飛ぶ夢をしばらく見ない 85年
2020年12/30〜12/31タブレット端末にて執筆し脱稿 同日深夜3時投稿
【 若返りどころか赤ん坊へ更には存在消滅の道を直走る恐ろしさは 歳を経て身体の自由が効かなくなったり記憶が曖昧になりながら消えてゆく悲しさと同じ事 そんなシチュエーションで描かれたアラフィフ男性と若返りが止まらない女性のSEXとすれ違いの悲恋 そして其々の家族関係の崩壊を描いた物語 今となっては其処までエロだとは思いませんが多分再映像化は難しいかな そもそも誰かに逢って云々な描写や不倫ネタは 何処の世界でも家畜みたいにギャーギャー騒ぐ阿呆が増えました 所詮はフィクションだと何故割り切れない? 】
★1990年に映画化されてますが……何処探してもDVD見付かりませんでした 小説版をベースに感想とストーリー再構成します。
日本 幻想小説
山田太一 著
1985年 新潮社刊
1988年文庫化 税込¥360
2013年 小学館文庫化
価格は倍増し(汗)
2020年最後の日に取り上げる題材が此れかよと運営さんからドロップキックされそうですが 此処はそんなにお客様来ないし大丈夫でしょう。 某動画サイトで別名ろりこんのバイブルと呼ばれるご都合主義の代名詞 (そもそもタイムマシンやコールドスリープシステム以前に自分を死ぬまで愛してくれるなんて都合の良いにも程が有る年下の異性なんて居る訳が無いです。) みたいな古典SF "夏への扉" の日本舞台の映画予告編見てしまい 高校時代に精神的なダメージ喰らったインモラルの性書もとい聖書を連想したので思わず図書館から借り来ました。
当時はアラフィフな登場人物の悲哀や性的ストレス 崩壊する家族関係の悲しさなんて知る由もなく 以前紹介した黒猫館同様、ただひたすらエログロ描写とクライマックスの悲しくも美しい別離シーンに振り回されてたイメージが有ります 昔はエロと悲劇がワンセットとなった物語に惹かれてましたから18歳未満お断りなゲームやその手の作品情報掲載してたパソコン雑誌にも手を出したっけ 今じゃ明るく笑える後腐れ無い方が好みですけどね 例えフィクションで有ろうがその手の物語を実写映像で見たいかと聞かれると出演者がイマイチだったり日本人だと何か生々しく正視出来ないと映画化&ビデオソフト化された其れは視聴をスルー
あれから十数年、今更どんな映画だったのか興味抱いて動画検索してみましたが 勿論実用性は皆無でやっぱり見なくて正解でした(苦笑) ついでにあちこちのレンタル店回ったけど 異人たちとの夏(大林宣彦監督作品だから有ると思ったんだけど何処も韓流ドラマばかり) 同様、何処もレンタル落ち 故 細川俊之の旦那も当時絶頂期だった女優の石田えりも嫌いじゃ無いけどそこらへんを歩いていそうな登場人物だと何かピンと来ない 人を惑わす物語は妄想力を掻き立てるCDドラマや登場人物をあざとく盛れるアニメやコミカライズの方が余韻が残るから実写化は不可能でしょう。
【 作品タイトルの "空をとぶ夢" は性的欲求の高まりを表すそうで (byカール・グスタフ・ユング博士 私は時折、彼と医療系セクハラ漫談で有名なお笑い芸人の故 ケーシー高峰氏を混同しますが問題無いよね?) 曲がりなりにも一般文芸作品ですからインモラルな描写に付いても もしかしたら精神的に病んでしまった主人公の妄想が生み出したモノでしか無いのかもな逃げ道を作って有ります 具体的なエロはその辺りを理解した上でスルー頂ければ幸いです。 】
★ちなみに此処で文章書き始めてから私は自分の夢に思いっきりツッコミ入れて目を覚ます機会が増えました 淫夢の類にも容赦無くやらかすから起きてしばらくの間はやる事やってから突っ込めよと自己嫌悪に駆られる事も……まぁ直ぐに忘れますけどね
