報告書その3
□報告書
神国家の九から報告。結果、失敗。また参に続いて七にも反逆の意思ありとの報告。
上部の顔色をうかがう。失敗に続く失敗。二度の失敗にも上部は寛大である。しかし、三度目の失敗は死を伴う。それが帝国のやり方だ。
次をしくじれば命はない。四、伍、十、と失敗。十は疲労が大きく。四、伍、に至っては未帰還。
物理戦の参に魔法戦の六、八、九、壱壱、いまだ教育中の壱弐を使うわけにはいかない。残るは壱、弐、か。しかし壱、弐、は護衛のためにも帝国から出すわけにはいかない。しかし…
参が神国家から旧王国へと移動すると九からの報告。
断腸の想いで弐を旧王国へ派遣。魔法国家に潜伏していた六、八、旧王国に潜伏している壱壱にも作戦を命ずる。
作戦名は弥生、文月の破壊。物理戦1、魔法戦3の作戦である。失敗するとは考えにくい。
問題点は当初の目的であった神に愛されし土地の試料の収集が滞ること。現状では九のみである。しかし、これを遮ることは誰にもできまい。
壱参の検体。これさえできれば帝国は安泰なのだ。これだけは、これさえあれば。
弐、六、八、壱壱、に作戦を通達。行動へ。
これだけの戦力があれば弥生、文月が生き残るはずがない。また協力者がいても問題はあり得ない。しかし、しかし。
四、伍、の時もそうであった。しかし生き残った。七という外要素があったからか、またはヤツらは――
…あり得ないことを考えるべきではない。そんな暇、ありはしないのだ。
報告書その3。この辺から誰が誰だかややこしくなる。




