その世界の名は「セレスティア」
「おや。久しぶりの客人だ。こんばんは客人さん。自分の名はポラリス。
ここは六億八千三百十一万三百四十三番の【冥域】という死人しか行けない場所さ。
え?死んだのかって?そう、きみは死んださ。
まぁ自分はきみの逝因は知らない。でも【冥域】に来たということはまだ心残りがあるようだ。
だから転生というかたちになるかな。というか【冥域】に来たのなら本人が望まなくとも転生というかたちになるけどね…。
『きみはどこから来たんだい?』
なるほど、地球という星から来たのか……その生命力の量は………
あぁ翠界の星か。翠界の人間は少し生命力が弱いからここまで遠い【冥域】に翠界の人間が来るのは珍しいことだね。さて、
『きみはどこに行きたい?』
どこでもいいって?ふーん…さてはきみ、自分からここに来たって感じか。
まぁそんな不幸な人生を歩んだなら雨紋の星や黎明の星、森語の星でもいいな…。あぁ夜輝の星にするか…。
『はぁ?自分から来たのではなく××った?…誰に?』
………あぁ、そういうことね。あのお方に、か…。きみ、凄いんじゃない?ならますます夜輝の星に向いているじゃないか、
よし、決まりだな。
* * *
今からきみが転生する星は不安定で今にも崩壊しそうな星だ。それでも美しく華やかできみの星にはなかった魔術というものがある世界だ。
その世界の名は「セレスティア」。
* * *
彼が世界の名を言うと同時に目の前に透き通っている石版が現れた。どうやらそれは、設定をするものらしい。
「転生先は北部にある山。転生時の年齢は16歳。魔術は魔法でいいか。あとは自分好みの加護を……。
よし、これでいいか。
…おや、設定をしたところで時間が来たようだ。
詳しいことは転生先の家の机に置いてある本を読むといいさ。
夜輝の星、セレスティアについては大抵のことは書いてあるし、魔物や魔術の使い方についても詳しく書いてある。
ただし、その本はきみが旅をするとき、留守をするとき、いつでも本を手放さないようにしてくれ。誰かに見られるのもアウトね。
『ではまた次の冥域で』
『それではお客様、行先は夜輝の星「セレスティア」。六億八千三百十一万三百四十三番、一等星ポラリスの名にかけて。心ゆくまでにあなたに幸せを』」




