夜のジンファンデル 06年
2024年8/8〜同日夕方 タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割込み投稿 丁度タブレット端末もスマホも動かなくなったタイミングで上空行交う戦闘機の群れに軍用ヘリ てっきり第三次世界大戦でも始まったのかと(笑) でも慌てて頼み込んで映して貰ったデータ放送は通常営業でGoogle云々な話も皆無……結局何だったんだろうね此れ そういや能登の時も前の日に30分程度だったけどスマホもタブレットも止まってたわ てっきり大晦日のアクセス殺到で混線してたのかと思ってたけどまさかね(汗)
【 もう二度と此の世で会うことは無いと自覚してしまうと忘れられなくなる初老迎えた男女の機微 文庫化の際は篠田節子作品で度々題材となる日本を弱体化させた就職氷河期世代に対する酷い扱いテーマに据えつつならば私達がそんな輩や価値観を捨て生き残りを模索するのが最善策ではとなるちょっと奇妙な物語にタイトル改題 全部で6作の短編集ですが関連性は有りません 】
★此れも不倫物かよと長年食わず嫌いしてた図書館本 私のお気に入りは表題作と何処となく森山塔の幻想エロマンガ風味な"ポケットの中の晩餐" 同じく山本直樹(路線違うけど同じ漫画家)風味な"コミュニティ"はそこそこ面白かった
日本 ホラー&ミステリー短編集
篠田節子 著
集英社 刊/2009年文庫化の際、コミュニティに改題
❖なお"ジンファンデル"はカリフォルニアで栽培されてる
糖度15%の葡萄 種が大きく食べ辛いので專らワイン用
当時オーストリア領だったクロアチア集落の名から取ったそうで勿論密輸品
令和6年8月8日 未だ原因どころか経緯すら不明ですが昨日別館の投稿終えた直後ぐらいからGoogleが誤動作起こしWi-Fi繋がってるのにタブレット端末もスマホも動かない 精々飲み会の連絡とレンタルDVDの会員証兼クーポンぐらいしか使ってないスマホはともかく、タブレット端末が全く動かないのは閉口しました 結局日付変わり漸く復旧したものの買い込んだり図書館から借りた本や先日買い込んだガンプラ無けりゃかなり手持無沙汰となる所でしたよド畜生 やっぱり古本屋で山積みになってる辞書か家電販売店で勧められる独立型の電子辞書とか有線タイプでNET繋がるノートパソコン買おうかな 何でもかんでも1つの端末で収まるという事は、其れが壊れたりすればお手上げということなんでしょう 勿論テレビも家人が韓流ドラマ見てて視聴不可だったので安いラジオでも確保して置くのも考慮に入れときます 台風情報なんて此れに頼り切りだったしね
シャム猫系の雑種(♀)は相変わらず私の半径最大2m圏内に転がり時折かまえだの撫でろだの毛繕いしてくれと鳴いてスリスリと…… 飼い猫も此れ迄通いで飯集りに来る猫共も割と食逃げ上等のドライな関係だったので まるでワンコの如く甘え付き従われるのは戸惑うばかり 尤も私に懐く様な輩は人やケダモノ関係無しで大概良い性格してるのである程度突き離して置いても自身でどうにかするタイプばかりだから心配はしてないけど 此れが誘ったのかまた居座る猫が増えそうなんだよ もう犬飼うのは諦めた方が良いのかも(苦笑) ふと目が覚めるとお腹にくっついて暑さ倍増しにしてるのもキツい では先々日深夜から明け方まで降り注いだゲリラ豪雨で再び蝉時雨が復活してますので時々ネタは此処までにして本編へ 例によって6本組みなので徹頭徹尾ストーリー端折ります 此ればかりは個人の好みの問題ですので当該作品に思い入れが有るお客様には勘弁を
■永久保存 小説すばる 1991年12月号
❖リーマン時代は店舗の半地下倉庫が書類の保管庫でした あっちも大概人が立ち寄らない場所だから閉じ込められたら熱中症により半日でアウトです よって必ず携帯持ち二人一組義務付けてましたっけ
