ブラック・スネーク・モーン 06年
2021年1/16〜1/17タブレット端末にて執筆し午前脱稿 即日投稿
前回が明るい街角グルメだったのに今回は此れかよと怒られそうですが見ちまった以上書くしかない 何かもう見終えた後は暫く鬱になる映画だったしどう纏めるか悩んだけどハードディスクに何時までも残すのもアレですのでガス抜き回として投稿しときます。
【 アメリカ合衆国南部州のスラム同然なド田舎で暮らす低所得層の日常を リアルなシチュエーションで追体験出来るヒューマンドラマらしいのですが あからさまな迄にロリ枠なクリスティーナ・リッチの空回りなエロやノーブラTシャツに白パンツ姿とかがセールスポイントの鬱になりそうな物語でした 地方都市でギリギリ生計立ててるパヨな人達が暮らす村未満の集落って 令和3年な今も大体こんな感じです 昔の日本映画の人情話みたいな感じなのかな お笑い要素皆無だけど 】
★見てて感じたのが多分此れ登場人物全員黒人で演る演目だったかも とは言え彼女が出演しなかったらまず誰も見ないと思います。
原題:BLACK SNAKE MOAN
黒蛇の呻き
ブラインド・レモン・ジェファーソンの曲名から引用
アメリカ劇場公開作品ですが公開されたのは2007年
同年日本劇場公開 但し単館上映
2021年1月半ば 此処数日は気温24度オーバーな晴天続き いきなり夏に戻った此方沖縄はTシャツ&ハーフパンツで生活してますが武漢コロナの医療支援で北海道に居るらしい親戚 (職業は大体お察し下さい) からは 風邪引くなとマフラーや米に厚手の靴下が送られて来ました 生まれてこの方マフラーなんて使った経験無いんですがどうしたものか(苦笑) まあ寒の戻りは其れなりに有るしぶっちゃけ1月よりは2月が寒いから靴下は有り難く使わせて貰います。
レンタルコーナーでその余りにやんちゃなパッケージデザインと意味不明なタイトル 白ランニング姿のサミュエル・ジャクソン演じる主人公が鎖で縛っているのはショーパンにTシャツ姿で相変わらず童顔なクリスティーナ・リッチ なんか感想欄検索すると褒める人が圧倒的で貶す奴は皆無 動画サイトの予告編もそこそこ面白そうだしと借りてみたのですが 少なくとも私個人は何じゃ此れ(冷や汗)となったそんな映画 隣近所はみんな生まれた時からの顔馴染みで 集落纏める神父のみならず何処で何をやっているのか当たり前の様に監視されてるアレな生活 アメリカ合衆国低所得層の暮らしを追体験出来る南部讃歌で有りブルースな物語なんだそうですが
…………ゴメン私にはキツかった
こと恋愛関係に置いては連戦連敗の私にしてみれば 配偶者、特に夫に対して妻は常に誠実であれなんてキリスト教的価値観は心底吐き気がするし 寝盗られた負け犬の言い草なんてものはお笑い草 別段身体重ねただけで犯罪者呼ばわりされると少しばかりカチンと来ます ブルースの真髄は違うみたいですが恋愛感情は何れ覚めるモノだし 別段そんな要素無くたって上手く行ってる夫婦も居るし 子作りは恋愛感情無くても出来るのよ 大体脅迫神経症や快楽依存症を罪だと言い切ったり病に仕立て上げる社会通念や価値観そのものが間違っている 衝動は対処療法で抑える事は出来ても簡単に完治するものでも無いのです。
【 ところで何故元ミュージシャンで寝盗られ男な主人公ラザラスは 顔見知りでも何でも無い壊れた白人娘レイを助けるのみならず 彼女が抱える闇を力尽くで治そうとしたのか 結局の所単なる八つ当たりだった様な気がします。 明らかに息子娘も育てた経験すらも無い……何処か中途半端な老人が父親の様に振る舞う 行動のベースになっているのはどうも早世しているらしい父親の其れかな? 】
ミシシッピ州デルタと呼ばれる森に囲まれた低地 此処に暮らす人々は白人だろうが黒人だろうが貧困層から抜け出せない奴等ばかり ブルースミュージシャンを半ば引退し農夫として生計を立てていたこの物語の主人公ラザラス・レッドが長年共に暮らした妻ローズに裏切られ離婚を切り出されたのは 何処までも先の見えない貧困生活に心折れた末 街を出てゆく伝手を手に入れた弟ディークに妻を寝盗られた事に心底腹が立っている彼は空気読めずノコノコ現れた弟を危うく殺し掛け 幼馴染みの神父に慰められ 彼のブルースのファンなライブハウスを経営するおばちゃんに性的に迫られながら酒を煽る
