幸福なラザロ 18年
2021年7/7〜7/8タブレット端末にて執筆し脱稿 同日午後投稿
確かに綺麗な映像なんだけど物語に救いが無い(汗) まぁカンヌ映画祭出品だしね
【 何処までも愚直なまでに他人に優しく生きて来た彼が何故二度目の死へ追い込まれたのか キリスト教的効率主義を拗らせ思い上がった末に 領民は何も考えるな 愚かなままでいろと二足歩行の家畜扱いしたデ・ルーナ侯爵夫人 付け焼刃の知識だけで世界を分かった積もりになってる革命家気取りの馬鹿息子 法に基づいて社会正義を行使したけど後は野となれ山となれな行政とマスゴミ 自分よりも惨めで愚かな奴が居る事に満足し搾取する事で鬱憤晴らしてた農奴達等々 私がこの物語を見てて思い出したのが トルストイの書いた童話 "イワンのばか" シリーズでした あっちは馬鹿だ阿呆だと貶され搾取されても 最後に優しく真面目な善人が勝つ物語なんですが……此方はなぁ 】
★綺麗な映像だけどあのラストが救えない その昔読んだグリム童話の "幸福な王子" の要素も入るから結構鬱になります……が本当に彼は不幸だったのか疑問残るし もしかしたら不老不死なのかもと感じさせる描写が気になる キリスト教のみならずローマ建国神話の要素も絡むから色々解釈出来る物語です。
原題:LAZZARO FELICE
英題:HAPPY AS LAZZARO
幸福なラザロ
イタリア劇場公開作品
2019年 日本 劇場公開作品
令和3年7月7日 病院に定期検診と薬受け取りに行ったら 武漢コロナワクチン接種目的で訪れた本州から逃げて来た爺婆集団 どうやって入って来たのか判らないけど特亜出自の中年夫婦が ワクチン接種させろとカウンターで看護師捕まえゴネてまして予約だったにも関わらず診療は2時間待ち 待ってる間、他の患者さんと一緒に見たくもないワイドショーをテレビで延々視聴する事になり心底閉口しました。 本州避難組はともかく、確か外国からの入国はビジネス限定 特に大陸や半島からの観光客はかなり制限されてた筈だけど何処から湧いて来た? 感染者数が中々減らず緊急事態宣言が延びそうな原因が何となく見えて来た気がします。
此処沖縄は昼間の気温は既に32度オーバーで夜になっても28度の熱帯夜だから元気なのはクマゼミを始めとする昆虫達ぐらいなモノです にしても今年もオオゴマダラが矢鱈と飛び交うな……家の畑は今朝も捕虫網片手に昆虫採集に勤しむ近所の幼稚園児が入り込んでます(笑) まぁ作物荒らさない限りスルーするのが集落の不文律だけどね
今回紹介する有る意味不良債権は やっぱり波長が合わないお客様には見向きもされない困ったちゃん 映画評論サイトに掲載されてたポスターや予告編 写真の雰囲気に惹かれ借りたものの 此れまんまキリスト教&マフィアによる住民搾取と共産主義による革命ゴッコに振り回され 今じゃ中華人民共和国の植民地扱いなイタリア近代史そのまんまじゃん(汗) 正直言うと以前紹介したユーゴスラビアの近代史で悪ふざけやってみせた "アンダーグラウンド 95年" みたいな悪趣味な喜劇かコメディっぽいのを期待してたんですが 不幸な人間はいつまでも不幸なままだし 何処までも愚直に聖者の様に生きて来た主人公ラザロは自分が他人に搾取されてる事に疑問抱かずあんな最後遂げる所でもう良いやとなってそのまま放置 今回二度目の視聴となり漸くタイトルの皮肉が分かりました。
そうか……ラザロは最初から最後まで不幸な人々を憐れんでいただけで 自分は不幸だとか酷い目に合わされているとは夢にも思ってなかったんだ。
【 小作人制度=メッザドリア 収入半分を領主が天引きし 文字が読めず計算も出来ない彼等の代わりに税金払い行政手続きを代行するシステム 小作人は其処から更に農具のレンタル代や種籾代に肥料や水代等々取られ借金だけが嵩むからくりになっている 18世紀頃から延々続いて来たその制度をイタリア共和国が廃止するまで1964年〜1982年の年月が必要でした 其れまでまともな義務教育受けられたのは、都市部のホワイトカラーと貴族の子弟に教会関係者程度 20世紀終わり迄テレビやラジオの情報入らず 新聞読めずパソコンなんてものも知らないまま農奴や工場労働者として搾取されて来た人々はかなりの数に及び今も貧富の格差は悲惨な状態。 21世紀に入ってからシリア難民やリビア難民が新しい農奴や中華資本の工場労働者として搾取されているそうです。 】
★中南米やスペイン/ギリシャ/ポルトガルがああなのも実は似たりよったりな理由から マフィアと教会に共産ゲリラが好き勝手やって来れたのも近代化に失敗したのが原因 日本もそうですが何処も問題は有るし利点も有る 俗に言う "出羽守=他者や他国の歪めた情報を引き合いに出して人を騙る輩" 具体的には捕まって無い詐欺師=某ひろゆきや上野千鶴子 ブペル西野のアレもそうかなにはご注意を 見極めても幸せにはなれませんけど搾取されたくないでしょ?
