ミッドウェー ∼運命の海∼ 19年
2021年4/5〜同日深夜 タブレット端末にて執筆し脱稿 4/6深夜投稿
娯楽作品としては失敗作だけど……私はこの映画嫌いじゃ有りません。
ちなみに沖縄は今日から清明祭 今年も家族単位で墓参りとなりそうです
【 タイトルと公開年が思いっ切り被ってるから みんな中共スポンサーのアメリカ万歳ゴミ映画と間違える可能性大ですが 史実の捻じ曲げはかなり有るものの 娯楽作品で有りながら可能な限りリアルにミッドウェー海戦を描いた良作 取り敢えず反撃出来る戦力揃うまで時間稼ぎ命じられたアメリカ海軍パイロットのブラックな実情はこんなモノだったと描き切ったのは 絶賛するべきなんじゃ無いかと思います 多分レンタルで楽しめるのは今だけ 見るならお早めにどうぞ。 】
★実は私もあの某底抜け超大作と間違えました 予算&脚本の都合で日本軍側キャストは1人も出て来ませんが 無駄金注ぎ込んだ特亜に媚びるゴミ映画と違ってちゃんとゼロ戦を強敵として描き 送り狼追い払ったウェーク島帝国海軍戦闘機隊(但し史実じゃそんなの居ません(笑))の活躍描いたのは此れが初めてかも。
原題:DAUNTLESS : THE BATTLE OF MIDWAY
ドーントレス=不屈と名付けられたアメリカ海軍急降下爆撃機の渾名
アメリカ劇場公開作品
CGパートはリトアニアの会社からレンタル
2020年 日本単館上映
同年DVD化しレンタル開始
例によってアルバトロス^_^
取り敢えず最初に言いたい事をいってスッキリしときましょうか……よくも騙しやがったなアルバトロス(•ˇ_ˇ•)
多分みんな豊川悦司さん出演のそっちを期待して借りたお客様が圧倒的多数だと思います 劇場公開から1年経過してもWikipediaじゃ記事すりゃ作られず映画批評サイト閲覧しても "パッケージとタイトルに騙された!" "イケメン俳優居ないじゃん金返せ!" "とにかくCGが全体的にショボい" "鬱エンドで大半が漂流シーンだから退屈" とタコ殴り状態(涙) 勿論褒めてるコメントなんて殆ど有りません。 レンタル店でセールの日狙って借りたものの作品間違えたし SAOアリシゼーション借りたついで 冒頭部分の間抜けな会話シーンで見る気失せ取り敢えずサーバーに保管 暇な時間に酒飲みながら見てやっぱり駄目だったら忘れちまおう そんな積りだったんですが何故か最後まで見入ってしまったから作品紹介する事にしました。
はっきり言って娯楽作品としては失格 史実に基づいてるなんて表記してるだけで人名除いて最初から最後まで嘘っぱちと思い込みで描いた物語なんですが 映画を覆う雰囲気や敵(人物出て来ないけど)味方に敬意を振るってる描写が気に入ったんですよ 私個人の評価としては太平洋戦争を描いた作品としては日米合作の "トラ!トラ!トラ! 70年 但し劇場公開&日本アレンジのビデオ版" 以来の良作です 1942年から配備が始まり朝鮮戦争前に23隻が実戦配備(他6隻が途中キャンセル)しその圧倒的生産数と実戦配備ペースから後年SNSに集まった軍オタの間で "月刊空母" と恐れられたエセックス/タイコンデロガ級の建造始まったのは実質1938年 其れ以外にも建造途中の巡洋艦を改装した11隻の軽空母に 数だけなら軽く60隻超える輸送船改装した "週刊空母" 此れだけの戦力投入しても1945年まで戦争終わらなかった史実
此れに加えて各種支援艦艇の乗組員やら搭載する艦載機パイロット養成は………当事者亡くなり漸く公開された様々な資料読んでると後年行われたベトナム戦争時のヘリパイロット大量養成(5000機墜落 殉職者数未公開)とどっこいどっこい 大日本帝国陸海軍がやってた特攻機の其れよりも酷い人命軽視振りが明らかになってまして 21世紀にもなって中華人民共和国をリーダーとする特亜が全世界相手に始めようとしている総力戦がどれだけ時代錯誤で狂っているかが良く分かります 宗教そのものなイデオロギーに振り回されたり資源や食糧無けりゃ他所から奪えば良いやと、紀元前の蛮族か増え過ぎた蝗みたいなノリで侵略戦争なんか始めても滅ぶだけ 何故義務教育や高等教育でも歴史を教えるのか 日本の其れはGHQやぱよぱよちーんな嘘付きにかなり歪められてますが 先人の失策や成功の積み重ねを学ばなければ必ず同じ間違いを繰り返すからだと書いときますね モノ作りは人作り 国や社会をまともにしたいならまずは人材を育てなさい
