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バリー・リンドン 75年

2021年9/14〜9/16深夜 タブレット端末にて執筆し脱稿 同日深夜投稿

あくまでもガス抜き回 いきなりPV41万突破致しましたので感謝を込めつつ

上映時間は3時間オーバー この作品取り上げようと思ったのは小室某の…………いえ何でも有りません 付け焼き刃がどうこう以前に品位が皆無だしな アレ

【 平民として理不尽に搾取されるだけの人生送るのが嫌なら 大切な何もかもを投げ捨て誰かを蹴落としてでも搾取する側へ=貴族へと這い上がれ 考えてみりゃアメリカン・ドリームなんてその際たるモノだったりするのですが 子供向けの御伽噺ならともかく這い上がったら這い上がったで何れ誰かに引き摺り下ろされるまでギャンブルは終わらない そもそも最後まで幸せなままの勝ち組人生なんて有り得ないよと描いたそんな物語 アナタは上手く負ける覚悟は出来てます? 】


★座って半畳寝て1畳 あの世へは何も持って行けません。 日本語ならこんな例えで終わるそんな寓話 ほぼ半世紀近く続く長い物語を無理矢理纏めたからナレーションが大概ウザい


原題:STANLEY KUBRIC’S / BARRY LYNDON

スタンリー・キューブリックのバリー・リンドン

イギリス/アメリカ合作 劇場公開作品

1976年 日本劇場公開

原作:ウィリアム・メイクピース・サッカレー 著

The Luck of Barry Lyndon / バリー・リンドンの幸運 1844年

翻訳版は1976年 角川文庫化

❖多分R40作品 人生達観出来る経験積まないと眠いだけです


 令和3年9月14日 随分前にDVDをレンタルした時、なんか矢鱈と長いし(ほぼ3時間)登場人物の感情表現がかなり抑え目で何か退屈だと即座に視聴諦めた物語ですが 色々欠落してるハードディスクに残されたデータ見てみると女性の誘惑で道誤り どんな手使っても成り上がってみせるとイキり這い上がってはみたものの 他人蹴落し嘲笑ってナンボな貴族社会に疲れ果てた主人公がなんか他人の様な気がしなかったので(苦笑) 多分社畜生活とか人の恨みや妬み買いまくる競争人生送った挙げ句転落した事有る経験ないと なんじゃ此れとなり見向きもされないかも


元ネタは投資家/ギャンブラー/雑誌編集者/画家を目指しながらも24歳の時に銀行に全財産持ち逃げされていきなり無一文 その後結婚したけど会社クビになり食うために物書き兼イラストレーターとなった原作者サッカレー 小説書くに辺り両親と義父、友人だったゲーテやディケンズ等のみならず自身の前半生も材料に仕立て上げた物語 インド生まれで此処で育ちずっと暮らす積もりだった息子の半生を思いっ切り振り回したガチの恋愛脳な母と義父には "今作見ても分かる通り" 尊敬の念と同時に色々恨み辛みが有ったらしく 恋愛至上主義? ふざけんな………まずは先立つモノと其れなりの地位が無ければ余裕の有る人生なんて送れないんだよとブチかました作家さん 色々頑張ってたけど 晩年は貧乏拗らせたまま52年の生涯を終えています


解釈によっては英国面に陥った笑えないギャグを手間暇掛けシリアスに再構成 当時は技術的にまず不可能だったロウソクの灯りで周りの人々撮影可能なカメラまで作らせたキューブリック監督が何考えてこんな作品に仕上げたのかは不明ですが 明らかに映画向きじゃ無かった ひたすら長い本当は二部作か三部作で撮りたかったろうなと感じた作品を敢えて不真面目に纏めてみようかと まあウイキペディアを始めまともなストーリーは書き尽くされた作品ですので軽く読み飛ばして頂ければ幸いかな さっさと纏めて他の作品も取り上げたいしね



【 映画の見どころは当時描かれた絵画をベースに再現してみたアイルランド/ヨーロッパ/イギリスの自然風景と人々が暮らす姿 服装や化粧に加え上流階級独特な言い回しや価値観まで再現した結果………貴族階級が矢鱈と口にする青い血云々や野暮ったいにも程が有る当時の戦争 事ある度に出て来る上流階級に優位なルールの癖に公平だと喚き立てる決闘の馬鹿馬鹿しさが浮き彫りになってるのは仕様です ちょっと前まで何処へ飛ぶか分からなかったし暴発も多かったマスケット銃の命中率は僅か数年で向上 7年戦争終わった直後から第二次大戦辺りまで決闘の武器の主流は再び剣に戻ったのは言うまでも有りません。 】