かつてのイタリア王国はリスが木から降りる事無くアルプス山脈まで移動出来る森が拡がっていたが無分別な伐採と放牧により 共和国となった今はもう僅かな草花が大地を申し訳程度に覆う荒野ばかり 本当に僅かな狼の群れが獲物を求め歩き回る山間部の農村を守るのは深い断崖と流れる河川だけ 電気は何とか通じているものの電話どころかテレビやラジオも無い小さな世界 此処で領主に保護され神父の加護を受けながら暮らす小作人達はそもそも文字が読めず計算も出来ないから 新聞や本どころか雑誌すらも見た事が無く聖書を読み聞かせる神父に言われるがまま祈り 唯一の外貨収入源で有る葉タバコと自活するための麦や豆類を作る生活を続けている。
数年前から此処で暮らす記憶喪失の若者ラザロは 村人達と何1つ血縁関係を持たない無害な余所者 家を持たないから眠るのは専ら家畜小屋の側や水飲み場近くの空き地や廃屋 男達のみならず村の女子供にも馬鹿にされ侮られタダ働きで扱き使われており 酒は飲んだ事が無く申し訳程度のパンやチーズを渡されるだけ 働いてる時以外はずっと空を無心に見上げる知恵遅れだと思われており 領主のデ・ルーナ侯爵夫人のみならず定期的に村を出入りする商人親子のニコラとその娘テレーザからもお人好しで働き者だけどただ其処に居るだけの存在
だが実際の所、ラザロは村で唯一 もしかしたら小作人達を騙し続けている領主や商人よりも豊かで楽しく人生を生きている若者だった 狼が怖くて誰も近寄らない村の離れで羊飼いとして自活し 時折ニコラからお駄賃代わりに珈琲豆を始めとする嗜好品を分けて貰い 敢えて食料分けて貰わなくとも食べられるハーブや野菜作りの知識を持つ隠遁者 彼が言われるがまま村人達の仕事を手伝うのは 誰かの為になる事がただ嬉しいからだけの事 そんなラザロと村の転機となったのは偶々母親に連れられ村の現状知って怒りを隠さない貴族のボンボン=タンクレディに狂言誘拐の片棒を担がされてから
放蕩生活を繰り返し何度も狂言誘拐やら事故やら起こしたと嘘デタラメを繰り返し小遣い稼いでいる馬鹿息子がまたやらかした 公爵夫人と小作人達は毎度毎度の事だからと軽くスルーしていたが 穴蔵でニート生活送るタンクレディの食料調達を任されていたラザロが生まれて初めて大雨を体験し高熱出して数日ダウン このままだと自分を家族だと認め宝物(単なるゴミと化した手作りパチンコ)を預けてくれた彼が死んでしまうかも? 無理を押して山道登ったラザロは足を踏み外し谷底へ滑落 そのまま行方不明となってしまう タンクレディと交際しており偶々誘拐事件を真に受けたテレーザはこっそり持ち込んだ携帯電話使い警察へ通報 呆れる程に時代錯誤な奴隷労働の現状が明らかとなり侯爵夫人は詐欺罪で逮捕 何代にも渡って此処から出られず小作人を続けて来た54名の老若男女は社会復帰のために村から連れ出される。
谷底に落ち即死 誰にも見向きもされずそのまま朽ち果てる筈だったラザロが息を吹き返したのは其れから十数年後 群れから放逐されたと覚しき老いた狼の吐息に反応し慌てて飛び起きたラザロが目撃したのは何もかも放置され腐れ掛けた建物の成れの果て オート三輪で村に乗り付け元住民の家や教会 領主の館で空き巣やってる男達に声を掛け自称引っ越し業者だと名乗る彼等を手伝い 以前メイドのアントニアに教えて貰った金目の物の隠し場所も男達に教えたラザロは独り村へ取り残され徒歩でデ・ルーナ侯爵家の新しい引越し先(勿論嘘っぱち)を目指し歩き始める。 山を越えて荒野へと飲まず食わずの状態でも何も感じないのは何故だろう 山々にそびえる何だか訳の判らない鉄塔はなんだろう やがて国境を拔けイタリアへ忍び込もうとしているシリア難民の列に紛れ込み 偶々知人を見付け声を掛けるが今は難民を食い物に搾取を続ける元商人ニコラにはラザロの声は届かない