上しか見てないから足元崩されたら後は落ちるばかり 長年総務畑で白川助役の太鼓持ちとして出世街道歩んで来た林圭司課長が上司の不祥事に巻き込まれ地区市民センターに左遷され早2週間 どうにかして裁判やり過ごし元の職場へそして愛人との逢瀬楽しむ生活取り戻す 空回りする主人公を死へと追い遣ったのは怠惰と無能を極め左遷人事じゃ必ず名前上がる職員 斎藤文子とヒステリックな新しい上司毛嫌いしてる安藤主任にセンターの生き字引 下島芳子係長 うっかり普段人が立ち入らない倉庫に閉じ込められた林課長が屍蝋化状態で見付かったのは行方不明となってから5年以上の歳月流れ倉庫の取壊しが決まってからの事だった。
■ポケットの中の晩餐 小説すばる 1992年6月号
❖ちょっと知恵遅れ気味な幼馴染…… 昭和のエロマンガじゃ定番の設定でしたね 身勝手な主人公が捨てた過去と優しさに殺されるのもこの手の物語のお約束
篤志家の長男として生を受けたものの継母とは折り合い悪く高校中退し都心で貧困生活 幻の街の地図を描く前衛芸術家 黒塚宗の転機は、本名 黒田宗一に戻してから始めたアニメのメカデザイナー その気になっても使い切れない程の資産を稼ぎ出した彼の唯一の理解者だったのは街の慰み者だった知恵遅れ気味の幼馴染 深雪 誰かの子供宿し子宮外妊娠で享年20歳で人生終えた彼女の葬式に参列してから13年振りの衝動的な帰郷 再開発により街や田畑は何もかも消え去りニュータウンと呼ばれる団地群と成り果てた其処で彼が見ていたのは深雪の幻影 高校通いながら食堂で働く彼女のエプロンの中から次々と現れるのは学校で虐められ自宅にも居場所が無い彼の為に取っておいたコロッケや惣菜パン 失った者の重さに遂に耐え切れなくなり道路に横たわった宗一は通り掛かったトラックに轢かれ幼馴染との逢瀬を思い浮かべながら優しく微笑む首だけが側溝で見付かった
■絆/逢い引きから改題 小説すばる 1998年8月号
❖モノレール建設で大半消えたけど家の近所によく不法投棄されてたのが洗濯機と冷蔵庫に中国製のミニクーパー 臭いし怖いから開けた事は有りません
末期癌で余命幾許も無い母親の介護と医療費捻出の為、イタリア留学を途中で断念 母の葬儀終えた頃には無一文となった千秋が大学同窓の出世頭で中央官僚な 大宮秀司の愛人となったのは今から13年前の事 タイミング良くイタリア語をネイティブに話せ文化や建築学にも造詣が深い才女としてテレビ業界で活躍したのも今は昔 上司の紹介で結婚し一年一女を授かり夫婦関係も円満な秀司が40代迎えて用済みとなった愛人に手切れ金代わりに権利を譲渡したのは山中湖を望む山の中腹に建てられたリゾートマンションの1階スペース
実は此処が逢瀬の場でも有ったのだが千秋が何となく嫌悪感すら抱いていたのは前の持主がうっかり娘を事故で失う事になった巨大な冷蔵庫 ある日子供が其処に閉じ込められ窒息死する幻影を見てしまった千秋は手間賃負担する事になっても構わないと冷蔵庫を廃業処分する決断下すが 屋外に運び出された冷蔵庫で2日後に見付かったのは大宮の長男で自然教室から逃げ出した裕太の窒息死した遺体だった 千秋が見た其れはもしかしたら未来視だったのか 何はともあれ長い裁判が此れから始まる
■夜のジンファンデル 新潮社アンソロジー『恋愛小説』2007年3月文庫化
❖葡萄に限らず作物が美味しくなるのが日本の土壌 確かフランスで日本の野菜育てようとしたら軒並み巨大化&激不味化したので土壌からやり直ししたそうです
大学時代からの親友 百合子&隆夫婦が主催する 隆の海外長期単身赴任が決まってのお別れパーティー 実は語り部のヒロインと隆は10年前にカリフォルニアで偶々閨を共にした過去を持つ 無責任なガイドに自然公園に置き去りにされたヒロインを長距離ドライブで駆け付け救い出したのは此処に単身赴任中だった隆 互いの傷でも有り思い出でも有るジンファンデル 隆がその後帰国の際に持ち帰った葡萄は日本の土壌ではとても同じ品種とは思えない巨峰の様な葡萄となっていた 50歳を前にあの時の過ち或いは思い出に踏ん切り付けるヒロインと隆 10ヶ月後、隆は単身赴任先の中東でイスラム原理主義者の無差別テロの犠牲となった 悲しみに暮れる百合子を空港へ送り出し留守宅を預かる事になったヒロインが隆を幻視したのはジンファンデルがたわわに実る夜の葡萄畑 そうか貴方はずっと此処に居たんだ…… 画面は暗転し結末は分からない