元妻が大事に育てた薔薇の花壇をトラクターでズタズタにしたものの (あたしゃ八つ当たりで薔薇潰してる段階でこの爺に殺意すら抱きました フィクションとは言え無意味にも程が有る) 怒りが収まらない主人公が久しぶりに引っ張り出したのは 手入れだけは欠かさなかったギター トウモロコシ畑が広がる隣近所から離れた年代物の開拓小屋で独り演奏を楽しみ気を紛らわせたラザロスが翌朝、幹線道路沿いのゴミ置き場兼新聞受けへ向かう途中偶然発見したのは Tシャツにパンツ姿でボコボコに殴られた状態で転がる見ず知らずな若い白人女 下手に保安官や警察に連絡しても禄な事にならないし幸いにも女は未だ生きている 黒人で貧乏な彼が向かったのは同胞ミス・アンジーが経営する街の小さな薬局 口から出任せで親族から姪の世話を頼まれたと言い訳し処方箋が必要な咳止め薬 (鎮痛剤代わり) や消毒液をタダ同然で手に入れ家に戻るが高熱にうなされ錯乱状態な白人女に危うく性的に食われそうに
アレはまるで悪魔憑きだ 聖書抱えて咄嗟に逃げ出した主人公は混乱状態
若い白人女=レイ・ドゥールは白人スラム街でかなり有名な厄介さんだった。 幼い頃から父親に性的虐待を受け育った彼女は不安に駆られると性的衝動が抑えられなくなるらしい 交際相手で身も心も依存していたロニーが街を出るための資金を稼ぐ為に海兵隊へ入隊 独りトレーラーハウスに取り残されたレイは半ば狂い誰彼構わず男を咥えこんで居るらしい 当初怪我が治ったら服を与えてさっさと追い出す積りだったラザラスは一念発起 誰彼構わず襲いかかる彼女を鎖で縛り付ける事で壊れた心を治療しようと悪戦苦闘 集落の纏め役も兼任してる黒人神父やライブハウスの常連客 ミス・アンジーを始めとする集落の女性陣を巻き込んでゆく
映画見てるお客さんだけは冒頭のドン引き必至な交尾場面で大凡気付いているがヒロイン=レイの交際相手で有るロニーも彼女に負けず劣らずな厄介さん 幼少期の虐め或いは親からの虐待が原因で 見ず知らずの他人に怒号を浴びせられたり相手が不機嫌になると挙動不審になったりトイレでえづく等、問題行動を起こす男 案の定基礎訓練で錯乱状態となった彼は即座に不名誉除隊処分となる そもそも拳銃持つのも怖いロニーには軍人なんか務まる筈が無かった
定期的に家へ食料品届けるリンカーン少年がレニーに性的に食べられたり 友人の奇行にドン引き状態な神父がそれでも勇気振り絞りレニーの悩みを聞いたりとまあ色々有って漸く人間らしい振る舞いが出来るまでに回復したレニー 恋人が得体の知れない黒人爺さんに監禁されてると聞き拳銃片手に乗り込んで来たロニーとの対峙から始まる人生相談等々 兎にも角にも何とかスラム街を出て新天地ノックスビルへ移り住む伝手を得たレニーとロニーの手作り結婚式を開催するラザラスと黒人街の仲間達 不安感から始まる性的衝動や脅迫神経症からは未だ逃れる事は出来ないものの衝動を少しだけ抑える手段を見付けた彼女達の再出発 ラザラスもミス・アンジーとの距離を詰めつつ有る。
とまあ物語はこんな感じで展開するのだけれど映画の本当の目玉は 大人になってもメイクしなけりゃ本当に童顔で幼児体型なクリスティーナ・リッチがノーブラにボロボロのTシャツとパンティ姿でのたうち回る場面 半ば錯乱状態でラザラスが無理やり風呂に入れなければずっと汗塗れでトイレすらも垂れ流し状態なその姿 緑豊かな筈なのに陰惨な雰囲気漂うラザラスの暮らす農園 ボロボロな道路とゴミや注射器が転がる芝生公園 蹴り飛ばしただけで崩壊しそうなトレーラーハウスに穴ボコだらけなライブハウス等々 アメリカ有数の貧困地帯で有るミシシッピ州デルタ地帯の光景
どうも20世紀末に起きたハリケーン・カトリーナの災害復旧が何一つ成されぬまま金持ちはより金持ちに貧乏人はより貧乏になる 現代版人頭税や消費税制政策続け社会保障や教育制度おざなりにした結果がアフリカのスラム街顔負けなこの惨状らしいのだが この国本当に大丈夫かねと心配になる作品でした。
こんなんでも政府から生活保護費支給して貰えるし持ち家や車有るから ダンボールハウスで暮らすニューヨークやカリフォルニダのホームレスよりはまともな生活らしいです ちなみに大都市に暮らす?ホームレスの月収は彼等の3倍以上。
本編とは無関係ですが先日定期検診に通う際、偶々待合室のテレビで見せられる事になったアーノルド・シュワルツェネッガーの痴態 本人はCNNの報道鵜呑みにして上から目線でトランプ大統領をナチ呼ばわりしてますが 彼の両親はオーストリアからアメリカに亡命した元ヒトラー少年団………思わず変な笑いが込み上げてね。




