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上空からの脅迫/奪還チーム④ 92年

2014年2/26ガラケー投稿 2018年10/21タブレット端末にて改稿開始〜10/22脱稿

【 ユダヤ人統一国家=イスラエルと未だ終わらないパレスチナ人との抗争の過程については本1冊分でも足りませんのでご容赦を 奪還シリーズのある意味外伝であり主人公マックス・モスの最後の物語とも言えるこの小説に関する要点だけ書き残します 1901年にロシアから入植した最初の人々はかつては政治の中枢にいて独特な古いヘブライ語を使う貴族階級として君臨し山岳ユダヤ人(コーサーカス人)と呼ばれていました 詳しい事情は映画化された“標的は11人=ミュンヘン”でネタにするとして イスラム教を信仰するパレスチナ人は宗派が違うだけで言語や遺伝子的にも全く同じ民族 何故かどちらもそれを認めず報道すらされません 】


★なお宗教絡むと民族融和なんて夢もまた夢と痛感してる今日この頃 ハマスもイスラム原理主義も滅ぼさないと多分無理だね此れ(苦笑)


原題:AIR BURST

曳火(えいか)=砲弾や隕石等の空中破裂を表し

原爆が一番効果的な被害を与える方法でもあります。

アメリカ.ポリティカルフィクション作品.

1988年発表.意外にも東西ドイツ統一前(汗)

1992年.新潮文庫で出版〜2018年現在は廃版.


 この小説を購入し初めて読んだ時、東西冷戦終結でテロの目的や性質が変わりポリティカルフィクションは時代遅れとなったんだなぁと勘違いしてましたが…コンピュータ専門用語はかなりアナクロとなりスマートフォンや動画サイトにソーシャルメディア(勿論当時はYouTubeなんて何処にも無いしフェイスブックやラインも同様だけどね。)の描写も無いって違和感こそ有りますが、まんまエースコンバットシリーズでネタにされそうな内容のほぼ予言じみたおっかないエピソードです。2001年の悪名高い旅客機による同時多発テロの13年前に描かれた物語…こっちは更にたちの悪いイスラエル製小型原爆によるホワイトハウスとワシントンD.C全住民のハイでは無くタウンジャックだけどね。


空軍将校だけど“奪還チームの優秀な自動車ドライバー”で、シリーズ3作に渡り戦闘ヘリや戦車、東ドイツ人民警察や特殊部隊の追跡車両…果ては父でありレーサーでは無く企業経営者を目指せと迫る父エリック・モスから逃げ回るだけの人生だった(おい…)主人公が軍を追われ最後に手に入れた翼は、当時主流だったテレビモニター確認しながら操縦するソレでは無くSF小説やアニメの世界にしか存在しなかったVRモニターヘルメットと体感システムを連動させた(実はシリーズ第1作の発展型)無人航空機(ドローン)操縦システム。


ハロルド・コイルの小説…イランvsソビエトvsアメリカ&多国籍軍の三つ巴の戦争描いた“武力対決”エジプトとリビアの戦争にソビエトとアメリカ&やっぱり多国籍軍(主にイギリス)が巻き込まれる“ブライト・スター作戦”麻薬や不法移民を取り扱う事で莫大な資産と権力手に入れた麻薬組織がメキシコとアメリカの戦争引き起こす“軍事介入”もそうですがハヤカワ文庫で昔出版された“ワイルド・ブルー”共々…このシリーズをネットか本屋で手軽に読める時代がいつか来て欲しいなぁとつくづく思います。最近久し振りに那覇のとある本屋立ち寄ったら…海外文庫本のコーナーが消費税増税の影響でしっかり縮小されてたし(泣)


という事であらすじです。中古本かアホみたいなプレミアついた英文のペーパーバッグ(日本円換算で6万5000以上って…ねえ。)しか入手出来ない作品ですからネタバレ上等で進めます なにもかも無分別に増える消費税と転売ヤーが悪い。



【 物語は東西冷戦終結&ポツダム軍事連絡部の任務終了と、前作での危険極まる独断専行の責任を取る形で空軍を除隊 長年故郷に戻って来るのを待っていた許嫁(名前忘れたけど今回のヒロイン)と共に病気と年齢的な衰弱で会社経営が厳しくなった父エリックと和解し軍需産業を引き継いだ主人公マックス・モスの近況とイスラエル独立から長年対立を続けてきた諜報組織モサドの重鎮とPLO=パレスチナ解放機構のレバノンでの秘密会合から始まります。 】


★現物読んだの今から○○年も前の話ですので記憶違いやうろ覚えなのは御容赦下さい。結局、このトンチキな駄文読んでくれた有り難いお客様の中にあの小説の詳細覚えてる方は当時も今も皆無でしたんで修正はネット検索して調べました。


