表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/1233

華麗なる賭け 68年

2021年11/9〜11/10タブレット端末にて執筆し昼前脱稿 新規割り込み投稿

ある意味 "ブリット 68年" の姉妹編で有り "夜の大捜査線 67年" の兄弟でも有る物語 迷ったけど此処に割り込み投稿しときます。

【 遣り手な若手会社経営者(ヤング・エグゼクティブ)として其れなりに社会的地位を築いた男が抱える渇望感と飢えの正体は何なのか? 多分当初はそんなテーマ狙ったんでしょうが 自分の手を決して汚さず他人を手足の様に動かし悪事働かせるタイプのラスボス役はスティーブ・マックィーンには滅茶苦茶似合わないと思います。 後、何処までも英国モドキなアメリカのセレブリティなライフスタイルって今見るとイマイチ垢抜けないし物凄く残念感漂うのは何故なんだろうか 名作扱いですが主人公もヒロインも、身近に居たら同性には滅茶苦茶嫌われるタイプだよなあ。 】

 

★どう考えてもマックィーン演じる主人公は自分が先頭切って動くタイプだし ヒロイン演じたフェイ・ダナウェイが物凄くケバいです 前半出てた愛人=グウェン役のアスリッド・ヘーレンの方が遥かに美人で雰囲気有るなと感じた私のセンスはズレてますかね?


原題:THE TOMAS CROWN AFFAIR

トーマス・クラウンの事件

アメリカ劇場公開作品

同年 日本劇場公開


 令和3年11月9日 確か小学生の頃、スティーブ・マックィーンの主演作品と聞いて楽しみにしてたんだけど開始30分足らずで何か(ぬる)いわとテレビ消して遊びに出掛けそれっきりとなった物語。 あれから早○○年 流石に世間では名作扱いされてるんだから子供の頃はどうしても理解出来なかった奥深さとか味わい有るんだろうなと要らぬ期待抱いてましたが………小見出しにも書いたけどこの人は小賢しい黒幕みたいな立ち位置が死ぬ程似合わないと感じたのは私だけなんでしょうか? フォローさせて貰うと別にセレブ姿が板に付いていない訳では無いんです。 


ただ、今までの異性に対するなアプローチとは真逆な遠回しにも程が有る面倒臭いラブコールとか 悪い事やるなら自ら先頭切る事で配下引っ張って来た 言い方アレですが悪ガキ振りが影潜めかなり黒幕めいた根回し描写に物凄い違和感抱いて妙に気持ち悪い 流石に自分でも此れは駄目だろうと感じたのか 付き纏う刑事にお仕置きする場面入ってましたから少しだけ安心したけどさ


ついでに書いちまうと私はビッキーことヴィッキー・アンダーソンみたいな女は◆したくなる程嫌いです 爺様の遺産相続税の件で未だトラブってますが 追放決まってる不動産会社と組んで横領仕出かした親族とやらがあんなタイプなんだよ とまあこんな感じで○○年振りに初めて最後まで視聴させて頂きましたがヒロインにも主人公にもイマイチ感情移入出来ませんでした マックィーンの日本語吹替が故 宮部昭夫(みやべあきお)さんなのはお得感有るし 今では走っている姿すら見る事が不可能なロールスロイスやフェラーリの特別仕様車 NARTスパイダー(限定10台) 確か割と最近オークションで落札されたばかりですがワーゲン改装したサンドバギー=メイヤーズ・マンクスの映像は中々貴重よ。



【 アメリカ合衆国南部の黒人差別と中々進まない墮胎問題描いた 夜の大捜査線 67年(原作は65年出版) 製作した監督が何故、成上り者な東部のセレブが計画した完全犯罪とその顛末を描いたのか? 其れはベトナム戦争激化契機に始まった1920年代を連想させるバブル景気に対する不安感からでも有りました 衣類縫製に加え食品加工を始めとするありとあらゆる生産拠点の近隣諸国移転と従業員の首切り 農業の大規模効率化と機械化優先した結果 其れまで綿花栽培始めとする黒人メインに農業従事者の大量解雇と仕事求め都市部への流入 経済界は投資信託や株式売買で安易な利ザヤ稼ぐ欲望こそ正義だと謳う ある種のバケモノの増大……日本の特撮ドラマのカネゴンって実在したのよ。 】


