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【最後の】報告書
□【最後の】報告書
死んだと思っていた参、七、の生存を確認。何故だ。何故そうなる。
九の報告の後、この研究室には何者も立ち寄らなくなった。当たり前だ、俺は死ぬ。
しかし、十三番目が生まれていない今、俺がこの研究室から去るわけにはいかない。
十三番目は輪廻を廻る。死した天刃を再び現世へとよみがえらせる永久機関。これが、我が子がいればまた殺されようが俺はもう二度と一人になることは無い。
常に十二に囲まれて、幸せな家庭を持ち、憎き心を殺し、ズヴィア帝国はこの世界で最大の国家になる。そう、この国は俺の国になるのだ。俺を入れてたった十四の大国に。
だからまだ去るわけにはいかない、完成させなければ死ねない。
壱を研究室へ呼ぶ。時間が無い、壱弐の事などどうでもよい、早く、早く――
ガチャ
扉を開ける音は、ソレは俺を天国へ導く音だ――
最後の報告書。




