加護
(身長や体重は変わらない。しかし、髪や爪などは成長する…)
ふぅ、と彼女は1息吐くと窓から外を見渡した。
外は少し薄暗くなっていた。
本に集中しすぎて読み耽っていたのだ。
彼女が本を読んで学んだことはたくさんあった。
自分の名前はリシア・ゼフィラ。
誕生日は前世と同じで1月30日。
次に身長は163cm、体重は49kg。
聴力と視力は前世の倍ある。
種族は人間。魔力量は730。
加護は「星宿無尽」「夢現」「神経開花」
他にも自分自身についてたくさん書いてあった。
彼女、いやリシアが学んだことを頭の中で整理していると少し引っかかる点があった。
(加護ってなんだろう?)
特にこの名前である。
「神経開花」はまだ分かるが、何かの技の名前だろうか?
そんなことを考えていると腹からクゥと頼らない音がした。
(お腹減った)
リシアは椅子から立ち上がって、先ほど入った台所へ向かった。
(そういえば、食べ物…。…あったっけ?)
そう不安に思いながら廊下を歩いていると、ちょうど向かおうとしていた台所の方から物音がした。
(?……気のせい?)
少し早足で台所に向かうと、棚から食べ物が散乱して荒れていた。
(よかった、食べ物あったんだ……じゃなくて、なんでさっきまで綺麗だった台所が荒れているの…?)
これじゃあ何も食べられるものがない、と一瞬頭をよぎったが今はそれは関係ない。
この台所を荒らした犯人を見つけなければ。
リシアが犯人を探すこと数分―。
部屋の角にある少し錆びた棚を開けるとそこにいたのは―鼠だ。
(なんでこんな所に鼠が…っていても不思議じゃないよね…)
ここは元居た星とは違うのだ。外を見ると大自然が広がっている。
ここに鼠が忍び込んでもなんら不思議じゃない。
リシアは鼠のお腹を優しく持って外に出した。
(とりあえず、ご飯は後にして台所を整理しよ…)
そう思いながらリシアは袖を捲った。
まずは棚の中を綺麗にする。
次に床に散らばっている野菜や果物をまだ食べれるものは洗って棚に戻し、ダメになった食べ物は再活用するために外の土に深く埋める。
そして―わずか数分で台所が元通りになった。
(ふぅ……終わった。やっとご飯を食べれる…)
リシアは1つため息をし、先程棚に戻した食材を調理台に置いた。
目の前にある食材はトマトに似た赤いものが数個。
芋のようなものが5個。そしてたくさんの果物が2つずつ。
他に食材はなにもなく、調理台は鍋とフライパンに似た平たいもの。
(え…。この種類だけで何をしろと……)
今日は果物があるため保てるが、明日はどうだろうか。
(せめてパンさえ生き残ってくれれば、よかったのに…)
パンなどの食べ物は先程鼠に食べられてしまった。
仕方なくリシアは果物を手に取った。
(これは…なんだろう?パイナップルに少し似てるかも。…食べれるよね、これ…)
この瞬間リシアは生きていくのってやっぱ難しいと改めて実感した。
夜巡りの星継者を読んでいただきありがとうございます。
大変遅くなりました。申し訳ありません。
さて、今回はちょっとした出来事です。
今回のことからリシアはすごく器用だと分かりました。しかし、彼女は鼠が嫌いになったのだとか……。
次回は12月2日に投稿予定です。
これからも夜巡りの星継者をよろしくお願いいたします。