其れは自分の居場所を無くし "そらをとぶ夢をみた" 男女の出逢いと別れの物語 精神的に追い込まれ単身赴任先の北陸で自殺未遂をやらかした田浦修司が運び込まれたのは駅を一望出来る総合病院 右脚大腿骨を骨折し10日近くベッドから動けない彼が宮林睦子と出逢った切っ掛けは列車の脱線事故 大勢の重軽傷者が運び込まれた事により大部屋を一時的に追い出された彼は数日間彼女と同室となり衝立越しのちょっとした遣り取りが原因で○○ニーを 翌朝、同い年ぐらいだと思われた彼女が本当は自分より1周りも歳上だと知り気まずい思いを味わう事に
其れから1月半後、とある事情から疎遠気味な妻や息子が暮らす東京本社に戻れたものの 自殺未遂が原因で針のむしろの様な立場となった主人公を訪ねて来たのは あの夜を堺に肉体年齢が40代半ばにまで若返ってしまった睦子 彼女に誘われるまま食事を共にしホテルの1室で身体を重ねてから2ヶ月後の5月 再び再会した彼女は20代半ばまで若返っていた 体調を崩す度に少しずつ若返ってゆく身体 そんな彼女に身も心も惹き込まれてゆく主人公 雑誌編集者の仕事が忙しく中々自宅へ戻らない妻 ホテルでの逢瀬を偶々目撃してしまった息子との関係の変化 若返りが止まらない睦子を受け入れてくれたのは主人公だけ 同い年の夫と45歳半ばの娘に息子が居たのだが日々変化する姿に怯えた彼等は彼女を半ば放逐したらしい 自暴自棄となった睦子はバーで知り合った在日米軍の兵士から拳銃を入手 ちょっとした強盗未遂事件を引き起こした2人は混乱状態で袂を分かつ
7月初旬、三度職場に現れた睦子の姿は10代半ば 最早アパートを借りたり買い物すらままならない年齢まで若返ってしまった彼女とホテルで最後の乱痴気騒ぎ 会社に休職届けを出し自宅を出た主人公とアパートを借りての同居生活 徐々に立ち振る舞いすらも歳相応になってゆく彼女との爛れた関係 隣に住む薄気味悪い独身男性の通報でアパートに現れた警察官達 再び発作が始まった睦子を逃がす為、警官に襲いかかる主人公 もし捕まれば彼女はモルモットにされるかも知れない 逮捕された彼は供述調書の取り調べも事情聴取にも応じず留置場暮らし 公務執行妨害で訴追され裁判の末、解放されたのは11月も半ばを過ぎてからの事 ニュースを見て駆け付けた妻の証言で情状酌量され懲役6ヶ月執行猶予2年の判決を受けた彼の見返りは離婚届けの提出 仕事のストレスによる自暴自棄を考慮に入れてくれた職場は解雇処分では無く依願退職で処理してくれた。
釈放されて3日後、再就職先を探す口実で自宅を出た主人公は外見年齢が5歳前後となってしまった睦子と再会 最早そういう事も出来なくなった彼女の為に此れから必要となる服や下着そして食糧を デパートの屋上で親子の様に食事を楽しみホテルでお風呂……既に次の発作が起きるのは時間の問題
「さようなら 最後の姿は見せたく無いの」
駅へと隠れ家へと向かう彼女を途中で降ろし見送る主人公 小さなワンピース姿の彼女は行き交う人々の姿に紛れやがて見えなくなった。
……エロなシーンとか電波な妄想場面さっ引いたら粗筋が何時もの半分程度になりました(泣) 当初は新春早々の姫初めな名目で物語纏めてたらなんかしんみりしちゃうオチ&短めな内容になったから年内投稿に切り替えます と言う訳で2020年は新規投稿115話 旧稿全面改稿が17話の延べ132話 来年も御贔屓の程を 新春作品は何を題材に上げますかね?
重ね重ね来年も宜しくお願いします 新年会も忘年会も軒並み中止になったからペース上げますかね。