 丘に囲まれたアイルランド北部の農村地帯 放牧地で向き合う男達と介添人 銃弾を浴び斃れる男=レドモンド・バリィの父が死んだのは未だ20代半ばの頃 馬の売買に纏わる言い掛かりの末に行われた決闘によるものだった 名前だけの貴族とは言え村有数の美女だった母に懸想する者は有象無象 中には其れなりに財産を持つ貴族も居たが嫉妬と妬みの末に愛する者を奪われた彼女は決して靡こうとはしなかった。 貧乏ながらも主人公(レドモンド)に貴族としての矜持と知識を学ばせたのは母だったが トランプの遊び方や女性に関するありとあらゆる手ほどきを施したのは母親譲りの主人公の容貌に魅せられたレドモンドの従姉ノーラ・ブラディ 


おっぱいの魅力に勝てなかった云々なシーンは本編映像で楽しんで貰うとして(残念ながら肝腎要なあれやこれは映りません 曲がりなりにも文芸作品だしね) 誰彼構わず声掛ける八方美人なノーラの魅力にまんまと引っ掛かったのは占領軍率いてこの村に派遣されたイギリス軍将校ジョン・クイン大尉 前途有望だけど漏れなく小五月蠅い姑付きで貧乏な美少年(ショタ)子爵よりは 中年だけど次男で貴族(子爵)で年金貨1500(ギニー)貰える資産持ち 何よりも見た目格好良い赤い軍服姿とそのガタイに惹かれたノーラは貴族様の便宜その他が色々欲しい家族の後押しも有り即座に結婚 いきなりの心変わりが許せず嫉妬心に駆られた主人公は披露宴で異議を唱え大尉に決闘を申し入れる 


だが、例え決闘に勝ったとしてもノーラの心は離れたままだし 負ければ良くて不具者もしくは父の様に呆気なく死ぬかも 我に返り降伏申し出ようかと思い直したレドモンドを激昂させたのは 端金で八百長を持ち掛ける大尉の醜い本性 銃弾は容赦無く初めての決闘にビビる大尉の心臓撃ち抜き 将校殺害の容疑でアイルランド派遣軍から追われる身となった主人公 このままでは母にも迷惑が掛かると叔父の申し出受ける形で当座の資金渡されイギリス本島へ逃げるが 途中待伏せた追い剝ぎに襲われ先祖から受継いだ剣も馬も奪われ無一文に 仕方無く大陸へ向かう兵士を集めていた軍へ身を寄せる 勿論其れは邪魔者を排除しようと企んだ叔父達の陰謀だったと知らされたのは 戦地(死地)に送り込まれ何もかも手遅れとなってから 


其れなりに武術を学び地頭も良かった主人公は歩兵連隊で頭角を顕す 1年後、決闘に立ち会ってくれた父の友人グローガンが指揮官として連隊に就任 久し振りに旧交を温める中明らかにされる真相 あの決闘で介添人から主人公に渡された単発銃に詰められていたのは 当たってもダメージなんか残らない麻の実だった。 独り姿眩ませたレドモンドに失望したノーラは今じゃクイン子爵夫人となり幸せに暮らしているらしい 初めての戦闘でグローガン大尉は戦死 7年戦争当時、平民主体の戦列歩兵は銃を持ち撃てるだけの文字通り消耗品 其れなりに訓練受けた貴族主体の騎兵隊が投入されるのは双方が弾を打ち尽くした後 勿論戦闘から逃げたり脱走する者は死刑或いは略奪被害受けた避難民による追い剝ぎと死ぬ迄続くリンチが待っている 


格好良いのは見た目だけ 食糧無いから村を襲い奪い焼き尽くす略奪行為を繰り返す 男所帯の集団生活は将校に目を付けられるとホられる (具体的に書くとホモホモしいから勘弁してね) 危険性も背中合わせ 湖で全裸で愁嘆場演じてる将校に嫌悪感抱きつつまんまと軍服や馬に書類1式盗んだ主人公はイギリス軍を脱走 当時の戦争は貴族……しかも伝令官ならば戦場に居ない限り敵からも撃たれる心配は皆無 敵地プロイセンを抜け金さえ有ればアイルランドに戻る船も出ている中立国オランダへ 途中知り合った寡婦リシェンとの1夜限りのロマンス 漸く人でなしのイギリス兵からアイルランド貴族としての誇りと矜持を取り戻したレドモンドだったが 見境無しの徴兵続けてる敵軍の将校ポツドルフ大尉にまんまと捕まり 今度はプロイセンの遊撃歩兵として戦場へ 本編では延々とドイツ野郎の残虐性やら色々ナレーションしてるけどイギリス軍とほぼ同じなのでばっさり端折ります。