 冷戦は終わったがパレスチナ側もイスラエル側も、過激な報復を公言する強硬派がトップに就任。最早惰性の様に続く愚かな殺し合いをどうにか終わらせる為に“モサドの大物スパイ”と“PLOの大物幹部”がそれぞれの軍に隠れて密かに計画したのは、選挙でユダヤロビイストの支援得る為に公然と新兵器を供給しパレスチナ人の自治独立を断じて認めない合衆国に手を引いてもらう事……古い映画ファンなら即座に見抜いたと思いますが4作目のコンセプトはジョン・ウェイン主演でジョン・フォード監督の代表作“黄色いリボン”です。


物語は2つの場面を並行して進みます。自身のよって立つ居場所=奪還チームとして東ドイツ人民警察やソビエト軍情報部との命懸けの追いかけっこから、会社組織の若き幹部候補としてあるいはヒロインも所属するドローン兵器開発部門のリーダーとして軍の経験を活かし但し独りで判断する環境に戸惑いを隠せないマックスと無益な殺し合いに関わった最後のけじめとしてイスラエル・パレスチナ双方の若者達に“融和と対話の未来”を遺そうと暗躍する老人達。


イスラエルの極秘施設から正体不明の特殊部隊に盗まれた原子爆弾。同じ頃PLO(厳密には過激派のPLFですがあちらの内部抗争もややこしいから省略します。)の特別作戦選抜メンバーに選ばれたとある若者は合衆国の片田舎で民間航空機免許取得の為に必死の特訓…多くの老人達=引退寸前のパ・イのテロリストとスパイの努力により持ち込まれた核兵器を搭載したセスナ機はCIAやFBIの追跡を逃れ遂に離陸。ワシントンDC上空を旋回。


 彼等の要求は“合衆国が関わったイスラエル核兵器開発の全貌”とその兵器が今現在も首都上空を起爆可能な状態で旋回している現状の公表。タイムリミットはセスナ機に残されたあと数時間の燃料が尽きるまで、条件を呑めばテロリストに屈した大統領と合衆国の地位は失墜しワシントンDC全域のパニックは必至。かと言って拒絶すれば、合衆国は真珠湾攻撃以来…しかも本丸への核攻撃を受ける事になる訳です。民間機を使ったテロ、まさか本当に実施する組織が出るとは当時誰も思っていませんでした。


ドローンの実演プレゼンにスタッフを引き連れ現れた主人公は、紆余曲折の末に問答無用で事態解決に協力せざるを得ない状況に追い込まれます。当時未だベトナム戦争中に投入されたテレビ誘導滑空爆弾。あるいは得体の知れない玩具扱いだったドローンでマックス・モスと彼の専属スタッフがやって見せたのは死角からセスナ機に取り付いた無人機に積んだ催眠ガスによるパイロットの無力化とVRシステムを応用した操縦システムのハッキング。


※余談ですが無線操縦の飛行機による偵察&爆薬を搭載しての体当たり攻撃は第二次大戦中からテスト&実行されてきます…有名な失敗例としては電波障害でドイツに落ちる筈だったTNT火薬満載のB17がイギリス上空を旋回。迂闊に撃墜も出来ないトラブルが発生〜戦後まで秘密となりました。結局この飛行機は行方不明のままです。


 事件は誰一人犠牲者を出す事無く解決しましたが、イスラエルから盗まれ合衆国に持ち込まれた核兵器は偽物。本物は兵器開発に関わった科学者達により施設の地下倉庫で隠蔽されている状態で発見されます。本当の目的は驕り高ぶる愚か者達への命懸けの警告、彼等はハナから誰も手に掛ける積りはありませんでした。あの事件を切っ掛けに自分の人生を見つめ直しちょっとした事で簡単に崩れ去る平和と安全について色々考える様になった主人公達。


一方、事態を掌握した合衆国政府機関にイスラエルのモサドを始めとする治安組織、PLO&PLF上層部は実行犯や組織の逮捕及び暗殺を始めます。自死を選ぶ者に敢えて逮捕される事で事件を知る者達に真意を伝える覚悟を決めた者。多くの若者達へ抵抗を呼び掛け、彼等を死地へ追いやった事を未だに悔やむPLO幹部の選んだ道は自身の死に様を後継者達に見せ付ける最後の授業。


シリーズは暗殺された彼を抱き締める弟子の少年の慟哭で幕を閉じます。


全体的にストーリーが地味な上に冷戦終結で顧客の嗜好も激変したから購入し読破した御客様も少なかったかも知れませんがトンプソンの新作は以降翻訳される事無く今に至ります。



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