FARGO/ファーゴ③ 14年
2021年5/11〜5/12タブレット端末にて執筆し脱稿 即日投稿
ペース上げてまずは終わらせます。
【 今回のシリーズのもう1つのテーマは 自分だけが不当な評価を受けている或いは正しいのだと思い込むな 処刑人ローン・マルヴォはそんな理由で人を殺し他人を捻じ曲げ レスター・ナイガードは卑屈拗らせた末に他人を陥れ自分の罪業から逃げ回る事で犯罪行為を重ねてゆく 例え周りの人間が自分より遥かに劣っていると感じても其れは単なる思い込みか思い上がり 知恵を持つ者は自分を客観的に批判出来る謙虚さも知らないと自ら招いた失策で社会から排除されます。 】
★本当はドラマの中の台詞から引用しようかと考えてましたが もう1回見直すのも中々キツいのでこんな小見出しにしました。
☆スティングの三文オペラの中にまんま今回のシリーズを分かり易く揶揄した歌詞が有るのだけれど規約違反になりますのでネットで確認してみて下さいな 確か頭使って云々
多分このシリーズ絶賛する多くのお客様が、何故と首を傾げていると思いますが 私は第2シリーズの主人公となった彼女の父親と違って 第1シリーズの主人公 モリー・ソルヴァーソン副署長をあまり評価はしていません。 2時間もののサスペンスドラマや映画なら 謎解きを担う探偵役が必要になりますが今回の主人公、かなり危機感や緊張感が欠落しててイライラしてくるんですよ 田舎の駐在さんだって職務中はもうちょっと緊張感を持ってます とは言え此れは脚本や設定のミスでは無く敢えてそう感じる様に演出されたものです。
彼女がべミジー署で今ひとつ同僚や上司からの人望が無いのは 発言のあちこちに現れる優越感と裏取り皆無な推理のひけらかし=根拠無く此奴が犯人だと断言する其れは単なる悪口です 銃撃戦の最中でもぼ〜と突っ立ていそうな鈍さ加減 此れに加えて単独行動を繰り返し報告・連絡・相談を怠っている協調性の無さ 殉職した前署長も母親代わりだったその妻アイダ 脚を撃たれ早期引退を余儀なくされた彼女の父もこのままでは職場で孤立するか 現場で早死にすると敢えて退職を勧めているのですが 実は最終話まで全く自覚が無い辺りがね(溜め息) 結局彼女の独断専行がマルヴォとレスターが中々逮捕されない原因になってます
■第5話:愚か者の群れ THE SIX UNGRA SPABLES
★邦題は意訳 本来のタイトルは禅宗で言う"6つの掴めないもの=悟り" でも今作の登場人物達はみんな思い込みで自身を追い詰めている野狐禅状態(笑)
今回の悪ふざけは保険セールスマンの現実逃避場面から始まる マルヴォがヴァーン署長殺害に使用した散弾銃は 運送会社のせいでだぶついた在庫に困っていたアウトドア店オーナーが、偶々やって来たカモに押し売り同然で売り付けた代物だった ちなみに2021年5月時点で新品なら163ドル 弾1箱に靴下1パック付けて55ドルはかなり破格 だから俺は何時も被害者なんだってのは流石にもう誰も同情なんかしてくれません。 白状しないと俺の靴下食わせるぞ レンチの身振り手振りなジェスチャー まんまと素人に出し抜かれお怒りモードなナンバーズの罵り なんか鬼太郎達にどやされ洗いざらい吐けと怒られるネズミ男を彷彿させる遣り取りの末、漸く真相に辿り着いたレンチ&ナンバーズはローン・マルヴォに死の鉄槌を下すべく行動を開始
右手の傷が悪化したレスターは昏睡状態になり病院へ搬送 その最中に呟いたうわ言から彼の委託殺人への関与が発覚しモリーとオズワルド署長は事件の再調査を始めようと動きますがまずはブリザード対策が優先 そもそもレスターとっちめようにも意識が回復しないと無理だしそうこうしている内に今度は前署長の妻アイダが破水 べミジー署は職員総出でドタバタ状態に
未だマルヴォに対するあの時の判断を思い詰め独り悩む もう1人の主人公の様子を見兼ね 窓越しに声を掛けて来たのはモブキャラのオジサン グリムリーが娘と共に暮らすアパートはダルースでは珍しいユダヤ人街 文字通り小さなコミュニティとして完結していて住民達が結束して治安を守ってる建物 1人の人間に出来る事は限りが有る 君は独りで世界を救う積もりかね? 誰かを頼るのも勇気なんだとアドバイスして格好良く去ってゆくオジサンは結局何者(笑) と言う訳で今回の悪ふざけシーンその2でした あの時俺は何か大切な事を見落としたんじゃ無いかと深夜マイロス邸の近くをパトカーで走り回るグリムリー巡査 実はその行動がマーケット王脅迫してるマルヴォの要らぬ警戒誘った事にまだ気付いてません
売人から警察無線の傍受システムやトランシーバー等を購入 ちなみに売人のお勧めはファンシーなピンクだったが頑なに断った グリムリー巡査を付け回すマルヴォだったが 処刑人の前に立ち塞がったのは相手の本質見抜きマルヴォを悪魔だと言い切る謎のオジサン(笑) 脅しにも屈しない彼の大活躍でマルヴォはアパートの駐車場から追い出され惨劇は避けらた 同じ頃またしても単独行動やってたモリーはレスターの家へ潜入 だが徹底的な証拠を掴む事が出来ずアイダの出産にも間に合わなかった ヴァーンの遺言で息子の名前はバーナーデッドに決定 久し振りにアイダと対話し改めて事件解決に燃えるモリーはガスに電話 改めて双方が集めた情報を突き合わせる事になる。