★その後ニクソン大統領がドルショック引き起こし その手の馬鹿は軒並みビルから飛び降りたそうですが 資産の偏りは解消されないまま今に至ります。


☆ボストンやニューヨーク等、都市部に黒人スラム増えたのこの頃から 映像見てて目に余る程に建築物の壁に書き殴られた落書きもそのまんま


 少しばかりの危険を背負う見返りに5万ドルの破格な成功報酬 (但し毎月銀行振り込みの分割払い) アメリカ中を車で回る化粧品セールスマンの仕事を20年近く真面目にこなしていた冴えない中年男 アーヴィン・ヴィーバーがそんな仕事を引き受ける気になったのは 稼ぎが少ないと妻から三行半を突き付けられた事が切っ掛け。 面接場所に指定されたのは色々訳有りな連中が一夜の宿を求める高速道路近くの小さなビジネスホテル 逆光と特殊マイクで相手の姿は辛うじて男だと判別出来る程度 報酬と別枠で渡されたのはステーションワゴンが新車で買える程の準備金が入った封筒 勿論指紋残す様なヘマはやってない


アーヴィンは最後まで知る由もなかったが 其々別の場所でスカウトされ集められた他の3人の男達 彼等に共通しているのは経済的にそこそこ追い詰められている事 まともな本業に就いている事 そして前科持ちでは無くアーヴィン以外は軍や警察出身者で銃器の扱いに慣れており4人共極めて口が固い事 狙われたのはボストン中心部でかなり荒稼ぎしている投資銀行 人種も年齢もバラバラな男達を公衆電話使い手足の様に動かしていたのは銀行の向かい側のオフィスビルを数年前から買収 そこで投資信託会社を経営し堅実に利益を上げ大勢の部下に尊敬されている若き天才経営者トーマス・クラウン社長 公衆電話が故障したりちょっとした不手際で不注意な英雄志願者が足を撃たれ軽傷負ったり 運び屋担当(アーヴィン)の車が交通事故の渋滞巻き込まれアタフタしたものの 掻き集められたナンバー不揃いの現金266万527ドル62セントの強奪はまんまと成功 


勿論現金奪われた当の銀行も事前に破格の保険契約結んでいるから 丸損したのは保険会社だけ 案外クラウンとグルなのかも知れないが警察や国税庁が調べた程度で足がつく証拠なんざ残しちゃいない 報酬が支払われるのは多くの務め人同様、毎月20日 1回こっきりの銀行襲撃は現地集合の現地解散 襲撃担当した唯1の黒人メンバー=カールはサングラスと銃を回収ポイントに引き渡し同じ様に後始末終えた名前分からない残る2人も其々別の路線の電車で帰途についた 袋の中身知らないまま公共墓地のゴミ箱に其れを放棄したアーヴィンはそのまま営業へ戻るため高速道路へ 勿論途中で検問のチェック受けたが犯行直前に貼り付けた偽装ナンバープレートはゴミ箱の中 ちゃんと車検証と商売道具しか持ちこんでいないから難なく取り押さえられる事もなかった。 


60年代当時、海外へのビジネスマン出国手続きはザルそのもの 精々ボストンバッグ2つ程度なら中身調べられる事もなく 同じくチェックの甘いスイスのジュネーブ空港の入国審査も難なく突破 ロールスロイスに詰め込まれクラウン社長自らの手でスイス銀行に持ち込まれた現金は匿名口座に預けられる。 既に自身の持つ資産の大半は売却済み 週一でスイス銀行に出入りする会社経営者は其れなりに多いしどう考えても犯罪と結び付ける奇特な人物等出てくる筈も無い ベトナム戦争と規制緩和を切っ掛けに始まった戦争特需と不動産投資バブルはどう考えても永遠には続かない 最悪の事態も考慮し既に会社経営の引継ぎや自宅をどうするかも決めている 捜査当局は未だ諦めて無いが完全犯罪は成立済 再出発を図る前に色々楽しんで見ようか やり残したことを後悔しないために



