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マーシャル・ロー 98年

2021年9/10〜9/11朝 タブレット端末にて執筆し脱稿 即日投稿

本作は劇場版パトレイバー2 93年の影響を多少受けていますが自衛隊が全面協力した日本アニメと違い、合衆国陸軍の撮影協力は得られなかったそうです まあ当然ですけど

【 アメリカ合衆国を含む近代文明圏が滅ぼすべき敵は 醜悪さにおいて共産主義と同じレベルのイデオロギー=イスラム原理主義を妄信し人々を支配するアル・カイダやISILにボコ・ハラムで有りタリバンだ 首都圏の民間人を無差別に狙うテロリスト 敵か味方か最後まではっきりしないCIAがやらかした致命的な間違い 歯医者が使うミニドリル並みの慎重さが必要なテロリスト炙り出しをチェーンソーで行い民衆の反感買ってしまう軍部 人種間憎悪を煽る宗教や政治イデオロギーにマスゴミ等々 娯楽作品だったから物語自体は何とかトゥルーエンドで終わってるけど 今見ると色々シャレにならない内容満載なポリティカル・フィクション 】


★皮肉にもラストシーンはやっぱり世界貿易センタービルな辺り ほぼ予言じみてます 令和3年9月11日 同時多発テロ事件から20周年と言う事で


☆邦題の Martial law は軍法=戒厳を意味 原題がフランス語ベースの造語で分かりにくいからこんなタイトルに


原題:THE SIEGE

シージー=包囲の意

アメリカ劇場公開作品

2000年 日本劇場公開


 令和3年9月10日 大型台風接近中ですが相変わらず沖縄は気温33度越えの酷暑です 頭の中がかなり暑さでわやな状況下、今回紹介する作品は結構問題作 かれこれ20年以上前にビデオで1度見たきり 内容があまりに不吉だったし確かテレビ放映も精々WOWOWがBSでやった程度 勿論原因は日本劇場公開⇒ビデオレンタル開始直後に起きたアメリカ合衆国同時多発テロ事件 確か不謹慎だという理由で放映自粛してたんじゃ無かったっけ? テロ予告や脅迫行為やらかす輩は其れなりに潜り込んでるし 私はキリスト教徒と同じぐらいイスラム教徒の主張や人格を信じていません 2014年に偶像崇拝だからと浅草寺で仏像の首はねて回ったサウジアラビア人の留学生は何の反省も口にしてませんでしたよね


実は偶々今朝観たBBCニュースでグアンタナモ収容所の原状報道してまして 無期懲役喰らった17人のみならず 合衆国内での解放は論外 当のパキスタンやサウジアラビアにイエメンから身元引受拒否され 仕方無いから刑務所暮らし続けてるアル・カイダのメンバーや協力者達が未だ63人も居るから酷いとレポーターが怒ってましたが その前のニュースにて別のレポーターが生中継でやってたフランスの人権団体がイギリスに密入国させようとしたイランとシリア難民に向ける嫌悪感とは真逆な報道姿勢(二枚舌)に思わず大爆笑 で、この作品取り上げてみようかと 


ちなみに貨物トラックとユーロトンネル使ったフランスからの密入国は イギリスのEU離脱で滅茶苦茶厳しくなったから漁船や小型船チャーターして侵入⇒海上で封鎖線引いた沿岸警備隊が必死に追い払ってるそうで勿論日本の民法では報道してません 不法滞在者収容に反対するアホが見境無しに噛み付いて来るからね。 監督が狙ったのは映画公開の数年前に起きた ミシガン・ミリティアによる連邦政府ビル爆破テロ事件の再現だったんだけど まさか本当にアル・カイダがやるとは………合衆国の警戒態勢が此処までザルだとは夢にも思って無かったそうな