■恨み祓い師 小説すばる 2002年7月号
❖生まれついての年寄り 私がイメージしたのは20代から御婆ちゃん役演ってた樹木希林さん
うちの借家にはバケモノが居る 月謝は2万円で6畳と4畳の二部屋に風呂トイレ付き東京は下町日暮里の木造賃家に1970年代後半から住み続ける年齢不詳の老婆達 島村トメとその娘多美代はクリーニング店や近所の保育園等から依頼受けボタン付けや繕い物を手際よくこなす事で成り立っていた この土地の大家に嫁いでかれこれ30年 ずっと2人の老婆にストレスを感じていた真由子が昏倒し担ぎ込まれたのは天城転生院と屋号の書かれた店舗の主で整体師とも拝み屋にも見える不思議な女性 2人を成仏させるためと口座に溜め込んだ貯金=112万7490円を対価として渡し始まった痛みと悲しみに恨みの除去 後刻108歳の母と88歳の娘は自然死の形で見付かったもののこの街に天城転生院という建物も整体師を名乗る彼女も実在していなかった なお貯金は本当に根こそぎ消えている
■コミュニティ 小説すばる 2002年1月号
❖団地の村化或いは限界集落化……割と有り得る話だから尚更キツい クルドの占領地域化進む埼玉県や中国人の閉鎖コミュニティ出来てる千葉県なんてこんな感じかも 住める人間だけが楽園なんて良く有る事
都心の職場に向かうならバスと私鉄を乗り継いで片道2時間半 家賃は共済費含め月5万2千円 公社住宅団地とは名ばかりなゴーストタウンに遠藤和典&広江夫妻と長男 匠が移り住んだ理由は不況を口実に此れ迄の給与を七割にカットされた和典 アトピーに気管支炎で通院する匠に掛かり切りな広江が依願退職に追い込まれたことによる都落ち この団地に移り住んだ多くの人々も同じ状況に追い込まれており文字通り近隣にはスーパーもコンビニすらも無いゴーストタウンだからパートで収入云々も成り立たない
妻 広江が此処に暮らす住民が有る種のコミュニティを構築し、例えば旦那が将来悲観し電車に飛び込んでも隣近所の家族全員が手を差し伸べ生活保護に頼らなくても生きて行ける環境だと気付いたのは此れ迄病に苦しんでいた息子 匠がかつて同じ様にアトピーや気管支炎に悩まされていた同世代の子供やその親御さんと遊び回るようになったこと 都心でリッチにお洒落なセレブ生活やってる自称成功者に嫌悪感すら抱いてる住民に感化されてゆく広江 此処から職場に向かい団地にはただ眠るため戻って来る夫達は皆お父さんと呼ばれる 妻も子供も分け隔てなくみんな家族で子作り相手 そんな爛れた関係に耐えられない輩は此処を出て家族散り散りバラバラになるか自殺する道を選ぶしかない お父さんが首吊り自殺し未亡人となった若い妻とうっかり関係持ってしまった和典は広江も余所のお父さんと関係持っている事実に一度は打ちのめされるもやがてコミュニティに順応してゆく
10月10日後、遠藤夫妻には2人目の息子か娘が生まれる 果たして血が繋がっているかは分からないが和典自身も未亡人や新たに此処に移り住んで来た若い妻に子種仕込んでるので誰が誰の子なんて気にもしていない 国や社会に会社から捨てられても此処なら生きて行けるだろう かつて日本という小さな集落がそんな形で誕生した様に
此れ纏めてる最中軽い揺れ…… 宮崎県を中心に震度6/マグニチュード7.2の強い地震と津波が発生したみたいです被害の全貌は此れからなんだろうけど普天間基地から米軍観測機もスクランブル発進してるなあ 人死に出てない事を祈ります