其れが出来なければ今のアメリカ合衆国や中華人民共和国の様に歪んでしまうし、国や企業に社会環境も必ず腐ります(嗤)
【 SBD-3ドーントレス艦上爆撃機 軽武装で紙装甲な初期型と異なり機首には戦闘機としても戦える様に12.7mm機関砲2丁 後部座席には7.7mm2連装機銃を装備したヘルダイバー 曲がりなりにも名機扱いされてる理由は熟練搭乗員が乗り込んでた珊瑚海海戦からミッドウェー海戦における大金星から なお損失数は時代遅れな雷撃機と大して変わりませんでした。 帝国海軍の愛知99式艦爆同様に人材枯渇し、パイロットが促成栽培品に入れ替わってからは目立った活躍していません 後継機のSB2Cヘルダイバー共々哨戒任務がメインとなります。 】
★本当は風防閉めた方がスピード出るけど映画や記録映像でみんな開け放ってるのは水に落ちたら直ぐ沈むから 元々日本の艦載機よりも重くて開け閉め大変なのよ
☆ぶっちゃけると急降下爆撃は文字通り命懸け かの有名なスツーカも試作機5機全部が急降下中にパイロット亡くなってます ウーデットのゴリ押しとお手本無けりゃ採用されませんでした よってアメリカ陸海軍は暖降下しか出来ず他のメーカーが試作した新型も軒並み不採用 同じ理由で日本でも廃れました。
"古老の船乗り"と言う詩はサミュエルTコールリッジが1798年に発表した悲しい物語だった 北極圏で遭難しかけた帆船を安全海域まで導いたアホウドリを飢えに耐え兼ね殺してしまった船乗りが体験した恐ろしい報い 風が吹かず凪いだ海に飛ばされた船の中で次々と渇きに耐えられず死んでゆく仲間達 元凶を作り出した当の船乗りは死んだ仲間よりも遥かに惨めな体験を重ね独り生還 街や村々を彷徨い歩き己が犯した罪と罰を語り継ぐ………俺は死にかけた准尉長に何故あんな話をしてしまったんだ もう苦しみに耐えられない 拳銃を引き抜き頭を撃ち抜こうとする主人公 ノーマンFヴァンデヴィア少尉の回想シーンからこの物語は始まる。
海軍士官学校で同期だったベネット大尉との再会 記録映像で綴られる真珠湾攻撃と珊瑚海海戦 ベネット大尉が乗り込む事になったのは哨戒任務や漂流者救助に投入されたPBYカタリナ飛行艇(6人+お客さん) この辺りの説明描写は適当に流すとして 物語はミッドウェー海戦の初日1942年6月4日早朝へ 先日から始まったミッドウェー島基地への爆撃と空中戦により基地を防衛する戦闘機や爆撃機に雷撃機はほぼ壊滅 南雲提督率いる正規空母4隻を主力とした機動部隊に対処するためレイモンドAスプルーアンス少将とジョージDマーレ艦長 病気療養中のハルゼー中将の代わりに空母エンタープライズに提督待遇で乗り込んだマイルズ・ブラウニング大佐(英語表記はブローニングですが映画に合わせます)指揮下で行われた作戦は文字通り泥縄式
互いに敵の位置を探り攻撃隊を送り込む状況が続いていた
第一次攻撃隊は空母3隻合同で117機 その内エンタープライズから出撃した戦力はF4F戦闘機10機と爆撃機33機(映画では35機)に雷撃機が14機 時折襲い掛かる日本軍の爆撃機や観測機の妨害行為に振り回されまともな連携も取れないまま始まった出撃は大混乱 護衛の戦闘機はホーネット隊に付いて行ってしまい途中でガス欠 雷撃機部隊も逸れてしまった。 ドーントレスは途中1機行方不明となりエンジントラブルで1機着水 31機となったエンタープライズ攻撃隊を出迎えたのは 度重なる乱戦で燃料切れとなり着艦 機数18機を割り込んでもなお執拗に食い下がる敵ゼロ戦部隊 先行した同空母デバステーター隊は直掩居なかったから10機も落とされ ホーネット隊の雷撃機も15機全て撃墜された
ちなみにホーネット隊の爆撃機とエンタープライズの戦闘機も含めた護衛隊は迷子となり無傷で帰還 後日衝突事故起こした最上と三隈攻撃に参加 満身創痍の三隈沈めて快哉上げますが他の空母航空隊からは恨まれる事になります 映画では尺の都合有りカットされてますが ヘマやらかしたエンタープライズの戦闘機隊指揮官は危うく隊長戦死したデバステーター隊の生き残りに殺される所でした