【 オープニングで説明されるのはサウジアラビアに派遣されていたアメリカ合衆国海兵隊員が宿泊していた建物の爆破事件映像 (勿論引用) とクリントン大統領のスピーチ そしてテロを指揮したアフメッド・ビン・ラディンもといタラールの拉致作戦 令和3年の今なら有り得た映像かも知れないが当時サウジアラビアは中東でもヨルダンに並ぶ安全地帯でした 今じゃイランやイスラム原理主義勢力の支援受けたイエメン潜伏中のISILやフーシ派やアル・カイダの残党が定期的にミサイルやらロケット弾撃ち込んで来る危険地帯となりつつ有ります 手段選ばず皆殺しにすればシリアを含む近隣諸国の難民減って一石二鳥なんですが人権擁護云々喚く馬鹿が邪魔をしてるのは言うまでも有りません。 】


★引用された映像は1995年4月19日に起きたオクラホマ連邦庁舎爆破事件から 事件の実行犯はカルト宗教に帰依していたミシガン民兵(ミリティア)で湾岸戦争からの帰還兵 犠牲者は保育施設の幼児19名を含め196名にのぼり重軽傷者は800名にも及んだ と言う訳で死体袋その他は全て本物ですのでご注意を


 1998年冬 アメリカ合衆国ブルックリン かつてはギリシャ系、次いでキプロス系移民が暮らした雑多な港街は合衆国に溶け込む形で姿を消した彼等に代わりレバノン人やエジプト系移民が移り住み 80年代後半に始まった再開発によりパレスチナやイエメンを始めとする各国から移住して来たアラブ系住民200万人が暮らすエスニックな街へ変貌を遂げている。 朝の礼拝で映し出されるのは70年代にクィーンズ地区に建てられたモスク=マスジド・マンハッタンと祈りを捧げる大勢のイスラム教徒 無数のビル群を潜り抜け舞台はパークアベニュー近くに聳え立つ連邦プラザビルへ 多くの観光庁が入居するテナントの1フロアに主人公アンソニー・ハーバード部長=通称ハブが指揮官を務めるテロ対策室が有った。


不特定多数の乗客から同時に送られた緊急通報 B地区=ブルックリンの市営バスに仕掛けられた不審物は爆弾の可能性が高かった。 爆弾処理班やSWATの到着は遅れ 取り残された乗客ごと緊急停止させられたバスを囲むのは所轄市警とマスコミが送り込んだ取材車両とヘリの群れ 幸いにも破裂した爆弾は青い粉末を撒き散らす無害なモノ 鞄に残された脅迫テープは合衆国政府に拉致された宗教指導者の即時解放を要求するが アラブ系言語に堪能な副官レバノン系出身のフランク・ハダットが翻訳してもイマイチ要領を得ない そもそも彼等は何処の何者で一体誰を釈放して欲しいのか? 残された手掛かり求め科研に持ち込まれた大型バス 


捜査状況を嗅ぎ回り国家安全保障会議=NSCの名を持ち出し情報提供を要求する横柄な女性 エリース・クラフトと自己紹介したが 名刺や身分証明書も持たない政府関係者なんか居る筈が無い ブラフ掛けてみたら明らかに偽名だ 多分CIA諜報員の可能性が極めて高いが越権行為以外の何者でもない 


捜査資料持ち出そうとしたエリースを強引に追い出した直後連絡が有った入国管理局からのタレコミ 二重底の鞄に隠された現金は結婚のための持参金だと主張するパレスチナ人 カリル 首にタバコで付けられた拷問傷 あからさまに挙動不審な中年男をわざと泳がせ始まる尾行 アトランティックアベニューのアラブ人商店街 謎の若い男に警告され慌てて逃げるカリル 彼の逃走を支援している複数の男達にまんまと翻弄されるFBI捜査官達 カリルの逃走手伝い匿っていたのはエリースが自宅だと主張するCIAのセーフハウス SWATチーム率い突入した主人公達はこの後に及んでも目的も所属も明かさない嘘つき達を纏めて逮捕 彼等に振り回されたがために再び行われたブルックリンでのバスジャックに対応が遅れてしまう。 


