のゲストとして呼び寄せたヒスパニック系アメリカンで霊能力者なマリア・エステラの通訳兼世話係。 拘束期間は8日間で報酬は25万 だが既に報酬は母の口座に振込まれイギリス留学で知り合った金髪イケメン詩人に入れ上げ浪費した自費出版費200万程の借金返済に充てられており 必要経費その他は現金支給されるものの実質只働き それでなくとも彼女にしてみればオカルト関連は鬼門そのものだった。 


小学4年生の頃に性的イタズラ目的で変質者に誘拐された友人 中島(なかじま)賀世子(かよこ) が殺されるイメージを幻視 その事を迂闊に口走ったがためにインチキ超能力者呼ばわりされ男女問わず陰湿なイジメを受けた瑞希(ヒロイン) 以降その手の類なテレビ番組も忌避し霊能者を騙る類の人間に嫌悪感すら抱いている だがそんな陰惨な過去を身近で見て相談にも乗っていた織江(叔母)が何故こんな胡散臭い番組の通訳として彼女を臨時雇いしたのか 何よりも其れなりの候補を全部失格とし瑞希を何故エステラは頼りに出来ると選んだのか この小説、多分映像化は不可能だから敢えてネタバレさせて貰うと 本人は全く自覚ないけど、とても26歳の社会人とは思えないレベルで色々欠落してるこの物語のヒロイン 普通の人間が見えたらいけないモノが視えてしまう呪術師(シャーマン)体質だったりする訳なのだが其れが明らかとなるのは事件解決後 最後辺りまでウジウジしたり妙な所で頑なだったり 他人に対する気遣いやら気の回し方が徹底的に的外れだったりと この物語追い掛ける読者を散々苛つかせる描写満載なのでさらっと流して置いて欲しい 


ちなみに高校⇒大学⇒留学先に就職面接等々でその尽く再デビューに失敗してるこのヒロインにとって1番憂鬱な季節が春だからこんなタイトルが付いている 物語はこのメインルートと同時進行で中国は福建省の寒村から日本へ密入国 歌舞伎町のグレイゾーンな飲み屋で従業員やホステスとして働いていた兄 (リン)守敬(ソウチン)&妹 (リン)玉娼(ウージェン)の苦労譚と兄妹が巻き込まれた凶悪犯罪事件 児童養護施設 若葉園出身で苦労しながら社会人に 偶々面白そうなオカルト番組見てたらとある変死体関連の情報で同じ園出身のフリーライター久保(くぼ)友則(とものり)の変わり果てた姿見て顔色変える若夫婦=岩本(いわもと)邦彦(くにひこ)美紀子(みきこ)の物語も挟み込まれややこしい事になるのだがバッサリ削らせて貰う


到着初日に始まった新宿ロケ 其れは幽霊の目撃情報と言う他愛もないモノだったがエステラが感じたのは廃ビルに転がる遺体の気配 色々有った翌日オーナーの許可得て始まった探索で呆気なく見付かったのは服を剥がされ殆どミイラ化進んだ男の変死体 慌てて警察に通報したものの所轄署の捜査官達はヒロイン等テレビ朝……もとい太陽のヤラセか殺害関与疑い中々返して貰えず撮影スケジュールも滅茶苦茶に 実は本当に遺体なんか見付かるとは予測すらしていなかった織江を始めとする制作スタッフの狙いは別の所に有ったのだが 端からこの茶番劇を見抜いていたエステラは同じ呪術師(シャーマン)体質の瑞希を本人に気付かれない様に誘導し鍛え直している 


『 貴方達はこの事件の主役でも当事者でも無い 奇跡の目撃者として番組制作に勤しみなさい 』


ヒロインの葛藤やらグダグダした心の揺れをメインとした物語と共に描かれる 一読した程度じゃ全く無関係だと思われた不法入国者な中国人兄妹と後先考えないその狂犬振りが闇社会でも恐れられてる台湾系マフィアの殺し屋 (ユエ)が引き起こす残虐行為 頭ごなしに殺人犯はこの番組の制作スタッフだと決め付け生中継のテレビ放送にまで貼り付く刑事と瑞希しか見えてないその寡黙な部下らしき人物 (ユエ)による日本人フリーライター殺害を目撃してしまった事で命狙われてる(リン)守敬(ソウチン)がテレビ太陽のスタジオまで逃げて来た事で明らかとなる物語の全体像 まぁエステラと瑞希の咄嗟の判断と行動により何とか大惨事は免れたものの 織江にとっても他の番組制作スタッフにしても喜ばしい事にその美貌がTV映えする愉快な霊能者(オモチャ)が手に入ったとニンマリし いきなりテレビタレントとして就職先が決まってしまったヒロインはよりにもよって嫌過ぎる才能を安価で扱き使われる未来を知り悲鳴上げてるオチで幕となる なお令和5年の今年に敢えて新装版が再発売されたと言う事は


………………合掌 強く生きろよヒロイン(笑)




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