〈星影の魔女〉の呟き
上をみれば朝昼晩いつでも星空、下をみれば真っ黒でそこが見えない深海、横をみればきらきらと光る王都ステラージュ国。
〜23時18分、星辰の座にて〜
この世界の中で魔術師の頂点とされている〈天星の12使徒〉が円卓に座っていた。
今は前の〈黄金の魔術師〉は老衰で亡くなられたために12使徒ではなく11使途になっている、そのため空席が一つあった。
星辰の座はステラージュ国城内にあり、国王と12使徒しか入ることはできない。
また、暮らすことができるほど大きな星辰の座はいつでも使うことができ、連日の捜査などに12使徒は寝泊まりをする。
そんな12使徒の住居な場で12使徒国王は会議、星辰評議をしている。
それぞれ高さが違う椅子に座っているの12使徒たちはみな眉間に皺をよせて険しい顔や真剣な顔をして話し合っている。
……不真面目な奴以外は。
一番高い椅子に座っているのは〈日輪の魔術師〉ソル・ヴァルキリ。
セレスティアの中で一番強い人物とされている1等星という称の持ち主だ。12使徒の中で一番の最年長で、ソルは今年で180歳らしい。
次に高い椅子に座っているのは2番目に強いとされている2等星の称の持ち主、〈月影の魔女〉リシア・ゼフィラ。
式典にも出ず、星辰評議にもたまにしか出ず、制服を着てその上に黒いローブを羽織っている、謎めいた魔女だ。
ちなみに、12使徒の中では最年少の魔女だ。
その上位等星をもっている2人と国王が中心になって話し合っているのは、北に位置する隣国、アステリア国について。
その国には最近アステラノヴァ・スクールという学校が創られると言われている。
その学園は中高一貫で、剣術と魔術を習う学校だ―ルナリスとアリンが通える学校に今のところなっている。
そのアステリア国はとても小さい国なため、まだ相当な権力は握っていない。
そのため、アステリア国は膨大な権力を握っている王都ステラージュ国に学校制度の決定を委任した。
アステラノヴァ・スクールの制度については12使徒と国王が共に相談して決めることになったのだ。
そして現在、星辰評議ではアステラノヴァにはセインも学校に通うことができるようにするか話し合っている。
「私は反対」
ぴしゃりと反対の言葉を告げたのは若く整った顔をもった〈霧の魔女〉ウラナ・シアリス。4等星の称の持ち主だ。
「俺は賛成だぞ〜!だって学校っていっぱい人がいた方が楽しくない?」
元気よく賛成と理由を告げたのは運動神経が尋常じゃない〈天上の魔術師〉ヴィオラ・アストリス。2ヶ月前に12使徒になったばかりの新米だ。
魔術より体術の方が結構凄い。
ちなみにリシアが16歳。ヴィオラが17歳だ。
ここだけの話だが、リシアとヴィオラは国民の中では美男美女として有名だ。
実力としても有名だが。
「んじゃ多数決で決めた〜い」
マイペースなしゃべり方をしたのは、〈旋律の呪術師〉ジュピリス・リバマラ。
彼は家庭の事情で災いと戦う機会が少ない。
それでも3番目に強いとされる3等星の称をもっている。それだけ実力は確かのはずだが……気さくな性格の呪術師は今年で27歳を迎えるというのにいつまでもマイペースだ。
「じゃあジュピリス殿の言う通り多数決にするとしようか。」
ジュピリスの意見に採用を認めたのはステラージュ国の国王だ。
「セインを学校に通わせることについて、反対の人は天秤の右に星珠を一つ。賛成の人は左に星珠を一つ置いてくれ。」
星珠とはとても貴重な宝石のことで、滅多に取れないため、幻の宙涙とも呼ばれる。
貴族の中では飾ったり装ったりするのに大人気だ。
光の反射によって様々な色に変化する宝石を右に置いたのは、〈霧の魔女〉、続いて左に星珠を置いたのは〈天上の魔術師〉、またもや左に星珠を置いたのは〈鉄壁の赤戦士〉、12使徒達が次々と天秤に星珠を置いた。
―結果右が左よりも少し上がっていたため、セインを学校に通えるようにした。
11人は納得したが、1人だけ心残りがありそうな瞳をしている者がいた。〈星影の魔女〉リシア・ゼフィラはなにか切なげのような"感情"を隠してこう呟いた。
「学校、―か。」
投稿まで一ヶ月間長引いてしまって申し訳ないです。
これからはもう少し投稿頻度を上げていくつもりです。
さて、今回は結構長めでした。
次の次くらいで最初の方の出来事や主人公の物語がスタートします。最後まで見ていただき、本当に感謝しかないです。
これからも夜巡りの星継者をよろしくお願いいたします。