 事件発生から既に1週間 エディ・マローン警部補指揮下でボストン市警に設けられた捜査本部の活動は早くも暗礁に乗り上げていた。 襲撃事件の目撃者は全部で32人 犯人達は銀行の警備システムを熟知しているだけでなく襲撃前に監視カメラや警備員達を無効化している 手掛かりはサングラスと帽子で隠された3人の犯人の似顔絵だけだが誰が誰なのか区別が付かないし 奪われた現金がどうやって検問潜り抜け何処に持ち出されたのか皆目見当がつかない 使われた銃は全米で市販されているありふれた38口径のリボルバー 犯人達の指紋も何一つ見付からなかった。 逃走時にバラ撒かられた発煙筒は軍の放出品で出自不明 そもそも襲われた銀行も結果的には破格の保険料支払われる事が決まってるから丸損するのは今も昔も阿漕な商売で下手な都市銀行やマフィア組織よりも遥かに評判悪い保険会社だけ


当時はベトナム戦争の真っ只中 記事のメインは専ら外信と合衆国各地で始まった公民権運動と労働争議にシカゴマフィアの内紛まで始まっている 下手な警官より色々嗅ぎ回ってくれるマスコミもあまりアテにならない 後手後手に回る市警の捜査に業を煮やした保険会社経営者 ジェイミー・マクドナルドが西海岸から呼び寄せたのは 脅迫に窃盗や盗聴行為 高額の成功報酬手に入れる為なら手段を選ばない悪名高い保険調査員 ビッキーことヴィッキー・アンダーソン 驚いた事にビッキーは見た目華やかな20代後半のファッションモデルを連想させる女性だった事から鼻の下伸ばすマローン警部補 ちなみにアメリカの保険調査員は海外なら探偵と呼ばれる職業だが 彼の国では探偵になるなら警察官や刑事として現場で捜査経験6年以上持たないとライセンスは貰えない 調査員はどちらかと言うと合法的で切り捨て可能なフリーランスの暗部みたいなモノ 裁判所やマスコミにバレたらただじゃ澄まないが かくして非合法な官民連携の合同捜査が始まった。


持てるモノ全て使いまんまと警部補達を籠絡(ろうらく)したビッキーにより明らかにされる内部情報 奪われた現金は既に海外へ持ち出された可能性が極めて高い 車で持ち込めるカナダやメキシコからの情報も流れてないし マフィアを始めとする犯罪組織の犯行でも無いだろう ヒロインが目を付けたのはスイス銀行 出入国資料を提供して貰いビジネス目的で頻繁に動き回っている男達をピックアップ 彼女の直感が犯人だと囁いたのはイケメンで成り上がり者として有名なクラウン社長 恐らく実行犯として雇われた男達は誰も雇い主の顔を知らず あの襲撃が初顔合わせだったと思われる マローン警部補と街を楽しくデートしながら情報分析し整理するビッキーにどぎまぎしてるオジサンの反応は本編見て失笑して貰うとして 突破口は誰も目撃者が居ない現金の運び屋とクラウン社長 本人は固く口を閉ざしても臨時収入手に入れホクホク顔の親族や友人羨む男女に密告促せは必ず尻尾は掴める