■第6話:ビュリダンのロバ BURIDAN'S ASS
★ジャン・ビュリダンが飢えたロバの選択で展開した理性と理論だけじゃ世界は回らないとした例え話 人は何も選ばないで後悔する事が出来る生き物 オリジナルのタイトルは割と下品
冒頭から始まる調理シーンは中華料理 糖醋鯉魚=鯉の丸揚げ甘酢餡かけ ちなみに大陸で此れ作れるのは本当に一握り 文化大革命で料理人の大半が処刑されたり海外へ逃げたから提供出来る店は本物の中華料理店の証となります。 お値段は時価、下準備に時間掛かり油かなり使うしカロリーも勿論お高い代物 料理人下手くそだと、かなり泥臭くなって食えた代物じゃないしね 家で作るなら海の白身魚使った切り身利用した方が無難です。 こんなお高い昼飯楽しんでるのはファーゴのマフィア組織 レンチ&ナンバーズから報告が届きサム・ヘスを殺した実行犯ローン・マルヴォの名前が発覚 どうも下部組織の処刑人チームが依頼人に騙される形で殺害 マフィアに喧嘩を売る積もりは無かったと判明したものの マルヴォの上司の報告聞いたボスは大激怒 禄な下調べもせず思い込みで幹部を殺した阿呆は依頼人諸共処刑が決まる。
何故鯉絞めるシーンから始めたのか? 勿論嫌がらせですよ。
うわ言喋ったお陰で見事に追い詰められたレスターは 報道聞いて病院に駆け付けひとでなしな兄を罵り自首を促す弟に何もかも押し付けようと行動を起こす 病院抜け出し自宅から処分しきれなかった証拠品とポルノ写真を持ち出しこっそり弟の家へ潜入 妻にも内緒にしている武器庫に自分の妻殺害の証拠品を並べ 自閉症の甥ゴートの通学バッグにリボルバーを入れ再び病棟へ戻る 結果何が起きたのかは次回で判明するのでこの話は此処まで ダルースではモリーとガスが互いの捜査進捗状況を交換しながらプライベートな現状も吐露 郵便局員志望だったガスが警察官になったのは10年前、妻との死別が切っ掛けだった 娘を育て学校に行かせるには金が居る 下手な務め人より多大な収入が有るからこそ何とかやれて来たのだがそのリスクはあまりにも高い
モリー副署長とグリムリー巡査が偶々スーパーに立ち寄った事で 脅迫行為が通報されたと思い込んだマルヴォは損切りの準備を始める ドン・チャムに脅迫電話を掛けさせ逃げ出さ無い様に拘束 何食わぬ顔で100万ドルを準備するマイロスの運転手を務め情報収集 敢えて逆撫でする様な茶々入れて契約解除 後は金を手に入れるだけだが もしかしたらセメンコ警備部長は独断専行で通報したのか? 疑心暗鬼に駆られたマルヴォはダルース警察のSWATチームを呼び寄せた ブリザードが吹き荒れる中で起きた無差別発砲事件 容疑者は自宅の前を通る車や通行人を狙っている。
ベン・シュミット警部補率いるSWATチームはあちらこちらに仕掛けられたワイヤートラップにまんまと引っ掛かり大苦戦 猿轡を噛まされ散弾銃ごと椅子に拘束されているチャムの悲鳴は誰にも届かない 家は集中射撃で蜂の巣となり突入した警官達はチャムを滅多撃ち 上手く引っ掛かった 後は100万ドルを奪うだけだとほくそ笑むマルヴォの前に立ち塞がったのはレンチとナンバーズ 視界ほぼゼロの中繰り広げられる一方的な銃撃戦 自らの血を囮にナンバーズを捕獲 首をかき切る前に尋問しファーゴマフィアから下された処刑命令を知ったマルヴォは怒りを顕にした。 偶々隣のカフェで銃撃戦の音を聞いたモリーとガスはおっとり刀で現場に急行 視界ゼロ距離の銃撃戦 モリーは自動小銃撃ちまくるレンチを撃ち逮捕したもののパニック状態のガスに撃たれ昏倒
マルヴォに投与された麻薬で半ば理性を失っているマイロスは神の啓示を受けていた(勿論妄想よ) 血の雨⇒ヒョウ⇒蝗(本当はコオロギだけど)⇒ブリザードによる暗闇⇒次は子供を奪われる 全てを無かった事にするならあの場所に金を埋め戻そう 現金引き渡し場所に潜伏しているセクストン警備部長に命令しノコノコ付いて来たちょっとおバカな息子デミトリーを連れて自宅へ避難する様命令 マイロスは一路あの国道沿いのフェンスへ車を走らせた 雪の中に埋められた100万ドル 目印はあの赤いヘラ やがて嵐は収まり青空が頭上に広がる……此れで災厄は起こらない 家族が待つ家路へ急ぐマイロスを絶望に追い詰めたのは道路に降り注ぐ生きた魚と其れに巻き込まれ衝突事故を起こした警備部長の車 投げ出されたセクストンとひっくり返った車の中で死んでいる息子の姿 空に向かい嘆き悲しむマイロスの姿でこのエピソードは幕を閉じた。
■第7話:理髪師の髭を剃るのは? WHO SHAVES THE BERBER?