結局空母3隻に致命的なダメージ与えたのは主人公達も含めた急降下爆撃機隊だったが対空砲火とゼロ戦によりエンタープライズ隊のドーントレスは半数近い14機が落とされ 次いで送り出されたヨークタウン攻撃隊の35機も含め生還した機体はほぼ半数以下 主人公ヴァンデ少尉と撃たれたリー准尉長が乗った6B14機も爆弾投下に成功したが対空砲火に捕まり着水 脱出用のゴムボートや医療キットに食糧や飲料水も持ち出せぬまま漂流する事に 唯一生き残った空母飛龍の反撃で空母ヨークタウンは大破炎上 艦を離れるフレッチャー提督から艦隊指揮を移譲されたスプルーアンス提督は味方戦力の回収を優先しようとするが 敵はなお正規空母1隻と別働隊の軽空母2隻が残り ほぼ無傷の主力戦艦や巡洋艦を持っている ミッドウェー基地航空隊も自軍の大損害と引き換えに多くの敵艦沈めたと主張するが証拠は無い(実際損害ゼロでした)
航空機搭乗員を全て見殺しにしてでも敵空母・飛龍への攻撃を行うべきだ!! ハルゼー提督の名前出し徹底抗戦を主張するブラウニング大佐の主張に根負けする形で始まった第二次攻撃隊は多くの未帰還者と引き換えに空母飛龍を炎上させるが………爆弾だけでは致命傷を与える事は出来ず この時点でも赤城/加賀/蒼龍では必死の消火と乗員の救出活動が続いていた 海上に取り残されたヴァンデとリーは飛龍攻撃に向かう味方艦載機に声を上げ助けてくれと手を振るが、高高度飛行中で敵戦闘機の奇襲攻撃を警戒してる彼等は気付かない
ミッドウェー基地を出撃したベネット大尉率いるカタリナ飛行艇に与えられた任務は未だ海域から離脱しない敵艦隊や敵上陸輸送船団の捜索 半ば其れを無視し救援捜索活動の末にゼロ戦に追い回されながらもホーネット雷撃隊の唯一の生き残り発見しゴムボートとサバイバルキットを投下 夜間ボロボロな状態で基地に戻ったものの空襲受けたミッドウェー基地から出撃可能な戦力はカタリナ飛行艇全31機のみ 戦隊司令から空母機動部隊が受けた大損害を知らされ少しでも多くの搭乗員を救おうと誓う彼等に与えられた命令は爆弾担いでの送り狼任務 空母エンタープライズとホーネットでは飛龍攻撃から戻った攻撃隊を収容するためブラウニング大佐の反対を押し切りサーチライト点灯 全機搭乗員ごと放棄されそうになっていたパイロット達は安堵の声を上げる
結局この時の様々な振る舞いや命令介入が問題となり、スプルーアンス提督はブラウニング大佐を解任 ハルゼー提督は最後まで彼を庇ったがパイロット達だけでなくその遺族やホワイトハウスにまで広まっていた悪名はフォロー出来なかった 新型空母CV12ホーネットⅡの艦長に就任したものの 其処でもパイロットを使い捨てたり酒飲んで暴れたりと色々やらかした大佐は破滅し左遷されてますが日本語版の文献少ないのでアレの末路ははっきりしません。
三日月の夜に照らされた海の上で遂に力尽きたリー もっと酷い死に方になる可能性も有った ヴァンデを追い詰めるのは澄んだ暖かな海と渇き 6月7日、日本軍は炎上を続ける4隻の正規空母を雷撃処分し撤退行動を始めるが 送り狼となったカタリナ飛行艇に立ち塞がるのはウェーク島の海軍ゼロ戦部隊 夜間渇きに苦しむヴァンデに手を差し伸べるかの様に遂に恵みの雨が降り注ぐ だが彼の心は既に限界だった 物語は冒頭部分の映像へ 最後のタバコも波で吸えず頭を撃ち抜く筈だった拳銃の弾丸は全て海水が入り不発 錯乱状態のヴァンデの前に現れるリーの亡霊との遣り取り、其処へカタリナ飛行艇がやって来た 最後の力を振り絞り飛行艇に向かって泳ぎ始める主人公 だが彼が幻視する其れは偶々海に降りた海鳥の姿
浮袋を残し誰も居なくなった海面から飛び上がる海鳥 1942年6月30日、アメリカ海軍はヴァンデヴィア少尉とリー准尉長を行方不明から戦死に切り替えた。
★ウェーク島は大東亜戦争開戦直後、真珠湾攻撃を終えた帝国海軍機動部隊と陸軍の総攻撃を受け占領されますが 何故か捕虜や島の奪還作戦が行われないまま1945年6月まで文字通り放置されました。 航空機の派遣や輸送船に潜水艦による物資補給が発覚する度に執拗な空爆が繰り返され 島の警備を任された陸軍兵士達と船沈められ安全な捕虜収容所へ送れなかったアメリカ兵の主な死因は栄養失調と餓死 指揮官は島奪還後、捕虜処刑や虐待の罪により絞首刑に処されてます。
☆ハルゼー中将の主任参謀で元テスト・パイロットだったマイルズ・ブローニング大佐(映画ではブラウニング)については昭和〜平成の資料では数々の美談並んでますが今のWikipedia(ハルゼー中将やスプルーアンス少将関連)では真逆の評価 史実調べてみると同僚の嫁寝取りしたり度重なる部下へのパワハラ等々 評価は散々です。 まあ山本五十六の爺様も最近の文献じゃ評価ひっくり返ってますし実際に会う事も出来ないので真相は分かりません。