話す言語から辛うじてアラブ系だと判る3人のバスジャック犯が身に着けているのはイスラムの死装束と大量のセムテック(強化プラスチック)爆弾にAK47マシンガン 交渉役が渋滞に捕まり現場到着が間に合わない エリース等CIA局員とカリル護送中で運良く現場に間に合った主人公(ハブ)の決死の説得で子供6人の解放には成功し 続いて老人達を………だがマスコミのテレビ放映を待受ていたテロリスト達は自爆 包囲していた警官や主人公は爆風の餌食に 運転手を含めた残る22人の老若男女は文字通りミンチとなった。 



 懸命に捜査指揮を取る主人公(ハブ) やがて鑑識の調査で浮かび上がるテロリスト達の姿 自爆テロをやらかしたのは国際手配されていた危険人物 入国ビザ書類を纏め彼等の密入国を手引きしていた容疑者として浮かび上がるパレスチナ人教師サミール・ナジデ だが執拗にサミールを庇うエリース サミールはCIAのテロ情報提供者でありイスラエル出身のエリースの恋人でも有るらしい 彼女とサミールの協力により明らかとなるテロリストの全体像 FBIとCIAの非合法な合同捜査の噂聞き付け現れた合衆国陸軍のウィリアム・デブロー将軍は主人公にエリースはWスパイの可能性が高いと警告 


CIAの情報提供によりアパートに潜伏する残存メンバー3人はSWATにより射殺され 大量のセムテック爆弾と起爆装置が押収 事件は解決したかに思われた 久し振りの休暇を家族と満喫するFBI捜査官達 残るは国外に潜伏していると思われるテロリストと未だ行方が分からない指導者アフメッド そんな彼等を再び苦しめる爆弾テロ 狙われたのはテロ対策室に程近いブロードウェイの劇場 パークアベニューを突っ切り現場に駆け付けた主人公を愕然とさせる大惨事 家族を失い泣き叫ぶ者 血塗れ状態で虫の息のセレブ達 吹き飛ばされた自分の左腕を探す主演女優 死傷者数は物語では明らかにされないが半壊した劇場と運び出される死体袋から最低でも200人近く 人々はアラブ系住民に疑心暗鬼の目を向け始め多くの店や企業が営業休止 車のバックファイヤすら爆弾テロと勘違いする程に 


大勢の専門家や市民代表者を集め始まった対策会議を中断させたのはまたしてもテロ マスコミの暴走で包囲がバレ 小学校に立て籠り大勢の子供達を巻き添えに自爆テロに踏み切ろうとするテロリストを射殺したのは命懸けで教室に飛び込んだ主人公 ホワイトハウスで大統領補佐官や軍部、大勢の上院議員に捜査機関や関係官庁の代表者が集まり始まった対策会議 かつての様に首謀者を殺せば総崩れとなるテロの時代は終わった CIAの対テロリスト調査機関の専門家として現れたのはエリース=本名シャロン・グリッシャー そんな最中再びテロ事件が……ターゲットとなったのはテロ対策室が有る連邦プラザビル 大量のセムテック爆弾を積んだライトバンによりビルは倒壊 偶々対策室に残っていたマイクやティナを始め多くのFBI捜査官やSWATメンバーに市警職員が殉職 死者行方不明者は600人を超え集めた証拠品も灰燼と化した



 最早FBIや市警は頼りにならない 大統領による戒厳令発動 陸軍の緊急展開部隊1万7000人が戦闘ヘリや戦車に装甲車等々を引き連れニューヨークへ 部隊の指揮をまかされたのはデブロー将軍 彼等兵士に与えられた命令は新たなテロ事件の阻止と犯人の確保又は射殺 文字通りチェーンソーで外科手術を行う様無茶振りを命じられた陸軍 アラブ系合衆国国民の権利を全て剥奪する形で行われるブルックリンの全面封鎖 大東亜戦争で起きた日系アメリカ人に対する差別や嫌悪感をアラブ系アメリカ人に剝き出しにしない様、あくまでも合衆国陸軍が何もかも悪く描かれているが まあこの辺りの演出や脚本はノリが殆どホロコーストそのもので かなりやっちまった感が有りますが この作品はあくまでも娯楽作品です あんまり目くじらを立てないで欲しい 拷問や強制連行等々キツイ描写続きます