★バートランド・ラッセルが書いた"床屋のパラドックス" 第1話のタイトルと一緒でルールを決めた者が自縄自縛に陥るそんな寓話
ゴート・ナイガードが自閉症を拗らせた原因は学校総出で行われていた虐め 心閉ざしていれば何も気にならない 其れは表面だけは仲良し夫婦演じてる両親すらも信じていない彼なりの自己防衛策だった スクールバスの運転手にどやされながら学校へ 何時もの如くクラスメイトにカバンの中身をぶち撒けられたら転がったのはリボルバー(汗) 不祥事に慌てた校長が警察に通報した事でチャズの家に家宅捜索が入る。 ガレージから見付かった数々の物的証拠と大量の武器弾薬 態度を豹変させ夫を人殺し呼ばわりするキャシー 此れは兄が仕組んだ罠だ チャズ・ナイガードの無実の叫びは誰にも届かない レスターのうわ言は弟に脅された結果だとご都合主義的に解釈されてしまう
ランドル不動産に戻ったマルヴォは上司を拷問し全てを吐かせて殺害 自分の処分命令を出したファーゴマフィアの本部ビルへ乗り込み 偶々オフィスに居合わせた老若男女全22名をマシンガンで皆殺し 真昼のオフィス街であまりに堂々と行われた殺戮劇に呆気に取られ 車の中でマフィア事務所を監視していたFBI職員 ファストフード好きな黒人のビル・ペッパー捜査官とハゲ散らかしたビル・バッヂ捜査官は茫然自失 通報を受け駆け付けた警官隊と共におっかなびっくりに事務所に突入するが 裏口からまんまと脱出に成功したマルヴォは悠々と人混みの中へ姿を眩ませた
モリーを撃ち抜いたガスの弾丸は幸いにも貫通していた 意識回復するまで娘グレタと一緒に病院に付き添っていたガス 店を臨時休業し御見舞にやって来た父ルー・ソルヴァーソンとグレムリー親子の交流 警察病院にはレンチも入院していた ホワイトボードを使った意見交換 モリーから相棒ナンバーズがマルヴォに殺された事を知ったレンチは雪辱に身体を震わせるがいくら味方が沢山居るダルース署でも此処から抜け出すには色々司法取引を行う必要が有るだろうしまずはファーゴマフィア上層部と連絡を取る必要が有る 聾唖なレンチは本当に困っていた(苦笑)
意識取り戻したならさっさと出てけ モリーは入院費安く抑えたいからと自宅療養の準備を進めながらこれまでの事件経過と人物関係を窓ガラスに落書き 花束持って病室訪れたガスはレスターとマルヴォの繋がりを示す決定的な証拠を見付け出すが何もかも後の祭りだった。 誤射の責任追求されガス・グリムリーは警察官を依願退職 漸く戻ったべミジー署で受付嬢から パール殺害の容疑でチャズ・ナイガードが逮捕されたと聞かされたモリーは頭を抱える事になる
レスター・ナイガードは我が世の春を謳歌していた ジーナ・ヘスと肉体関係を持ちサムの遺影を見下しながら彼女の○○に○○○○を突き立てる 故サム・ヘスは保険金支払いを滞納していた もう直ぐその事が発覚しジーナも2人の馬鹿息子もホームレスになるだろう 保険会社は大儲け 俺は勝利したんだ 満面の笑みを浮かべるレスターの表情は醜悪そのものだった。
タイミング良いんだか悪いんだか 中国で前代未聞の規模で街中に雹が降り注ぎ洪水発生 其れによりEV車の発火や立ち往生が相次いでいるそうな ガソリン車と違いバッテリーは水に弱い ある意味天罰なのかね