沢山の車が行き交う道路沿いを誰にも見咎められず歩き続けるラザロ やがて季節は秋から冬へ 偶々ガソリンスタンドで強盗やってるオート三輪の引越し業者を発見 何も考えず声掛けたら人質にされ共に街へ逃げ込む事に 線路沿いの産廃置き場で漸く解放され其処でオバサンになったアントニアに再会 ゴミ捨て場に住み着き空き巣や詐欺&盗品販売で糊口を凌いでいたのは元村人達と同じような理由で福祉施設から放り出された訳有な人々だった。 自分が谷底へ落ちどれ程の年月が経過したのか漸く判明するが 最早眠る事も食べたり飲んだりする必要も無い不死者と化した彼にはイマイチ実感が無い
全く歳を取らず身体も決して汚れない聖人様を利用し 募金詐欺や寸間詐欺に利用しようと企むアントニアの悪だくみは何処までも純粋に人助けが好きなラザロに振り回され空回り ゴミ捨て場には住民達が見向きもしていなかった自生するハーブや野菜が生えている そう説明し食べ方や調理の仕方に増やし方を伝授され殆ど捨てられたスナック菓子や残飯が御馳走だった貧民窟の生活環境は著しく改善 食事も水も飲めないラザロは昔の様に人々に扱き使われながら不法投棄場を掃除し人間が暮らせる環境に変えようと努力を続ける ある日老いさばらえたタンクレディと再会 アントニアと同じ様に歳を取らない聖人を利用し原野商法で不動産会社を騙そうと企むタンクレディだったが 嘘が付けないラザロのせいで詐欺行為がバレ建物から放り出される
助け出した筈の元小作人達との悲しい再会 母親は刑務所で死去し詐欺師の片棒担いだ父親と縁切りしたテレーザと地下室で不法滞在続けてる元侯爵子息には見栄すら貼る事も出来ない程度に貧窮している事実が発覚 奴隷労働による賠償金請求は侯爵家没落により支払い不能 当時事件を解決した警察のみならず騒いだマスゴミやNGO団体からも 助けても金にならないからと門前払い せめて1夜の宿を押し掛けた教会からも貧民だからと追い払われた 何故か音が出なくなった教会のパイプオルガン こうなったら一度は捨てた村へ戻り自給自足の生活をとイキるアントニア達の周りに鳴り響く 賛美歌のパイプオルガン演奏の調べ どうあっても救えない人々の浅ましい姿を目の当たりにし独り無言で涙を流すラザロ
貧民達に置き去りにされ 翌朝独り銀行へ乗り込む主人公 窓口には生活保護を申請する人々の長い列 友人だったタンクレディや元村人達の貧窮を訴え頼み込めば救って貰える筈だそう信じていたラザロは強盗と間違われ 人々に殴られ蹴られて主人公にだけ見える老狼に見守られながら二度目の生を終えた ゴミクズの様に打ち捨てられた聖人を助けに入ったのは偶々通報受けて駆け付けた警察官達 なおもリンチを止めない群衆を追い払いラザロを介抱するが………全てを見守った老狼はこの街を見捨て北へと走り出す
道路には街へ向かう無数の車両が並び悲鳴の様なクラクションを鳴らし続けるが狼の姿に気付かない 画面は再び暗転し貧乏で領主や商人に散々搾取されても心の中は豊かだった農村の記憶が浮かび上がる スタッフロールが流れる暗闇の中から聞こえるのは小作人達が歌うラブソングと遠くで鳴いている狼の遠吠えに風に揺れる葉タバコの音
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