息子が連行されたハダット捜査官の1時戦線離脱 高圧的な態度を崩さないデブロー将軍に危機感抱きアフメッド拉致監禁の疑惑を主人公にリークする大統領首席補佐官 サミールの情報により偽造書類作ってた自動車修理工場経営者タリク・フセインの身柄確保に戦闘ヘリや特殊部隊投入して割り込む陸軍 協力命じられたCIAによる拷問の末、結局タリクは何も知らない事実が判明するが 命乞いをするタリクを容赦無く射殺するデブロー将軍 実はアフメッドを頭目とするテロ組織を作り出し爆弾製作や襲撃訓練を施したのはシャロンが率いたCIAイラク潜入チーム 当初イラク/フセイン政権打倒に投入される筈だった彼等を湾岸戦争終結後見捨てた事が原因で彼等は合衆国に牙を剥いた事実が判明 


でまあ色々場面は纏めて端折るが 軍の高圧的な振る舞いに嫌悪感を抱いたのはアラブ系だけでは無かった 敵対的だった筈のユダヤ系にアフリカ系 かつて同じ体験した日系にベトナムやフィリピンからの移住者 勿論中国系アメリカ人も加わり始まった強制収容所に対する抗議のデモ 違う宗派や人種が手を取り合い協力する………こんな事が有ってはならないし許せない 激昂しその本性を露わにしたのは気弱なCIAの情報提供者として潜り込んでいたサミール 


かなり面倒くさい紆余曲折有ったけど 抗議デモの民衆ターゲットに自爆テロを敢行しようと動き出すサミールこそが連続爆弾テロの最後の1人だと判明 沐浴場で対峙する恋人達 シャロン人質に主人公を脅すサミール 結局シャロンはサミールに撃たれ瀕死の重症 爆弾ベルト身に纏ったサミールは主人公に撃たれ即死 ハダット捜査官も現場に駆け付けシャロンを病院へ搬送しようとするが最早手遅れ カトリック教徒だった筈の彼女が断末魔の中祈りを捧げたのは何故かアラーの神 彼女自身もアフメッドの信奉者だった事実が判明した所で物語は終盤戦へ


もしかしたら未だ此処にテロリストやその協力者が潜伏しているかも知れない 疑心暗鬼に駆られ尚も軍政を維持しようとするデブロー将軍 もう此処にはテロリストなんか居ないと捜査官を引き連れ収容者解放を命じる大統領令を手に現れた主人公 互いに銃を向け一触即発の対立の結果折れたのはデブロー将軍だった。 民間人に対する暴行&殺害容疑で逮捕された将軍にカメラやマイクを向けるマスコミ各社 戒厳令は解除され解放された若者達と喜び分かち合うその家族達 静かに退去する軍の車列を見守る様に聳え立つ摩天楼 そして物語は大団円を迎えた。



★映画劇場公開から三年後 2001年9月11日……本当に起きてしまったアル・カイダによるアメリカ合衆国同時多発テロ事件 協力者となったのは情に絆されCIAや合衆国政府の介在で合衆国への亡命が許されたパストゥーン人やイラク人でした その後のアフガニスタン侵攻とイラク戦争により始まる人種間憎悪 狙われたのはアラブ系のみならずイスラム教を信仰するパキスタン系やインドネシア系にも及ぶ 撮影当時は賑わっていたブルックリンのアトランティックアベニューは衰退し 生き残った1部の商店はベイリッチ地区へ移転 多くのアラブ系住民も差別や偏見恐れニューヨークを離れたが未だブルックリンには多くのアラブ系が暮らしている。


2020年時点で合衆国のアラブ系アメリカ人は約400万人 イスラム教徒は700万人と推定され全米各地で小さなコミュニティを築きつつ有る 彼等への偏見や差別は未だ収まる気配は無い





2021年9/13 暫定197話 M:i-5 ローグ・ネイション 15年 新規割込み投稿致しました

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