何の因果か砲弾喰らい瓦礫の下敷きになってたポツドルフ大尉助け出し伍長へ昇格 イギリス&プロイセンで延々5年に及ぶ戦場生活を終え大尉の伝手で秘密警察で本庁務め スパイ疑惑疑われ監視してた自分と同じ様に親族に厄介払いされヨーロッパを転々としてる同郷(アイルランド)の詐欺師シュヴァリエ・ド・バリバリと組み小金集めてプロイセンから高飛び ヨーロッパ各国を逃げ回りながらいかさまギャンブルで生計たてる放浪生活 1772年 故郷を離れ随分年月が流れた 善行積んだ老若男女が銅貨1枚手に入れるために殺し合いすら行う光景目撃し 年端も行かない少女が今日のパンを手に入れるために春を鬻ぐそんな時代のヨーロッパ 荒んだ生活で身も心も悪党に成り果てたレドモンドが目を付けたのは美人だけどノーラにもリシェンにも似てない伯爵夫人レディ・リンドン 


親子程歳の離れた彼女の夫チャールズ・リンドンは痛風や梅毒を始めありとあらゆる病に掛かり明日をも知れぬ車椅子生活 独り息子で爵位継承者となる筈のブリンドン・リンドンは未だ幼く母親に依存しきっていて頼りにならない パーティーに潜り込んだレドモンドは独り孤独な立場に追いやられた彼女の心に入り込む 久し振りの舟遊びに公園の散策をエスコートする主人公 リンドン伯爵がベルギーで客死したのは其れから半年もしない内 1773年6月15日レドモンド・バリィはレディ・リンドンと婚姻し名をバリー・リンドンと改名 1年後、彼女との間に息子ブライアン・パトリック・リンドンを授かる 盟友シュヴァリエの死を契機にアイルランドから実母を呼び寄せ始まった穏やかな日々 だが血の繋がらない長男(ブリンドン)は義父となった主人公を "母を奪った紛い物のアイルランド人と卑下し露骨なまでに敵意を顕にする"


ベルギー社交界もブリンドンの後見人を自称する有象無象が邪魔をし 伯爵夫人の愛人扱いな主人公は何の敬意も権限も与えようとはしない 8歳を迎えたブライアンにも嫌悪感を隠さない長男との亀裂はやがて何もかも破壊してゆく 増え続ける負債と借金に追われ老け込むバリー・リンドンに致命的なダメージを与えたのはパーティー会場で始まった長男の糾弾と殴り合いの大喧嘩 そして落馬事故を起こし僅か8歳でこの世を去った実の息子ブライアンの死 酒に溺れる主人公と精神的に追い詰められ自殺未遂事件起こしたリンドン夫人の代わりに館を取り仕切ったのは主人公の母親 其れがさらなる災いを招き入れた 主人公とその母を追放し文字通り無能な神輿を担いでリンドン家を食い物にしようと企む人々の後押しを受け 1対1の果たし合いを申し付けるマザコンもとい長男(ブリンドン)


屋敷を離れベルギー郊外の別荘で持ち出されたのは単発銃 ベルギー式の決闘ルールはコインを投げ先に表を出した方が10歩先に立つ相手を撃つやり方 介添人が投げたコインで先制の権利を手に入れたのはブリンドン だが初めての決闘に怯え震える愚か者は銃を暴発させ慌てて逃げようとする等 物凄く往生際が悪い その惨めな姿にかつての恋敵=自分に流れる青い血だけが誇りな誰かさんを思い出し戦意どころか殺意も嫌悪感も失った主人公はわざと銃を暴発させブリンドンに判断を委ねる ただ母親を独占したかった馬鹿息子が放った銃弾は明後日の方向へ飛んでゆき主人公の左脚に命中 結局片脚を切断する事になった主人公は母親共々 醜聞を恐れた馬鹿息子(ブリンドン)とその取り巻きが提示した妥協案 年金・年500ギニーを受け入れる代わりに離婚を承諾しヨーロッパを去りアイルランドで隠棲する事になった。


1789年の春、誰からも見向きもされずベルギーを去る主人公母子 漸く義父を追い払いママの愛を独占出来ると都合の良い夢に溺れるブリンドン だが色々泣かされながらも実のところ主人公を本当に愛していたリンドン夫人は大事な家族を奪った愚か者(ブリンドン)に軽蔑の眼差しを向ける 再びアイルランド貴族レドモンド・バリィに戻った主人公はその後、母の死を契機に再び戦乱とフランス革命による大混乱が始まったヨーロッパに向かい消息不明 ナレーターは多分ギャンブルで身を持ち崩したと語るが本当の詳細は最早誰にも分からない 7年戦争の勝利により後に合衆国として独立を果たすアメリカ北部の海外植民地を手に入れたイギリスは その後絶え間なく増え続ける軍事費と植民地の反乱に追われる事になった。



2021年9/18 暫定198話 M:i-6 フォールアウト 18年 新規割込み投稿致しました

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― 新着の感想 ―
[一言] この映画は観た事は無いのですが、蝋燭の灯りで撮影するという無茶のために、当時世界で最も明るいレンズ、カールツァイスのPlanar 50mm f/0.7を改造して使った事は知っています。 レン…
2021/09/18 20:18 オールドSFマニア
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