手慣れた遣り方でクラウン社長に接触するビッキーと主人公(クラウン)の遣り取りは何かもう歯が浮く様な演出続くしバブリーなノリだから思いっ切り端折るが (興味有るならファッションとか自動車マニアな個人サイトで写真付きで山程紹介されてるからそちらどうぞ) 全国紙に掲載された現金2万5000ドルの密告募集記事にまんまと釣られたのは 心底軽蔑してた夫アーヴィンが出所不明な現金で新車のステーションワゴン購入した事実にムカついていた妻からの電話 離婚調停で全面敗北した結果、子供の親権も家も奪われもうすぐ追い出される事になっている容疑者を追い詰めるため 保険会社は独り息子ジミーごと車を強奪 誘拐事件を装いつつ有り金持って引き渡し場所に現れたアーヴィンを囲み脅迫しビッキーが籠絡 せめて親権だけでも貴方に優位に取りはかってあげると全ての情報吐かせ クラウン社長を追い詰める囮として引っ張りだす マジックミラー越しに2人の反応眺めるヒロインと捜査陣 あのやり取りはこんな時の為だったんだな 色々察したアーヴィンは今回の保険会社やお巡りの遣り口に心底頭にきてたから主人公に協力


ビッキーとクラウン 共に使える人材見抜き遣り手で有りながら他人を決して信じないバケモノ同士の対決 彼女より10年以上のアドバンテージが有り彼女(ビッキー)が求め止まぬモノを全て持ってる主人公(クラウン)はまんまと欲望塗れなヒロインを手玉に取ってゆく 令状も無いのに自宅を延々と保険調査官と交代しながら監視続けてる刑事に忍びより一撃でノックダウン 酒飲ませ酔っ払い運転の末に街路樹に自損事故起こしたと匿名で通報し何も知らない所轄警察に大金星掴ませたり ヒロインをオフィスに招待しいきなり始まった銀行改装工事装いオフィス内を双眼鏡で監視してるお馬鹿ちゃんに対面してもらうサプライズ 彼女の誕生日に渡されたメッセージ入りのチョコレートに思わず爆笑するマローン警部補のシーンとか色々有るが 敢えてヒロイン籠絡しつつわざと自分が黒幕だとうそぶいたりして動揺誘い 犯行予告まで直に伝える主人公 なんつーか中盤はかなりもやもやしたものの 漸く発揮される何時もの悪ガキ振りを楽しみつつ物語はクライマックスへ


再び実行された銀行襲撃事件 籠絡する積もりが逆にまんまとコマされたヒロインの警告疑った保険会社と捜査陣の対応は後手後手に回ったが 何時何処で運び屋に託された現金が降ろされる場所ははっきりしている ボストン市警のパトカーと警官隊が待伏せるのは 敢えて詳しく明かされない天涯孤独な主人公の過去にも色々因縁有るらしい公園墓地 マローン警部補と捜査陣に勿論ビッキーも捜査車両で待機中 お昼の鐘と共に現れたのは霊柩車を先頭にやって来た沢山の車列 もしかして騙されたのか 捜査陣の顔を綻ばせヒロインの動揺誘ったのはその中に紛れ込んでいたクラウン社長の特別仕様なロールスロイス (マリナー・パークウォード コーニッシュ又はFHCクーペと呼ばれる改装タイプ) 容疑者の車は敢え無く包囲され本当は泣きたいけど敢えて勝ち誇るビッキーを唖然とさせたのは 南米に出国する主人から車託された執事に此処で待ち受けているヒロインに託されたお手紙 ちなみにステーションワゴンから下ろされた筈の現金袋の中身は例の懸賞金どうこうな記事入った新聞紙の束 


楽しくも無い仕事を優先するか 自らの欲のままに生きる道を決めるか君が判断して欲しい


手紙に記されていたのは奪われた現金の行方と飛行機のチケット 上空ではボストンの街を見下ろしながらファーストクラスの座席に座り客室乗務員からウイスキー受け取り微笑み浮かべるクラウンの姿 海外へ向かう旅客機を見上げながら不意に泣き出し捜査陣や警官に見咎められない様に手紙を破くヒロインのカットバック ビッキー改め男に逃げられた只のヒロインは何方の道を選ぶのか? 答えは敢えて明かされない。




当時の映画雑誌の記事思い出したけど 確か脚本家とプロデューサーが起用したかったのはショーン・コネリーかジャン・ポール・ベルモンド ポール・ニューマンが候補に上がった辺りでスティーブ・マックィーンが志願したそうです。


確かにポール・ニューマンだったら違和感無いな(苦笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